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AI研究にはどのような分野がある?活用事例や課題を徹底解説

 

第3次AIブームとも言われる現在。アメリカを中心に世界規模でAI(人工知能)に関する研究が行われています。再び熱を帯びるAI研究についての最新動向と、企業がそうした最先端技術をどのように導入しているのかといった活用事例、そして実際に存在する課題について解説していきます。

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AI研究とは人の知能を理解する開発


AI(Artificial Intelligence)は、人工知能ともよばれます。人工知能の研究は、人が行う知的な振る舞いを参考として、これを人工物で実現しようとするもので、計算機の出現と同時に始まったとされています。人の知能を理解するという人工知能研究の対象は、極めて広いものです。

人間の知能を理解する研究は大きく分類すると、脳の信号処理、情報処理を明らかにすることを目指した脳神経科学的アプローチと、人間の行動や意思決定からその仕組みを理解する、認知科学的アプローチに大別されます。特に近年、機械学習やディープラーニングといった人工知能の特定分野が発展し、それに伴って様々な観点でのアプローチを取る研究が進められています。

AIの研究分野


AIの研究分野は、実際に実用化されているものから先端技術として研究されているものまで様々です。AI研究には、「人間の知能そのものをもつ機械を作ろうとする立場」と「人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする立場」の2つの立場があります。実際の研究のほとんどは後者であり、人工知能の研究といっても人間のような機械を作っているわけではないとされています。

1.アルゴリズム

一般的にアルゴリズムは「計算方法」を意味しますが、広い意味では「問題解決の手法や手順」です。AIを計算処理を基盤とした現実的な機能として考えます。このとき人工知能が認識できるデータと、アルゴリズムによって解決できる範囲には以下があります。

  • 数値:天気予報、販売や株価の予測、異常検知や予知保全、健康状態の追跡など
  • 言語:翻訳の自動化、チャットボットによる応答、文章の作成支援など
  • 音声:音声認識、音声データからテキストの書き起こしなど
  • 静止画や動画:顔認識、OCRによる手書き文字の認識、自動運転、CG制作など

AIのアルゴリズムは構造化されたデータを扱うため、音声や画像などは数値に置き換える必要があります。数値化されたデータは機械学習で特徴の抽出とパターンやモデルを構築し、その後は自動的に認識処理をします。人工知能は、人間と同じようにデータによって言語や空間などをパターン化して認識しています。ただし、統計学などの計算が用いられている点で人間とは異なります。

2.エキスパートシステム

エキスパートシステムとは、専門知識のない素人あるいは初心者でも専門家と同じレベルの問題解決が可能となるよう、その領域の専門知識をもとに動作するコンピュータシステムのことです。システムは専門家の代わりに、特定の分野に特化した知識を基に推論をおこない、専門家のようにアドバイスや診断をおこないます。エキスパートシステムは、専門家が答を導く手順を真似たものであり、知識と問題解決処理とを分離独立させた、通常のプログラムとは異なる独特の構造をしています。

3.音声認識

音声認識とは、文字通り、人が発した“音声”をコンピュータに“認識”させることを目指した技術領域ですが、もう少し具体的に言うと、人間が話す音声を音(空気の振動)として測定し、そこから得られた波形データを解析、文字データに変換するための技術です。Amazon Echo(Alexa)やGoogleアシスタント、AppleのSiriなどのスマートスピーカーの存在も日常的に使われるようになってきましたが、AIによる音声認識が進化したことで、声だけで機械を操作したり、会議の議事録を効率よく作成するといったことが実現されてきています。

4.画像認識

画像認識とは、画像のなかに一体何が写っているのか、コンピューターや機械などが識別する技術です。画像から色や形といった特徴を読み取り、その特徴をさまざまな学習機に入れて新たな画像を認識できるようにしたパターン認識技術の1つです。写真を検索にかける画像検索や、ディープラーニングとの併用によって複雑な特徴を捉えることが可能になり、猫や犬といった生物の画像を認識する技術など、現在さまざまな分野で活用が進んでいます。

たとえば人間の写真であれば、目や鼻といった顔のパーツの情報から、それが顔だと認識する技術。スマホやカメラの顔認識技術がまさに画像認識技術を応用したものです。機械でこの認識を再現するとなると大変難しく、今まで多くの研究がなされてきました。そして近年、コンピューターやインターネットの普及でようやく精度が上がってきました。

