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日本では、あらゆる業界で人手不足が深刻化しています。少子高齢化が進み、労働力人口の減少に歯止めがかからないため、人材の獲得競争が激化しているといえます。求人を出しても期待する人材が採用できないと、悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、人手不足の現状と要因、主な解決策を紹介します。人手不足の解消に取り組む際の参考になるでしょう。
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国内の業界では人手不足が深刻に!
人材を募集しても思うように集まらず、人手不足を実感している方もいるでしょう。実際に、日本全体で人手不足が深刻化しています。
ここでは、人手不足を定量的に把握する指標となる有効求人倍率について解説します。
人手不足率が分かる有効求人倍率とは
人手不足の指標として「有効求人倍率」がよく用いられます。求職者1人に対して何件の求人があるかを示したもので、計算式は以下の通りです。
有効求人倍率=求人数/求職者数
数値が大きいほど多くの求人が存在し、求職者から見れば就職しやすい環境にあるといえます。反対に、値が小さいほど1人当たりの求人数は少なく、就職難の状態です。
採用する企業から見ると、有効求人倍率が大きいほど人が集まりにくい人材不足で、小さくなるほど多くの応募が期待できることを示します。
2022年の有効求人倍率を前年と比較
2022年の年間平均有効求人倍率は1.28倍で、前年の2021年と比べて0.15ポイント上昇しました。有効求人数も前年比12.7%増加しており、人材不足が進んでいることが分かります。
過去の傾向を見ると、有効求人倍率はリーマンショックの影響で低迷した2009年の0.47倍から毎年増加し、2018年のピーク時には1.61倍となりました。新型コロナウイルス感染症の流行により2021年には1.13倍まで低下しましたが、2022年には再度増加に転じて毎月増えています。
人手不足が各業界で起こる主な3つの要因
日本社会の深刻な人手不足には、主に3つの要因があります。どれも社会構造や環境変化に起因するもので、企業ごとの個別の取り組みだけでは抜本的な解決には至らないでしょう。
しかし、人手不足の要因を理解することで、自社に最適な解決策を導くのに役立ちます。既存従業員の流出を防ぎ、人材獲得の競争力を強化するためにも重要です。
少子化と大都市への人口移動
少子高齢化が進む日本では、労働力人口は年々減少を続け、今後も増加に転じる見込みはありません。このような状況下で、企業の人手不足も加速し、人材獲得競争は激化する一方です。
また、地方から都市部への人口流出も、各地の人手不足が深刻化する一因です。東京・名古屋・大阪の3大都市圏への人口集中が顕著で、東京都周辺には日本の総人口の約3割もの人が居住しているといわれています。
求職者の意識変化
もうひとつの要因は、求職者の仕事に対する意識が変化したことです。特に、コロナ禍では多くの企業がリモートワークを導入し、働き方が柔軟になりました。プライベートや家族と過ごす時間を大切にするため、ワークライフバランスを強く意識するようになった人も多いでしょう。
求職者の意識の変化により、企業が求める人材と求職者が希望する仕事の間にミスマッチが生じることがあります。魅力的なワークライフバランスを提供できる企業に人気が集中することで、余裕のない企業には人材が集まらず、労働環境はさらに悪化する悪循環に陥る可能性があります。
企業が求める人材の変化
人手不足の深刻化に備え、企業ではデジタル人材の採用が急務です。しかし、総務省の調査によれば、多くの企業が技術革新を活用して変革を実現するデジタル人材が不足していると感じており、その割合は53.1%にも上ります。
また、近年は中小企業への就職を希望する学生も増えていますが、依然として大企業への就職希望者が多い状況です。そのため、中小企業の求人数が多い一方で、内定をもらえない学生が多く存在するというアンバランスな状況が生まれています。
待遇の良い大企業に人材が偏り、中小企業の人手不足が特に深刻化しています。
人手不足で起こる各業界への影響
企業が事業を継続するには、従業員の活躍が鍵です。そのため、人手不足は事業運営のさまざま面に影響を及ぼします。
