物流代行サービスのメリットとは？物流のDXを実現する効果も紹介

EC事業を営む中で、物流に関して課題を感じている方も多いのではないでしょうか。物流代行サービスについて詳しく知れば、自社に取り入れるべきかどうかの判断が可能です。この記事では、EC事業でありがちな物流の課題から物流代行のメリット・デメリット、代行の他に課題を解決する手段までご紹介します。

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EC事業における物流の課題

実店舗に直接来店しなくても商品を手に入れられるECサービスは、さまざまな企業で導入されています。

ただし注文に素早く対応したりスムーズに在庫を回転させたりするには、多くの課題を乗り越えなければなりません。EC事業における物流には、どのような難しさがあるのでしょうか。自社で何に取り組むべきかを明確化するために、現状と代表的な課題を照らし合わせてみましょう。

在庫管理が難しい

スピード感が大切なEC事業では、注文が入ったらすぐに商品を発送する必要があります。そのため、商品ごとに在庫数を常にチェックしておかなければなりません。

在庫切れが起きていないか、大量の注文にも対応できるかなど、EC事業ならではの課題は多岐にわたります。リアルタイムで在庫数を把握し、適切なタイミングで入荷・出荷を行う在庫管理は複雑な業務です。

食品を扱う会社の場合は賞味期限の関係から、どの在庫を先に出すかという点にも気を配らなくてはなりません。注文がキャンセルされるケースも珍しくないため、在庫管理の担当者には経験や技術が求められます。

多くのコストがかかる

EC事業の物流では、在庫管理だけでなく発送・運送などの作業にもコストがかかります。自社配送ならドライバーをはじめとした多くの人材を確保しなければならず、人件費の負担が重いのも大きな課題です。

大量の在庫を抱えている会社であれば、保管のために専用の倉庫を借りる料金も発生します。運送料に加えてスペースのレンタル料など、物流に関するコストはさまざまです。

食品を発送する際は、クール便や割れ物注意など発送方法にも気を配らなくてはなりません。商品をきれいな状態で届けることを重視すると、コスト面が増大する点に注意が必要です。

発送までの業務負荷が大きい

商品の発送には、袋詰めやチラシ・カタログの挿入など手間のかかる作業があります。特に食品や雑貨などのEC事業では、丁寧なラッピングをする必要があるケースもあるでしょう。

雑貨やアパレルを扱う会社では、顧客の満足度を高めるために商品の見た目の美しさも重要です。商品を箱にきれいに配置したり、特別なラッピンググッズを使用したりすることで、包装にこだわりますが、その分作業の負担も増えます。

ECの場合、注文を簡単にキャンセルできるため、注文に関するイレギュラーへの対応も非常に重要です。返品や交換といった手続きもよく行われるため、関係者はさまざまな業務をこなす必要があります。

物流代行のメリット

EC事業を営むに当たって、物流代行サービスを依頼する会社は多くあります。商品の発送を担当する物流代行サービスを利用して、梱包や配達などの作業を任せることでスムーズな配送を実現できるのがメリットです。作業効率のアップにもつながる、代行サービスを導入するメリットを見ていきましょう。

業務の負担が軽減される

EC事業では物流に関する作業に時間を取られてしまい、その他の業務に時間を割けないケースも珍しくありません。在庫管理や発送には人手が欠かせないため、人手不足に陥りがちです。

物流代行サービスは、文字通り物流に関する作業を担当します。梱包や運送などの作業をアウトソーシングすることで、商品の開発・宣伝などにリソースを割けるのがメリットです。

物流を丸ごと代行に頼んで使える時間が増えるのは、EC事業にとって大きなアドバンテージです。商品自体についてのディスカッションを深めれば、新たな顧客獲得にもつながるでしょう。

顧客の満足度が上がる

発送・運送を主に担当する物流代行は、商品の運送を専門に担うプロフェッショナルです。自社での配達に比べて、配達時のミスが起こりにくいのもポイントといえます。

配達先の住所が分からず迷ってしまったり荷物が破損してしまったりと、運送時のトラブルは顧客からの評判を悪化させる原因になります。誤配送を減少させることは、物流の効率アップにも効果的です。

スムーズに商品が手元に届くようになれば、顧客はよりサービスに満足するようになります。在庫管理を一任することで、注文から発送までの時間が短縮できるのも大きなメリットです。

