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【足場×DX】足場業界に新たな革命をつくる 「UMWELT」を活用したAIでの機材需要予測

株式会社ASNOVA(以下、「㈱ASNOVA」)は、2022年12月に当社のノーコード予測AIプラットフォーム「UMWELT(ウムベルト)」を機材需要予測として足場業界で初めて取り入れました。今回導入に至った背景や、導入メリット、そして㈱ASNOVAの目指す姿などについて、㈱ASNOVA代表取締役の上田社長と当社代表の長江にインタビューしました。

㈱ASNOVAの「UMWELT」導入に関する詳細は、こちらのプレスリリースをご覧ください。
【プレスリリース】需要予測を自動化して、無駄な在庫を減らして管理コストを削減! ASNOVAがノーコード予測AIプラットフォーム「UMWELT」を導入

プロフィール

上田桂司(うえだけいじ)
株式会社ASNOVA 代表取締役社長。2013年12月日本レンテクト株式会社を設立。2019年12月に商号を株式会社ASNOVAに変更。くさび式足場のレンタル需要に応えるため、徹底した機材の管理基盤を作り上げた。会社設立時から目指していた上場は2022年4月に達成し、今後も事業の拡大を狙う。

長江祐樹(ながえゆうき)
株式会社トライエッティング代表取締役社長兼CEO。名古屋大学大学院工学研究科博士課程前期課程修了、同後期課程在籍中。博士前期課程修了後、米国スタンフォード大学にて客員研究員を務める傍ら、現地のスマートウォッチ開発スタートアップにて一時ジョインし、AIソフトウェア開発支援を行う。アカデミアではAIを用いたハイテク新材料発見技術「Materials Informatics」を専門とする。2016年にトライエッティング創業、代表取締役社長に就任。

「UMWELT」で特定の経験や勘に依存しない機材需要予測を実現

ー ASNOVAさんについて教えてください。

上田:ASNOVAは、「『カセツ』の力で、社会に明日の場を創りだす。」をパーパスに掲げ、くさび式足場のレンタル・販売・足場架払工事を提供しています。安全性が高く、少ない人員でも組み立てが可能な「くさび式足場」を普及させたいという想いを胸に「足場レンタル」を事業化しました。現在、約2,500社のお客様にご利用いただいています。

ー UMWELTを導入する前、ASNOVAさんが足場業界、建設業界として課題だと考えていたことはどんなことでしたか?

上田:業界として人や考え方などが古い体質であることですね。だいたい想像がつきますよね、とにかく古いんですよ。

ですから、私としてはむしろそれがビジネスチャンスでした。初めは「くさび式足場をレンタルするなんてそんなことできるはずがない」と言われ苦難もありましたが、足場レンタルを「普通」にしたかったんです。

そういった業界なので、今回のAIによる自動予測というのはインパクトがあったのでしょうね。

ー 導入前にASNOVAさんが抱えていた課題は何でしたか?

上田:導入以前は、機材センター長がこれまでの経験と勘をもとに発注していました。
ただ、センター長もやはり人なので、材料発注の仕方が人それぞれだったんです。極端にいえば、全体の材料が少ないという事情を鑑みて遠慮して発注をしないセンター長もいれば、不足に備えて多めに発注するセンター長もいた、という感じですね。そういった声の大小を把握しながらも、現場にいないと分からない事情などもあるかと思い、今までは機材センター長の経験と勘に任せていたんです。そのように、特定の担当者に業務負担が偏ることや重要業務の属人化が当時の課題でした。

ー 今回UMWELTを導入した率直な感想を教えてください。

上田:良かったですよ、本当に。お客様にとっては欲しい時に在庫が「ある」か「ない」かなんです。在庫がきちんと揃っていてお客様に喜んでもらえるのが一番なので良かったと感じています。

ー 導入前と導入後で、社員さんの変化や影響はありましたか?

