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看護師のシフト例を徹底解説!2交代・3交代の働き方から1週間のスケジュールまで

看護師のシフト例を徹底解説!2交代・3交代の働き方から1週間のスケジュールまで

看護師のシフト例を徹底解説!2交代・3交代の働き方から1週間のスケジュールまで

看護師のシフトは2交代制や3交代制など複雑で、実際の働き方や生活リズムがイメージしにくいと感じていませんか?この記事では、看護師の様々なシフト例について、具体的な1週間のモデルケースを多数用いて徹底解説します。

2交代・3交代・日勤のみといった勤務形態ごとのスケジュールはもちろん、急性期病棟やクリニックなど職場による違いも詳しく紹介。さらに、それぞれの働き方のメリット・デメリットや、夜勤の回数・希望休といったよくある疑問にもお答えします。

この記事を最後まで読めば、あなたのライフスタイルに合った働き方を見つけるための具体的なヒントが手に入ります。

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1. 看護師の主な勤務形態とシフトパターン

看護師の働き方は、勤務先の診療時間や入院施設の有無などによって大きく異なり、主に「日勤のみ」「2交代制」「3交代制」の3つの勤務形態に分けられます。 これらのシフトパターンは、看護師自身のライフスタイルや健康にも深く関わるため、それぞれの特徴を正しく理解しておくことが重要です。

1.1 日勤のみ|クリニックや外来中心

日勤のみは、夜勤がなく、日中の時間帯に勤務する働き方です。 一般企業の勤務スタイルに近く、生活リズムを一定に保ちやすいのが大きな特徴です。 主な職場としては、入院施設のないクリニックや診療所、病院の外来、訪問看護ステーション、健診センター、保育園、一般企業の健康管理室などが挙げられます。 勤務時間は「8:30~17:30」のように設定されていることが多く、週末が休みになる職場も多いため、家庭やプライベートとの両立がしやすい勤務形態と言えるでしょう。

1.2 2交代制|日勤と夜勤の組み合わせ

2交代制は、24時間を「日勤」と「夜勤」の2つのシフトでカバーする勤務形態で、多くの病院で採用されています。 1回の勤務時間が長くなる傾向にありますが、その分、休日が多く設定されるという特徴があります。 2交代制は、夜勤の時間設定によって主に2つのパターンに分けられます。

1.2.1 12時間ずつの2交代

日勤と夜勤の勤務時間を均等に12時間ずつで分けるパターンです。勤務のサイクルが分かりやすく、シフト管理がしやすいというメリットがあります。しかし、1回の勤務が12時間と長丁場になるため、体力的な負担が大きくなる可能性があります。休憩や仮眠をしっかりとれる体制が整っているかが重要になります。

12時間ずつの2交代勤務時間例
シフト 勤務時間
日勤 8:30 〜 21:00(休憩1.5時間)
夜勤 20:30 〜 翌9:00(休憩1.5時間)

1.2.2 8時間と16時間の変則2交代

日勤を約8時間、夜勤を約16時間とする、現在多くの病院で主流となっているパターンです。 夜勤の拘束時間は長くなりますが、夜勤明けの日とその翌日が休みになる「明け休み+公休」というシフトが組まれやすく、まとまった休息時間を確保しやすいのがメリットです。 一方で、16時間という長時間の勤務は心身への負担が大きく、特に緊急入院や患者の急変が重なると、十分な休憩が取れないこともあります。

8時間と16時間の変則2交代勤務時間例
シフト 勤務時間
日勤 8:30 〜 17:30(休憩1時間)
夜勤 17:00 〜 翌9:30(休憩2時間)

1.3 3交代制|日勤・準夜勤・深夜勤

3交代制は、24時間を「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3つのシフトに分けて勤務する形態です。 1回の勤務時間が約8時間と、2交代制に比べて身体的な負担が少ないのが大きな特徴です。 しかし、勤務時間が頻繁に変わるため生活リズムが乱れやすく、時差ボケのような状態に陥ることもあります。 また、準夜勤では深夜の帰宅、深夜勤では深夜の出勤が必要となり、通勤手段が限られるという側面もあります。

3交代制の勤務時間例
シフト 勤務時間
日勤 8:30 〜 17:00(休憩1時間)
準夜勤 16:30 〜 翌1:00(休憩1時間)
深夜勤 0:30 〜 9:00(休憩1時間)