5.感性処理

感性処理とは、人とコンピュータのよりよいインタフェースを目指して、数値・論理・知識など従来の情報処理の対象でなく、直観・イメージ・感性といった主観的な情報を扱う技術分野です。私たちがどういう気持ちで情報機器と接しているのかといったリサーチに始まり、情報機器と接するさまざまなシーンにおいてアンケートなどで情報収集、収集した情報を解析して数値化・モデル化します。

情報機器は、数字や言語に加えて、画像や音楽、ユーザーの感性までも取り扱うことができるようになりつつあります。ユーザーの好みや個性に合わせて情報を提供し、より人にとって使いやすく、暮らしを楽しくするシステムへと進化しつつあります。

6.機械学習

機械学習とは、コンピューターが大量のデータを学習し、分類や予測などのタスクを遂行するアルゴリズムやモデルを自動的に構築する技術です。人工知能を機械学習の側面から整理すると、教師あり学習、教師なし学習、強化学習、ディープラーニングの4つがあります。機械学習は、現在のAIの中核技術であり、ディープラーニングも機械学習の一部です。

7.ゲーム

ゲームAIは、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)として自律的に動くキャラクターだけでなく、メタAI・キャラクターAI・ナビゲーションAIの3つの種類に分類することができます。メタAIは、ゲームの監督のようなもので、プレイヤーの動きをみて、敵キャラクターを出現させたり、ゲーム環境を変化させたりします。つまり従来、人の手によって作られていたゲームデザインやバランス調整AIが技術によって可能になりました。

キャラクターAIは、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)などの脳にあたる部分です。自らゲーム内の環境を認識し、意思決定をすることで自律的に行動します。ナビゲーションAIは、ゲーム内の地形を認識し、キャラクターAIやメタAI、そしてプレイヤーに対して経路をナビゲーションするAIです。私たち人間は環境を目などの器官を通じて認識し、自らの経験と推測によって、経路を割り出すことできます。人にとっては簡単なことでも、AIにはこの経験や推論を実装することは困難となります。そのため、このナビゲーションAIが、ゲーム内の通れる道や、目的に応じた場所へのナビゲーションします。

8.推論

推論とは、分類や識別をしたいデータを、「学習」で生成しておいた「推論モデル」に当てはめて、その結果を導くプロセスです。例えば、未知の写真から、その特徴を抽出し、「推論モデル」にその特徴を照合します。そして、ネコの特徴の組み合せパターンから作られた推論モデルが、最もその特徴パターンに近いと判断すれば、「ネコ」という推論結果を出力します。

9.探索

探索は、第1次AIブームで研究が進んだもので、基本的な手法として「幅優先探索」と「深さ優先探索」というものがあります。幅優先探索では、あるノードから隣接している全てのノードを探索するという方法で、影分身的に探索を行うので、最短距離でゴールにたどり着くことができます。しかし複雑な迷路になるとメモリ不足で処理ができないというデメリットがあります。

深さ優先探索は、あるノードから行き止まりのノードまで突っ走り、行き止まりにぶつかったら、1つ手前の分岐ノードまで戻って次の行き止まりまで探索を行うという方法です。この場合、解が見つからなければもう一つ手前に戻って探索をし直すので、メモリはあまり使わない一方、ゴールしたとしてもそれが最適な解であるとは限らない上、早く終わるかはその探索木次第と言えます。

10.知識表現

人間の持つ知識をAIにも分かるよう機械語に記述する手法として、「知識表現」と呼ばれるものがあります。人間が扱う情報は、私たちの中に単なる記号として存在しているのではなく、ほかの記号と結びつくことで“知識”となっています。しかし、人間の知識の中にある情報同士の関係性はより複雑で、そのままではAIが意味のある情報として扱うことができません。したがって、「知識表現」によって知識・情報を構造化し整理する必要があるのです。

11.データマイニング

データマイニングとは、膨大なデータから有益な情報を見つけ出す手法の総称です。AIによって適切にデータを活用するには、膨大なデータから本当に価値があるものを発掘する必要があります。例えば、テキストマイニングといった、単語の使用頻度や単語同士の関係性を明らかにする手法で、データから有益な情報を獲得することができます。

AI研究者と研究分野


AI研究者においては、個の力がブレークスルーを起こすことが多いとされています。ここでは、現在最先端を走るAI研究者とその研究分野について解説します。

1.日本の研究者

中国・清華大学の世界で影響のあるAI研究者2000人のリスト「AI2000」には、8人の日本人研究者が掲載されています。音声分野でリストアップされた中谷智広氏は、NTTコミュニケーション科学基礎研究所で上席特別研究員として活動しています。亀岡弘和氏も同研究所に所属し、研究しています(東京大学大学院客員准教授としても活動)。他に、山岸順一氏(国立情報学研究所コンテンツ科学研究系教授)、小野順貴氏(首都大学東京システムデザイン学部情報科学科教授、2020年4月より東京都立大学に名称変更)がリストに上がりました。

