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物流倉庫のピッキングとは?効率化のポイントやシステム事例を解説

 

物流倉庫などの保管場所から、出荷場所へと商品を集める作業をピッキングと呼びます。物流業務では不可欠な仕事ですが、具体的にどのような方法で行うのでしょうか。

この記事では、ピッキング作業の概要、ピッキングシステム事例を紹介します。最後まで読むことで、ピッキングに関する知識が増え、円滑な物流に貢献できるでしょう。

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物流におけるピッキングとは?


ピッキングを直訳すると「摘み取ること」「選択すること」を意味します。物流業界では倉庫業務のひとつで、物流全体を支える大切な工程です。ここでは、物流におけるピッキングの役割や作業内容を確認しましょう。

物流機能のひとつ

物流機能は「配送・輸送」「保管」「梱包・包装」「情報」「流通加工」「荷役」の6つで、これらが機能することで、ECサービスの顧客や取引先の小売店に滞りなく商品が届きます。

荷役とは、トラックや船舶への荷物の積み降ろし、入出庫、運搬といった倉庫作業を指し、ピッキングも荷役作業のひとつです。

商品を探して取り出す作業

ピッキングとは、ピッキングリスト(伝票や指示書)を基に、出荷する商品を探して取り出す作業です。

物流倉庫は、さまざまな種類の商品を大量に保管しています。顧客から注文を受けたら、注文商品の保管場所に移動して商品を取り出し、検品・梱包を経て出荷します。

ピッキングリストを受け取り、取り出した商品を検品し、梱包担当に渡すまでがピッキングの作業です。スムーズな配送につなげるため、正確かつスピーディーに行う必要があります。

物流の4種類のピッキング方式

ピッキング方式は「シングルピッキング」「トータルピッキング」「マルチピッキング」「オーダーピッキング」の4種類です。どのピッキング方式が最適かは、業務形態によります。

商品数や倉庫規模、取り扱う商品などから効率良くピッキング作業が行えるものを選びましょう。

シングルピッキング(摘み取り方式)

シングルピッキングは、1オーダーごとにピッキングする方法です。ひとつずつ商品を取り出す形式が作物を収穫する様子に似ていることから、摘み取り方式とも呼ばれます。EC・通販サービスを展開するBtoC系の物流センターが採用する方法です。

急なオーダーにもすぐに対応できること、シンプルな方法で従業員の育成に時間がかからないことがメリットです。商品数や配送先が少ない場合に適しています。

ただし、オーダーの数だけ商品を取りに移動しなくてはならないため、オーダー数や商品数が多い場合は向いていません。

トータルピッキング(種まき方式)

トータルピッキングは、複数のオーダーに対してまとめてピッキングを行い、配送先ごとに仕分ける方法です。配送先ごとに分ける姿を例えて、種まき方式ともいいます。

複数のオーダーでも倉庫内の移動距離が最小限で済む点がメリットです。オーダー数や商品数が多い場合に適しています。

しかし、シングルピッキングより工程が増えるため、仕分け作業にかかる手間がデメリットです。また、仕分け用のスペースも用意しなくてはなりません。

マルチピッキング

マルチピッキングは、シングルピッキングとトータルピッキングを併用した方法です。複数のオーダー分をピッキングしながら、同時に仕分けもします。以下のオーダーで考えてみましょう。

オーダー1 商品A:3個、商品B:4個
オーダー2 商品A:5個、商品B:2個

トータルピッキングの場合、商品Aを8個、商品Bを6個ピッキングして後で仕分けます。一方、マルチピッキングはオーダー1用とオーダー2用の段ボール箱を用意し、それぞれの箱に商品A・Bを必要な数だけ入れます。

効率的に複数のオーダーをピッキングできる反面、ミスが起こりやすいのがデメリットです。

オーダーピッキング

オーダーピッキングは、大枠としてはシングルピッキングのひとつですが、厳密に分けて考えるケースがあります。配送先単位でピッキング作業を行うシングルピッキングに対し、オーダーピッキングは受注単位でピッキング作業を行うためです。

オーダーピッキングであれば、受注頻度や商品数が多い場合でも柔軟な対応が可能です。スピードが求められる通販系の倉庫で効果を発揮します。

物流のピッキングを効率化するポイント


ピッキング作業は、物流業務の中でも多くの人と時間を要する仕事です。人の手によるピッキング作業は作業ミスが起こりやすく、余計な時間がかかります。ピッキング作業を効率化すると、ミスの削減と作業時間短縮が可能です。

