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機械学習・ディープラーニングで使われるフレームワークとは?メリットも紹介

 

今でこそ機械学習やディープラーニングは主流の開発領域ですが、登場した当初は、研究者以外の人には開発の敷居が高いものでした。しかし、フレームワークやライブラリが登場したおかげで一般の人々でも開発に参入できるようになります。そこで、今回はそんな機械学習のフレームワークとライブラリについて解説します。

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機械学習・ディープラーニングとは


AIについて学ぶと、「機械学習」や「ディープラーニング」という言葉は必ずと言っていいほど耳にします。しかし、その違いを正確に把握している人は多くはありません。フレームワークについて触れる前に、基礎知識である機械学習とディープラーニングについて解説します。

1.機械学習とは

機械学習とはAIの技術要素の1つで、文字通り機械が自ら学習します。機械学習を行うステップとして、まずは大量のデータを機械に読み込ませます。そして、そのデータの中から機械がパターンやルールを自動的に発見し、発見した法則から「判別」や「予測」といったタスクに応用するのです。この学習を活かして、未だ学習していないデータに対しても、分類や識別ができます。

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2.ディープラーニングとは

ディープラーニングは、機械学習の数ある手法の中の一技術です。数ある手法の中でもディープラーニングが注目されている理由は、特徴量の設定を機械が自動的に設定できる点にあります。特徴量とは、対象の特徴が数値化されたものです。特徴量設定の自動化のおかげで、ディープラーニングでは人間が見つけられない特徴を学習できるようになりました。

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フレームワークとは


フレームワークとは、アプリケーション開発などを行う際の土台となるソフトウェアのことです。また、フレームワークと同時によく耳にするのがライブラリ。ここで、フレームワークの基礎知識に触れつつ、ライブラリとフレームワークの違いについて解説していきます。

1.フレームワークの概要

機械学習の文脈では、フレームワークとは機械学習を行うための汎用的なソフトウェアのこと。機械学習のフレームワークは、既に全体の処理の流れが実装されています。その中の一部の処理を自分で実装するだけで、一定の品質をもったプログラムを形にできるのです。

2.混同されやすい「ライブラリ」との違い

フレームワークとよく混同されがちなライブラリですが、研究者の間で明確な線引きしておらず、明確な違いはないと言われています。現段階では、アプリケーション全体の枠組みキットが「フレームワーク」、汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でまとめたものを「ライブラリ」と住み分けるのが一般的です。

機械学習を導入することで得られるメリット


機械学習はIT企業の領域というイメージが強くもたれていますが、一次産業から三次産業まで幅広く導入可能です。そこでここからは、実際に機械学習でどんなメリットを得られるのかご紹介します。

1.顧客満足度が向上する

AIの導入は顧客満足度の向上につなげられます。特にその恩恵を受けられるのがカスタマーサポートの領域。顧客の問い合わせ内容をAIが解析し、最適な回答をオペレーターのディスプレイに表示します。このおかげで新人でもベテランのような質の高い対応が可能です。

2.新しいサービスを提供できる

AIを上手く活用することで、新規性の高いサービスを提供できるでしょう。特に期待されているのはサービスの無人化です。海外では無人のスーパーマーケットもあるようです。無人店舗で、AIは入店時の顔認証、購入した商品の判別、棚の在庫管理などに使われています。このようにAIは今まで想像できなかった新しいサービスを実現する可能性を秘めているのです。

3.作業の正確性と効率が向上する

AIはパターン化した作業を得意とし、人間が行うよりも早く、正確に作業をこなせるとされています。そこで、ルーティンワークをAIに任せられるようになれば、人間はよりクリエイティブな領域に時間を費やせます。

機械学習に関するフレームワーク・ライブラリ


機械学習で利用できるフレームワークは非常に豊富で、その分、初心者の方はどれを選べばよいかわかりづらいです。そこで、おすすめの機械学習に関するフレームワーク・ライブラリを6つ紹介します。

1.Pandas

Pandasは、時系列のデータ操作やデータ構造を変更するなど、テーブルデータを取り扱うライブラリです。機械学習の前処理によく用いられます。不要なデータを取り除き、必要なデータを精査する前処理をすれば、モデル精度をより高められます。

