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AIができることとは?できないことや具体例、活用するメリットを徹底解剖!

近年、AIは家電など生活品にも使われるようになりました。身近な存在になったAIですが、他にできることはあるのでしょうか。

この記事では、AIとはどのような技術なのか、AIにできることとできないこと、ビジネスでの活用事例を紹介します。最後まで読むことで、AIに関する知識が身に付き、ビジネスにも生かせるでしょう。

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AI(人工知能)とは?導入するメリットと活用例やおすすめのツールを紹介

▼社内のデータをAI化するには?
ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)

AIとはどのような技術?


AIは、人間が脳内で行う知的活動を、コンピューターのプログラムとして再現したものです。AIは機能や特徴の違いで、特化型AIと汎用型AIに分類できます。ここでは、AIとはどのようなものなのか、概要を理解しましょう。

「人工知能」のこと

AI(Artificial Intelligence)は、日本語で「人工知能」と訳します。

人工知能とは、人間の脳を人工的に再現したものです。人間が脳で考えて実行する活動を、コンピュータープログラムとして実現します。これまで人間にしかできなかった作業もAIが代用できます。

特化型AIと汎用型AIに分類できる

特化型AIとは、プログラムに従い特定の作業を行うAIのことです。例えば、画像認識AIや囲碁AIです。特定分野では人間を超える高い性能を発揮しますが、プログラムにない分野の作業は行えません。限られた領域しか対応できないことから、特化型AIは「弱いAI」とも呼ばれます。

一方の汎用型AIとは、人間のような意識や感情を再現できるAIのことです。汎用型AIは「強いAI」と呼び、プログラムにない分野の作業も可能です。しかし、現時点では課題も多く、実現していません。

AIを支える機械学習

機械学習とは、数値・画像・音声・文字などのデータを使い、コンピューター自ら学習する技術です。機械学習の学習方法は「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つに分けられます。

・教師あり学習
入力データに対する出力が決められている手法です。学習成果を基に、未知の入力データでも適切な解答を出力できます。

・教師なし学習
入力データのみが与えられる手法です。入力データから特徴や構造を分析し、出力します。

・強化学習
出力に価値を付ける手法です。コンピューターは、試行錯誤しながら価値の最大化(望ましい出力)を目指します。

ディープラーニングとの違い

ディープラーニングは、機械学習が発展した手法です。入力データを基にパターンやルールを発見してデータ認識・予測する機械学習とは違い、ディープラーニングはニューラルネットワークを使って学習します。

ニューラルネットワークとは、人間の脳神経系をコンピューター上で再現した数学モデルのことです。例えば機械学習の場合、「色に着目する」など、学習のポイントを指示する必要があります。しかしディープラーニングは、人間がパターンやルールを指示しなくとも大量データを与えるだけで学習するのが特徴です。

AIにできることの具体例


AIは文章・画像・音声などをデータとして認識できるため、生活やビジネスシーンに役立てられています。身近な存在のAIはどのようなことができるのか、具体例を交えながら紹介します。

文章理解

AIができることのひとつは文章理解です。人間が日常的に使う文章を理解し処理することで、翻訳や要約などの業務ができます。

AIによって従来のコンピューターでは認識できないような曖昧な表現も理解し、精度の高い文章の作成が可能になりました。大量のデータを自動的に収集して執筆でき、1年に2万ページほどのまとめ記事を作成した事例もあります。

音声理解

AIは人間が話す言葉を一音ごとに分析し、テキストデータへ変換できます。音声をひとつの波形として認識し、その波形に近い文字データを割り当てる仕組みです。

音声理解ができるようになったことで、音声入力、バーチャルアシスタントとの会話が実現しました。ビジネスシーンでは、窓口業務の自動翻訳、議事録作成に使われています。

画像認識

画像認識とは、カメラに写ったものを自動検出する機能です。画像から特徴を認識し、学習したデータから対象物を検出します。

AIの進歩により正面からの画像だけでなく、マスクを着用した画像や斜めから撮られた画像でも認識できるようになりました。顔認証システムなどに活用できます。

推論・予測

推論・予測とは、過去のデータを基に最適な手段を推論・予測し実行できる機能です。ディープラーニング(深層学習)技術の発達により、精度が飛躍的に上昇しました。

将棋(AlphaGo)やチェスなどのゲームでは、人間を超えるプレイが可能です。他にもGoogleの検索システムや株価予測に使われています。

異常検知

業務遂行に欠かせない設備・機械が異常を起こした場合、大きな損失につながる可能性があります。通常稼働時のデータをAIが学習することで、異常やその予兆の検知が可能です。人間では気付けないような異常も検知し、トラブルを回避します。