2. 【1週間のモデルケース】看護師のシフト例をパターン別に紹介

看護師の働き方は、勤務する医療機関によって大きく異なります。特に24時間体制でケアを提供する病棟などでは、交代制勤務が基本です。ここでは、「2交代制」「3交代制」「日勤のみ」の3つの勤務形態について、1週間のシフトモデルと具体的な生活リズムを紹介します。ご自身のライフスタイルと照らし合わせながら、働き方をイメージしてみてください。

2.1 2交代制のシフト例と生活リズム

2交代制は、24時間を日勤と夜勤の2つのシフトでカバーする勤務形態です。1回の勤務時間が長い分、夜勤明けの休みが確保され、休日が多く感じられるのが特徴です。特に16時間夜勤の場合、夜勤明けの日(明け休み)とその翌日が公休になるパターンが多く見られます。

2.1.1 1週間のシフト例(16時間夜勤の場合)

日勤 日勤 夜勤 明け 休み 日勤 日勤

2.1.2 1日のタイムスケジュール例

勤務形態 時間 業務内容
日勤
(8:30〜17:30)
8:30 出勤、夜勤者からの申し送り、情報収集
9:00 ラウンド(巡回)、バイタルサイン測定、環境整備
11:00 ケア、処置、記録
12:00 昼休憩
13:00 午後のラウンド、カンファレンス、記録
17:00 夜勤者への申し送り、残務整理後、退勤
夜勤
(16:30〜翌9:30)
16:30 出勤、日勤者からの申し送り、情報収集
18:00 夕食の配膳・介助、ラウンド
21:00 消灯、巡回、記録、ナースコール対応
0:00 仮眠休憩(2〜3時間程度を交代で取得)
3:00 巡回、記録、翌日の準備
6:00 起床介助、バイタルサイン測定、採血
9:00 日勤者への申し送り、記録整理後、退勤

2.1.3 2交代制の生活リズム

2交代制の生活リズムを整える鍵は、夜勤前後の過ごし方にあります。 夜勤前は、昼過ぎまでゆっくり過ごし、夕方から仮眠をとって出勤に備える人が多いようです。 長時間勤務に備え、心身を休めることが重要です。

夜勤明けは、体内時計をリセットするために朝日を浴びすぎないよう、サングラスをかけて帰宅するなどの工夫も有効です。 帰宅後すぐに長時間の睡眠をとると昼夜逆転しやすいため、3〜4時間程度の仮眠にとどめ、午後は軽く活動するのがおすすめです。 そして、日勤の日と同じ時間に夜の睡眠をとることで、生活リズムを崩しにくくなります。 明け休みと公休を合わせて、旅行や趣味の時間に充てるなど、プライベートを充実させやすいのも2交代制の魅力です。

2.2 3交代制のシフト例と生活リズム

3交代制は、24時間を日勤・準夜勤・深夜勤の3つのシフトで回します。1回の勤務時間は約8時間と身体的負担は少ないですが、勤務間のインターバルが短くなることがあり、生活リズムの調整が難しい側面もあります。

2.2.1 1週間のシフト例

日勤 日勤 準夜勤 深夜勤 明け 休み 休み

2.2.2 1日のタイムスケジュール例

勤務形態 時間 業務内容
日勤
(8:30〜17:15)
8:30〜17:15 基本的な業務内容は2交代制の日勤と同様。検査や入退院対応が中心。
準夜勤
(16:30〜翌1:15)
16:30 出勤、日勤者からの申し送り
18:00 夕食の配膳・介助
21:00 消灯、巡回、記録
22:00 休憩(1時間程度)
0:45 深夜勤者への申し送り、退勤
深夜勤
(0:45〜9:30)
0:45 出勤、準夜勤者からの申し送り
2:00 巡回、体位交換、記録
4:00 休憩(1時間程度)
6:00 起床介助、バイタルサイン測定、採血
9:00 日勤者への申し送り、退勤

2.2.3 3交代制の生活リズム

3交代制はシフトパターンが複雑なため、意識的に生活リズムを整える必要があります。 特に、準夜勤で深夜に帰宅した後や、深夜勤前にいかに質の良い睡眠をとるかが重要です。準夜勤明けは帰宅後すぐに就寝し、できるだけ普段と同じ時刻に起きることでリズムを保ちやすくなります。 深夜勤の前は、日中に活動しすぎず、夕方以降に仮眠をとるなどの工夫が必要です。

