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BUSINESS

物流コストを削減するには?機能別の内訳やコスト増大の原因も紹介

 

物流業務では、商品を受け取ってから輸送するまで、いろいろな段階でお金がかかります。企業が売り上げを増やすためには、できるだけコストを減らすことが重要です。では、具体的にどのような方法で物流コストを減らすことができるのでしょうか。

この記事では、物流コストを減らすための方法や、コストの内訳を機能ごとに紹介します。また、コストが増える原因についても説明します。自社の無駄なコストを見つけて、業務の効率を上げるための環境を整えましょう。

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物流にかかるコストとは


削減する方法を考える前に、物流コストにはどのようなものがあるか理解する必要があります。物流コストとは、顧客に物を届けるまでにかかる費用の総称です。この項目では、物流コストの種類と近年の推移を確認しましょう。

物流コストの種類

物流コストには、支払い形態別、物流プロセス別、機能別といった3つの分類方法があります。支払い形態別と物流プロセス別の詳細は以下の通りです。

分類方法 種類 内容
支払い形態別 支払い物流コスト 運賃や倉庫のレンタル料など外注先に支払うコスト。
社内物流コスト 人件費やシステム運用費、燃料費など自社の人と物にかかるコスト。
物流プロセス別 調達物流費 原材料の調達にかかるコスト。
社内物流費 社内業務にかかるコスト。
販売物流費 商品の販売にかかるコスト。

機能別は5種類に分けられます。物流コストを細分化できるため、削減するコストは機能別で考えるとよいでしょう。機能別の詳細は後の項目で詳しく解説します。

物流コスト比率の推移

コスト削減について考える際は、物流コスト比率が重要です。物流コスト比率とは、企業の売り上げに対する物流コストの割合を指します。

日本ロジスティクスシステム協会の「2022年度物流コスト調査報告書」によると、物流コスト比率の推移は以下の通りです。

調査年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
物流コスト比率(全業種) 4.91% 5.38% 5.70% 5.31%

2022年度は、前年度に比べると物流コスト比率が下がりました。新型コロナウイルス感染症からの経済回復に伴い、売上高が大幅に回復したためと予想できます。

物流量に対する物流コストは上昇傾向で、輸送費を中心に値上げ要請を受けた企業も増えています。今後も物流コスト比率は高い水準で推移するでしょう。

物流コストの機能別内訳


ここでは、物流コストの分類方法のひとつである機能別の内訳を紹介します。機能別の物流コストは、輸送費・保管費・包装費・荷役費・物流管理費の5種類です。それぞれの内容と該当するコストを把握しましょう。比重の大きいコストや削減を図れるコストに触れながら解説します。

輸送費

輸送費には、トラック運賃、運転者・整備員の人件費、燃料費、車両整備費、維持費などが該当します。他にも、顧客に商品を届ける流れを構築するための初期費用がかかります。

輸送費は、物流コストの中でも比率が大きく、コストが生じる過程を可視化しやすい部分です。輸送費の削減は、物流コスト全体の削減と売り上げ向上に大きく影響します。

保管費

保管費は、商品を保管する過程で生じるコストです。倉庫のレンタル料、倉庫管理人・倉庫作業員の人件費、倉庫の維持費、設備費、火災保険料などが含まれます。

自社で倉庫を所有する場合とレンタルする場合でコストに大きな差があります。省エネの徹底や在庫量に見合う倉庫の使用で、コスト削減が見込めるでしょう。

包装費

包装費は、商品の包装・梱包にかかるコストです。輸送包装材料費、包装作業員の人件費、包装機器費の維持費などが該当します。

「資材を安い物に変える」「不要な包装を省く」といった対策で、コスト削減が見込めます。また、スタッフを外注する場合、繁忙期・閑散期に応じた人数と契約することで人件費が削減できるでしょう。

