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DX人材育成の現状と課題とは?育成推進によるメリットや注意点を紹介

 

経済産業省は、DX推進に取り組まない企業は2025年以降に大きな経済損失が発生すると試算しています。DXを推進するには人材が欠かせませんが、どのように人材を育成すればよいのでしょうか。

この記事では、DX人材の現状や育成方法を解説します。最後まで読めば、スムーズなDX推進に役立つでしょう。
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ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)

DX人材育成の現状

DX人材は企業がDXを進める上で欠かせない存在ですが、需要が高く、供給が間に合わない状況です。ここでは、DXの定義とDX人材の現状を解説します。DXとDX人材に関する基本的な知識をしっかりと理解しましょう。

DX人材とは

経済産業省が策定したデジタルガバナンス・コード2.0では、DXを「企業がデジタル技術、データを活用して顧客・社会ニーズを基にした製品・サービスを変革すること、業務を変革して競争上の優位性を高めること」と定義しています。

DX人材は、企業がDXを進める上で必要なスキルやマインドを持ち、変革をリードできる人材のことです。

DX人材が不足している

国際経営開発研究所が発表した「世界デジタル競争力ランキング2022」によると、世界的に見ても日本のデジタル化は遅れています。世界デジタル競争力ランキングとは、世界63の国と地域を対象に、デジタル技術をどれほど活用しているかを示すものです。

日本は63の国と地域のうち、29位でした。2021年は28位で、2017年の調査開始以降、過去最低ランクを記録しています。

順位に影響しているのが、IT人材とデジタル技術、スキルの不足です。経済産業省が2016年に発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」によると、今後IT人材の需給が大きくなり、2030年には最大79万人程度不足する可能性があると予測しています。

このような理由から、日本ではDX人材の育成が重要といえるでしょう。

DX人材の役割

デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革するには、以下の5つの人材が必要です。

・ビジネスアーキテクト
DXの目的設定と目的達成に必要な関係者の協働関係構築を担います。

・デザイナー
ビジネス・顧客視点を総合的に捉え、製品・サービスの方針を策定する人材です。

・データサイエンティスト
データの収集や分析、活用戦略の策定を担います。

・ソフトウエアエンジニア
デジタル技術を用いた製品・サービスの提供に必要となるシステムやソフトウエアの設計・保守・管理を担う人材です。

・サイバーセキュリティー
セキュリティー対策の実施と管理をします。

DX人材育成の現状の課題

既存社員からDX人材を育成するには、以下5つの課題があります。

・DX人材に必要なスキルや経験があいまい
海外と比べると、日本はDXに関する認知度が低く、DXの方向性が定まらない企業もあります。方向性が定まらない状態で人材育成に取り組んでも、必要なスキルがあいまいで、良い結果にはつながりません。

・学習方法が不明
必要なスキルが分かっても「どのような学習方法にするのか」「効率の良い学習方法は何か」という問題に直面することがあります。

・自主的に取り組まない
企業がどれだけ力を入れても社員が積極的に取り組まなければ、育成に時間がかかります。

・得たスキルを実務に生かせない
学習で学べるのは基本的な知識です。実務で経験を積みながら成長する必要があります。

・ビジネスの変革につながらない
DX人材を育成しても業務のデジタル化で止まっては、DXは実現できません。事業計画や戦略策定など、さまざまな取り組みが必要です。

DX人材育成のメリットは?


