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在庫管理でPOSシステムを使用する4つのメリット!導入前に知っておきたいデメリットを解説

 

店頭での商品売買に必須とも言える「POS」。大手コンビニエンスストアや外食チェーン店の多くは、このPOSシステムを日々活用し、店舗運営を行っています。バーコードで商品を読み込むことで、一括で在庫管理までできる利便性から、中には在庫管理もPOSで行っている企業もあります。そこで今回は、このPOSを活用し在庫管理を行った場合、どういったメリット、デメリットがあるのかを見ていきます。

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在庫管理とは


在庫管理とは、販売するための商品や納入した材料について、必要な量を、必要な場所に、必要な時に供給できるように社内の制度を整えることを指します。過剰在庫を防ぎ、貴社にとって適切な在庫を維持・管理するための仕組みづくりとなります。主な作業に入荷在庫のカウントや入力、注文・販売による出庫数の把握・管理、検品や棚卸し、そして在庫の状況の管理です。この在庫管理方法は主に3つあります。①在庫管理表への手書き、②エクセルを使った管理、そして③在庫管理システムの活用です。これら以外にも、POSシステムを活用した在庫管理方法があります。今回は、このPOSを使った在庫管理について解説していきます。

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在庫管理におけるPOSシステムとは


「POS」と聞くと、レジを連想する人が多いと思います。POSは「Point of sale (販売時点情報管理)」の略で、販売管理を行うレジの機能がついたシステムです。このPOSシステムと在庫管理はどう結びつくのでしょうか。ここでは、POSシステムは何か、そしてPOSでできることについて見ていきます。

1.POSとは

POSとは、物単位で売り上げ実績を記録できるシステムです。ちなみに、お金を出し入れするレジは「POSレジ」と呼ばれ、POSシステムはこのPOSレジと仕入れや売り上げ管理をするシステムから構成されているのです。

2.POSシステムができること

コンビニでよく見かけるPOSレジですが、POSレジを含むこのPOSシステムではどういったことができるのでしょうか。例えば、商品のバーコードを読み込むだけで商品の在庫状況を把握できます。また、店舗に在庫が足らなくなれば自動で、システムから発注業務ができます。このPOSを導入するメリットは、なんといっても商品名や価格、数量、日時などの情報を把握するため「いつ」「どの商品が」「何個」「誰に(属性)」に売れたか、経営者が現場にいなくても把握できる点です。

在庫管理でPOSシステムを利用する4つのメリット


次に、POSシステムで行う在庫管理のメリットについて紹介していきます。アパレルやコンビニの店舗では、在庫管理をレジでも使用しているPOSで行っているケースが多々あると思います。ここではPOSで在庫管理を行う利点4つを紹介します。

1.複数の店舗を管理できる

まず1つ目のメリットとして、各地にある店舗の売り上げを一括して本部で把握できる点が挙げられます。各店舗から情報を逐一収集する必要がなく、現場からの報告の仕事を減らせる点も魅力的です。現場もリアルタイムの報告を毎回する必要がなくなり、お店の営業に集中することができます。また本部では、その日の売り上げ管理や在庫管理など、実店舗に足を運ばなくても把握できる点が魅力的です。

2.売上データを解析できる

2つ目に、POSシステムの種類にもよりますが、中には売り上げや仕入れ管理、在庫管理以外にも、売り上げデータを解析できるものもあります。売り上げデータの解析は、今後の品揃えや在庫管理だけでなく、店舗作りにおいても重要です。売り上げデータを解析するシステムが別売りであるくらい、特に小売業にとっては重要な機能です。

3.業務の効率化が図れる

3つ目に、POSシステムは業務効率化も実現できます。在庫管理や仕入れ、売り上げ管理を同じシステム内で可能としているため、システム同士の連携や、手書きメモを入力することなく、シームレスに運用できる点が特徴です。データの重複入力も避けることができ、店舗内の正確な在庫数をタイムリーに把握することも可能です。現場と本部の仕事も明確に分けて行うことができるため、社内で円滑な業務遂行に貢献します。

4.在庫管理を一元化できる

また最後に、在庫管理を一元化することも可能です。POSシステムは、バーコード読み取りによる棚卸し作業や、系列店舗同士で発生した在庫移動履歴の把握、POSレジで販売した商品の自動マイナスカウント、そして発注業務や検品業務まで同じシステム内で行うことが可能となっています。同じシステム内で、さまざまな管理ができることは魅力的で、エクセルや帳簿などに分けて記入する必要もありません。

在庫管理でPOSシステムを利用するデメリット


一方、POSシステムで行う在庫管理にはデメリットも存在します。在庫管理に特化したシステムではないので、満足な在庫管理ができない場合があります。ここではPOSシステムを使った在庫管理のデメリットについて2つ、紹介していきます。

1.停電時に使用できない

1つ目は、停電した場合、在庫管理が止まってしまう点です。豪雨や地震など、自然災害で発生する停電。これにより、POSシステムを導入しているレジでは会計や発注、在庫管理といった業務ができなくなってしまいます。データが紛失することはないものの、電力が復旧するまでレジが開けないといったことも多々あるようです。POSシステムに店の経営を全て委ねていると、万が一の時に一大事になりかねません。

