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なぜDXは「デジタルトランスフォーメーション」?その意味や必要性・課題を解説

 

最近、テレビや他のメディアを通じて、デジタルトランスフォーメーションについての情報をよく目にすることが増えています。しかし、なぜデジタルトランスフォーメーションを「DX」と略しているのか疑問に思っている人もいるかもしれません。

この記事では、「DX」と表記されている理由や、デジタルトランスフォーメーションに取り組む必要性について説明します。最後まで読めば、デジタルトランスフォーメーションに関する知識がより深まることでしょう。

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なぜDXは「デジタルトランスフォーメーション」と訳すのか


DXは、企業にとって欠かせない取り組みです。DXという表記を「デジタルトランスフォーメーション」と読むのは、英語圏の表現習慣が深く関係しています。ここでは、デジタルトランスフォーメーションの意味や注目が集まっている理由を解説します。

デジタルトランスフォーメーションの意味

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)は、日本語で「デジタルによる変容」を意味します。

頭文字を取ると「DT」となりますが、その表記は使いません。DTではなくDXとする理由は、英語圏における表記の習慣によるものです。英語圏では、Transformationを「X-formation」と表記する習慣があるため、「DX」と略すようになりました。

注目される理由

経済産業省は、デジタルトランスフォーメーションを『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること』と定義しています。

デジタル技術を取り入れても、人々の生活がより良いものに変化しなければ、デジタルトランスフォーメーションが成功したとはいえません。

(引用: 『デジタルガバナンス・コード2.0|経済産業省』

成功につながる3つのデジタル構造

デジタルトランスフォーメーションは、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションのフェーズに分類できます。デジタイゼーションはアナログ情報のデジタル化、デジタライゼーションは業務プロセスのデジタル化です。

一般的には取り組みやすさを理由にデジタイゼーションから始めますが、取り組む順序は決まっていません。自社の現状をしっかりと把握し、何から取り組むのが適切かを見極める必要があります。

なぜDX(デジタルトランスフォーメーション)が企業に必要なのか


デジタルトランスフォーメーションが必要な理由が理解されないと、進めるスピードや結果に悪影響を及ぼす可能性があります。競合他社との競争に勝てず、市場で生き残ることが難しくなるかもしれません。ここでは、デジタルトランスフォーメーションの必要性を3つ解説します。

競争上の優位性を確立するため

現在、順調なビジネスモデルが数年後も同じ状況とは限りません。新たなデジタル技術を導入した企業が競合相手となれば、既存ユーザーの一部を奪われる可能性もあるからです。

サブスクリプション型の動画配信サービスが登場したことで、主流だったレンタルサービス会社が衰退した事例もあります。デジタルトランスフォーメーションへの取り組みは、企業の競争力を高める上でも欠かせません。

ビジネスモデルの変革のため

市場やユーザーのニーズは日々変化しているため、企業には柔軟で迅速な対応が求められます。デジタルトランスフォーメーションへの取り組みは、これまで把握しきれなかったユーザーや市場のニーズ分析にもつながるでしょう。

この分析結果を活用することで、最新のトレンドに合わせた付加価値の高いサービスや商品を提供でき、新たなビジネスモデルの構築が可能になるのです。

2025年の崖に対応するため

2025年の崖とは、経済産業省がDXレポートで発表した課題です。経済産業省は、企業が老朽化した既存システム(レガシーシステム)の問題に取り組まずに放置した場合、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が出ることを危惧しています。

システムのセキュリティーリスクアップやデジタル化が進む世の中で、企業が競争できなくなることも考えられます。

なぜDX(デジタルトランスフォーメーション)が進まないのか


PwCコンサルティング合同会社が2022年1月に行った調査では、日本国内でデジタルトランスフォーメーションに取り組む企業のうち、53%が何らかの成果を実感しています。一方、取り組みが遅れている企業も少なくありません。

他国に比べて日本企業のデジタルトランスフォーメーションが進まない理由は、日本独特の企業文化やデジタルリテラシーの低さと関係があります。この項では、デジタルトランスフォーメーションが進まない理由を解説します。

日本企業文化

デジタルトランスフォーメーション推進のビジョンがなければ、計画を立てられません。経営層が取り組む決意をし、ビジョンを策定しても、担当者に一任して失敗に終わるケースがあります。

経営層が一任するのは、リテラシーの低さが関連しています。リテラシーの低さは、デジタルトランスフォーメーションによる変革の必要性を感じない原因にもなりかねません。

DX白書2023によると、ITに見識のある役員の割合が3割以上と回答した企業は、日本が27.8%(2022年度)、米国が60.9%です。デジタルトランスフォーメーションが進む米国と比較すると大きな差があることから、全社的にリテラシー向上に努める必要があります。

低いITリテラシー

デジタルトランスフォーメーションは、一部の部門や部署で取り組むものではありません。社員一人一人が、ビジネスモデルの変革に向けて行動することが大切です。そのためにも、デジタルトランスフォーメーションの背景や活用する技術など、基本知識を理解しなければなりません。

総務省が作成した「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」によると、デジタル技術の知識・リテラシー不足を感じている国内企業は44.8%に上ります。デジタル技術を活用できるITリテラシーと同時に、デジタルトランスフォーメーションに関するリテラシーも高める必要があります。

既存システムのブラックボックス化

長年にわたって運用されてきたレガシーシステムでは、機能の追加や修復が行われることがあります。しかし、その過程で内部構造が複雑になると、中身を理解できる人材が不足してブラックボックス化してしまう可能性があります。

