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物流の5大機能とは?業務内容と課題解決に必要な管理を解説

 

物流の仕組みを理解する上で重要なのが、5大機能です。物流の5大機能は、それぞれどのような役割を担っているのでしょうか。

この記事では、物流の概要や5大機能の業務内容と課題、課題解決に必要な管理方法について解説します。記事を読んで、今後の物流に必要な業務体制を整えましょう。

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物流は5大機能で動いている!


物流は5大機能によって成り立っています。5大機能を知るためには、同時に「物流とは何か」を理解する必要があります。ここでは、物流の概要と5大機能の内容を見てみましょう。物流とロジスティクスの違いも解説します。

生産と消費者間のギャップを埋めるのが物流

物流とは、商品が生産者から消費者に届くまでの一連の流れです。輸配送だけでなく、保管や包装といった工程も含みます。これらの工程が物流の機能です。

企業が物流を考えるときに見るのは、商品の流れだけではありません。商品の保管や輸配送の方法を工夫し、いかに短い距離で早く届けるかが重要です。ビジネスにおいては「物流=生産者と消費者の間にある空間的・時間的ギャップを埋めること」と定義できます。

ロジスティクスとは何が違うのか

ロジスティクスは、日本語で「兵站(へいたん)」という意味です。元々は軍事用語で、武器や食料といった物資を前線に補給する活動を指します。兵站は戦争の勝敗を分ける大きな要素です。必要な物を必要な場所にスピーディーかつ正確に補給しなければなりません。

物流業界におけるロジスティクスは、原材料の調達・生産・在庫・販売を一元管理し、物流を効率化するための概念です。

ロジスティクスの考え方に基づいて効率化を図ることで、各工程の連携・移行がスムーズになります。部分的ではなく、物流全体の最適化が可能です。「一元管理した状態の物流」という意味では、物流の上位概念といえるでしょう。

ギャップを埋めるための物流機能は5つ

物流は、5大機能が正常に活動することで生産者と消費者の間のギャップを埋め、無駄なくスピーディーに商品を届けられます。

5大機能には「輸送・配送」「保管」「包装」「荷役」「流通加工」があり、それぞれの内容は以下の通りです。

輸送・配送 トラック・船舶・飛行機などで、商品を生産者から消費者に運ぶ
保管 商品を必要なときに必要な量を出荷できるように倉庫・物流センターで保管する
包装 輸送・配送時の破損を防ぐために包装する
荷役 倉庫・物流センターの内外で商品を運搬する
流通加工 消費者のニーズに合わせて商品を加工し、付加価値を与える

物流を構成する5大機能の業務内容と課題


物流を成り立たせるには、5大機能それぞれの的確な業務遂行が必要です。一方、物流業界にはさまざまな課題があるため、課題の理解と早めの対応が求められます。ここでは、5大機能の業務内容と課題を紹介します。

輸送・配送

飛行機や船舶で長距離を移動するのが輸送、トラックで短距離を移動するのが配送という違いがあります。移動手段の選択と組み合わせにより、物流コストや納期を最適化することが重要です。

輸送・配送の課題には、ドライバーの不足や高齢化、燃料価格の高騰があります。EC市場の拡大に伴い輸送・配送の需要は増加していますが、需要に合った人材の確保が難しい状況です。

2024年4月以降は、働き方改革関連法によりトラックドライバーの時間外労働が制限されます。高齢化も相まって、今後は人手不足がさらに深刻化する見込みです。

利益を維持するには、高騰した燃料価格を運賃に上乗せする必要があります。しかし、中小企業は荷主との運賃交渉自体が困難です。

保管

保管は、生産者と消費者の時間的ギャップを埋めるために重要な機能です。需要に合った在庫量を維持することで、消費者が注文したタイミングですぐに出荷できます。

保管の課題は、在庫管理の難しさです。製造日や入出荷日のようなさまざまな情報を管理し、最適な在庫数を維持する必要があります。適切な管理ができていないと、在庫切れや過剰在庫により利益が低下するでしょう。

新人が作業を担当するには、一定の期間が必要です。物流業界全体の人手不足もあり、ベテランの従業員に負担が集中します。

商品の数が多い場合、在庫データの処理も困難です。一般的なツールであるExcelでは、タイムラグが生じます。入力ミスがあれば膨大なデータを確認して修正しなくてはならず、棚卸し作業に大きな手間と時間がかかります。

包装

商品が破損すると、賠償・返品の対象となります。包装資材で商品を保護し、価値の低下を防ぐ工程が包装です。積載・管理の効率を高める目的もあります。

包装は、商品を個別に包装する「個装」、個装を一袋にまとめる「内装」、段ボール・木箱で包む「外装」の3種類に分けられます。

包装の課題は、コストです。衝撃に弱い商品の包装は十分な量の緩衝材が必要ですが、緩衝材のコストは安くありません。商品の特性に合わせて、最低限の包装資材で対応する工夫が必要です。