企業が既存社員をDX人材へと育成するにはさまざまな課題がありますが、社員だからこそのメリットもあります。時間をかけてまで育成するメリットには、何があるでしょうか。ここでは、DX人材を社内で育成する3つのメリットを紹介します。

システムを一元管理できる

自社のシステムを把握している社員がいれば、事業と経営の状況を考慮した上で、最適なシステムを構築しやすいというメリットがあります。

システムは構築して終わりではなく、改修・アップデートを繰り返しながら運用しなければなりません。システムの一貫性を保つためにも、DX人材の育成が大切です。

社内のDXを推進できる

DX推進は、特定の部署だけではなく、全ての部署が連携して取り組むことが大切です。企業独自の文化やスタイル、業務内容を熟知した社員がDX推進をリードすると、組織改編に対応しやすく、企業全体の変革をより早く進められるでしょう。

自社に合ったDXを実現できる

現場の状況や経営ビジョン、顧客についてよく理解している既存社員を育成するため、業務内容に合った最適なDXを進められます。

既存社員の育成は時間とコストがかかりますが、DXがうまく進めば革新的なサービスが生まれ、生産性と競争力のアップにつながるでしょう。

DX人材育成・確保の効果的な方法とステップ


DX人材は需要が高く、企業はどのような方法で人材を確保するかが課題です。競争を避けるなら既存社員の育成が最適な方法ですが、日常業務に追われて育成が困難な場合もあるでしょう。そのような場合、DX人材の採用や外部人材の活用がおすすめです。

ここでは、DX人材の育成方法と確保する際のポイントを解説します。

DX人材を採用する

DX人材は、人材市場において高い需要が続いています。採用する場合、どのようなスキルを持つDX人材を求めているのか、採用後の担当を考慮してターゲットやビジョンを明確にしましょう。

あいまいなまま採用活動をすると、本来求めている人物像とのミスマッチが起こり、離職につながる恐れがあります。

多くの応募者を集めたいなら、自社が魅力的な企業であることをアピールすることが大切です。報酬・待遇面・職場環境・企業理念などから、「入社したい」「能力を発揮できそう」といった動機付けとなる要素を洗い出しましょう。

DX人材を育成する

社員をDX人材に育成する際は、座学・OJT・ネットワーク構築といった3つの方法があります。

座学は、社外講師の講演やハンズオン講座(体験学習)が効果的です。AIをはじめとしたデジタル技術だけでなく、マインドセットも学べます。

OJT(On the Job Training)は、座学で学んだスキルやマインドセットを実務で使いながら育成する方法です。手本を見せる(Show)、作業の目的・手順を説明する(Tell)、やってもらう(Do)、フィードバックする(Check)の順で行います。

社外とネットワークを構築することで、新たな情報の入手が可能です。社外コミュニティーへの参加など、情報交換する機会を設けましょう。

外部人材を活用する

外部人材とは、企業に属さないフリーランスとして活動している専門家です。企業の抱える課題にマッチした、専門性の高いスペシャリストを確保できるメリットがあります。期間限定の契約など、必要な期間に絞った活用も可能です。一時的に契約する分、無駄な費用を使わずに済みます。

社内のDX人材では気付けなかった課題も、外部人材の客観的な視点で見つかるかもしれません。

企業のDX人材育成の事例を紹介


DX人材の育成は、どのように取り組めばよいでしょうか。育成イメージが浮かばない場合、成功事例を参考にするのがおすすめです。ここでは、独自の育成プログラムを立ち上げた企業など、DX人材の育成が進んでいる企業の事例を3つ紹介します。

ダイキン工業株式会社

空調事業を展開するダイキン工業株式会社は、2017年12月にダイキン情報技術大学と呼ばれる社内講座を設立しました。先端研究機関や教育機関から講師を招き、AI技術開発講座や新入社員対象の講座といった幅広い内容の講義を行います。

新入社員や既存社員だけでなく、幹部層・役員層も対象です。2021年度末時点で1,000人のデジタル人材を育成しました。2023年度末には、1,500人の育成を達成する見込みです。

キリンホールディングス株式会社

酒類・清涼飲料の製造と販売を行うキリンホールディングス株式会社は、DX人材育成のために独自のプログラム「キリンDX道場」に取り組んでいます。プログラムを通して、社員のスキルとデジタルリテラシーを向上するのが目的です。