同じく音声分野でリストアップされている渡部晋治氏は、ジョン・ホプキンズ大学に所属します。渡部氏もNTTコミュニケーション科学基礎研究所の出身で、中谷氏らとともに研究活動を行いました。また、「コンピューターシステム」分野にリストがある井上浩明氏は、NECのデータサイエンス研究所で研究に取り組んでいます。「情報検索と推論」分野でリストに上がった日本人研究者は、松尾豊氏と松尾氏の研究室の関係者です。松尾豊氏は、東京大学大学院の教授で、現代の人工知能開発で急速に注目を集めてきたディープラーニング技術の第一人者として、テレビ出演や書籍の執筆で知られています。榊剛史氏は松尾研究室の出身で、ホットリンクと東京大学で活動しています。

2.海外の研究者

海外のAI研究のトップランナーとして挙げられるのは、グーグルとバイドゥ、世界2大検索エンジンの両方に関わったとされるアンドリュー・ウン氏と、アイフライテック総裁、胡郁(ユー・ウー)氏です。グーグルがシリコンバレーにAIの研究所を立ち上げる際、設立メンバーに加わったウン氏は、その後バイドゥに移籍しました。ウン氏のAI研究は、フェイスブックやマイクロソフトに多大な影響を与え、2社はその後、AI研究に巨大投資をするようになったとされています。現在は製造業に関心を向け、工場の完全自動化や完全無人化を実現するAI技術の実用化に猛進しています。

アイフライテック(科大訊飛)は中国最大の音声認識開発企業で、2018年には「瞬間音声翻訳」と呼ばれる最新の翻訳機を発表しました。胡郁氏自身も工学博士号を持つAI技術者で、エンジニア兼CEOという肩書の、プレイングマネージャーです。中国とアメリカという2大国がけん引するAI業界に立ち遅れないよう、日本でも研究が進められています。

AI研究を先導している企業と大学


AIの研究開発を牽引するのは、チーム力より個のブレイクスルーによるものであることが多いとされますが、同時に多額の予算と長い時間を必要とします。そんなAI研究者を支え、世界のAI研究をリードする企業や大学について簡単に説明します。

1.企業

「ICML(国際機械学習会議)2020でAI研究をリードする世界の(産官学)機関トップ50」によると、グーグル・マイクロソフト・フェイスブック・IBMといったアメリカの大手IT企業がAI研究を大きく先導しているとされています。日本からは理化学研究所がランクインしました。

2.大学

大学に関しても、スタンフォード大学・MIT・UCバークレー・カーネギーメロン大学とアメリカの有名大学がトップを独占しています。日本の大学からはトップ50へのランクインはなく、大学でのAI研究は立ち遅れているのが現状です。

産学官連携の概要


AI研究には、企業(産)、大学・研究機関(学)、行政(官)の三者が関係する、産学官連携も重要とされています。大学や研究機関の技術力のみでも企業の資本のみでも実現しない先端の研究技術を実際に実現していくには、どのようなプロセスが踏まれるのでしょうか。実例を踏まえて解説します。

1.産学官連携とは

産学官連携とは、大学や研究機関等が持つ研究成果・技術・ノウハウを民間企業が活用することで、実用化や産業化へと結びつける仕組みのことです。企業(産)、大学・研究機関(学)、行政(官)の三者が連携して行う共同研究を指す場合や、企業と大学の間を行政が結びつけるケースがあります。その他にも産学官連携には様々な形態があり、共同研究の他にも、大学・研究機関の研究成果(特許)を使用し、技術課題相談、大学主催のセミナーに企業経営者や従業員が参加することも1つの形態です。

産学官連携の推進により、資源(資金、設備、技術等)に不安がある企業においても、外部資源を活用した効率的な研究開発が可能となる一方、大学・研究機関は、市場や企業ニーズを的確に捉えた研究を行うことができる等のメリットがあります。それぞれにあった連携方法を活用し、企業が自らに不足するものを補うことで、技術力の強化や企業戦略の構築に役立てることができます。