ここでは、ピッキング作業の効率化ポイントを紹介します。

5Sを意識する

5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」のことです。5Sを徹底していない倉庫では、商品がどこにあるのか分かりづらく、ピッキング効率に影響を及ぼす可能性があります。

棚や梱包材を使いやすい状態にする、簡単に分かるような表示に変えるといった工夫をすることで、ミスのない安定したピッキング作業を行えます。

作業をルール化する

ピッキングの作業手順やチェック方法を示したマニュアルを作成することで、作業の標準化が可能です。熟練者だけでなく、初心者も一定のレベルで作業できます。

マニュアルがあってもヒューマンエラーは起きるため、ダブルチェックやトリプルチェックの体制を整えるとよいでしょう。ピッキングミスを見逃さず、誤配送を防止できます。

倉庫内の保管場所を工夫する

倉庫内の動線をできる限り短縮することで、ピッキング効率は上がります。作業スピードが上がるだけでなく、ピッキングスタッフの負担軽減も可能です。

例えば、オーダーが多い商品を近い場所に保管する、同時にオーダーを受ける機会が多い商品同士を近くに置くといった工夫で、動線を短縮できます。季節物のような一時的に需要が高まる商品は、期間中だけ近くに保管するとよいでしょう。

1回当たりの動線を短くしても、ミスがあると再度移動しなくてはなりません。ピッキングミスを避けるために、似た商品同士を近くに置かない、棚の色や目印で保管場所を分かりやすくするなどの工夫も重要です。

物流のピッキング作業でミスを防止する管理方法


倉庫内のロケーション管理は、ミスを防いでピッキング作業を効率化します。ピッキングだけでなく、保管や運搬といった物流業務全体の効率化にも有効です。

ロケーション管理は「固定ロケーション」「フリーロケーション」「ダブルトランザクション」の3つの方法があります。ここでは、それぞれのロケーション管理の特徴とメリットを紹介します。

固定ロケーション

固定ロケーションは、商品の保管場所を固定する管理方法です。シンプルな方法で、保管場所を明確に把握できます。特定の場所に商品を置くため、在庫が切れたらすぐに分かります。

一方、在庫切れが続くと保管スペースが無駄になることがデメリットです。また「この商品はこの場所にある」という認識が根付くことで、商品を入れ替えたときに作業効率が下がります。

保管する商品が少ない倉庫やロケーションの変更が少ない倉庫、常に一定のオーダーがある定番商品を扱う倉庫に適した管理方法です。

フリーロケーション

フリーロケーションは、保管場所を固定せず、商品を仕入れるたびに空いているスペースを利用する方法です。空きスペースが発生しづらく、倉庫内の空間を効率的に活用できます。食品やアパレルなど、入れ替わりの激しい商品を扱う倉庫に適した方法です。

デメリットは、短いスパンで変わるため保管場所の把握が難しいことです。入れ替わりが激しい分、入庫時のロケーション登録ミスも起きやすくなります。

他にも「存在しない商品を探してしまう」「商品をなかなか見つけられない」といった問題が考えられるでしょう。

ダブルトランザクション

ダブルトランザクションは、倉庫内でピッキングエリアとストックエリアを分ける方法です。

ピッキングエリアには固定ロケーションですぐに出荷する商品だけを置き、ストックエリアはフリーロケーションで保管だけを目的とします。保管スペースを有効活用しながら、出荷作業がスムーズにできる方法です。

ピッキングエリアの在庫が減ったときは、ストックエリアから補充する必要があります。扱う商品の容量が大きい場合、負担がかかるため適していません。

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物流のピッキング管理の保管機器

ピッキング作業場である倉庫、保管場所には、保管効率アップのために保管機器を用いています。下記はその一覧です。

固定ラック 床に固定するタイプのラック。空間を有効活用できる
移動ラック ボタン操作で棚移動や通路の開閉が可能
垂直回転ラック 天井空間を有効活用できる。薬品・食器・部品の保管が可能
傾斜式流動棚 保管台が前面にかけて斜めに下がったラック。先出しが必要な食品などによく用いられる
中軽量ラック 用途に合わせた増設・連結が簡単

物流のピッキング効率化のシステム事例


物流のピッキング作業を効率化したいのであれば、ピッキングシステムを導入しましょう。ピッキングシステムは、従業員を補助する役割があるもの、ピッキング作業全てを自動化するものなどさまざまです。ここでは、5つのピッキングシステムを紹介します。

