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BUSINESS

生産性向上の取り組みをすべき理由とは?必要なアプローチと事例を紹介

 

高齢化と人口減少が進む日本では、企業にとって安定的な人材確保がますます難しくなっています。対策として生産性の向上に取り組む企業が増えていますが、期待通りの成果が得られないケースもあるでしょう。

この記事では、生産性に関する基本的な事項から生産性向上のためのアプローチ方法や実際の取り組み事例について解説します。取り組みを始める際に押さえておくべきポイントやコツも紹介します。

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生産性向上の取り組みをすべき理由と現状


生産性向上の取り組みを行っている企業は多くありますが、実際に期待する目標を達成するのは容易ではありません。着実に成果を得るための最初の一歩として、基本を理解することが重要です。ここでは、生産性の定義や生産性向上が求められる背景、取り組みの現状を解説します。

生産性とは?

生産性とは、企業活動で投入した資源(人的資源・機械・原材料・エネルギーなど)に対して、製品やサービスといった生産物がどの程度であったかを示す指標です。生産性は、以下の計算式で表せます。

生産性=生産物(output)/投入資源(input)

少ない資源で多くの生産物を生み出せば、生産性が高いといえるでしょう。生産性向上は一定の資源を最大限活用し、できるだけ多くの価値を生み出すことを意味します。

日本の労働人口が減少

生産性向上が求められる最大の理由は、少子高齢化社会で労働力人口が減少していることです。厚生労働省が2022年4月に公表した労働力調査によれば、2022年の平均労働力人口は6,902万人で、前年比で5万人減少しています。

また、15歳から64歳までの生産年齢人口は1995年をピークに減少を続けており、将来増加に転じる見込みは立っていません。

今後の人手不足がますます厳しくなると考えられていることから、女性・高齢者・外国人の労働参画を促進するとともに、AIやIoTなどの革新的な技術を使用した労働者1人当たりの生産性の向上が求められています。

取り組みを行っている企業はどのくらい?

人手不足は最近始まった問題ではなく、以前から対策の必要性が叫ばれていました。そのため、すでに生産性向上に向けた取り組みを始めている企業もあります。

株式会社ジャストシステムが2019年に実施した「生産性向上に関する実態調査」によれば、生産性向上に取り組んでいると回答した会社員は38.7%でした。しかし、このうち十分な効果が出ていると回答したのは21.6%で、大部分は「効果がない」「出ているが少ない」と回答しています。

ビジネスの生産性向上で期待される4つのメリット


今後の社会は、人手不足やコスト増加といった変化の激しい環境になるといわれています。その中で、生産性向上の取り組みは企業の長期的な発展に役立つでしょう。取り組みの目的や最適な手段は企業によってさまざまです。ここでは、生産性向上が企業にもたらす主なメリットを4つ解説します。

他企業との競争力の強化

生産性の向上にイノベーションを取り入れると、低コストで高品質な製品やサービスを生産できます。競合企業より付加価値の高い製品やサービスを提供すれば、市場での競争力強化につながるでしょう。

また、不要な業務の削減や作業の自動化を推進すると、従業員は創造的な仕事に専念できます。人的資源を新たな価値創造に集中させることで、長期的な成長が実現するでしょう。

コスト削減

生産性向上の有効な手段として挙げられるのが、既存業務を見直し、不要な業務を削減することです。現在の生産プロセスをひとつひとつ可視化し、重複する無駄な作業や並行できる作業を関係者全員で確認します。個人ではなく、部門や組織全体で行うのがポイントです。

無駄な作業を排除し、組織全体の業務プロセスを効率化することで、人件費や工場設備の運用コストの削減が期待できるでしょう。

従業員の満足度向上

単純作業の自動化や業務効率の改善により、従業員は今までより短時間で作業を完了できます。その結果、アウトプットの質が良くなり、生産性も向上するでしょう。会社から評価され、昇進・昇給につながります。