2.産学官連携の事例

AIに限らず、さまざまな研究分野において産学官連携が図られ、実用化に至っています。その具体的事例は、以下の通りです。

サプリメント

東海大学は、日清製粉グループの日清ファルマ㈱に、大学が保有する特許技術(特許第4172488号「テストステロン増加剤、およびネギ属植物処理物の製造方法」)の技術紹介と実施許諾を行い、希少なタマネギアリイン(イソアリイン、シクロアリイン、メチインの総称)を配合した栄養補助食品「T-アリイン」が誕生しました。

遺伝子技術

東海大学の遺伝子解析技術を基本とし、㈱イナリサーチとともに新たなDNAタイピング法を確立しました。イナリサーチ社ではこの技術を活用して、主要組織適合性遺伝子複合体(MHC)を統御したカニクイザルの販売と、サルMHC遺伝子のタイピング検査を行っています。

陸上養殖

東海大学では、地元の企業、自治体と連携し、静岡県三保地区の地下海水を利用した陸上養殖システムの開発を進めています。年間の水温がほぼ一定(17~21℃)で一般細菌も少ない静岡県三保地区の地下海水は、陸上養殖に欠かせない温度調整や薬品投与のコストをかけずに安心安全な食材提供をできます。海洋学部では、安定して大量のアワビを養殖するため、地下海水でアワビの稚貝を育てる研究や、飼育棚の形状を工夫し、一度に多くのアワビを飼育するための研究をしています。これまでに、3年で7センチ程度まで高密度で育てる技術を確立し、連携企業が試験販売を行なっています。

コンクリートの養生

東海大学と東洋建設㈱は共同で、硬化が進行し始める時期のコンクリートの上面を対象とした新規の養生方法を開発し、特許出願を行いました。現在、東洋建設が施工する防波堤や桟橋の一部に、本技術が活用されています。東海大学の研究者が、かねてより建設分野で生分解性高分子ゲルを活用することを検討していたところ、東洋建設がコンクリートの養生材料としての利用に興味を持ったことで共同研究がスタートし、この技術を発明しました。この技術は、コンクリートを型枠に打ち込んだ後、「生分解性高分子ゲル」を表面に散布することで、ひび割れの防止、強度・耐久性の向上、環境負荷の軽減といった効果が得られます。

メンタルチェックテスト

東海大学が保有するメンタルチェック方法について、㈱エフ・ビー・アイにその使用を許諾しています。同社は、これを基に開発した「誰でも・気軽に・簡単にセルフチェックできるメンタルチェック」コンテンツの提供を行っています。東海大学は、システムの基盤となるメンタルチェック方法をノウハウとして㈱サクライに使用許諾しました。同社は、これをASP(Application Service Provider)サービスとして提供するためのシステム開発と、販売等を含めたコンサルティングを担当し、提供を始めました。その後、本事業が独立し、現在は㈱エフ・ビー・アイが本事業の開発および提供を行っています。

携帯端末やパソコンからwebにアクセスして答えるだけで、いつでも気軽にセルフチェックが可能になりました。現在全国117の自治体を中心にこのサービスが提供されています。自分でも気付きにくい心の健康状態を理解することで、メンタルヘルスへの関心を高め、病気のサインの早期発見、ならびに早期改善・治療のきっかけになることが期待されます。

風力発電システム

東海大学が保有する直線翼直軸型風水車・流体発電機などの特許技術をエネルギープロダクト㈱に実施許諾しています。この技術を用いて、同社では「直線翼垂直軸型風力発電システム」の設計・製作販売事業が展開されています。実機は湘南校舎17号館屋上にも1台設置されており、実際に風車が回転し、発電している姿を見ることができます。また、この風力発電システムや発電状況について、校舎内のドトールコーヒーショップのエントランスホールで展示と紹介を行っています。

気泡型鉛直センサー

茨城大学では、斜面崩壊検知システムにおける鉛直判定センサの開発・評価が行われています。(有)ジオテックの測量に対する課題と、茨城大学の湊淳教授(応用粒子線専攻)と桑原祐史准教授(都市システム工学科)の関連技術がマッチし、両者の共同研究に発展しました。この研究成果で、広範囲の測量を自動で行うことにより、土砂崩れなど災害予測や土木測量のデータ観測に応用できることが期待されます。