勤務時間が短いメリットはありますが、休日が少なく感じたり、深夜帯の通勤が負担になったりすることもあります。 自分の時間を確保するためには、シフトの合間をうまく活用して家事を済ませたり、リフレッシュしたりする計画性が求められます。

2.3 日勤のみのシフト例と生活リズム

クリニックや病院の外来、訪問看護ステーションなどでは、夜勤のない日勤のみの働き方が可能です。 勤務時間が規則的で、週末や祝日が休みになることが多いため、プライベートとの両立がしやすいのが最大のメリットです。

2.3.1 1週間のシフト例

日勤 日勤 日勤 日勤 日勤 休み 休み

※クリニックなどでは、木曜日や土曜日の午後が休診となる場合もあります。

2.3.2 1日のタイムスケジュール例(クリニックの場合)

時間 業務内容
8:30 出勤、朝礼、診療準備
9:00 午前診療開始、医師の診察補助、採血、検査、処置
12:30 昼休憩
14:00 午後診療開始、診察補助、患者への説明、予約管理
17:30 診療終了、片付け、清掃、記録、翌日の準備
18:00 退勤

2.3.3 日勤のみの生活リズム

日勤のみの働き方は、一般的な会社員と同様の生活リズムを保ちやすいのが特徴です。 朝起きて夜眠るという規則正しい生活が送れるため、心身の健康を維持しやすいと言えるでしょう。 家族や友人との予定も合わせやすく、週末はしっかりとリフレッシュできます。

ただし、夜勤手当がないため交代勤務に比べて給与が低くなる傾向があります。 また、外来が混み合った場合などには残業が発生することもあります。ワークライフバランスを重視し、安定した生活を送りたいと考える看護師に適した働き方です。

3. 【職場別】看護師のシフト例と特徴

看護師の働き方は、配属される職場によって大きく異なります。同じ「看護師」という職業でも、病棟の特性や患者さんの状態によって求められる役割や業務内容、そして勤務シフトが大きく変わるためです。ここでは、主な職場別にシフトの具体例と働き方の特徴を詳しく解説します。

3.1 急性期病棟のシフト例

急性期病棟は、大学病院や総合病院などに設置され、緊急入院の患者さんや手術直後の患者さんなど、集中的な治療が必要な方が対象です。 病状が不安定で急変のリスクも高いため、24時間体制での高度な医療と手厚い看護が求められます。 そのため、勤務は2交代制または3交代制が主流です。

業務は非常に多忙で、緊急入院や急変対応で予定通りに進まないことも少なくありません。情報収集や記録のために、勤務時間前に出勤したり、時間外労働が発生したりすることも多い傾向にあります。

3.1.1 ▼変則2交代制のシフト例

時間 日勤の業務内容例(8:30〜17:30) 夜勤の業務内容例(16:30〜翌9:30)
8:30 出勤、夜勤からの申し送り、受け持ち患者の情報収集
9:30 ラウンド(バイタルサイン測定、状態観察)、点滴交換、清潔ケア
11:30 昼食の配膳・介助、配薬
12:30 (交代で休憩) (交代で休憩・仮眠)
13:30 手術出し・迎え、検査介助、カンファレンス 定期的なラウンド、体位変換、点滴管理
16:30 夜勤への申し送り 日勤からの申し送り、情報収集
17:30 記録整理、退勤 夕食の配膳・介助、配薬
21:00 消灯、就寝前のケア、ナースコール対応
0:00 ラウンド、点滴・ドレーン管理、緊急入院対応
6:00 起床介助、バイタルサイン測定、採血
7:30 朝食の配膳・介助、配薬
9:00 日勤への申し送り、記録整理
9:30 退勤

3.2 回復期・療養型病棟のシフト例

回復期リハビリテーション病棟や療養型病棟は、急性期の治療を終え、病状が安定した患者さんが在宅復帰や社会復帰を目指すための場所です。 そのため、主なケアはリハビリテーションのサポートや、食事・排泄・入浴といった日常生活の援助が中心となります。

急性期病棟に比べると、緊急対応や急変は少なく、予定に沿って業務が進めやすいのが特徴です。 そのため、残業も比較的少ない傾向にあります。患者さんとじっくり向き合い、回復していく過程を支援することにやりがいを感じる看護師に向いています。