生産性向上により残業が少なくなると、自分の趣味や自己啓発に充てられる時間が増えます。多くの時間を使ってリフレッシュし、新たなスキル開発にチャレンジできるため、従業員の仕事に対する満足度は向上するでしょう。

クライアントの満足度向上

生産性向上で従業員の一人一人の負担が減り、業務遂行に余裕ができると、自分の担当領域を超えた広い視野で行動できます。

これまで他の従業員への確認や取り次ぎが必要だった顧客対応が、自分一人で完結できるだけでも効果的といえるでしょう。その結果、顧客対応が迅速になり、顧客視点のサポートが提供できれば、顧客満足度の向上につながります。また、短納期・低コストで高品質な製品を提供することも、満足度向上に役立つ要因です。

生産性向上の取り組みに必要な6つのアプローチ


生産性向上を実現する方法は、企業によってさまざまです。しかし、どのような企業でも取り組みを始める前に理解しておきたいポイントがあります。

むやみに業務に変更を加え、新たなツールを導入するより、あらかじめ主要なポイントを把握することで成功率が高まるでしょう。ここでは、生産性向上に役立つ6つのアプローチを紹介します。

事業コンセプトの明確化

生産性向上の取り組みを始めることで、事業のさまざまな領域で変化が起きます。ただし、それぞれの現場が独自に取り組みを進めると、かえって企業全体の生産性は落ちるかもしれません。

このような事態を避けるために、取り組みを始める前には事業のコンセプトを明確化し、社内で共通理解を得ることが重要です。自社の製品やサービスは社会のどのような課題解決に役立つかを考え、従業員が最適な作業や働き方を常に考える風土が必要といえるでしょう。

プロセスの改善

組織全体で既存プロセスを見直しましょう。対象となるプロセスひとつひとつの作業を書き出し、詳細に可視化します。重要なのは、実際に作業を担当する従業員が参加することです。

可視化した業務を確認し、排除できる無駄な作業はないか、作業の流れをスムーズにする新たな手順はないか、全員で改善のためのアイデアを見つけます。企業全体が見直しの対象になる場合もあれば、特定の部署のプロセスにフォーカスするケースもあります。

従業員の教育・トレーニング

従業員のスキル向上は、生産性向上に直結します。新たな知識・スキルの獲得により作業スピードが向上すれば、単位時間当たりの生産量が増えるでしょう。

ただし、個人のスキルアップだけでは大幅な向上は見込めません。従業員全員がスキルアップできるような研修や従業員同士の意見交換会を定期的に設けるのが有効です。スキルに応じた配置の見直しも生産性向上につながります。従業員のモチベーションや満足度も向上するため、教育の一環として検討しましょう。

ワークライフバランスの見直し

近年、働き方の多様化により、自分のライフスタイルを再考する傾向が強まっています。仕事とプライベートのバランスを重視し、長時間残業が常態化した職場や休暇取得率の低い職場を敬遠する人も増えました。

従業員の残業時間を減らし、休暇を取りやすい環境を実現することで、仕事への高いモチベーションを維持できます。従業員のワークライフバランスに配慮する企業に魅力を感じる人も多いため、新たな人材の獲得にも効果的です。

リーン生産方式

世界中の企業が採用している「リーン生産方式」は、トヨタ生産方式を基に再構築された生産管理手法です。この手法は、あらゆる企業が活用できるようになっており、生産性向上に非常に有効です。

リーン生産方式の目的は、製造プロセスの無駄を徹底的に排除し、生産性を向上させることです。この手法では、「必要なものを必要な時に必要な分だけ作る」という考え方であるJust In Time(JIT)が重要な基盤となっています。製造プロセスを最適化するために、リーン生産方式は活用されます。

自動化・デジタル化の推進

単純作業を自動化し、クリエイティブな作業に専念できる体制を構築することも、生産性向上につながるアイデアです。例えば、定型メールの送信はITが得意とする作業のひとつです。