AIによる異常検知は、半導体の傷をチェックする外観検査、食品の異物混入検査などに使われています。

機械制御

データを理解し、ロボット・生産設備などの機械制御を自動化できます。状況に応じて、設備のパラメーター調整や作業内容の変更も可能です。

現在は、産業用ロボットや車の自動運転、農業の自動収穫ロボットに使われています。機械制御を活用できると、品質向上、人手不足の解消につながります。

AIにできないことの具体例


AIの進化によってできることが増えた一方で、できないことも存在します。AIにはできないといわれているのは、新しい発想が必要な作業や、空気を読んで行動するコミュニケーションの分野です。

パーソナライズ化

AIができないこととして「パーソナライズ化」があります。パーソナライズ化とは、顧客全員に同じサービスを提供するのではなく、個人に合わせて対応を変えることです。

AIは、過去のデータを基によくある質問や事例に対応できますが、データの少ない個別の事例に対しては正確な回答ができません。個人の事例に対応するパーソナライズ化はAIの苦手分野です。

人の気持ちを酌んだコミュニケーション

相手の気持ちを察したコミュニケーションもAIのできないことです。円滑にビジネスを行う上では、相手がどのように考えているかを予測した行動が重要です。

しかし、感情を持たないAIは人間の心理までは予測できません。雰囲気を察することが必要な場面には不向きです。

クリエーティブ分野

作曲や小説創作といった、クリエーティブな作業もAIのできないことです。AIは「過去のデータを基に作業を行うこと」を得意としています。過去のデータから最適解を見つけ出せる反面、今までになかったものを生み出す作業には不向きです。

画像や文章を作る「生成AI」が登場

AI技術の進歩により、かつては困難だったクリエイティブな作業も可能になりつつあります。特に、文章や画像を生成するAI技術はその進化が顕著で、ChatGPTやMidjourneyのようなサービスがその象徴と言えるでしょう。

ChatGPTは、自然言語処理技術に基づいて開発されたAIで、事前に大量のテキストデータを学習することで、人間らしい自然な会話を実現します。一方、Midjourneyはテキストから高品質な画像を生成するAIで、ユーザーが入力した言葉から想像を絶するようなビジュアルを創り出すこともあります。

これらのAIは、従来の手法では到達困難だったクオリティとスピードでコンテンツを生み出すことができ、クリエイティブな表現の可能性を大きく広げています。

AIでできることを活用した業界の事例


AIはさまざまなことができ、ビジネスにも生かされています。ここでは、製造業・建設業・物流業・農業・小売業でのAI活用事例を紹介します。

なお、業界ごとにAIの活用方法は多種多様です。各活用事例を見て、AIを自社のビジネスモデルに生かすイメージを膨らませましょう。

1, 製造業

電池事業などを展開する株式会社東芝は、データに大量の欠損値があっても、不具合の要因を特定できるAIを開発しました。

製造現場では、製造物の加工条件、製造プロセス、設備稼働に関するデータを膨大に蓄積しています。これらのデータを用いると、品質や歩留まりが悪化する要因の特定が可能です。しかし、実際には欠損値があり、要因解析の高速化や高精度化は困難な状態でした。

開発したAIの実用性は、理論および実験を行い検証が済んでいます。欠損率90%以上のデータを使ってベンチマークした結果、最先端のアルゴリズムと比べ推定誤差を約41%削減できました。

2, 建設業

建設工事や都市開発などを行う株式会社大林組は、安全管理と設計業務にAIを活用しています。

建設現場では、高齢労働者および外国人労働者の労働災害増加、若手監督者への安全技能が伝承できない課題を抱えていました。

課題解決のため、AIシステムを開発します。作業計画書などの帳票上に現場や作業者に応じたチェックリストを動的に作成することで、勘や経験に頼りがちだった安全管理業務を改善しました。