上田:現場で「継続していきたい」という声があがっているということが全てだと思います。現場が喜んでいるということは、お客様の反応も良いということでしょうし、現場での負担もなくなっているのでしょう。

また我々も、より安心して各センターからの発注に対応できるようになりました。今回の導入によって、需要予測のデータをもとにした客観的な判断基準ができたんですよ。センター長の声の大小の影響を受けることなく、公平にまんべんなく配分できるようになり稼働率を高めることができるようになりました。これは、もともと想定していなかった良い効果でしたね。

一部のお取引先やある特定の経験や勘など、一つのものに依存しないという企業体質を目指していましたので、その点でも大きな効果だったと思います。

長江:判断する側も、発注をかける側も、決裁をする側も、AIの予測結果を基準にできますもんね。基準をもとに「〇〇の事情からプラス何%欲しいです」などの調整も現場で行いやすくもなりますよね。AIでの予測を基準として使っていただいて、良い意味で「AIのせい」にしていただけたらと思います。

ー 導入の際に障壁はありましたか?

上田:導入の際に障壁はほとんどなかったと思います。

長江:今まで担当の方がやってきた予測のログが残っていたこともあり、そのログとUMWELTでの予測を検証段階でしっかりと比べることができました。その比較をもとに「良い」というご判断いただけたという点で、障壁はなかったのかなと思います。ログが残っていれば、それと比べて「運用に乗せられる」と判断しやすくなりますので、「よくぞログを残していてくださった!」と感じていました。

新しいことを「何でもやっちゃえ」

長江:幅広い業種のお客様に使っていただける「UMWELT」ですが、中でもASNOVAさんはお取り組みのスピードが速い印象でした。これは、何が秘訣なのでしょうか?

上田:僕はいつも「何でもやっちゃえ」と考えているんです。早く失敗したいんですよ。じっくりじっくり溜めてドーンと失敗するよりも、早く失敗したほうがダメージが少ないですからね。

長江:大切ですね。ASNOVAさんは、プロジェクトにアサインされるメンバーの皆さん揃って素晴らしいですが、どうしたらそうなるのでしょうか?会社が大きくなるにつれて、社員コミュニケーションや文化の醸成のボリューム感も大きくなっていくかと思いますが、どうやってクリアされていらっしゃるのでしょうか?

上田:皆その場で判断しているんだと思いますよ。そのほうが社員のやりがいにもなりますし、働いていて面白いですからね。社員の皆も、最適な答えなのかがわからない時こそ、挑戦してみて早く失敗して前に前に進んでいってほしいと考えています。優等生すぎて失敗が少ないメンバーには、もっともっと失敗してもいいんだよと思いますね。

長江:失敗できるカルチャーというのは大事ですよね。トップが「失敗させないように何とかしなきゃ」と考える会社も多い中でとても素晴らしいなと感じます。「もっと試して、もっともっと失敗して、もっと試行回数を回して」というお言葉に、私達も背筋が伸びます。

売上が大きくなって組織が大きくなっていく中でも、「自分が責任取るからどんどん試せ」と言える社長と、それを実行できるメンバーが揃っているということは凄く理想的ですよね。

上田:自分自身が事業立ち上げの当事者なので、挑戦して失敗することの大切さが一番分かりますからね。大変な時期には考える暇もありませんでしたが、逆にそれが良かったと感じています。考えれば考えるほど足も止まってしまいますし、「これはやらないほうがいいよね、あれはやらないほうがいいよね」と安全牌をとってしまいますからね。

やるしかなかったから、事業が成り立っていったんだと思います。この感覚は、やってみないとわからないですよね。ガンガンお客様のところに行って、どんどん試して、失敗して怒られて、実行して、初めて何かを実現できる、達成できると考えています。

足場業界の未来に向けて

ー 足場レンタル事業で会社を設立されて、わずか10年で業界大手になり、上場企業まで成長できたポイントはどこにあると思いますか?