荷役費

荷役費は、商品の積み降ろしと入出庫作業にかかるコストです。人手で行う作業もあれば、コンベヤーやフォークリフトを使う作業もあります。

内訳は、センター運営委託費、荷役・流通・加工・ピッキングの人件費、荷役・仕分け機器の維持費などです。中でも、人件費が大きな割合を占めます。

コスト削減のためには、倉庫内配置の効率化や商品コード・番号のデータ管理が重要です。

物流管理費

物流管理費とは、物流システムや受発注システムの導入・管理にかかるコストです。情報処理費、事務所維持管理費、管理業務・営業スタッフの人件費などがあります。

システムの導入にはまとまった費用が必要です。自社の業務に合った費用対効果に優れるシステムの選択がコスト削減につながります。人件費もかかるため、包装費と同じく、業務量に合わせて必要な数のスタッフを外注するとよいでしょう。

物流コストが増大する原因


物流コストを削減するには、増大する原因を知る必要があります。物流コストの種類は豊富なため、増大する原因もさまざまです。この項目で特に影響の大きい原因を確認し、コスト削減に役立てましょう。

物流の需要増とガソリン価格の高騰

物流業界は、ネットショッピングの普及に伴い需要が急増しています。個人向け配送が増えたことで積載効率が低下し、輸送費が増加しました。

その一方で、長時間労働や低賃金といった労働環境の問題からドライバーが不足しています。人材確保のために雇用条件や待遇の改善が必要となり、人件費も増加しているのが現状です。

近年、ウクライナ情勢の影響によりガソリン価格が高騰しました。燃料費は、物流コストのうち大きな割合を占めます。適切にコスト管理するには、今後の情勢をチェックし、ガソリン価格の変化を予測する必要があるでしょう。

倉庫内が可視化できていない

倉庫内の業務工程が可視化できないと、現状も把握できません。作業に無理・無駄・ムラが生まれ、コスト増大につながります。作業量が多いと、ピッキングミスや誤配送といった人為的ミスが増え、後処理にもコストがかかるでしょう。

これらの問題を解決するには、最小限の人員でスピーディーかつ正確に作業できる環境はもちろん、いつでも現状を分析しフィードバックできる体制作りが重要です。

物流コストを削減するためのポイント

物流コストを削減するには、現在のコスト全体を可視化する必要があります。情報をまとめて処理する方法を検討し、各プロセスでどれだけのコストがかかっているか明確にしましょう。可視化した上で人件費や保管費を見直すことで、無駄なコストを削減できます。

また、輸送費は送料・運賃の単価を下げるのではなく、輸送の仕組みを見直しましょう。可能な限り商品をまとめて配送する、納期を長めに取るなどの工夫が必要です。

ただし、仕組みを変えるには顧客や他部門の理解を得なければなりません。部門間で連携しつつ、条件を決めましょう。

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物流にかかるコストを削減する方法5選


コスト削減は、業務クオリティーを維持・向上しながら実践する必要があります。コストの可視化に加え、コストを削減する具体的な方法も押さえておきましょう。

ここでは、物流コストを削減する方法を5つ紹介します。自社に合う方法を検討してみてください。

1.物流の拠点を集約する

物流の拠点が多いと積載率が下がります。倉庫の数も増えるため、保管費も余分にかかります。物流の拠点を集約すれば、荷物をまとめて輸送できるため、輸送費の削減が可能です。運賃やドライバーの給料を下げることなく業務の効率化ができるでしょう。

拠点が多いほど輸送時間を短縮できますが、近年はサービスが向上したことから、大抵の地域で発注から納品までを1日〜2日程度で完結します。全体的なメリットは、拠点を少なくしたほうが大きいです。