デジタル活用やデータサイエンスの基礎を生かした解決策を考えられる「白帯」、デジタルテクノロジーを活用した業務効率化ができる「黒帯」、DX推進をリードできる「師範」の3コースがあります。

この取り組みは2021年7月に始まり、2024年までに1,500人のDX人材を育成するのが目標です。

日清食品ホールディングス株式会社

チルド食品などの製造・販売を行う日清食品ホールディングス株式会社は、「DIGITIZE YOUR ARMS」というスローガンを掲げ、社員のデジタルスキル向上に取り組んでいます。取り組みの一環として目指しているのが、システム開発の内製化ができる体制の構築です。

内製化に向けて、少ないソースコードでアプリケーションの開発が可能なローコード開発ツールを導入しました。事業部門で開発を完結できるようになり、社員の成功体験につながっています。

DX人材育成に関する注意点


DX人材は需要が高く、新たに採用するのは難しいことも考えられます。自社でDX人材を育成する場合でも、単に専門知識を学べばよいわけではありません。自社でDX人材を育成しようと考えているなら、ここで紹介する2つの点に注意しましょう。

アジャイル開発を導入する

アジャイル開発とは、ひとつのプロジェクトを複数に分け、機能単位など小さなサイクルで計画・実装・テストを繰り返す開発手法です。ソフトウエアやシステム開発で用いられる手法ですが、人材育成にも応用できます。

アジャイル型で人材を育成すると、まだ低い育成段階にいる人も小規模のプロジェクトから入れるため、成功体験を得やすい点がメリットです。

育成の過程を可視化・共有する

DX人材を育成する際は、あらかじめ育成の目的を社内に伝え、育成中の過程も可視化して共有することが大切です。共有することで、さまざまな部署から育成のサポートを受けられるでしょう。

また、社員のモチベーションアップにも効果的です。成功体験を共有すれば、新たな価値を生み出すことにもつながります。

「UMWELT」で人材不足の解消とDX推進ができる!


DX人材は、育成と採用のどちらも手間や時間、コストがかかります。既存の社員でDX推進を目指すなら、TRYETINGの『UMWELT』がおすすめです。UMWELTは、専門知識がなくとも利用できるノーコードAIツールです。ここでは、UMWELTの特徴と企業の導入事例を紹介します。

効率化を図り人材不足に対応

UMWELTは、在庫管理や自動発注、需要予測など業務効率化に役立つ機能を備えたノーコードAIツールです。プログラミング言語やAIの専門知識がなくても利用でき、新たなDX人材の育成・確保が必要ありません。

UMWELT導入後は、データ分析の専門家カスタマーサクセスによる伴走サポートがあります。「データ処理が思うようにできない」「UMWELTの使い方が分からない」といった課題も、カスタマーサクセスが解決までサポートするため安心です。

UMWELTの導入事例

菓子類を製造する春日井製菓株式会社様は、在庫管理や生産管理に用いる需要予測の属人化が課題でした。特定の担当者しか需要予測の指標を出せず、業務の引き継ぎもできない状況です。

UMWELT導入後は、カスタマーサクセスのサポートもあり、3か月で実務に使えるモデルが固まりました。AIによって空いた時間は、他部署との連携などAIには困難な領域に時間を割く方針です。

(参考: 『【春日井製菓様】UMWELT活用事例|ノーコードで予測業務を簡単にし、属人化を撤廃|TRYETING』

まとめ

DX人材は、企業のDX推進に欠かせません。しかし、日本は世界的に見てもデジタル技術を活用できる人材が不足しています。

DX人材を確保するには、「既存社員を育成する」「DX人材を採用する」といった方法がありますが、思うように育成・採用できないこともあるでしょう。

DX人材確保の手間を省くなら、TRYETINGのUMWELTがおすすめです。UMWELTなら業務効率化の機能を使い、DX推進に取り組めます。お気軽にお問い合わせください。

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