デジタルピッキング

デジタルピッキングは、デジタル表示器を利用したピッキング支援システムです。まずは、商品を保管する棚にデジタル表示器を設置します。ピッキングスタッフは表示器のランプが光る場所に向かい、表示数だけ商品を取り出す仕組みです。

デジタル表示器が必要な行動を明確にするため、ピッキングリストを見て作業するより正確性とスピードが向上するでしょう。他にも、仕分け用のデジタルアソートシステムもあります。

タブレットピッキング

タブレットピッキングは、ピッキング台車にタブレット端末とバーコードリーダーを載せ、タブレット端末に表示した指示に従ってピッキング作業する方法です。デジタルピッキングと違い、棚に表示器を備える必要がありません。

ピッキングに必要なものは全て台車に載せるため両手が空き、効率良く行えるのが魅力です。

ハンディーターミナル

ハンディーターミナルを活用すれば、ピッキングリストのバーコードを読み取ることで、商品情報と保管場所を確認できます。

人の記憶や手書きのピッキングリストに頼る場合に比べて、作業のスピードと正確性が高まります。プリンターに接続すれば、出荷ラベルの発行も可能です。ピッキング後の検品・梱包・出荷の流れも効率化できるでしょう。

RFID

RFIDは、商品情報が入ったタグを使い、リーダーで読み込むシステムです。RFIDタグを貼った棚に人が手を近づけると、出荷指示と一致する商品かをチェックします。

リーダーは手首に付けるワイヤレスタイプのため、ハンディーターミナルのように持ち替える手間がありません。両手が空くだけでなく、リーダーを付けたまま手先を使う作業もできることから、作業効率がアップします。

ピッキングロボット

ピッキングロボットの導入で、ピッキング作業の機械化や自動化が可能です。手作業より効率的にピッキングできるだけでなく、省人化により人件費を削減できます。ピッキングロボットの主な種類は以下の通りです。

無人搬送ロボット 指定したルートを走行・運搬する
自律走行搬送ロボット 自動で走行ルートを決定し、運搬する
棚搬送型ロボット 出荷する商品が入った棚をピッキングスタッフに届ける
ピースピッキングロボット 複数の商品から自動で指定した商品を選別する

物流でピッキングシステムを導入するメリット


ピッキングシステムが便利とは分かっていても、具体的にどのような利点があるのかイメージできない方もいるのではないでしょうか。ここでは、ピッキングシステムを導入するメリットを3つ紹介します。

コストが削減できる

ピッキング作業は属人化しやすい傾向にあります。倉庫や商品に関する知識がない人に対する、育成コストが必要です。ピッキング作業の自動化を行えば、育成コスト、人件費をかける必要がありません。

紙のピッキングリストを使用する場合、印刷代や保管費用が必要です。ピッキングシステムはリストをデジタル管理するため、ペーパーレス化を実現できます。

作業品質が向上する

人の手によるピッキング作業はミスが起こるリスクがあります。ピッキングミスが起こると誤出荷となり、取引先からの信用を失うことにもつながるため注意が必要です。

デジタルピッキングは商品の量や保管場所をデジタル管理することから、人の手作業よりもミスを削減できます。ミスを削減できれば、余計なコストがかかりません。

生産性が向上する

人の手でピッキング作業する場合、労働時間や職場環境によって効率が変わります。ピッキングシステムを導入して自動化すると、従業員の労働時間削減が可能です。労働時間を削減できる分、従業員にかかる負担も減り、生産性向上につながります。

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総合物流輸送企業グループのビーインググループ様は、荷物を運ぶ物流業務だけでなく、物流システムの提案や運営をしています。

UMWELTを導入したきっかけは、倉庫業務において物量予測の精度が悪く、収益にも悪影響を及ぼしていたことです。特に課題として感じていた6拠点でトライアルを実施します。日常業務で使用するExcelデータと連携してAI化できること、専門知識が要らないことから本導入に至りました。

(参考:『【ビーイングホールディングス様】UMWELT活用事例|物量予測し人員最適化へAI導入|TRYETING』

まとめ

ピッキングは、リストを基に出荷する商品を探し出す作業です。ピッキング方式には、特徴の異なる4種類の方法があります。業務環境に合ったピッキング方式を選ぶことが大切です。

ピッキング作業は、従業員のスキルにばらつきがあると効率悪化につながります。効率化を求めるのであれば、TRYETINGのUMWELTがおすすめです。

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