3.2.1 ▼2交代制のシフト例

時間 日勤の業務内容例(8:30〜17:30) 夜勤の業務内容例(17:00〜翌9:00)
8:30 出勤、申し送り、情報収集
9:00 ラウンド、バイタルサイン測定、リハビリへの送り出し
11:00 入浴介助、清潔ケア
12:00 昼食の配膳・介助、口腔ケア
13:00 (交代で休憩) (交代で休憩・仮眠)
14:00 カンファレンス、レクリエーションの実施 定期的なラウンド、体位変換
16:30 記録整理、夜勤への申し送り
17:00 出勤、申し送り、情報収集
17:30 退勤
18:00 夕食の配膳・介助、口腔ケア
21:00 消灯、就寝前のケア
6:00 起床介助、バイタルサイン測定
7:30 朝食の配膳・介助
8:30 日勤への申し送り
9:00 退勤

3.3 ICU・救急外来のシフト例

ICU(集中治療室)やER(救急外来)は、生命の危機に瀕した重篤な患者さんを対象とする、非常に緊張感の高い職場です。人工呼吸器やECMOなど高度な医療機器に囲まれ、わずかな変化も見逃さない観察力と迅速な判断力が常に求められます。

患者さんの状態が急変しやすいため、2交代制よりも勤務時間が短く、心身の負担を考慮した3交代制を採用する病院が多い傾向にあります。 1人の看護師が受け持つ患者数は1〜2名と少ないですが、その分、全身状態の管理や医療機器の操作など、密度の濃い看護が必要です。精神的な負担も大きいですが、クリティカルケアの専門性を高めたい看護師にとっては非常にやりがいのある職場です。

3.3.1 ▼3交代制のシフト例

シフト 勤務時間例 主な業務内容例
日勤 8:30〜17:15 申し送り、重症患者の全身管理、人工呼吸器などのモニター管理、医師の指示に基づく薬剤投与、検査・処置の介助
準夜勤 16:30〜翌1:15 申し送り、日中に行われた治療の経過観察、家族への対応、救急搬送患者の受け入れ準備
深夜勤 0:30〜9:15 申し送り、定期的なバイタルサイン測定とアセスメント、鎮静・鎮痛管理、医療機器のチェック、早朝の採血・検査準備

3.4 クリニック・外来のシフト例

クリニックや病院の外来は、入院施設がない場合が多く、基本的に日勤のみの勤務となります。 診療時間が決まっているため、カレンダー通りに休めることが多く、ワークライフバランスを重視したい看護師に人気の職場です。

主な業務は、医師の診察補助、採血・注射・点滴、検査の説明や介助などです。 予約制のクリニックも多く、一日の流れがある程度決まっているため、精神的な負担は病棟勤務に比べて少ない傾向にあります。ただし、お昼休みが長く設定されている「中抜け」シフトがある場合や、人気のクリニックでは非常に多くの患者さんが来院し、多忙を極めることもあります。

3.4.1 ▼日勤(中抜けあり)のシフト例

時間 業務内容例
8:30 出勤、朝礼、診療準備(物品補充、清掃など)
9:00 午前の診療開始、診察補助、採血・処置、検査介助
12:30 午前の診療終了、片付け、休憩(中抜け)
14:30 午後の診療準備
15:00 午後の診療開始、診察補助、電話対応
18:30 診療終了、片付け、清掃、記録
19:00 退勤

4. 看護師のシフトに関するよくある質問

看護師の働き方は勤務形態によって大きく異なり、それに伴う疑問や不安を感じる方も少なくありません。ここでは、看護師のシフトに関して多く寄せられる質問について、具体的なデータやルールを交えながら詳しく解説します。

4.1 夜勤の回数は月に何回くらい?

夜勤の平均回数は、勤務形態によって異なります。一般的に、それぞれの勤務形態における1ヶ月あたりの夜勤回数は以下のようになっています。

  • 2交代制の場合:月平均4〜5回程度
  • 3交代制の場合:月平均7〜8回程度

2交代制は1回の勤務時間が長い分、夜勤の回数は少なくなる傾向にあります。一方、3交代制は1回あたりの勤務時間が短いものの、夜勤に入る頻度は高くなります。 なお、日本看護協会は「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」の中で、3交代制勤務の夜勤回数を月8回以内とすることを推奨しています。

4.2 夜勤明けや休日の扱いはどうなる?