マーケティングの助けになる場合も

物流代行サービスの中には、商品ごとの出荷数や配送先などのデータを見やすくまとめてくれる業者があります。定期的に数字を確認できるので、マーケティング戦略を立てやすくなる点が魅力です。

発送や在庫管理に関するデータが蓄積されるほど、EC事業の運営状況を把握しやすくなります。商品ごとの回転率が把握できれば、在庫管理がよりスムーズに行えるのがメリットです。

また代行サービスから提供された配送先のデータを利用すれば、独自の顧客リストを作成できます。マーケティングの施策も合わせて考えている場合は、データを整理してくれるサービスがある業者を選ぶとよいでしょう。

物流代行のデメリット

利用によって数々のメリットが得られる物流代行サービスにも、デメリットがあることに注意が必要です。配送を代行に頼っていると、将来的に自社での配送を始める際に困る可能性があります。料金やセキュリティ対策など、利用する前に覚えておきたい注意点についてチェックしましょう。

業務ごとに料金が発生する

物流代行を利用する場合、1件の配送ごとに決まった料金がかかるのが一般的です。梱包などの作業も依頼できるプランもありますが、オプション料金が発生するケースもある点に気を付けましょう。

発送の件数にも影響されるものの、大量の注文があればその分費用がかさむことになります。物流代行に支払う費用が高いと感じたら、自社による配送を検討するのもひとつの方法です。

ただし取り扱う商品や梱包の手間によっては、自社配送のほうがコストが大きくなる可能性もあります。業者に依頼できる業務の範囲や、料金プランをよく見てサービスを利用するかどうか検討しましょう。

配送のノウハウが自社に蓄積されない

物流代行サービスを利用していると、商品の配送に関するノウハウが会社に蓄積されにくくなります。自社配送へ切り替えることになったとき、予期せぬトラブルが起こりやすくなるのがデメリットです。

在庫管理はもちろん、運送にも経験やノウハウが求められます。将来的に自社配送に取り組む事態になったとき、どのような流れで作業をすればよいか理解していないとミスが増えがちです。

特に事業を拡大する予定があるなら自社物流への切り替えを想定し、代行会社に任せきりにせず、今あるリソースで物流を回す手段も考えたほうがよいでしょう。自社物流は顧客の信頼を得やすいメリットがあり、事業拡大にあたって有利になるためです。

セキュリティ面のリスクがある

実際に物流代行サービスを利用する場合、配送作業を任せるためには配達先の情報が必要です。そのため、顧客の住所や名前などの個人情報を業者と共有しなければなりません。

個人情報を扱うことになるため、流出のリスクを避けるためにも慎重に業者を選ぶのが重要なポイントです。どのようなセキュリティ対策を講じているかを確認し、信用できる業者かどうかを見極めましょう。

物流DXは物流代行に代わる解決策

IT機器やデジタル技術によって、物流の分野で新しいビジネスモデルを作ろうとする動きを物流DXといいます。DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略称で、自動化によって労働効率を上げるのも目的のひとつです。EC事業の物流における課題を解決する、物流DXについて解説します。

機械化・デジタル化による物流の変革

物流DXとはIT機器やデジタル技術を導入することによって、物流の世界に変革を起こそうとする取り組みです。国土交通省では、物流DXを推進する手段として「物流分野の機械化」と「物流のデジタル化」を挙げています。

倉庫から在庫を運ぶ際にロボットを活用したり輸送に関する手続きを自動化したりと、物流DXの方法はさまざまです。機械を利用して人間が担う作業を減らすことで、作業効率の向上が期待できます。

DXを取り入れることで、業務に要するコストを可視化できるのもポイントです。ソフト・ハードの両方を変えていくことで、物流に関わるオペレーションや働き方にも大きな変化が生まれます。

（参考：『最近の物流政策について』）

物流DXの目的

物流DXの目的は単に業務の機械化を進めることではなく、機械化を通じてビジネスモデルを変革することです。インターネット上のサービスを利用するのが当たり前となった昨今では、日々ECサイトで大量の注文が行われています。

EC事業においては、素早く注文に対応するために物流システムを整えることが重要です。注文してから商品が到着するまでの時間が長いと、顧客からの信用を得にくくなります。