設計業務では、スケッチや3Dモデルから多様なファサードデザインを自動で提案するAIを開発します。顧客とイメージを擦り合わせる時間、手間の大幅な削減につながりました。

3, 物流業

自動車輸送や海上輸送などを行う日本通運株式会社は、通関業務のデジタル化を行い、業務効率化を実現しました。

従来の通関業務では、大量の貿易書類を作成・審査しなければならず、負担が大きい状態でした。課題解決のために、AI-OCRで貿易書類を自動でデータ化し、関税計算と申告書作成ができるシステムを導入します。

システム上では、データ化した情報の一覧表示が可能です。記入ミスや入力不備を見つけやすく、通関士の負担軽減につながっています。

4, 農業

国内外の農業を支える株式会社クボタでは、AIを活用したスマート農業サービス「KSAS」を展開しています。

KSASは、インターネットクラウドを使い農業経営における課題解決をサポートするシステムです。パソコンとスマートフォンを用いて対応農機や農業関連製品と連携し、データの収集と活用を行います。

取得データをAIが解析・処理することで作付計画やコスト分析、施肥(施薬)計画の策定が可能です。

5, 小売業

洋菓子販売チェーン店を展開する株式会社不二家は、主力商品である洋菓子の賞味期限が短く、正確な需要予測ができなければ利益獲得が困難という課題を抱えていました。

需要予測を行っていたのは工場の生産管理担当者です。経験を基に原料調達・物流計画・出荷計画を行っていましたが、商品点数の多さなどを理由に正確な需要予測ができずにいました。

AIを使って過去の販売実績や天候などのデータから需要を導き出し、欠品などの機会損失削減にも成功します。

6, 医療業界

医療業界におけるAIの進化は、患者の診断と治療方法に変革をもたらすかもしれません。

例えば、アステラス製薬とエムハートによるマイホルターIIの開発は、心電図データをAIが解析し、心房細動などの異常を高精度で検出します。従来、心電図の解析は専門知識を持った医療関係者が時間をかけて行う必要がありましたが、マイホルターIIの導入により、解析作業の効率化と精度の向上が実現されました。特に、心房細動は早期発見が重要であり、患者の健康管理と病気の予防に貢献しうると期待されています。

クラウドベースの解析サービスにより、医療関係者は場所を選ばずリモートで解析作業を行うことが可能となり、より多くの患者が心電図検査の恩恵を受けられるようになりました。このようなAIの活用は、医療業界における診断を飛躍的に向上させ、患者の健康寿命を伸ばすかもしれません。

7, 金融業界

金融業界におけるAIの活用は、投資のパラダイムを大きく変えるかもしれません。

例えば、ロボアドバイザー「WealthNavi」はユーザーの資産運用を自動化し、長期的な資産形成を実現します。手間のかかる資産配分、発注、積立、リバランス、税金の最適化を自動で行い、世界約50カ国、1万2,000銘柄にわたるETFを通じた分散投資を可能にします。ユーザーはスマホやパソコンから簡単な質問に答えることで、個々の運用プランを得られ、いつでも資産状況をチェックできます。

また、「おまかせNISA」や「ミリトレ」などの機能を通じて、少額からでも効率的なポートフォリオを実現し、NISAの非課税メリットを活用することもできます。このように、WealthNaviはテクノロジーを駆使して、従来にはない柔軟性とアクセシビリティを金融サービスにもたらし、忙しい現代人の資産運用を容易にしています。

8, ゲーム業界

ゲーム業界におけるAIの活用は、ユーザー体験を大きく変えようとしています。

例えば、スクウェア・エニックスによる合成音声技術は、キャラクターとの没入感を深める新たな体験を提供しています。この技術は、カスタムニューラル音声を利用して、キャラクター固有の喋り方や個性を表現することに成功。実際の人間の声を基に学習したAIは、ゲーム内でリアルタイムにテキストから声を生成し、それがプレイヤーに「普通」に聞こえるレベルまで到達しています。

この技術は、キャラクターの感情や特徴をより豊かに表現することも可能にし、ゲームに革新的な進歩を起こそうとしています。また、カスタムニューラルボイスの利用は、開発工程を大幅に効率化し、非エンジニアでも容易に実装できる点も注目されています。

AIの活用にはどのようなメリットがある?