荷役

荷役とは、運搬・積み降ろし・仕分け・ピッキングなど、幅広い業務を指します。物流の中でも比重の大きい工程で、荷役の効率化が物流コストの削減に直結するといえるでしょう。

荷役の課題は、従業員の肉体的負担です。人力で重い荷物を運ぶのは大きな負担がかかるため、多くの企業が台車やパレット、フォークリフト、コンベヤーを使っています。

さらに負担を軽減するには、無人搬送ロボットや自律走行搬送ロボット、自動ピッキングロボットの導入による自動化・省人化が必要です。

流通加工

流通加工とは、ラッピング・値札付け・小分けなど、商品を加工して付加価値を与える工程です。食材の調理や部品の組み立ても該当します。

流通加工の質は、顧客満足度や企業の信頼度につながる要素です。ECサイトでは口コミが売り上げに影響することもあり、流通加工の重要性が高まっています。

流通加工の課題は、設備や人員にかかるコストです。流通加工の内容は商品により異なるため、価値を高めるには大きなコストがかかります。

また、包装資材を置くスペースや作業スペースも不可欠です。アウトソーシングを活用するなど、商品の質を維持しながらコストとスペース両方の課題に対応しましょう。

物流5大機能にプラスした3つの機能について

物流5大機能に「情報処理」を加えた6大機能とする考え方もあります。情報処理とは、他の5つの機能で生じる情報を管理・処理することです。情報の他に「管理」「調整」を追加し、8大機能とする場合もあります。

商品の現在位置や在庫情報を正確に把握することで、質の高い物流サービスを提供できるでしょう。物量が増加する現代において、情報処理は物流を維持する重要な機能です。市場変化に後れを取らないように、物流企業は効率的に情報管理ができる体制を整える必要があります。

5大機能の課題解決に必要な物流の管理とは?


5大機能の課題を解決するには、物流の情報処理・管理が必要です。どのような手法で情報を管理すればよいのでしょうか。物流の管理は、対象のプロセスや業務によっていくつかの種類に分けられます。ここでは、物流の管理手法と活用するシステムを紹介します。

倉庫管理

倉庫管理は、倉庫内の商品に関わる情報を管理する手法です。主に「入庫管理」「出庫管理」「在庫管理」が該当します。活用できるシステムやツールは以下の通りです。

・倉庫管理システム
・在庫管理システム
・ハンディーターミナル
・バーコードリーダー
・マテハン(マテリアルハンドリング)機器
・ピッキングシステム

特定のプロセスを効率化・自動化できるため、人手不足や棚卸し作業の負担、作業の属人化などの課題解決が可能です。倉庫管理システムは、倉庫内業務を一元管理し、在庫不足・過剰在庫を防ぎます。

輸送管理

輸送管理は、車両・ドライバー・顧客など、輸配送に関わる情報を管理することです。

活用するシステムには、配送管理システムがあります。配車管理、輸配送業務管理、輸配送コストの計算、ドライバー情報(運転状況や速度超過)管理といった機能により、最適な配車スケジュールと輸配送ルートの作成が可能です。

燃料価格の高騰やドライバー不足といった課題の解決に役立ちます。倉庫管理システムと連携することで、出荷情報を基に輸配送計画を作成できます。

サプライチェーン管理

サプライチェーンとは、原材料の調達から生産・販売を経て消費者に渡るまでの流れです。

サプライチェーン管理では、メーカー・運送業者・小売業者など、サプライチェーンを構成する複数企業の活動をひとつのプロセスとして考えます。企業の壁を越えた情報共有によってサプライチェーン全体を最適化し、物流サービスの価値を高める経営手法です。

ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)システムを使い、サプライチェーンのあらゆる業務を一元管理し、経営を可視化します。

プロジェクト管理

プロジェクト管理は、倉庫移転や新規システムの導入など、ひとつのプロジェクトを管理する手法です。コストやリスク、スケジュールを管理し、プロジェクトの計画から成功までサポートします。

管理する対象が多いため、一般的なツールであるExcelでは進捗管理や情報共有が困難です。プロジェクト管理ツールを活用すれば、フォーマットに沿って管理項目ごとに入力するだけで管理できます。

簡単に進捗状況をグラフ化できるため、問題点の把握や優先順位の決定がスピーディーです。可視化した情報は、リアルタイムで共有できます。

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導入後のサービスも充実しています。データの前処理やレシピの組み合わせ方にお悩みの際は、データ分析の専門家が解決までサポートします。

まとめ

物流は「輸送・配送」「保管」「包装」「荷役」「流通加工」の5大機能で成り立ちます。各機能に課題があり、今後はさらに深刻化する見込みです。早めに管理システムを導入し、効率化を図る必要があるでしょう。

TRYETINGのUMWELTは、さまざまな機能で物流を効率化します。コンサルタントが伴走するプランや高セキュリティー対応のプランもあるので、導入から運用まで安心してお任せください。

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