一時的な欠員であれば配置変更で対処可能です。しかし、人手不足を放置すると既存従業員の負担が大きくなり、社内状況は次第に悪化するでしょう。
ここでは、人手不足が原因で生じる3つの影響を紹介します。
人件費の高騰
人手不足が進むと、特定のスキルを持つ希少な人材の価値が上がり、その価値に見合う給与を設定しなければなりません。
求人数に対して応募者が少なければ、その人材の価値は高いといえるでしょう。労働者数が少子化で少なくなれば、市場価値が上がるため、総じて人件費は高くなります。
有効求人倍率が増加傾向にある現在、企業が高いスキルを持つ人材を確保するには、他の企業よりも良い待遇を用意する必要があるでしょう。
収益の低下
人手不足を解消できない企業は、事業を維持できないため収益が低下します。企業は事業を縮小し、既存の従業員で対応できる範囲で継続しなければなりません。
新たなプロジェクトや人材開発にリソースを割けず、生産性やサービスの質の低下、販売機会の損失を引き起こします。その結果、経営状況は悪化し、最悪の場合は倒産につながることも考えられます。
採用のミスマッチ
人手不足の企業が採用を強行すると、求める人物像と異なる人材を採用する恐れがあります。「スキルが求めるレベルに到達しておらず即戦力にならない」「得意領域が企業の求めるものと異なる」といった例が挙げられるでしょう。
この場合、企業は業務をこなせるレベルになるまで人材の教育が必要です。また、従業員は自分の能力がすぐに生かせず、思っていたほどの評価が得られないことからモチベーションの維持が難しくなります。
採用のミスマッチは、企業と従業員双方に悪影響を及ぼすでしょう。
人手不足の業界では働く側にも影響が!
人手不足は事業の継続や成長を困難にするため、企業にとって人材の獲得は重要な課題です。また、人手不足の企業で働く従業員にも負の影響があります。
業務の量が多いのに人手が足りないと、従業員の負担は大きくなり、「残業が増える」「休日出勤が必要」「休みが取れない」といった過酷な職場環境になるでしょう。
その結果、ストレスが増大し、生産性が落ちるなど負のスパイラルに陥ります。人手不足が従業員の働きがいや意欲の低下をもたらすことに対する認識は、企業と従業員で隔たりがあり、企業が想像するより事態は深刻なケースもあります。
モチベーションが低下した従業員は、より良い待遇を求めて他の企業への転職も視野に入れるかもしれません。
人手不足の業界は?職業別の有効求人倍率ランキング
労働力人口の減少に伴い、人手不足はあらゆる業界で起きています。特に状況が深刻な業界をランキング形式で見てみましょう。どれも人材の確保に苦慮していますが、今後の日本社会を支える重要な業界です。
なお、ランキングは厚生労働省が公表している2023年3月の業種ごとの有効求人倍率に基づいて作成しています。
1位:建設・採掘の職業
建設・採掘の職業には、建設躯体工事、建設、電気工事、土木、採掘があります。中でも人手が足りていないのが「建設躯体工事」「建設」です。
建設現場の作業は、ハードで危険が伴うイメージが強いため、若い人が敬遠する傾向があります。さらに、これまで建設業界の発展を支えてきた世代が高齢化し、大量に退職することも懸念材料です。
2位:販売の職業
販売の職業には、有体的商品の仕入れ・販売をする商品販売、有価証券などを販売する販売類似、営業職があります。他業種に比べて給与が低く、長時間労働になりやすいことから、離職率が高いことが人手不足の要因です。
中でも、有効求人倍率が最も高いのは販売類似です。次に高いのは営業職で、ノルマや長時間労働から離職率も高い傾向があります。商品販売は、小売店の人手不足が特に深刻です。
3位:サービスの職業
サービスの職業には、飲食物調理、接客・給仕、介護、保健医療サービスなどがあり、中でも人手不足なのが「飲食物調理」です。
飲食業界では、接客・給仕も人手が足りていません。長時間労働に加えて休みが不規則で、体力的な負担も大きいことから離職率が高くなっています。また、新型コロナウイルス感染症の流行時にはほとんどの企業が営業を自粛しており、他の業界へ転職した人も少なくありません。
飲食業界に並んで人手不足なのが、看護助手や歯科助手を指す「保健医療サービス」です。看護助手は業務内容の割に給料が安いことから、年々従事する人が減少しています。
4位:輸送・機械運転の職業
輸送・機械運転の職業には、鉄道・自動車・船舶・航空機の運転、輸送の職業があります。中でも人手不足が深刻なのが「自動車運転」です。