AIがさまざまな業界で使われているのは、多くのメリットが得られるためです。ここでは、AIをビジネスに活用するとどのようなメリットがあるのかを紹介します。自社が抱えるビジネス上の課題を解決できるメリットがあるかチェックしましょう。

業務が効率化する

AIは、人間のように体調次第で作業効率が変化することはありません。繰り返し作業も休むことなく進め、品質や作業スピードも一定です。

全業務の自動化はまだできませんが、夜間や営業時間外に稼働することで人の手で行う場合よりも大幅な作業時間短縮ができるでしょう。

人手不足を解消できる

業務を自動化すれば、それまで必要だった人手は投入せずに済むため、人件費を減らせます。

例えば、カスタマーサービスのような属人化しやすい業務からチャットボットへの代用です。チャットボットは、ユーザーなどからの質問に自動で応答します。オペレーターの労働時間短縮につながる他、休暇の影響を受けることなく業務を遂行します。

人的ミスを軽減できる

AIは、人間が決めたアルゴリズムに従い自動的に判断や対応をします。

人間は労働時間が長くなるほど疲労が蓄積し、作業精度に影響を与えることがあります。膨大なデータをAIが学習することで、人的ミス削減が可能です。危険な場所での作業も、AIの自動化により作業員の安全を確保できます。

デメリットも理解しよう

AIには、以下のデメリットもあります。単にAIを導入するのではなく、デメリットを理解し必要な対策を講じることが大切です。

・雇用が減る
・高度なリスクマネジメントが求められる
・ハッキングや情報漏えいのリスクがある
・思考プロセスが分からなくなる
・AIの判断で生じたトラブル時の責任所在が曖昧になる
・導入や維持に費用がかかる

将来AIができることは増えるのか

AIの能力がさらに上がると、人間の脳と同等になることが予測できます。2029年ごろにはAIが人間の知性に追い付き、2045年にはシンギュラリティー(全人類の知性よりもAIの能力が上回る時点)に達する見込みです。

今後、ビジネスへのAI導入は加速するでしょう。さまざまな分野がAIを導入し、企業格差が生じることも考えられます。

人間にしかできない仕事とは?

AIが急速に進化する中で、人間にしかできない仕事は存在します。これらの仕事は、創造性、感情の理解、倫理的な判断など、AIが模倣困難なことです。

例えば、芸術家や小説家のようなクリエイティブな職業は、個人の感情や経験から生まれる独創的な作品を創り出すため、AIには真似しにくい領域です。また、心理学者や医療系のソーシャルワーカーなど、人の感情を理解し、共感する能力が求められる職業も同様であると考えられます。

さらに、倫理的な問題を扱う職業、例えば裁判官や倫理学者などは、文化的背景や人間の価値観を考慮した複雑な判断を下す必要があるため、AIでは対応が難しいとされています。これらの仕事は、人間固有の洞察力、共感性、創造性に根ざしており、AIの発展と共にさらにその価値が再認識されるかもしれません。

既存システムのAI化は『UMWELT』が最適!


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UMWELTは専門知識がなくとも、業務効率化ができるAIツールです。ここでは、UMWELTの特徴と、導入事例を紹介します。

AIの活用で業務を効率化する

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導入事例を紹介

ビーインググループ様は、物流センター業、車両整備業、混載物流業、保険業、情報システム業などを展開する総合物流輸送企業です。

物流予測精度にばらつきがあり、倉庫業務の最適なシフトが組めず、物流センターの収益に影響を与えていました。

UMWELTのトライアルでは、6拠点で効果検証を行い、実際の運用イメージを確立します。過去3年以上の実績データを使って1年~2年先の需要予測ができること、AIに関する専門知識を必要としないことがポイントとなり、本導入しました。

(参考:『【ビーイングホールディングス様】UMWELT活用事例|物量予測し人員最適化へAI導入|TRYETING』

まとめ

AIは、これまで人間が行ってきた作業を行える人工知能のことです。具体的には、翻訳や要約などの文章理解や音声理解、画像認識、異常検知などができます。AIをビジネスに取り入れることで、業務効率化、人手不足の解消が可能です。

既存システムのAI化を目指したいのであれば、ぜひTRYETINGのUMWELTをお試しください。UMWELTの導入で業務効率化に成功した事例もあります。

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