シフト制勤務において、「夜勤明け」と「休日(公休)」は明確に区別されます。「夜勤明け」とは、夜勤の勤務が終了した後の時間帯を指し、暦日(午前0時から午後12時まで)の休みが保障されている「休日」とは異なります。 労働基準法では、休日は暦日で与えることが原則とされているため、夜勤明けの日がそのまま法定休日に充てられることは基本的にありません。

例えば、「夜勤入り→夜勤→明け休み→休日」というシフトの場合、夜勤が終わった日(明け休み)は体を休めるための時間であり、その翌日の「休日」が労働基準法上の休日にあたります。

4.3 希望休はどのくらい通る?

希望休がどの程度認められるかは、勤務先の病院や病棟の人員配置、他のスタッフとの兼ね合いによって大きく異なります。一般的には、月に2〜3日程度の希望休が出せるところが多いようです。大学病院や国立病院など、比較的人員に余裕がある職場では、シフトの調整がしやすく希望が通りやすい傾向があります。

ただし、土日祝日や年末年始、ゴールデンウィークなど希望が集中しやすい時期は、全員の希望を通すのが難しい場合もあります。 希望休をスムーズに取得するためには、できるだけ早めに申請することや、他のスタッフと日程を調整するなどの配慮が求められることもあります。

4.4 連勤や連続夜勤のルールは?

看護師の健康と医療安全を守るため、連勤や連続夜勤には一定のルールや目安が設けられています。これらは法律で定められた基準と、日本看護協会が推奨するガイドラインに基づいています。

4.4.1 労働基準法におけるルール

労働基準法では、連勤日数に直接的な上限は定められていません。 しかし、「毎週少なくとも1回の休日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない」と規定されています。これにより、実質的には最大で12連勤までが上限となります。

4.4.2 日本看護協会によるガイドライン

日本看護協会は、法的拘束力はないものの、看護職の心身の負担を軽減し、安全な医療を提供するための指針として「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」を公表しています。 このガイドラインでは、以下のような基準が推奨されています。

項目 推奨される基準
勤務間インターバル 勤務終了後、次の勤務開始まで11時間以上あける
連続夜勤の回数 2連続(2回)までとする
連続勤務日数 5日以内とする
夜勤後の休息 2回連続の夜勤後は約48時間以上、1回の夜勤後は約24時間以上の休息を確保する

これらのルールは、過酷な勤務になりがちな看護師が健康で働き続けるための重要な指標となります。シフトを作成する管理者はもちろん、働く看護師自身もこれらの基準を理解しておくことが大切です。

5. 自分に合ったシフトは?勤務形態別のメリット・デメリット

看護師の働き方は、日勤のみ、2交代制、3交代制と多岐にわたります。それぞれにメリット・デメリットがあり、どの勤務形態が自分に合っているかは、ライフスタイルやキャリアプラン、体力、重視する条件によって大きく異なります。ここでは、勤務形態ごとの特徴を詳しく比較し、自分に最適な働き方を見つけるためのヒントを解説します。

5.1 2交代制のメリット・デメリット

2交代制は、24時間を日勤と夜勤の2つのシフトでカバーする勤務形態です。特に16時間夜勤を採用している病院が多く、1回の勤務時間は長くなりますが、その分休日が多くなるという特徴があります。

メリット デメリット
  • 休日が多く、連休を取りやすい
    夜勤明けの翌日が休みになるシフトが多く、3交代制に比べて月の休日数が多くなる傾向があります。プライベートの時間をまとめて確保しやすく、旅行などの計画も立てやすいでしょう。
  • 給与が高めになる傾向
    1回あたりの夜勤時間が長いため、夜勤手当や深夜手当が多く支給されます。効率的に収入を得たい方にとっては大きな魅力です。
  • 生活リズムを掴みやすい
    勤務パターンが「日勤」と「夜勤」の2種類とシンプルなため、3交代制よりも生活リズムを調整しやすいと感じる人もいます。
  • 1回の勤務時間が長く、体力的負担が大きい
    特に16時間夜勤は、長時間にわたり高い集中力と体力が求められます。仮眠時間があっても、緊急入院や急変対応で十分に休息が取れないことも少なくありません。
  • 夜勤明けの疲労が大きい
    長時間の勤務による疲労が大きく、休日を体の回復に充てるだけで終わってしまうこともあります。
  • 自己管理能力が求められる
    長時間勤務を乗り切るための体力維持や、休日を有効に使うための自己管理が重要になります。