2.作業ルールを作る

倉庫内の作業ルールを作れば、現状が分かりやすくなりイレギュラーな事態にも対応が可能です。二重作業などの無駄が生まれにくいため、コスト削減につながります。

ルールの策定時に重要なポイントが「5S」です。5Sとは、職場環境を整えるための基本的な考え方で、以下の5点で成り立っています。

・整理:必要な物と不必要な物を区別する
・整頓:必要な物をいつでも取り出せる場所に置く
・清掃:掃除をしてごみ・汚れを排除する
・清潔:上記の3つを実践し、きれいな状態を保つ
・しつけ:従業員に上記の4つを実践してもらう

3.管理システムを導入する

物流管理システムを導入し、輸送、保管、包装、荷役、流通加工などの物流プロセスを一元管理すれば、業務の可視化や一部業務の自動化が可能です。

人の手や目による管理では、どうしてもミスが発生します。物流管理システムの導入は人為的なミスを防ぐだけでなく、無駄な出費や人件費の削減にも有効です。

ただし、システムを導入するには費用がかかります。導入コストが削減コストを上回ると逆効果になるため、費用対効果を考えて、自社に合ったシステムを選択しましょう。

4.在庫保管費・包装費を見直す

商品の需要を予測すれば、保管する在庫数が分かります。在庫が多過ぎると無駄な保管費用がかかり、足りなければ発送の遅延につながります。無駄な作業も増えるため、最適なサイズの倉庫を利用し、適正在庫数の維持に努めましょう。

また、最適なサイズの包装を設計することで、包装費の削減が可能です。商品に対して大きな包装は、運びづらく積載スペースを取ります。包装を最適化することで、作業効率と積載効率が向上するでしょう。

5.アウトソーシングを活用する

物流業務でアウトソーシングを活用すれば、自社で保有する倉庫やトラック、人材育成にかかるコストが削減できます。

資産を所有していても、閑散期に人手や倉庫内スペースを持て余しているようであれば、アウトソーシングを検討しましょう。アウトソーシングは請求があるため、コストを可視化できます。

単純作業や専門業務をアウトソーシングすることで、従業員は得意分野に集中できるため、業務全体の効率化が可能です。トラブルがあったときも、専門業者が解決してくれます。

物流コストの削減にはTRYETINGの『UMWELT』が役立つ!


システムで物流コストの削減を実現したくても、専門知識がないため踏み切れずにいる方もいるのではないでしょうか。TRYETINGの『UMWELT』であれば、誰でもシステムで物流業務の効率化が可能です。ここでは、UMWELTの魅力と導入事例を紹介します。

需要予測や在庫管理ができるノーコード予測AI

UMWELTは、需要予測、在庫管理、自動発注など、物流コスト削減に役立つ機能が豊富なノーコード予測AIです。アルゴリズムを組み合わせるだけでシステムを構築できるため、プログラミングやAIに関する専門知識は必要ありません。

また、カスタマーサクセスによるサポートもあります。「データに欠損値がある」「アルゴリズムの組み合わせ方が分からない」といったトラブルを専門家が解決します。

物流業での導入事例

工場の自動化技術を促進する3Gサポート株式会社様は、トラック物流改善システム「AirDia(エアダイア)」のAI実装にUMWELTを活用しています。

荷物量や作業時間の予測機能を実装したことで、最適な物流ダイヤを生成しドライバーの待機負担を軽減しました。TRYETINGとの綿密なデータ連携・進捗共有により、プロジェクト期間中にAI実装を完了しています。

(参考: 『【3Gサポート様】UMWELT活用事例|補助金活用でトラック物流改善システムに荷物量や作業時間を予測する機能を実装|TRYETING』

まとめ

物流コストには、輸送費や保管費などさまざまな種類があります。コストを削減するには、コストが増大する原因を知らなくてはなりません。主な原因として「倉庫内が可視化できていないこと」「需要増加による輸送効率の悪さ」が挙げられます。

物流拠点の集約や管理システムの導入といった方法で業務全体を効率化すれば、コスト削減につながります。TRYETINGのUMWELTは、需要予測をはじめ多くの機能を搭載しているため、物流業務の効率化が可能です。無料相談も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

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