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生産管理システムの自作方法とメリットは?自社開発での課題と解決策も解説

生産管理とは、計画通りに製造が進むように工程を管理することです。この管理業務を最適化し、製造に関わる「物・情報・資金」を統合するシステムを生産管理システムと呼びます。本記事では、生産管理システムの自作について、流れやメリット、課題点を解説しています。生産管理やシステム担当の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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生産管理のシステムとは?自作する方法


生産管理システムは、モノづくりの現場で欠かせない存在として多くの製造業が取り入れています。ここでは、生産管理システムの定義や役割を改めて確認していきます。

モノ・情報・お金の流れを管理

製造の現場では、資材・部品の調達や在庫といった「モノ」、生産計画や納期などの「情報」、原価や利益などの「お金」を管理する必要があります。生産管理システムは、こうした要素を統合することで、現場の仕事をスムーズにする役割を担っています。

業務別のシステム機能

生産管理システムは、製造業における工程に応じてさまざまな機能を有します。なかでも代表的な5つの機能を紹介します。

  • 生産計画機能
  • 生産計画を策定するために、過去の売上データを抽出する

  • 購買管理機能
  • 現場で必要な部品や資材の調達を管理する

  • 工程管理機能
  • 計画通りに工程が進んでいるかを管理する

  • 在庫管理機能
  • 納期や製造年月日など在庫に関する情報を管理する

  • 品質管理機能
  • 製品の品質が基準を満たしているかを判断する

自作手段

生産管理システムの導入時には、外注の他に自社でシステムを作成するケースがあります。特に、管理の規模が小さく収まる中小企業において、その流れがよく見られます。自社で生産管理システムを構築する場合には、費用が安く抑えられるという理由でエクセルが活用されることが多いです。

エクセルで自作できる生産管理システム機能


エクセルを活用することで、生産管理業務で使えるさまざまな機能を自作できます。それでは、エクセルで自作できる生産管理システム機能には、具体的にどのようなものがあるかをみていきます。

ピボットテーブルでの分析

「ピポットテーブル」は、エクセル内のデータを抽出して、クロス集計表を自動的に作成する機能です。この機能の活用例としては、縦軸に販売年度、横軸に商品名を取って、年度ごとの商品の売れ行きを一目で分析できるようにするケースが挙げられます。

生産計画のガントチャート表示

エクセルに備わっている「ガントチャート表示」機能を使えば、作業計画を視覚的にわかりやすく表示できます。また、ガントチャートには各工程における担当や進捗状況、タスクを詳細に記入できるため、プロジェクトの調整がスムーズに進むはずです。

関数でシート管理

エクセルには、「SUMIF・VLOOKUP・IF」といった、データ抽出や表の作成時に役立つ関数が存在します。SUMIF関数は、条件に合致する数値だけを合計する機能であり、VLOOKUP関数は、表を縦方向に検索し、条件に合う数値を見つけ出す機能です。また、IF関数は、あらかじめ設定した条件に合致した際に、特別な表示を行える機能として知られています。特にIF関数に関しては、納期が迫っている製品についてアラートを表示できるため、工程管理に大変役立ちます。

VBAをつかったデータ入力

VBAは、エクセルにおけるユーザーの操作を記憶して、同じ操作を自動化する機能です。この機能を活用すると、データ入力などの定型業務を自動化できるため、大幅な業務効率化につながります。

バーコードの活用

エクセルでは、バーコードの作成や管理が可能です。そのため、エクセルをハンディターミナルと併用することで、在庫情報や製造工程をリアルタイムで管理できるようになります。

生産管理システムを自作する流れ


生産管理システムを自作する際には、大きく分けて3つのステップを踏む必要があります。ここでは、生産管理システムを自作する流れについて解説します。

戦略と組織作り

まずは、生産管理システムを導入する目的を明らかにしたうえで、目指すべきゴールと戦略を策定します。その戦略を実行するために必要と考えられる、組織も明確にします。組織作りには、現場の従業員だけではなく、本社の管理部門や外注先の資材業者といった多くの人が関わっている点が重要です。

機能を選定する

戦略と組織作りが明確になった後は、生産管理システムで実現したい機能を選定します。この際、目指すべき将来のビジョンや従業員の情報リテラシー、現行のシステムや現場の業務といったさまざまな要素が判断基準となります。

コストの算出

生産管理システムの運用においては、ソフトの購入費や作成に携わる人件費といったイニシャルコストの他、毎月のライセンス費用などのランニングコストが発生します。これらコストの概算を算出する主な狙いは、その後の具体的な計画策定に役立てることです。

生産管理システムをエクセルで自作するメリット


エクセルを活用した生産管理システムの自作には、コスト面だけではなく、利便性や汎用性においてさまざまなメリットがあります。

使える人が多い

エクセルは多くの企業が業務で使用しているため、ある程度操作できるという人は多いものです。そのため、従業員への教育のコストや手間が省ける点がメリットといえます。

自動的に計算してくれる

エクセルの関数を使用すると、データの抽出や計算が自動化で行えるようになり、業務効率と生産性の改善につながります。

他システムと連携ができる

エクセルは多くの外部ソフトと連携できるため、エクセル内のデータを他のシステムに出力できます。このように汎用性が高い点は、エクセルの広く普及している大きな理由です。

生産管理システムをエクセルで自作する場合の課題


エクセルを利用した生産管理システムの自作にはメリットがある一方、デメリットも多く存在します。ここでは、こうしたデメリットについて詳しくみていきます。

処理速度が遅くなる

エクセルはPC上で起動するため、操作性は実際に使っているPCのスペックに依存します。そのため、PCにデータが蓄積するにつれて、処理速度が著しく低下するおそれがある点がデメリットです。

編集アクセスの制限

エクセルのデータを更新する際、同時に複数のユーザーが変更を行えない点もデメリットです。そのため、データの整合性が取れず、正しい情報を確認できないおそれがあります。

専門知識が必要になる

VBAを活用したエクセルの運用では、操作方法の属人化が問題となります。作成した従業員のみVBAの操作や更新方法を知っているという状況では、その従業員がいなくなってしまうと操作不可となりえます。

リアルタイムの進捗状況を見られない

エクセルでは、実際の業務進捗状況に応じたデータ更新ができません。そのため、リアルタイムでの進捗状況を確認できないため、生産管理計画の調整が遅れるおそれがあります。

最新ファイルの運用が難しい

従業員が、エクセルファイルをコピーしてローカルPCに保存してしまうと、ファイルがいくつも存在する事態になります。その結果、最新のバージョンを判断しづらくなって、運用が困難となるかもしれません。

行数に限界がある

エクセルには、データを格納できる行数に限界があるため、データがある程度蓄積した段階で別ファイルに以降しなければなりません。複数ファイルが存在すると、データの管理が難しくなって、業務効率が低下するおそれがあります。

操作履歴を見られない

エクセルは操作履歴を確認できないため、誰が編集したのか、あるいはいつ変更されたのかといった情報を確認できません。その結果、入力してある情報の出所や正誤を判断しかねる点がデメリットです。

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まとめ

生産管理システムは、製造業の根幹となる重要な存在です。操作性が高く機能が充実したシステムを構築することで、業務効率化が実現するうえに企業の売上も向上する可能性があります。TRYETINGの「UMWELT」であれば、低コストかつ短期間で貴社の事業内容に適した生産管理システムを導入できます。ぜひ一度、弊社にお問い合わせください。

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