荷物輸送の主要職種であるトラックドライバーは、長時間の運転が必要で、体力的な負担が大きい仕事です。また、価値観の変化もあり、普通自動車の運転免許を取得しない人が増えています。今後、大型免許を取得する人も少なくなるでしょう。
また、コロナ禍でのEC市場の成長に伴い、個人消費者向けの配送需要が伸びています。全体の物流量が増加すると同時に小口配送も増え、ドライバーの不足が深刻化している状況です。
5位:専門的・技術的職業
専門・技術的職業には、開発技術者、建築・土木・測量技術者、医師・薬剤師、看護師・助産師、情報処理・通信技術者などがあります。中でも人手不足が目立つのが「その他の技術者」「開発技術者」です。
その他の技術者は労働安全衛生技術者や環境衛生技術者など、開発技術者は食品開発、電気・電子・電気通信設計、機械設計、自動車設計などの技術者を指します。開発技術者は、中小企業で人手不足が目立ち始めています。
製造業は「3K(汚い・きつい・危険)」に加えて労働時間が長いイメージがあり、就職先として選ばない人が増え、離職率も高くなっています。
人手不足を解消するには?
日本の労働力人口が増えない現状では、人手不足の解消を新たな人材の採用だけに頼るのは危険です。
新規採用にリソースを集中するより、社内で実行可能な取り組みを強化するほうが効果的なケースもあります。ここでは、3つのおすすめの取り組みを紹介します。
職場環境を見直す
人手不足を解消するには、既存従業員と求職者にとって魅力的な職場を目指す必要があります。以下は魅力的な職場環境の一例です。
・他の企業より給料や福利厚生制度などの待遇が良い
・残業が少ない
・休暇を取得しやすい
・評価制度がしっかりしている
・職場内のコミュニケーションが活発
職場環境が良ければ、従業員の仕事に対するモチベーションは向上します。高い意欲を維持することで一人一人の生産性が上がり、アウトプットの質も高まります。
その結果、事業の成長に向けた仕事にリソースを割り当てられ、人材獲得の競争力も増すでしょう。
人材育成
人手不足に対応するには、人材を新たに獲得するだけでなく、既存従業員の積極的な活用も有効です。人材育成を充実させることで、企業全体の組織力向上が期待できるでしょう。
例えば、定年を迎える従業員がより長く働ける体制を整え、後継者育成を促進するのもひとつの方法です。既存従業員のトレーニングを強化し、より広い業務範囲を担えるようにすることで、突発的な欠員に対して配置変更といった柔軟な対応が取れます。
また、外国人を採用するケースもあります。将来的に母国で経験を生かすために高いモチベーションで知識を吸収し、スキルアップに励む人材が多く、自社の成長にも貢献してくれるでしょう。
ITを活用して業務を効率化する
新たな人材獲得が難しい場合、既存の業務を効率化し、生産性を上げることが重要です。それには、ITの活用が効果的です。
毎日同じように繰り返す作業には、自動化ツールが役立つでしょう。毎日1人の従業員が定型メールを送信している場合、その作業に費やしていた時間を他の作業に充てられます。
単純作業の繰り返しは、ITの得意分野です。人間は集中力の欠如などからミスを起こしますが、ITツールはミスなく正確に作業を完了します。
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ITツールの導入は人手不足に効果的ですが、自社に適したものでなければ期待通りの成果は出せません。
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近年、AIを利用した効率化ツールが注目を集めています。しかし、AIの活用には高度な専門知識が必要で、導入に高額な費用や長い時間が必要です。
UMWELTは社内に専門家を配置する必要がなく、既存従業員が操作可能なAIツールです。需要予測、在庫管理、自動発注など高度な機能をノーコードで利用でき、既存業務を効率化できるでしょう。
まとめ
少子高齢化が進む日本では、人材の獲得競争が今後ますます激化するでしょう。そのような環境下で事業を維持し、発展するには、業務の効率化が不可欠です。
多くの企業で業務効率化に向けてAI技術の実装が進んでいます。しかし、データやAIモデルを扱うには専門知識が必要です。
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