AIを導入して効率的なオペレーションを目指すのも、物流DXの取り組みの代表例です。常に変化し続ける市場や顧客に対応した、新たなビジネスモデルの確立を目指して進められています。

物流にITツールを導入する効果

在庫管理や梱包など、物流には配送以外にも幅広い業務が存在します。ITツールの利用は、作業にかかるコスト削減はもちろん人手不足の解消にもつながる効果的な方法です。物流にITツールを導入することで、業務の生産性や効率を高められます。EC事業の運営に役立つ、ITツールのメリットを見ていきましょう。

人手不足を改善できる

自社で配送を行っている場合、在庫管理から配送までを問題なく進めるためには大量の人材が必要です。小規模な会社では、EC事業を新たに始めたくても人手不足に悩むケースが少なくありません。

ITツールを利用して作業効率を上げることは、人手不足の解決にも効果を発揮します。在庫管理や需要予測などの機能を活用すれば、少ない人員でも業務を進められるのがメリットです。

ITツールに情報を登録すれば、リアルタイムで在庫数を把握できます。ツールを利用して人員の配置を考えたり効率的な輸送システムを整えたりと、効率的な働き方を目指すのもよい方法です。

業務効率を高めて生産性を向上できる

ECにおける物流の業務では、在庫や配送に関するデータを可視化すること自体が効率化につながります。ツールを用いて輸送状況を確認すれば、よりスムーズな配達が可能です。

荷物の積み方をシミュレーションできる機能を使うことで、一度に運ぶ荷物の量を増やせます。ツールを活用して積載率を高めることも、少ない回数で輸送を完了させる上で有効な対策です。

また輸送管理システムを利用すれば、稼働しているトラックをリアルタイムで把握できます。行きと帰りで別の配達を行うなど、無駄のない配置を工夫するのも効果的です。

物流のDXにノーコードAI予測ツール『UMWELT』を

コードを書かなくてもAIを導入できるTRYETINGの『UMWELT』は、需要予測やデータ分析など、さまざまな作業の自動化を実現するAIツールです。

EC事業におけるスムーズな物流に重要な在庫管理も、データに基づいて予測した需要を参考にすれば効率化・最適化につながります。UMWELTの魅力を、実際に導入した会社の事例とともに紹介しましょう。

プログラミングなしで物流DXを実現

Excelをはじめとした既存システムの情報を連携して、さまざまな数値を予測できる基盤を作れるのがUMWELTの特徴です。日付や出荷数などの基本的なデータを記録しておけば、AIによる精度の高い需要予測に活用できます。

コードを書く必要がなく、ドラッグ&ドロップなどのシンプルな操作だけで利用できるのが大きなメリットです。あらかじめ搭載されたアルゴリズムに基づき、客観的なデータ分析を実現します。

マーケティングにおける分析にも役立つUMWELTは、物流DXに貢献するAIツールです。売上の予測はもちろん在庫管理への活用が可能なので、安定した在庫管理のサポートツールとして活躍します。

具体的な事例を紹介

建設資材のレンタルを行っている会社では、在庫管理の負担と業務の属人化に大きな課題を抱えていました。そこでUMWELTを導入し需要を予測した結果、必要以上の在庫を抱える必要がなくなっています。

大型の機材を扱う業種では在庫を抱えておくために広いスペースが必要で、機材の購入にも大きなコストがかかります。UMWELTを利用して予測を立てることで、機材の量が適切かどうか判断できるようになりました。

全国にある機材センターの需要予測も実施し、各地でスムーズな在庫管理が可能になっています。ツールによる需要予測を参考にして、機材の稼働率上昇や失注の減少といったよい結果につながりました。

まとめ

インターネット上で商品を注文できるECサービスは、幅広い業種で取り入れられるようになりました。注文を受けてすぐに商品を届けるためには、正確な在庫管理や配送など物流面での対応が必要になります。

梱包や配送など物流に関する業務には、人手や時間が必要です。もし自社内にリソースが足りないなら、物流代行が選択肢に入ります。ただし将来的に自社物流に切り替える可能性があるなら、ノウハウを蓄積するためにもITツールを活用する方法を視野に入れたほうがよいでしょう。

近年では物流DXが推進されているように、ITツールを導入することで日々の業務にも大きな変化が生まれます。需要予測はもちろん在庫管理にも活躍するUMWELTを活用して、EC事業を効率的に運営しましょう。