5.2 3交代制のメリット・デメリット

3交代制は、24時間を日勤・準夜勤・深夜勤の3つのシフトでカバーします。1回の勤務時間は8時間程度と、身体的な負担が比較的少ないのが特徴です。

メリット デメリット
  • 1回の勤務時間が短く、体への負担が少ない
    勤務時間が8時間程度と一般的な日勤と変わらないため、2交代制に比べて体力的な負担は軽減されます。勤務中の集中力を維持しやすいでしょう。
  • 平日の日中を有効活用できる
    準夜勤の前や深夜勤の後など、平日の日中に自由な時間ができるため、役所での手続きや銀行、病院の受診、空いている時間帯の買い物などに便利です。
  • 勤務の切り替えがしやすい
    勤務時間が短いため、精神的な切り替えがしやすく、次の勤務に備えやすいと感じる人もいます。
  • 生活リズムが不規則になりがち
    日勤、準夜勤、深夜勤と勤務時間がめまぐるしく変わるため、睡眠サイクルの調整が難しく、生活リズムが乱れやすいのが最大のデメリットです。
  • 休日が少なく、まとまった休みが取りにくい
    2交代制に比べて月の休日数が少なくなる傾向があります。連休が確保しにくく、心身ともにリフレッシュする時間が短いと感じることがあります。
  • 勤務間インターバルが短くなることがある
    「深夜勤」→「休日」→「日勤」のようなシフトでは、実質的な休息時間が短くなりがちで、疲労が蓄積しやすいという問題があります。

5.3 日勤のみのメリット・デメリット

日勤のみは、クリニックや外来、訪問看護ステーション、企業の健康管理室などで採用されている働き方です。夜勤がなく、規則的な生活を送りやすいのが特徴です。

メリット デメリット
  • 規則正しい生活リズムを維持できる
    勤務時間が一定で夜勤がないため、安定した生活リズムを保てます。体への負担が少なく、健康を維持しやすいのが最大の魅力です。
  • 家庭やプライベートと両立しやすい
    土日祝日が休みの職場も多く、家族や友人との予定を合わせやすいのが特徴です。子育て中の方や、仕事以外の時間を大切にしたい方にとって理想的な働き方と言えます。
  • 精神的な負担が少ない
    夜勤による心身へのストレスがないため、精神的に安定して働き続けることができます。
  • 給与が交代制に比べて低い
    夜勤手当や深夜手当がないため、病棟勤務の看護師に比べて給与は低くなる傾向があります。収入を重視する方には向いていないかもしれません。
  • 臨床スキルや経験の幅が限られる場合がある
    クリニックや外来では、病棟のような緊急対応や重症患者の看護に携わる機会が少ないため、アセスメント能力や臨床スキルを磨きたい方には物足りなさを感じることがあります。
  • 人間関係が固定化しやすい
    毎日ほぼ同じメンバーで働くため、人間関係が密になりがちです。良好な関係を築ければ快適ですが、一度こじれると精神的なストレスになる可能性もあります。

6. 【管理者向け】看護師のシフト作成で押さえるべき4つの注意点

看護師のシフト作成は、単に勤務時間を割り当てるだけの作業ではありません。スタッフの健康と安全を守り、質の高い看護を提供するための基盤となる重要な業務です。管理者としてシフトを作成する際には、法令遵守はもちろんのこと、スタッフ一人ひとりへの配慮が求められます。ここでは、管理者が押さえるべき4つの重要な注意点を詳しく解説します。

6.1 労働基準法などの法令遵守

シフト作成において最も重要なのが、労働基準法をはじめとする関連法令の遵守です。 知らないうちに法令違反の状態になってしまうと、是正勧告や罰則の対象となるだけでなく、病院全体の信頼を損なうことにもなりかねません。特に以下の点には細心の注意が必要です。

