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AI(人工知能)とは?導入するメリットや活用方法・実用事例を紹介

 

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「AI(人工知能)をどのように活用するか」は、あらゆる企業の課題です。実際、さまざまな業界・業種でAIが活用されています。しかし、AIについて詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、AIに関する基礎知識、導入するメリット、活用方法、実用事例などを詳しく解説します。

▼社内のデータをAI化するには?
ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)

AIに関する基礎知識


AIは、映画・アニメでも登場する機会が多い言葉です。実際に身の回りで広く活用されていますが、どのようなものなのか理解している方は意外に少ないのではないでしょうか。ここでは、AIの概要やこれまでの歴史を解説します。

AI(人工知能)とは

AIに明確な定義はありません。広く浸透している認識は、ソフトウエアを用いて人間における知的行為の一部を人工的に再現したものです。

人間は五感で得た情報を脳内で処理し、推測・判断します。一方のAIは、センサーなどから得た情報を蓄積した大量のデータと照らし合わせ、最適な行動を選択します。

現状のAIは、特定の情報を判断するものがほとんどです。エンターテインメント作品に出てくるロボットのキャラクターのように、人間と同じまたは人間以上に何でも考えられるAIは実現されていません。

これまでの歴史

AIの歴史は、1956年、科学者が集まって開催された「ダートマス会議」というワークショップにさかのぼります。ダートマス大学教授のジョン・マッカーシー氏がAI(人工知能)という言葉を初めて使い、多くの科学者が研究するようになりました。

1960年代の第一次AIブームでは、パズルや迷路のような単純な問題を解決できるAIが次々と考案されています。しかし、現実の社会問題を解決するほどの実用的な活用には至らず、ブームは終わりました。

1980年代の第二次AIブームでは、エキスパートシステムが開発されています。これはAIに知識を与え、複雑な課題解決を実現するシステムです。

しかし、この時点でのAIは自ら学習できなかったため、与える大量の知識を人間が収集する必要がありました。結果、2000年代の第三次AIブームまで、AI研究は収束してしまいます。

第三次AIブームの到来

2000年代から現在に至るまで、第三次AIブームの真っただ中です。第三次AIブームには3つのポイントがあります。

ひとつは「機械学習」「深層学習」など、AI技術の進化です。これにより自動運転、画像認識、音声認識が実現しました。

次にデータの増加です。AI技術の活用に必要な大量のデータを、企業内だけで集めるには限界がありました。しかし、2010年頃からIT機器やソーシャルネットワークからもデータを取得可能になり、AI研究が加速しています。

最後が、情報処理能力の向上です。AIの精度には、コンピューターの計算能力が影響します。半導体チップ・GPUの性能向上により、高度な計算が可能になりました。

AIの学習方法とAIとの関係性


AIと関連する言葉に「機械学習」と「深層学習」があります。機械学習は特にAIと同じもののように感じるかもしれませんが、これらはAIの学習方法です。

それぞれどのような方法なのか、また、AIとどのような関係性にあるのかを確認しましょう。

1.機械学習

機械学習とは、コンピューターに人間のように学習する能力を与える手法です。統計的確率に基づき、明示的なプログラム以上の範囲を実行可能にします。

機械学習は「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3種類があります。教師あり学習は、人間がコンピューターに与えた例題と模範解答に沿った学習手法です。売上予測や画像分類など、明確な問題解決に使われます。

教師なし学習は、AI自身の行動から蓄積したデータを基にした自発的な学習手法です。顧客セグメンテーションなど、データのグループ化に使用されます。

強化学習はAIが置かれた環境の中で成功と失敗を繰り返し、最適解を見つけ出す方法です。自身の行動から得たデータを蓄積・分析する点では、教師なし学習の一部といえます。活用例は、ゲームや自動運転です。

2.深層学習

深層学習(ディープラーニング)とは、多層構造のニューラルネットワークを用いた機械学習の手法です。画像認識、音声認識、自然言語処理などに活用されています。

ニューラルネットワークは脳の神経回路を数学的に表した手法で、音声・画像など非構造化データのデジタル化が可能です。多層化したニューラルネットワークは、より複雑な問題にも対処できます。

AIとの関係性と違い

AIを実現するための手法が機械学習、その機械学習を実現する手法が深層学習です。AIはデータを学習することで機能し、学習方法がAIの精度につながります。

機械学習はデータを基にルールやパターンを発見し、推測と判断の精度を自ら高める仕組みです。

従来ルール・パターンを発見するためには「特徴量」と呼ばれるヒントを、人間が与える必要がありました。深層学習はコンピューターだけで特徴量の検出を可能にし、機械学習の効率と精度を大きく高めます。