RPA(Robotic Process Automation)などのツール導入により事務作業を自動化すれば、作業に携わる従業員は別の作業に従事でき、アウトプットの増加が期待できます。

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生産性向上の取り組みで成功した2つの企業事例


生産性向上に向けた取り組みを計画するとき、何から手を付けてよいか分からないと悩む企業も多いでしょう。ここでは、過去に成果を挙げている実例を2つ紹介します。これらの企業が抱えていた課題と解決策は、今後の具体的な取り組みの参考になるでしょう。

業務管理システムの導入

情報サービス業を営む熊本県のある企業では、日報の作成業務と出退勤管理業務に重複する作業があり、報告が非効率という課題を抱えていました。無駄な作業を削減し、生産性の向上を図りたいと考え、導入したのが新たな勤怠管理システムです。

その結果、日報の作成と出退勤管理を統合でき、1か月当たり平均6時間の報告作業の削減に成功しています。管理者が従業員の残業時間や有給取得率を把握できるようになり、負荷の高い従業員をフォローしやすくなりました。

ラベルプリンターの導入

飲食料品小売業を営む青森県のある企業では、商品に貼るラベルの作成や印刷作業で利用する機器の操作が煩雑で、特定の従業員しか操作できないのが課題でした。

誰でも簡単に操作できる新しいラベルプリンターを導入したところ、ラベルの作成や印刷に要する時間が1/6に短縮し、従業員を他の新事業開始のための業務へ配置できました。また、生産性向上により従業員の賃金引き上げも達成しています。

ITや自動機器導入による生産性向上の取り組みの問題点と対策


これまで多くの企業が生産性向上に取り組むためにITシステムを導入しました。これらは一般的に高額な費用がかかり、導入にも長い期間を要します。また、導入後に必ず成果が出るとは限らず、問題に直面するケースもあるため注意が必要です。

設備機器の老朽化

生産性向上の手段として、企業内ではさまざまな設備機器やIT機器が使用されています。これらの機械・機器は定期的に更新することで効率を維持できますが、費用の確保が難しく、古いものを長く使い続けることもあるでしょう。

しかし、古くなった装置は処理速度が遅くなり、故障の頻度も増えるため、現場の作業効率が低下する原因となります。また、メンテナンスに必要な費用も増えるため、生産性向上を妨げる要因となるでしょう。

自動化でのデジタルディバイド

電子データや自動化の推進といった新しい技術の活用が進むと、デジタルディバイドの問題が生じます。これは、デジタル機器やITに慣れた人材とそうでない人材の間に存在する情報格差のことです。デジタルディバイドが顕著な企業では、新たに高度なデジタルツールを導入しても、操作できない人が多ければ生産性向上は見込めないでしょう。

AIツールの活用を目指す場合、専門知識が必要な製品ではなく、なるべく誰もが簡単に利用できるものを選ぶことが重要です。

ノーコード「UMWELT」を導入して生産性向上を成功させよう

生産性向上にはデジタルツールの活用が効果的です。近年さまざまな自動化ツールやAI機能を搭載したソフトウエアが登場しています。しかし、高度な知識が必要なツールはデジタルディバイドを生み、生産性の向上を妨げる恐れがあります。

そこでおすすめなのが、TRYETINGの『UMWELT』です。操作に高度な専門知識は不要で、既存の従業員で十分対応できます。社内データを利用したAIによる需要予測など、ノーコードで高度なデータ処理が可能です。

まとめ

生産性向上は、企業が長期的に競争力を維持・強化するために必須の取り組みです。しかし、取り組みを行ってきたにもかかわらず、期待する成果が挙げられない企業もあるでしょう。

デジタル化の推進に伴い、業務の自動化やデータを活用した生産性の向上が進んでいます。AIなど高度な技術を利用したツールもありますが、その多くは操作に専門知識が必要です。

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