6.1.1 勤務間インターバル制度の確保

勤務間インターバル制度とは、勤務終了から次の勤務開始までに一定の休息時間を設ける制度です。 働き方改革関連法により、この制度の導入が事業者の努力義務となりました。 看護師の心身の健康を守り、疲労による医療ミスを防ぐためにも、十分な休息時間の確保は不可欠です。 日本看護協会は、ガイドラインの中で最低11時間以上のインターバルを設けることを推奨しています。 例えば、「日勤深夜」のような勤務間隔が極端に短いシフトは、看護師の健康に大きなリスクをもたらすため、原則として避けるべきです。

6.1.2 時間外労働の上限規制

2019年4月から順次施行されている働き方改革関連法により、時間外労働には罰則付きの上限が設けられました。 原則として、時間外労働は月45時間・年360時間以内としなければなりません。 臨時的な特別な事情がある場合でも、以下の上限を超えることはできません。

項目 上限
年間の時間外労働 720時間以内
時間外労働+休日労働の合計(月あたり) 100時間未満
時間外労働+休日労働の合計(2~6ヶ月平均) 80時間以内
月45時間を超えられる月数(年間) 6ヶ月まで

これらの規制を遵守するためには、36協定の適切な締結・届出はもちろんのこと、ICカードや勤怠管理システムなどを活用して、個々の看護師の労働時間を客観的かつ正確に把握することが不可欠です。

6.2 スタッフの公平性と健康への配慮

シフトを作成する上で、スタッフ間の公平性を保つことは、職場の良好な人間関係とチームワークを維持するために極めて重要です。 特定のスタッフに夜勤や休日出勤、負担の大きい業務が偏らないよう、常に配慮する必要があります。 また、スタッフの健康を守る観点から、以下のような点にも注意しましょう。

  • 夜勤回数の平準化:個々の月間夜勤回数に大きな偏りが出ないように調整します。日本看護協会のガイドラインでは、3交代制勤務の場合、夜勤回数は月8回以内が基本とされています。
  • 連続勤務日数の制限:過度な連勤は心身の疲労を蓄積させます。ガイドラインでは連続勤務日数を5日以内とすることが推奨されています。
  • 夜勤の組み合わせ:「深夜勤」の翌日に「準夜勤」が入るような、生活リズムを著しく乱す「逆循環」のシフトは避けるべきです。「日勤→準夜勤→深夜勤」という正循環を基本とすることが望ましいとされています。
  • 夜勤明けの休息:夜勤明けの勤務については、暦日で休日を確保するか、少なくとも24時間以上の休息時間を確保する必要があります。 2回連続の夜勤後には、概ね48時間以上の休息を確保することが推奨されています。

6.3 スキルや経験年数のバランス

質の高い看護を24時間365日提供するためには、各シフトにおける看護師のスキルミックスを考慮することが不可欠です。 新人看護師と経験豊富なベテラン看護師をバランス良く配置することで、新人への教育的なサポート体制を確保しつつ、緊急時にも迅速かつ的確に対応できるチームを編成できます。

特に、医師や他のスタッフが手薄になりがちな夜勤帯では、急変対応能力の高い中堅・ベテラン看護師を必ず配置するなど、より慎重な人員配置が求められます。 各看護師の経験年数、保有資格、能力などを一覧化し、常に全体のバランスを意識しながらシフトを組むことが重要です。

6.4 希望休と人員配置の両立

スタッフのワークライフバランスを尊重し、仕事へのモチベーションを維持するためには、希望休を可能な限り受け入れる姿勢が大切です。 しかし、すべての希望を無条件に受け入れていては、必要な人員配置基準を満たせなくなる可能性があります。 このジレンマを解消するためには、明確なルール作りと日頃からのコミュニケーションが鍵となります。

  • 希望休のルールを明確化する:「希望休は月に○日まで」「提出期限は毎月○日まで」といった具体的なルールを設け、全スタッフに周知徹底します。 これにより、希望が特定のスタッフや時期に集中するのを防ぎ、公平性を担保しやすくなります。
  • 理由のヒアリングと調整:冠婚葬祭や子供の学校行事など、変更が難しい予定がある一方で、調整可能な希望もあります。希望が集中した場合には、個別にヒアリングを行い、スタッフ間での調整を促すことも有効です。
  • 日頃からのコミュニケーション:定期的な面談などを通じて、スタッフ一人ひとりの家庭の事情(育児、介護など)や健康状態を把握しておくことで、シフト作成時にきめ細やかな配慮が可能になります。

