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AIアルゴリズムの種類とは?機械学習とディープラーニングを解説

 

AIを活用することで生産性を高められることに、近年注目が集まっています。AI活用で頻繁に出てくる「アルゴリズム」という単語。実は、多くの種類とその活用法があります。今回はAIアルゴリズムの活用を検討している方に、AIアルゴリズムの種類をご紹介します。

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AIのアルゴリズムとは大量のデータを計算する方法


AIを活用するにおいて、アルゴリズムとは何かを理解しておく必要があります。そこで、アルゴリズムの意味や、アルゴリズムの重要性などについてご紹介します。

1.アルゴリズムとは

アルゴリズムとは、コンピューターにおいて何らかの計算を行う場合のやり方や手順を示す言葉です。コンピューターはいくつもの簡単な選択肢を折り重ねることにより複雑なプログラムを構成していますが、この選択肢に該当するのがアルゴリズムと言えます。

2.アルゴリズムの重要性

AIは膨大なデータの処理や分析を行うために、データからパターンや特徴を発見します。そのパターンや特徴を表現するためのモデル構築を行うのですが、その役割をアルゴリズムが担います。つまり、アルゴリズムはAIが学習する過程において非常に重要な役割を担う技術なのです。

3.アルゴリズムの処理方法

アルゴリズムが処理できるデータとして数値、自然言語、音声、画像などが挙げられます。AIのアルゴリズムは構造化されたデータを扱うため、音声や画像などはアルゴリズムが正確に処理が行えるよう数値に置き換える必要があります。そうして数値化されたデータはAIにより特徴の抽出とパターンの発見、モデル構築を行い、その後自動的に認識処理をします。

機械学習のアルゴリズムの種類


機械学習とは、コンピュータがデータに潜むパターンや傾向を掴んで、そこから未知のデータの予測や判別といったことができるようになるAI技術の1つです。ここからは機械学習におけるアルゴリズムの種類や用語ついて、教師あり学習と教師なし学習に分けて解説します。

1.教師あり学習

教師あり学習とは、情報と正しい判断をセットにしてコンピュータにデータのパターンを学習させる手法です。データのパターンを学習させたモデルを利用し、未知のデータの特徴を見出すことが可能となります。以下では教師あり学習において利用されるアルゴリズムの種類や用語をご紹介します。

ランダムフォレスト

ランダムフォレストは分類における代表的なアルゴリズムで決定木と呼ばれるものを利用します。決定木では、「しきい値」という分類するための数値を設定して分類を処理します。データをしきい値の条件を満たす場合と満たさない場合によって枝分かれさせ、樹形図を作成することが特徴です。ランダムフォレストでは、決定木によって導かれた複数の結果から、多いものを選んで最終的な出力を決めます。このように、決定木を利用することで精度の悪い結果を除外して全体の精度を維持することが可能となっています。

ロジスティック回帰

ロジスティック回帰も分類を行うアルゴリズムです。線形回帰を応用しているため回帰という名称ですが、実際には分類に使われます。目的変数が「Yes(=1)」もしくは「No(=0)」になる問題を基本的に扱い、数字で表せる変数から数値で表せない変数を予測する際に、目的変数が「1」になる場合を予測します。分析結果が0から1の範囲になるため、結果を理解しやすいことが特徴です。

Elastic Net

Elastic Netは回帰のアルゴリズムです。機械学習では、学習をしすぎることにより未知のデータに対応できなくなる過学習が発生する場合があります。そこでElastic Netでは、過学習を防ぐための処理(正則化)を行います。外部の影響で変化を阻止する内的な仕組み(ロバストネス)を兼ね備えていることと、予測の性能が高いことが特徴です。

サポートベクターマシン(SVM)

サポートベクターマシン(SVM)は、分類と回帰の両方で利用できるアルゴリズムです。分類と回帰で計算方法は異なりますが、分類では非線形な識別を容易に行い、精度の高い結果を出せる識別能力の高さが特徴です。一方、回帰においてはサポートベクター回帰(Support Vector Regression)と呼ばれ、変数が多い非線形な問題解決の手法です。

線形回帰

比較的単純なモデルである線形回帰は、線に沿わせてデータを分布させる手法で、データを直感的に理解することが可能です。売上予測などのビジネス利用をはじめ、スポーツの分析など多分野において活用することができます。

正則化

正則化法は、機械学習における過学習を防ぐ手段として活用されています。主に回帰法を拡張した手法で、学習データを広げ過ぎず、なおかつ過学習を起こしにくい学習モデルを構築できるのがメリットです。

決定木

決定木は意思決定をサポートするために用いられるグラフで、回帰木や分類木とも呼ばれています。何かをするかしないかの問題解決を木構造にするのが特徴です。特に決定木は、複雑な意思決定データの表現を簡単に構造化するために役立ちます。

k近傍法(k-NN)

機械学習アルゴリズムの中で、最も単純とされているのがk近傍法です。既に答えが分かっている問題を教師あり学習していく手法で、遅延学習として分類されています。k近傍法では、学習データをベクトル空間上にプロットしておき、データの距離によって分類を行います。