2.初期費用がかかる

また2つ目に、POSシステムはとても高価です。POSレジ1台につき、20万円以上は必要となっており、何台もレジを導入する場合は、かなりの金額を初期費用として投資する必要が出てきます。iPadを活用したPOSレジは比較的安価で導入できますが、それでもiPad代や周辺機器(クレジットカード読み込み機やバーコードリーダーなど)を導入することで高額になってしまいます。

POSシステム以外で在庫管理を行う方法


では、POSシステム以外で在庫管理を検討する場合、他にはどのような在庫管理手法があるのでしょうか。ここではその他の手法について3つ、エクセル、在庫管理表、そしてAIを使った在庫管理方法を見ていこうと思います。

1.エクセル

多くの人が一度は使ったことがあるエクセル。このエクセルを利用すれば、誰でも社内の在庫管理を組み立てることが可能です。しかし、導入する店舗により必要な項目が変わってきたり、いつ情報を更新したのかはっきりさせておく必要があるため、正確な在庫管理を行う上では難しい手法となってきます。また、特定の人しか在庫管理のルールを把握していない状況にもなりかねません。

2.在庫管理表

在庫管理表とは、仕入れた商品や原材料をいくつ保管しているのか、いつ仕入れて入庫したものなのかを正確に把握、管理するために使用する表のことです。在庫の量や期限などの項目を記入することで、在庫を在庫管理表内において一括で把握することが可能です。手法は手書き、エクセルの両方で可能です。ただ独自のルールを社内で作る必要があり、専門性が問われる作業となります。

3.AI

そして最後はAI(人工知能)を使った在庫管理です。この手法では、在庫管理を円滑に行うことができるようになるだけではなく、在庫の出入荷からの需要予測も可能となります。主要なシステムに、NECの「EXPLANNER/Ai」、ニューレボの「ロジクラ」、三菱総合研究所の「匠AI」、そしてSASの「SAS for Demand-Driven Planning and Optimization」があります。しかし、AIを使った在庫管理はどのように行われるのでしょうか。

AIを利用した在庫管理を行っている事例


次に、具体的にAIを利用した在庫管理の事例について見ていきます。

・セブン&アイ・ホールディングス
ここでは、AIを活用した在庫管理の精度を上げる取り組みが行われています。天候や店舗周りでのイベントに左右されるお客様のニーズに対応するため、同社では2017年から三井物産と共同でAIを活用した在庫管理を開始しました。

・グッディ
過剰在庫や、それら在庫処分のための値下げをせざるを得なかった課題を解決するため、AIを活用した在庫管理をはじめました。内部データや、天気などの外部要因など様々な情報を集約し、その大量のデータ分析をAIに委ねることで、適正在庫を確保できるようになりました。

・eBay
顧客分析ツールを得意とする企業の買収や、AIと機械学習を専門に行う企業を買収することで、AIを使った在庫分析を実現。今までの購買分析から、顧客に最適な商品を提案することを可能としました。

AIを用いた在庫管理システムを利用するメリット


在庫管理システムにAIを掛け合わせることは、どのようなメリットが考えられるのでしょうか。ここでは、AIを活用した在庫管理システムの利点について4つ紹介していきます。

1.購入に至らなかった顧客のデータを活用できる

今までマーケティングには、購入した顧客のデータしか活用ができませんでした。しかし、AIを使った在庫システムでは、店舗内に設置したカメラにより顧客の行動分析が可能です。そのため、店舗内を歩き回ったにも関わらず購入しなかった顧客の行動データがカメラにより取得可能です。これらのデータを分析することで、店舗内の品揃えの工夫や、最適なレイアウトが生み出せるのではないでしょうか。

2.適正な在庫数での管理ができる

AIを活用し様々なデータを分析することで、需要予測が導きやすくなります。これら分析結果により、過剰在庫を防げるだけでなく、必要な在庫を必要な分だけ、いわゆる適正在庫を保つことができるようになります。適正在庫を保つことは、廃棄ロスにもつながるため、経費削減を狙えます。

3.販売機会の損失を減少させる

AIを活用した需要予測が行えることは、商品の欠品を防ぐことにつながります。事前に需要が高まるだろうと見込まれる商品を欠品になる前に注文し、仕入れておくことで、商品棚からの欠品を防ぐことが可能です。これは、顧客への販売機会損失を防ぐことにつながります。またリアルタイムの在庫状況も把握できるため、過剰在庫防止にも役立ちます。

4.品出し業務の効率化が図れる

リアルタイムで商品棚を把握することで、欠品する予測が出た商品に絞って商品を品出しすることも可能です。品出しする商品を決めるためだけに、従業員が店内を歩き回る必要がなくなります。ここから、業務効率化や人件費削減にもつながります。人にしかできない業務に人材を有効活用することで、働き方改善にもつながるでしょう。

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まとめ

POSシステムを使い、在庫管理を行うことはできます。しかし、前述したデメリットがあるようにPOSは自然災害に弱く、そして初期費用が高価です。在庫管理手法としても、エクセルや在庫管理システム、AIを活用した在庫管理など様々な方法があるため、どれを導入すればいいのか悩む場合もあると思います。色々なツールを試す中で、ぜひ一度TRYETINGの「UMWELT」も検討してみてください。

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