また、機能の追加や修復の履歴が完全に残っているとも限りません。ブラックボックス化はシステムの移行やアップデートを妨げるでしょう。

さらに、既存システムの内部構造に詳しい人材がいても、定年退職などの理由で情報を引き継がない限り、ブラックボックス化が進んでしまいます。

資金不足

デジタルトランスフォーメーションを進める上で、新たなデジタル技術の導入や設備のアップデートには費用が必要です。予算が組める大企業とは異なり、リスクが大きいと考えて十分な資金を準備できない中小企業もあります。

システム改修を繰り返すケースは、短期的に見れば費用を抑えられますが、長期的に見ると多額の費用がかかります。また、戦略的な投資に資金を充てられないことにもつながるでしょう。

この状況を打開するには、既存システムを分析し、現状維持するかどうかの判断が求められます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の課題解決のコツ


デジタルトランスフォーメーションに取り組む中で、企業はさまざまな課題に直面します。ここでは、デジタルトランスフォーメーションを進める上で発生する課題をどのように解決すればよいか解説します。あらかじめ知っておけば、計画を立てる際に役立つでしょう。

組織や社内制度の整備

デジタルトランスフォーメーションは、社内全体で取り組まなくてはなりません。最初の段階では部門・部署ごとに効率化を図る方法もありますが、いずれは連携を取りながら売り上げ拡大に取り組む必要があります。

そのためにも、経営層がデジタルトランスフォーメーションのビジョンを明確にすることが先決です。その後、デジタルトランスフォーメーションへの取り組みを経営層へと吸い上げるボトムアップができる体制を整えます。

レガシーシステムの刷新

デジタルトランスフォーメーションの計画において、レガシーシステムからの脱却を図るためには、新しいシステムの導入に費用がかかります。オンプレミス型のシステムからクラウド型への移行は管理コストが低くなる傾向がありますが、セキュリティー対策のために専門の人材が必要です。

さらに、システムの保守業務やシステム開発に関する費用が継続的に発生します。そのため、補助金の有効活用が重要です。

デジタルトランスフォーメーションに関連する補助金には、さまざまな種類があります。例えば、レガシーシステムを刷新するために新しいITツールを導入する場合、IT導入補助金の利用が可能です。補助金の額は支援対象内容によって異なりますが、通常は5万円〜450万円の補助が受けられます。

IT人材の育成・獲得

デジタルトランスフォーメーションを進める際、経営層や現場の理解を得られないことが考えられます。デジタルトランスフォーメーションに関する講座を通して意識を高めるのもひとつの方法ですが、主導するIT人材が必要です。

IT人材は、社内で育成する他、新たに採用する方法もあります。しかし、IT人材は需要が高く、すぐに見つかるとは限りません。自社のリソースでIT人材を確保できない場合、アウトソーシングを活用するのがおすすめです。

データ活用

デジタルトランスフォーメーションの成果を実感している企業の7割以上が、アナログデータと物理的なデータをデジタル化して活用しています。

IPAが発表したDX実践手引書でも、デジタルトランスフォーメーションの実現には、必要なタイミングでデータを取り出せるITシステムが必要であると発表しています。

ただし、データ活用のシステム要件を満たせば、どれでもよいわけではありません。ITシステムによっては、データの活用にエンジニアが必要な場合もあります。人材の確保が難しい場合、専門知識が不要なノーコードのシステムがおすすめです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の具体的な事例


自社でデジタルトランスフォーメーションを進めるイメージができない場合、他の企業の事例を参考にするとよいでしょう。ここでは、デジタルトランスフォーメーションに取り組んで成果を出している企業の事例を2つ紹介します。

「経営目線のデジタル改革」(ヤマハ発動機株式会社)

ヤマハ発動機株式会社は、電動アシスト自転車やバイク、スノーモービルなどを製造するメーカーです。

デジタルトランスフォーメーションに取り組む以前は、改善を繰り返すことで売り上げ改善に取り組んでいましたが、経営戦略的なアプローチが足りませんでした。戦略的アプローチによる予知型経営を実現するため、合宿、1on1ミーティングによって経営層全体の意識改革に取り組んでいます。

また、自社のソフトウェアエンジニアに対し、事業目的に適した分析ができるデータ分析トレーニングを実施しました。新たなデジタルツール導入によって、エンジニアリングチェーンの効率化も果たしています。

「既存人材の育成」(株式会社IHI)

株式会社IHIは、資源、社会基盤、産業システム、航空などの分野で事業展開する総合重工業メーカーです。以前は部門ごとにIoTをはじめとしたデジタル技術を活用し、最適化を進めていましたが、プロセスごとに連携できる改革に取り組みました。

それぞれのデータを活用するため、デジタル人材育成プログラムを内製で実施しています。自社の製品や技術を知っている既存の社員を育成したほうがよいという考えから、社内で育成を始めました。

あらゆる知識を持った人材が集まったことで新しいアイデアが生み出され、良い企業風土を築くことに成功しています。

DXの課題はノーコードAI「UMWELT」で解決!

デジタルトランスフォーメーションのあらゆる課題をカバーするツールには、TRYETINGの『UMWELT』がおすすめです。

UMWELTは、プログラミングスキルがなくとも導入可能なノーコードAIツールです。搭載されたアルゴリズムを組み合わせるだけで、業務効率化が図れるため、新たにIT人材を確保する必要はありません。

カスタマーサクセスによるサポート体制も整っているため、導入後も安心して運用できます。

まとめ

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)をそのまま略すと「DT」になりますが、「DX」と表記するのは、英語圏でTransformationをX-formationと表す習慣があるためです。

デジタルトランスフォーメーションを進める際は、データ活用やIT人材の確保が必要です。既存社員だけでデジタルトランスフォーメーションを進めるのであれば、UMWELTをご利用ください。

UMWELTは、専門知識不要でデジタルトランスフォーメーションに取り組めるツールです。お気軽にお問い合わせください。

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