AIはなぜ必要なのか

AIが必要な理由には、社会問題や安全保障問題が関係しています。日本を含めた多くの先進国が高齢化問題を抱えています。自動運転車で高齢者の生活を支えるため、増大する医療コストを削減するためにAIを役立てられます。

また、先進国はテロ対策として、カメラやセンサーによる監視型社会に変わりつつあります。人と物を正しく監視し、テロ・事故・犯罪・病気を未然に防ぐ手段としてAIが必要でしょう。

他にも、ビジネスの精度を上げるために、AIによる作業の自動化と正確なデータ分析が求められています。

AIの用途と活用方法


AIの定義や仕組みを理解しても、具体的にどのようなことが可能になるのかイメージできない方もいるのではないでしょうか。実際、身の回りのさまざまな場面でAIが活用されていますが、用途で分類すると3つです。ここでAIの用途と身近な活用方法を紹介します。

AIの用途

AIの用途は以下の3つです。

・予測
・識別
・実行

AIはデータを分析し、未来の事象を予測できます。売上など具体的な値を予測する「数値予測」、ユーザーの閲覧情報などからその人に合ったコンテンツを予測する「ニーズ・意図予測」、似た目的を持った個人を予測する「マッチング」があります。

識別は、情報の判別・仕分け・理解を目的とした用途です。識別には画像認識や音声認識を活用します。

AIにおける実行は、実際にコンピューターが作業を行うことです。デザイン・文章などの表現生成、最適化された作業の自動化に活用します。

身近な活用方法

予測、識別、実行それぞれの、身近なAI活用方法は以下のとおりです。

用途 活用方法
予測 過去のデータからスポーツの試合結果や競馬順位を予想する。
過去の株式、為替相場の動向から今後の変動を予測する。
過去の広告反響から今後効果が期待できる広告を予測する。
識別 大量の画像データを学習し、自動で画像内の物体を特定する。
作成した文章の誤字・脱字を自動でチェックする。
車に搭載したカメラ・センサーで危険運転を察知し警告する。
MRI、レントゲン画像、内視鏡カメラから癌を発見する。
実行 自然言語を学習し、英文などを自然な形で翻訳する。
清掃ルートを学習し、ロボットが自律的に最適な清掃を行う。
会話のパターンを学習し、自動通話やチャットボットとして顧客と会話する。

AIを導入するメリットと将来性


AIを導入するメリットは豊富にありますが、AIが社会に浸透することで発生するデメリットもいくつかあります。AIとの共存を目指すためには「デメリットをどのように解決するか」が今後の課題です。

業務にAIを取り入れる前に、AIを導入するメリットと将来性を理解しておきましょう。

導入するメリット

AIを導入するメリットは以下のとおりです。ビジネスと日常生活、両方のシーンでメリットを享受できます。

・労働力不足の解消、生産性の向上
人間が行っていた業務をAIで代用できれば、労働力不足を解消できます。また、人間のようにスキル・経験・体調・モチベーションに依存しません。正確に業務を遂行してくれるため、生産性向上につながります。

・人材の有効活用、安全性の向上
ルーティン作業などをAIに置き換えれば、人間は強みを生かせるクリエイティブな作業に集中できます。自動運転などのAIを活用すれば、人間では危険が伴う場所での作業も可能です。

・データ分析の精度向上
AIは、大量のデータを高い精度で分析・予測できます。より有効な経営戦略やマーケティングを実現できるでしょう。

・技術の伝承
一般的に言語化が難しい技術は、マニュアル化が困難です。しかしAIは技術者のデータを蓄積し、ノウハウをマニュアル化できます。これにより希少価値の高い技術も伝承が可能です。

人間の仕事がなくなる?

米国のレイ・カーツワイル氏は「2045年にAIはシンギュラリティーに到達する」と提唱しています。シンギュラリティーとは、AIが人間の脳と同レベルに到達する基点です。以前から「AIが人間を上回ると人間の仕事がなくなるのでは」と懸念されていました。

実際にAI技術は発展し、活用して業績を上げる企業は増えるでしょう。しかし、まだAIと人間の脳には大きな差があるため、シンギュラリティーを危惧する声はおさまっています。

今後の課題

AIを今後推進するにあたって2つの大きな課題があります。

ひとつは倫理問題です。動画内の人物を別人に差し替えるなど、AIを悪用するケースが見られます。

またAIで広告の最適化を試みる際には、個人の情報を企業が収集する仕組みです。プライバシーの侵害と深刻に考える人もいるため、ユーザーに配慮した情報収集・管理が求められます。

