sidebar-banner-umwelt

BUSINESS

物流のEDIとは?取り入れる前にメリットやデメリットを理解しよう

 

日本における労働生産人口の減少とeコマース需要の拡大により、物流業界では業務の効率化が求められています。物流EDIは物流業務の効率化に欠かせないシステムですが、どのようなものなのか、何に役立つのかを知らない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、物流EDIの基礎知識と導入によるメリット・デメリットを紹介します。物流EDIによる業務効率化の方法を理解して、自社に合う物流EDIを導入しましょう。

▼更にDXについて詳しく知るには?
DXとはどのようなもの?導入が求められる理由やメリット・デメリットを解説

▼社内のデータをAI化するには?
ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)

物流の「EDI」に関する基礎知識


物流業界のEDIは、コンピューターと通信設備を使って企業間で電子データを交換するシステムです。従来は手作業で行っていた企業間のやりとりが自動化するため、業務の効率化につながります。

しかし、どのようなデータがEDIで交換できるのか分からない方もいるでしょう。ここでは、EDIの仕組みや基礎知識を紹介します。

EDIとは

EDIとは「Electronic Data Interchange(電子データ交換)」の略で、企業間の取引に用いる契約書・納品書・請求書などを、インターネットや専用の回線を通して電子データでやりとりするシステムです。

電子的な交換は、手書きや転記による作業時間の短縮とミスの削減につながります。データの加工処理や分析への活用も可能です。

仕組みを解説

EDIは、企業間の商取引に関わるデータを電子的に交換するシステムです。取引先のコンピューターが通信設備を使って送信した電子データを、自社コンピューターの業務システムに取り込みます。

電子データの交換を確実に行うためには、企業間で通信プロトコルやフォーマットに関するルールの設定が必要です。企業によってデータコードやフォーマットが異なるため、データ変換の要否は事前に確認しましょう。

必要なデータ変換

電子データには、さまざまなフォーマットやコード、形式があります。取引先から送られたデータが自社システムで扱えないコードの場合、そのままではコンピューターに取り込めません。

例えば、文字コードはシフトJISやUnicode、データ形式はCSVやXMLといった種類があります。同じ商品でも企業によって商品コードが異なる場合もあるため、自社システムに取り込めるようにデータの変換が必要です。

物流EDIに関係するITシステム


物流EDIは受発注や書類のやりとりがスムーズにできるため、業務の効率化を図る際に重要な役割を果たします。物流業界で効率化を助けるシステムは多種多様です。ここでは、物流EDIに関係するITシステムを紹介します。

EOS

EOSは「Electronic Ordering System」の略で、インターネットや専用回線を通して、企業間で商品を受発注するシステムを指します。

発注方法は、棚卸しスキャン方式、オーダーブックスキャン方式、EOB方式の3つです。自社に適した方法を選択することで、ミスを削減し、スムーズな作業ができます。

EOSの導入により、電話やファックスで行っていた発注の電子データ処理が実現し、発注にかかる人件費の削減や業務の効率化が可能です。

流通BMS

流通BMS(Business Message Standards)は、EDIの通信プロトコルのひとつです。流通システム標準化事業に伴い、2007年4月に経済産業省が制定しました。

流通業に携わる企業がメッセージを標準化することで、新たなシステム開発の手間・コストの削減と通信時間の短縮が実現しています。また、拡張性の高いデータ形式(XML)の採用で、用途拡大に伴う項目の追加も容易です。

物流EDIの統一規格


物流EDIには、企業間でスムーズにやりとりができるように複数の統一規格があります。統一規格を使用すれば、データ交換にかかる時間の短縮や高速化が可能です。ここでは、物流EDIで主流となっている統一規格を紹介します。

物流XML/EDI標準

物流XML/EDI標準は、日本物流団体連合会が無償で公開している物流のEDI規格です。ウェブサイトの記述言語「HTML」の後継言語である「XML」を使って、HTMLにはない拡張機能をウェブ上で利用できます。インターネット対応型の規格のため、高速通信が可能です。

商品を特定する電子タグの識別情報を格納できることから、タグの情報を標準化して送受信できます。

JTRN(ジェイトラン)

JTRNは、物流EDI推進委員会が開発・改良・維持管理を行い、無償公開しています。物流EDI推進委員会とは、日本ロジスティクスシステム協会と日本物流団体連合会物流EDIセンターが共同運営する委員会です。

物流業界に限らず、全産業の物流EDIに利用できます。固定電話による専用回線、VAN(付加価値通信網)を使った通信が特徴です。

JCA手順

JCA手順は、1982年に日本チェーンストア協会と通商産業省(現在の経済産業省)が受発注のために策定したEDIのプロトコルです。

流通業界向けのデータ交換手順であるため、物流管理に関わる企業間で基準を作れば、流通プロセスの効率化を図れます。基本的な手順は、データ電文を使った転送、終了要求電文で通信終了、電話回線の切断です。

JX手順

JX手順は、流通BMSが採用する通信プロトコルで、流通倉庫におけるクロスドッキング業務の手順を定めています。

インターネット回線を使用するため、通信速度が速く、他の通信設備を用意する必要はありません。送受信するのは、XML形式のデータです。1回当たりの通信データは10メガバイト未満で、伝票明細件数だと1万件を超えない場合に利用します。

標準EDIと個別EDI

データ交換には、業界で統一した企画を使う「標準EDI」と取引先別に決める「個別EDI」があります。

標準EDIはデータ変換の手間がないため、スムーズな交換が可能です。企業間で対等にやりとりができることから、取引先の拡大にも対応できます。

個別EDIは、取引先別に細かいルールの設定が可能です。企業間で通信形式やデータコードを決めるため、利用する際にはデータ変換が必要です。取引先が少ない場合に向いています。

article-banner-umwelt-middle

物流EDIを取り入れるメリットは?