上田:やはり、社会性があったということですよね。結局は、抱えている社会課題に向き合ってやってきたということだと思います。お客様が悩んでいて、それに対して向き合ってきただけなので、今後も世の中にたくさん残っている悩みに1つ1つ向き合っていくだけだなと感じています。

ー 現在、さらなる成長のためにASNOVAさんが取り組んでいることなどはありますか?

長江:くさび式足場は、普段あまり意識していなくても実は我々の生活の近くにあって、しかも鳶職の方々の安全を支える大事な役割を担っていますよね。そしてそれがレンタルで回っているなんて、とてもエコで持続可能的です。ASNOVAさんの今後のビジョンについてお伺いしたいです。

上田:現在、様々な社会課題が原因で、足場そのものが世の中にとにかく足りないんです。

例えば豪雨や台風があり瓦が吹き飛んでしまったという状況の時には、どうしても足場が必要ですよね。けれどそこで、「足場が用意できるのが1ヶ月後です」と言われたら、住んでる人にはたまらない話です。どんどんタイルが剥がれている時に「足場が全然足りなくて、工事が半年後になってしまいます」というわけにはいかないんですよ。

全ての工事は、足場を組み立ててからスタートします。社会を支えるためにはどうしても足場が必要なんですよね。

ですから、足場を提供するということに使命感を持って取り組んでいます。「欲しい時に近くで借りて足場を組むことが出来る」という状態を作ることに社会的使命を持ち、我々はそのまま突き進んでいけたらと思っています。

また、弊社は昨年ベトナムの現地法人を設立しました。足場レンタルは、アジアの中で日本が特に成功しています。ですので、社会や環境にも非常に優しい日本のこの足場レンタルという文化をもっともっと普及させていきたいと考えています。

長江:「明日の場を創る」って、とてもシンプルで良い言葉だなって思っています。私達も「明日の未来を今日つくろう」を創業当初からスローガンとしているので、とてもシンパシーを感じているんです。「明日の場」を創るって、まさに「足場の在庫管理」に大きく関わる言葉だなと。

私達は、予測を行う会社でございまして、予測は足場と同じで全ての最初なんです。予測がないと商品を作ることも始まりませんよね。ですので、リアルタイムに大きな計算をして精度の良い予測を、メーカー、卸、小売店など幅広いお客様にご提供することが弊社が抱える社会的使命だと感じています。
そのなかで、ASNOVAさんの社会的使命に向けた取り組みを、私達が微力ながらフォローできているのかなと思うと、とても嬉しいですし、非常にやりがいに満ちています。

私達で共に、明日の場を、明日の未来を今日創っていけたらと思います。

ー 足場業界の持続的な成長に向けて、ASNOVAさんが目指す姿について教えてください。

上田:足場業界は、実は魅力的な業界なんですよ。足場は建物が完成すると撤去されてしまうものですから、儚くてとても地味ですが、世の中に不可欠ですよね。新築でもリフォームでもほぼ全ての現場は足場からスタートし、足場がなければ始まりません。そのような大きな役割を担う足場業界の素晴らしさを、もっと世の中の人に知ってもらう必要があるなと考えています。

今回のAI需要予測のシステムの活用や、オウンドメディア「カケルバ」での取り組みなども、知ってもらうため、興味を持ってもらうための一つのきっかけになればと思っています。

「人がいない、人材不足だ」と言われている業界だからこそ、もっと興味関心を持ってもらう、若い人にこの業界でちょっと働いてみようかなと思ってもらえるよう努力していけたらと考えています。

この対談は、株式会社ASNOVA様とのコラボレーション企画となっています。
株式会社ASNOVA様のオウンドメディア「カケルバ」では、上田社長と長江が「名古屋×企業」をテーマにお話しする対談記事が掲載されています。この記事と併せてぜひご覧ください!
【名古屋×企業】名古屋から世界を目指すASNOVAとトライエッティングの想い|ASNOVA公式オウンドメディア『カケルバ』

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