2.SciPy

SciPyは、信号処理や統計などの科学計算用のライブラリで、具体的に扱える計算処理は、統計や最適化、積分や線形代数などです。使用上の注意として、SciPyはパッケージごとに得意とする計算処理が異なります。パッケージが目的の計算処理に適しているか確認しましょう。

3.dlib

dlibは、顔認証に利用できるフレームワークです。顔認識や顔の特徴を高精度で検出できるので、顔認識が必要な開発では必須のライブラリです。dilbは、組み込み式デバイスや大規模な高性能コンピューティング環境などさまざまな分野で活用されています。

4.NumPy

NumPyは数値計算を行うためのライブラリで、特に配列処理能力に特化しています。機械学習のほか、画像や音声処理、多言語配列などにも幅広く活用されます。また、他のライブラリと連結して使うことが多々あるので扱えるようになることをおすすめします。

5.Matplotlib

Matplotlibは、データをグラフや画像データとして表示するブラフ描画のためのライブラリです。データ分析の現場でよく利用され、統計量の可視化や学習経過のグラフ化、画像の出力等の機能が役立っています。

6.scikit-learn

scikit-learnは機械学習全般のアルゴリズムが実装された、機械学習の基盤となっているライブラリです。統計学やデータ解析、パターン認識などのアルゴリズムが利用できます。他の機械学習のフレームワーク・ライブラリと比較しても、さまざまな機械学習の実装ができるため汎用性が高いライブラリです。

ディープラーニングに関するフレームワーク・ライブラリ


ここからはディープラーニングに関するフレームワーク・ライブラリを紹介します。機械学習と同じく種類が膨大なため、特におすすめの8つに厳選しました。

1.Pytorch

Pytorchは、計算に必要な計算グラフを動的に構築することが可能なPython向けのライブラリです。計算速度が速く、ソースコードが見やすく扱いやすいことから、人気が急上昇しています。

2.MXNet

MXNetは、命令的プログラムと宣言的プログラムを併用できることが特徴なフレームワークです。さらに、メモリ消費も最適化されているため、モバイルデバイスでも利用できることも注目されています。

3.Keras

Kerasは、Pythonで書かれたニューラルネットワークのライブラリで、初心者にもわかりやすい設計であることが特徴です。Kerasのメリットは、プロトタイプの作成時に便利なことです。比較的短いコードで目的のネットワークを表現する事ができ、素早く実装できます。

4.TensorFlow

TensorFlowは、深層学習で利用できるニューラルネットワークのライブラリです。ハイレベルな機能を実装可能で、計算をデータフローやグラフで表せます。そのため、実践でも複雑な問題に対処できる非常に役立つライブラリです。

5.Chainer

Chainerはニューラルネットワークの構築をPythonで簡単に書ける国産のライブラリです。Tensorflowと異なり動的に計算グラフを構築しているので、学習途中でネットワークの形が変わるニューラルネットワークでも簡単に記述できます。

6.Caffe

Caffeは、画像認識の処理を得意とするディープラーニングのためのライブラリです。開発コミュニティーが活発にGitHubを更新していたり、サンプルコードも多く提供されていたりするため、初心者にもおすすめできます。

7.Microsoft Cognitive Toolkit

Microsoft Cognitive Toolkitは、音声認識や画像認識の領域において高い処理速度を発揮するフレームワークです。特徴としては、巨大データセット処理時のパフォーマンス低下を最小化するためのアルゴリズムが組み込まれているので、複雑なマシンで巨大データセットを扱えることが挙げられます。

8.Deeplearning4j

Deeplearning4jは、Javaをベースにした機械学習フレームワークです。Javaで開発されているため、JVM上で動くという特徴があります。既存の情報システムと組み合わせ運用でき、既存システムに組み込み合わせられる特徴から、金融分野の不正検知や製造業の不良品検知などに活用されています。

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まとめ

今回は機械学習を身近にするフレームワークやライブラリを紹介しました。フレームワークを使えば、一から開発しなくても効率的に一定の品質のプログラムが実装できます。しかし、フレームワークがあっても機械学習の導入にはまだまだ専門家の手が必要です。そこで、いち早く機械学習を導入したいときには、TRYETINGのUMWELTを検討してみてはいかがでしょうか。

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