ナイーブベイズ

ナイーブベイズは、確率論の定理であるベイズの定理を基にしたアルゴリズムです。与えられたデータから全ての推定の確率を計算し、最も確率の高い結果を出力できます。ナイーブベイズのメリットは、単純でありながら強力であるため、データセットが大きくても活用することができることです。高速な計算ができ、少しのトレーニングデータで高い性能を出す事も可能です。

ニューラルネットワーク(NN)

ニューラルネットワークとは、人の脳神経系ニューロンを数理モデル化した予測技術です。パラメータと呼ばれる変数の調整を行うことで人が望む結果により近づけることができます。ニューラルネットワークにも種類があり、最も広く用いられているものにディープニューラルネットワーク(DNN)があります。ニューラルネットワークを多層に重ねた深層学習モデルで、大きな規模でも構築可能です。

パーセプトロン

ニューラルネットワークの一種であるパーセプトロンは、1957年にアメリカの研究者によって考案されたアルゴリズムです。複数の入力に対して、しきい値によって0か1のどちらかを出力する関数です。

2.教師なし学習

教師なし学習とは、正解がない状態でデータから共通する特徴を持つグループを見つけたり、データを特徴づける情報を抽出したりする手法です。ここからは、教師なし学習に関連するアルゴリズムや用語について解説していきます。

クラスタリング

クラスタリングは似ているデータを集め、データ構造を発見する教師なし学習の予測技術です。クラスタリングの代表的なアルゴリズムとしては、k平均法や混合ガウス分布、スペクトラルクラスタリングなどが挙げられます。

樹形図

樹形図は階層クラスタリングの手法で、似ているものを順にまとめてクラスタにし、最終的には枝分かれしたチャートで表現します。クラスタ間の距離を測定する方法として、ウォード法、群平均法、最短距離法、最長距離法があります。

K平均法(K-means)

K平均法は教師なし学習の代表格のアルゴリズムです。教師なし学習では分類にあたっての基準や評価は与えられていないため、最初に座標上に散らばったデータのクラスタリングを行いたい場合などでK平均法がよく用いられます。

DBSCAN

DBSCANもデータを複数にクラスタリングを行うアルゴリズムの1つです。Density-based Spatial Clustering of Applications with Noise (DBSCAN)という名前のDensityは密度という意味で、データの密度を利用してクラスタリングを行う方法です。

主成分分析

主成分分析は、多種類のデータを要約するのに便利な手法です。データの要約ができればデータの特徴も見分けやすくなり、応用も可能となります。全体を見通しやすい1つから3つくらいの次元に要約し、可視化しやすい形式にすることができるのが主成分分析の特徴です。

非負値行列因子分析(NMF)

非負値行列因子分析は、データの持つ重要な特徴を抽出するためによく用いられる手法です。人が理解しやすい成分に分解されることがメリットで、複数の人の会話から元の成分を特定したいときなどに活用することが期待できます。

トピックモデル(LDA)

トピックモデルは、文書データや音声、画像データからトピックを抽出して説明するモデルです。単語などの出現頻度などからトピック同士で似た部分や意味を解析することで、潜在的なニーズに基づく情報を届けたり、時系列でトピックの話題を追跡することが可能です。

自己組織化マップ(SOM)

自己組織化マップはフィンランドの研究者によって提案されたニューラルネットワークアルゴリズムで、大きく分けて2種類あります。1つはデータが入力されるたびに学習されるため、後から入力されたデータが比重を占めやすくなるオンライン学習モデルです。2つ目はBL-SOMで、全データを各ニューロンに分類してからそれぞれ同時学習をおこなうのが特徴です。

アソシエーション分析

アソシエーション分析は同時に行われることなどの分析をする時に便利です。顧客ごとに蓄積された取引データを分析することで、セットで購入されている商品の関係性やルールなどを抽出することができます。

ディープラーニングのアルゴリズム


ディープラーニングとは、教師データを与えずに試行錯誤し選択した行動の価値を、最大化するように学習を進める方法の強化学習です。ディープラーニングは画像認識や自然言語処理などで優れた成果を挙げています。ここからは、ディープラーニングのアルゴリズムについて解説します。

1.畳み込みニューラルネットワーク(CNN)

畳み込み層とプーリング層という構造持ったニューラルネットワークです。畳み込み層で画像の特徴を抽出し、プーリング層で局所的な特徴を画像全体の特徴にまとめます。画像そのものを覚えるのではなく、画像の特徴のみを抽出して覚えることで画像の位置ずれなどに対応することが可能です。

2.再帰型ニューラルネットワーク(RNN)

音声データは時間と共に変化するデータで時系列データと呼ばれます。再帰型ニューラルネットワークでは、この時系列データをうまく扱えるように時間軸方向に結果をフィードバックすることで、時間に依存しない特徴を取り出すことができます。

3.LSTM(Long Short Term Memory)

再帰型ニューラルネットワークでは、時間が少し前のデータのみ学習することができます。これまでは、長時間の時系列データは扱うことができませんでした。しかしLSTMは記憶層を導入することで、長時間の時系列データを扱うことを可能にしました。

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まとめ

AIのアルゴリズムは種類が多く、目的に応じて最適なアルゴリズムを選択し利用する必要があります。AIの導入を手軽にしたいのであれば、UMWELTを検討してみてはいかがでしょうか。

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