もうひとつは、責任の所在です。例えば完全自動運転車が事故を起こした場合、事故の責任は「運転手が負うのか」「メーカーが負うのか」を明確にする必要があります。

AIには苦手分野もある

現状、AIはゼロからの創造や感情の読み取りが苦手分野です。小説の創作ツールもあれば感情認識AIの開発も進んでいるため、まったくできないわけではありません。

しかし、人間に近いレベルの性能は備わっていない状況です。心理カウンセラー・小説家などは、AI推進後も仕事を奪われにくいと予想できます。

AIの活用事例


まだ人間の仕事が奪われるまで至っていませんが、実際にさまざまなビジネスにAIが活用されています。ここで、業界別のAI活用事例を6つ見てみましょう。

製造業

製造業では、在庫管理・梱包・仕分け作業の自動化や画像認識による不良品の識別にAIが活用されています。製造業は人手作業によって起こるミスが大きな課題でした。AIを活用すればヒューマンエラーを回避し、高水準で製造品質を管理できます。

利益向上と設備保全にもAIが有効です。製品の需要予測、工場内設備の故障時期予測にAIが使われています。

建設業

建設業では人手不足が深刻化しているため、作業の自動化にAIが活用されています。特に資材の搬入・搬送は多くの人数と機械が必要な作業です。自動搬送システムを使えば、AIが最適なルートを判断し自律的に運んでくれます。

建設業は、危険な場所で重機を使う仕事です。自立制御型機械を使えば無人で作業が可能なため、災害現場などでのリスクを回避し、安全性を向上させます。

農業

農業は天気の影響が大きい仕事です。米国で開発されたAIシステムには、気象データや衛星画像など、複数の統合データを分析するものがあります。正確な育成状況・収穫予想データを提供してくれるため、農作業の効率化に有効です。

また、画像認識機能を搭載したドローンを活用した事例もあります。上空から害虫を認識すると自動で接近し、農薬を散布する仕組みです。農薬使用量と廃棄作物を削減してくれます。

小売業

小売業では、発注作業に時間と手間がかかること、予測需要には長年の経験が必要なことを解決するために、AIが活用されています。

AIの需要予測機能を使えば、スピーディーに最適な商品数の算出が可能です。発注作業にかかるコストを大幅に削減し、品切れによる購入機会の損失や廃棄商品を減らせます。

問い合わせが多い小売業では、チャットボットも重要な機能です。24時間いつでも問題解決をサポートできるため、顧客満足度の低下を抑えられます。

マーケティング

マーケティング領域では、販売促進を目的としたパーソナライズにAIが活用されています。パーソナライズとは、ユーザーの趣味や行動履歴に合わせた情報提供です。AIがユーザーのニーズを分析し、最適な商品を提案します。

アウトドア用品のECサイトでは、質疑応答形式で最適な商品を提案する機能が搭載されています。ユーザーが従来のECサイトにはない「接客」を感じられる点もメリットです。

『UMWELT』でAIを導入しよう


AIを導入するにも「社内でAIに詳しい人がいない」「大きなコストはかけられない」などの悩みを持った方がいるのではないでしょうか。

TRYETINGのノーコードAIクラウド『UMWELT』であれば、難しい知識がなくてもビジネスにAIを活用できます。ここでUMWELTの魅力と成功事例をご確認ください。

業務効率化とコスト削減を両立できる

UMWELTのノーコード予測AIプラットフォームは、需要予測、在庫管理、自動発注、自動シフト作成など豊富な機能を備えています。あらゆる分野の業務効率化を実現可能です。

従来のAIシステムと比べて導入期間を75%、導入コストを90%削減できます。クラウドを介する仕組み上、特別な環境を準備する必要はありません。

ノーコードAIは、アルゴリズムを組み合わせるだけで運用できるため、AIに関する知識やプログラミングスキルも不要です。導入から運用までスムーズに実行できます。

成功事例を紹介

仮設機材のレンタルサービスを行っているASNOVA様は、需要予測・在庫管理のためにUMWELTを導入しています。

ASNOVA様は2022年6月時点で約92億円のレンタル資産を保有しており、属人化や適正在庫の管理が大きな課題でした。

UMWELTの活用により、数分で約300種類ある商品の需要予測が可能になっています。失注を抑え、例年に比べ機材の稼働率を大幅に向上させました。

『【ASNOVA様】UMWELT活用事例|需要予測を自動化して、無駄な在庫を減らして管理コストを削減|TRYETING』

まとめ

人間の知的行為を再現するAIは、1956年から現在まで発展を続けています。第三次AIブームである現在は、機械学習や深層学習を取り入れ幅広い分野でAIが活用される時代になりました。

まだ人間の仕事を奪うまでには至っていませんが、AIをうまく使いこなせれば企業の発展につながります。

TRYETINGのノーコードAIクラウドUMWELTは、初心者の方でもスムーズに運用できます。無料相談も受け付けていますので、ぜひお問い合わせください。

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