物流EDIは、拡大する物流需要に対応する手段のひとつです。導入することでさまざまなメリットが得られます。ここでは、物流EDI導入のメリットを3つ紹介します。自社業務を効率化するには何が必要かを検討し、享受できるメリットを把握しましょう。

業務の効率化が図れる

物流業務には、発注書や請求書をはじめとしたさまざまな書類作成業務があります。EDIの導入により、書類の電子化や送受信の自動化が可能です。紙や郵送にかかるコストも削減できるでしょう。

また、業務の効率化はリードタイムの短縮につながります。リアルタイムで発注が可能になるため、過剰在庫や在庫不足のリスク軽減も可能です。

サービスや品質が向上する

物流EDIでは、伝票の手入力が不要です。取り込んだデータを自動送信するため、人為的な入力ミスや記入漏れが減ります。

ミスがなくなればデータの信頼度が増し、正確に業務が遂行できます。品質やサービスの向上にもつながるでしょう。

市場変化への対応力が向上する

物流EDIの導入でデータ共有スピードが向上すれば、市場の変化に対応する力が高まります。取引先ごとに蓄積したデータを用いて正確な需要予測をすれば、業務の最適化が図れて、競争力も向上するでしょう。

また、物流は市場の変化が速い業界でもあるため、後れを取ると追い付くのが困難です。EDI導入による市場変化への柔軟な対応力は、今後さらに重要となるでしょう。

物流EDIを取り入れる前に注意したいこと


物流EDIの導入は、業務の効率化や品質の向上といったメリットをもたらします。しかし、単に導入しただけでは十分な効果は得られないでしょう。ここでは、物流EDIの効果を最大限に引き出すため、導入前に注意したいポイントを2つ紹介します。

導入コストがかかる

物流EDIの導入にはコストがかかります。初期費用だけでなく、導入後のシステムメンテナンスにも費用が必要です。

企業間の取引が少ない場合、費用対効果が見合わないことも考えられます。また、従業員が慣れるまでのサポートに手間や時間がかかるため、メリットとコストのバランスを見極めて導入しましょう。

システムトラブルを考慮する

災害によるトラブルやシステム障害によって、EDIが停止することがあります。システムが停止すると書類のやりとりができません。復旧するまでは電話やファックス、郵送といった手段を使わなくてはならず、効率が下がるでしょう。

万が一の場合を考慮し、「サポート体制の充実している製品を選ぶ」「対応ガイドラインを制定する」などの対策が必要です。

物流EDIを取り入れる方法と手順

物流EDIを導入する際は、準備期間を十分に取りましょう。導入後に問題が生じないように、段階を踏んで進めることが大切です。

物流EDI導入の手順は、以下の5ステップです。

1.必要な知識の習得(仕組み、機能、種類、メリット・デメリット)
2.稟議(りんぎ)を通す準備(業務改善に必要な社内要求、導入予算の確保)
3.最適なシステムの検索
4.導入の準備(業務フローの説明、人材育成、取引先への確認)
5.導入と運用(定期的な見直し、マニュアルの追加)

受発注だけでなく、出荷などの業務サポートを依頼したい場合、アウトソーシングを活用するのがおすすめです。

UMWELTの導入で物流EDIを推進


物流業務の効率化を目指すなら、EDIや関連するITシステムの導入が効果的です。TRYETINGの『UMWELT』は、オフィス業務を効率化するプラットフォームで、物流EDIの推進に役立ちます。ここでは、UMWELTの特徴と魅力を紹介します。

業務効率化に役立つ機能が多数

UMWELTは、社内業務を効率化する機能を多数備えたクラウド型のノーコード予測AIです。

CSVデータの結合や変換、取得がRPA機能で自動処理できるため、データの収集と前処理にかかる時間が短縮できます。また、機械学習や安全在庫計算のアルゴリズムにより、精度の高い需要予測や在庫管理も可能です。

ノーコードAIのため、DXやAIに関する知識がなくても導入できます。基礎的なAIやUMWELTの使用方法については、講習会を実施しているため安心です。

導入事例

3Gサポート株式会社様は、工場の自動化技術を促進するFAaaSを開発するテック企業です。トラック物流改善システム「AirDia(エアダイア)」にAIを実装するためにUMWELTを導入しました。

荷物量や作業時間の予測を実装することで、トラックダイヤの最適化や作成工数の削減を図っています。プロジェクト期間中にAI実装を無事完了し、今後はさらに精度を上げ、FAaaSのAI実装に役立てる予定です。

(参考: 『【3Gサポート様】UMWELT活用事例|補助金活用でトラック物流改善システムに荷物量や作業時間を予測する機能を実装』

まとめ

物流EDIは、物流業務における書類などのデータ交換ができるシステムです。データ入力ミスの削減や業務効率化といったメリットがある一方、導入・運用にかかるコストや慣れるまでに時間が必要というデメリットもあります。導入する際は、自社の環境に合わせた製品を選びましょう。

UMWELTは、物流EDIの推進に役立つノーコード予測AIです。精度の高い需要予測を用いて、商品の受発注や在庫管理ができます。お気軽に無料相談をお申し込みください。

UMWELTのサービスページをチェックする

AI予測ツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)

article-banner-umwelt

WRITING BY

TRYETING

公式

TRYETING公式です。
お知らせやIR情報などを発信します。