サージカルニーレスト

千葉大学、国立がん研究センター東病院と京新工業株式会社は、共同研究により、新しいコンセプトの「サージカルニーレスト」を製品化しました。これにより、長時間立ちっぱなしだった外科医の足の疲労が軽減され楽になりました。近年盛んに行われている腹腔鏡手術は、患者の腹部の表面に小さい穴を複数開け、その穴から専用の内視鏡を体内に挿入して行う手術です。しかし、急速に普及している一方で手術の難易度が高いため、手術時間が2~5時間と長時間化し、外科医の立位での疲労が大きくなっていることから、その対応が求められています。この課題を解決するため、千葉大学からの提案で「サージカルニーレスト」の開発研究が実現されました。

AI研究の課題


AI研究においては様々な課題が存在し、今まさにその課題を解決しようという動きが大きくなっています。ここでは、世界規模で取りくまれているAI研究に関する課題についてご紹介します。

1.学習データの軽量化

まず第一に、学習データに関する問題があります。一般的にAIの開発においては学習データを大量に用意する必要があり、適用領域が増加・細分化されていくと適用領域ごとにデータを収集・蓄積・解析する必要があるので、そのコストが爆発的に増加してしまいます。その学習データを軽量化する手段として注目されているのが転移学習です。これはある対象で学習させたモデルを別の対象に適応させる手法で、この手法を使うことでサンプルデータの数が限られていても精度を向上させることができます。

2.ホワイトボックス化

次に、「AIのブラックボックス化」です。一般的にAIは膨大なデータから機械的に学習して結果を導き出しますが、その処理過程を人間が理解することは困難です。AIの内部の処理が「ブラックボックス化」しているとその結果を信用するのも難しくなります。その問題を解決するために求められているのが、出力される結果に至った過程が分かる「AIのホワイトボックス化」です。それを実現すべくアメリカの国防総省国防高等研究所では2016年に「説明可能なAI」の実現に向けた研究開発の投資プロジェクトXAIをスタートさせています。

3.高速で高性能なハードウェア

また、高度なAIを実現するためには高性能なハードウェアも必要となります。大量の計算を複雑に組み合わせて同時並列に実行することが求められるため、これまで一般に用いられていた汎用型のCPUやGPUでは性能が追いつかない、もしくは膨大な計算機資源が必要となるといった問題が生じます。そのため、これからはAIの演算に特化したフレームワークや専用のアーキテクチャの開発が重要となっていくことが予想されます。

AIを導入するメリット


AIの導入には、大きなハードルがあるように思われる一方、その分大きなメリットが存在します。ここでは、ビジネス上でAI導入によって具体的にどのようなメリットがあるのかについてご紹介します。

1.業務の効率化

業務の効率化により、労働力不足を解消できます。ビジネスの現場に人工知能を導入すれば、これまで人間が行っていた業務を人工知能に代替させることができるようになります。これにより、万年人手不足といわれる業界に、必要最低限の人員で業務を回すことができるでしょう。また、過酷な労働環境を指す3K(きつい・汚い・危険)の仕事も、人工知能に任せられる可能性がうまれ、人間へのリスクを軽減させられるというメリットもあります。

2.生産性の向上

人間の場合、業務の質を一定に保つことは決して簡単ではありません。一人ひとりの経験やスキルによって業務の質に差が生まれることもありますし、体調やモチベーションなどが業務の質に影響を与える場合もあるのです。その点、人工知能であれば体調やモチベーションなどに左右されず、正確に業務を遂行していけるため、ミスによるタイムロスを大幅に減らせます。そして、人工知能の活用によって生産性が向上されれば人間の負担が大幅に軽減されるため、新たな事業に着手する余裕も生まれるかもしれません。

AIを導入するのであればTRYETINGの「UMWELT」がおすすめ

AIには、最先端の研究から実務で使える様々な技術が存在します。実務で扱えるAI技術を簡単に導入できるのが、TRYETINGの「UMWELT(ウムヴェルト)」です。ノーコードDXツールのUMWELTは、常時100種類ものアルゴリズムを搭載し、自由に組み合わせて、既存のシステムを活かしながら、AIを扱うエンジニアがいなくても分析や自動化が簡単に実現可能です。AIの導入に、エンジニア不足が原因で諦めざるを得なかった企業様も、簡単に導入ができるサービスとなっています。

まとめ

今回はAIに関する研究について活用事例やその課題に触れて解説しました。世界と比べても日本のAI水準はまだまだ低いと言えます。しかし、一方で企業に活用されれば必ず実績を挙げ得る技術であるともいえます。日本ではまだまだ活用されていないAIを、より早く導入できれば、大きなビジネスチャンスがうまれるはずです。TRYETINGの「UMWELT(ウムヴェルト)」の導入を一度検討してみてはいかがでしょうか。

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