7. 効率的なシフト作成にはツールの活用がおすすめ

看護師のシフト作成は、労働基準法などの法令遵守、スタッフ間の公平性、個々のスキルや経験、希望休への配慮など、考慮すべき項目が多岐にわたる複雑な業務です。これらの条件をすべて満たしながら手作業でシフトを作成するには、膨大な時間と労力がかかるだけでなく、ヒューマンエラーによるミスのリスクも高まります。

そこで活用したいのが、煩雑なシフト作成業務を効率化し、管理者の負担を大幅に軽減する「シフト管理システム」です。システムを導入することで、法令違反のリスクを低減し、スタッフ一人ひとりが働きやすい環境を構築することにも繋がります。

7.1 シフト管理システムを導入する主なメリット

シフト管理システムを導入することで、具体的に以下のようなメリットが期待できます。

7.1.1 メリット1:シフト作成業務の大幅な効率化

スタッフの希望休や勤務条件をシステムに取り込むことで、AIなどが最適なシフトパターンを自動で作成します。これまで何時間もかかっていた作成時間を大幅に短縮でき、管理者は本来注力すべきマネジメント業務や看護業務に集中できます。

7.1.2 メリット2:法令遵守と労務リスクの低減

時間外労働の上限規制や勤務間インターバル制度、連続勤務日数など、複雑な労働基準法の内容をシステムが自動でチェックします。意図せず法令に違反してしまうリスクを防ぎ、適切な労務管理を実現します。

7.1.3 メリット3:スタッフの公平性と納得感の向上

個々のスキルレベルや経験年数、役職、希望休などを考慮した上で、特定のスタッフに負担が偏らないよう公平なシフトを自動で割り振ります。これにより、スタッフの不満を解消し、エンゲージメントの向上にも繋がります。

7.1.4 メリット4:急な変更にも柔軟に対応

スタッフの急な欠勤や体調不良によるシフト変更が必要になった場合でも、システム上で迅速に対応できます。ヘルプを募集したり、条件に合う代替スタッフを検索したりする機能を使えば、人員不足にスムーズに対処することが可能です。

7.2 看護師向けシフト管理システムの選び方

シフト管理システムには様々な種類がありますが、看護の現場で活用するためには以下のポイントを確認して選ぶことが重要です。

7.2.1 看護業界特有の勤務形態への対応

2交代制や3交代制はもちろん、8時間と16時間の変則2交代など、自院で採用している複雑な勤務パターンに柔軟に対応できるかを確認しましょう。夜勤手当や危険手当といった各種手当の自動計算機能があると、給与計算の手間も削減できます。

7.2.2 法令や独自のルールを細かく設定できるか

労働基準法だけでなく、「夜勤明けの翌日は必ず休日を割り当てる」「新人看護師とベテラン看護師を必ず同じチームに配置する」といった院内独自のルールを条件として細かく設定できるかどうかも重要な選定ポイントです。

7.2.3 スタッフにとっての使いやすさ

管理者が使いやすいことはもちろん、スタッフがスマートフォンなどから直感的に希望休を提出したり、完成したシフトを確認したりできる操作性の高さも大切です。多忙な看護師がストレスなく使えるシステムを選びましょう。

8. まとめ

本記事では、看護師の主な勤務形態である「2交代制」「3交代制」「日勤のみ」について、具体的な1週間のシフト例や生活リズム、職場ごとの特徴を詳しく解説しました。それぞれの働き方には、メリットとデメリットが存在します。

例えば、2交代制は休日をまとめて確保しやすい一方で1回の勤務時間が長く、3交代制は勤務後の時間は作りやすいものの生活リズムが不規則になりがちです。日勤のみは規則正しい生活が送れますが、夜勤がある職場に比べて給与が低くなる傾向があります。

結論として、どのシフトが一番良いということはなく、ご自身の体力、プライベートで大切にしたいこと、そして将来のキャリアプランを総合的に考慮し、自分に最も合った勤務形態を選択することが、看護師として長く働き続けるための鍵となります。

これから就職や転職を考えている方は、この記事で紹介したシフトの例を参考に、求人情報に記載されている勤務形態をしっかりと確認し、ご自身の希望と照らし合わせてみてください。また、管理者の方は、法令を遵守し、スタッフの健康や公平性に配慮したシフトを作成することが、働きやすい職場環境の実現と人材定着に繋がります。

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