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定量分析の方法や手法は?有効活用するポイントを解説します

社内データをビジネスに活用するにはデータを適切に分析し、ビジネスに役立つ情報を見つけ出す必要があります。特にデータ分析の一種である定量分析は客観的な視点でデータから情報を取り出すことができるため、ビジネスでは必要不可欠な手段です。この記事では定量分析の特徴や方法、実施する際のポイントについて解説します。

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定量分析とはどんなもの?


データ分析と言っても、その具体的な手段は様々です。定量分析も具体的な手段ではなくデータ分析の大きなカテゴリーのひとつということができます。では、そもそも定量分析とはどのような手法でしょうか?ここでは、定量分析とはどういう手法か、また定量分析を行うメリットやデメリットについて解説します。

定量分析とは何か

定量分析とは、データ分析の結果を量として示すことで客観的な結論を導き出すための手法です。統計学や数学を用いることが一般的で、大量のデータを扱う場合には特に有効です。

例えば、市場調査やアンケート調査などのビジネス分野においては、消費者行動や嗜好を数値化して分析し、市場動向を数値として予測することができます。定量分析はビジネスに限らず、自然科学の研究など様々な分野で活用されています。

定性分析との違い

定性分析とは、定量分析とは異なり、「成長している」とか「重要である」といった主に質的な情報に焦点を当ててデータを分析する方法です。定性分析は、定量化することが難しいデータの分析に用いられます。

例えば、製品の印象の良し悪しなど数値化が難しい情報を精査・ビジネスに活かす際に使われます。定性分析は定量分析より結果の解釈に個人差があり、分析者に大きく結果が依存してしまうことがあり得るため注意が必要です。

定量分析をするメリット

定量分析を行うメリットは数多くあります。例えば、数値データを用いた分析により、傾向やパターンなどの客観的な特徴を明確に把握することができます。また、数値に基づく評価や比較を行うことができ、チーム内での意見の食い違いを回避することができます。

さらに、多様なデータからの関係性や要因を発見することができ、現状を分析し、改善点を明確にすることができます。

定量分析をするデメリット

一方で、定量分析にもデメリットがあります。まず、信頼できる結果を得るためには膨大なデータが必要になる点が挙げられます。定量分析の結果を信頼できるものにするには、データの質と量が高い水準であることが要求されます。

また、数値は動かぬ証拠である一方、数値化することが難しい印象・心情を取り扱うことができません。何もかも数値化してしまうことでかえって重要な情報を見落としてしまう危険性がある点も留意しておくべきでしょう。

定量分析を行う5つの方法

ここまで定量分析がどのような手法であるのか、また定量分析を行うメリットやデメリットなどを説明してきました。定量分析のイメージが捉えられたところで、次は具体的にどういった方法がビジネスで使われているか気になることでしょう。そこでここからは定量分析の具体的な例として5つの方法について解説します。

アクセス解析

アクセス解析とは、ウェブサイトやアプリのアクセスログを収集して、ユーザーの行動や嗜好などを数値化して定量分析する手法です。

具体的には、訪問者数、ページビュー数、滞在時間、流入元、検索キーワードなどのデータを取得し、これらのデータを基に、サイト改善やマーケティング施策の検討などに活用されます。

なおデータの自動集計や解析結果のレポート作成にはアクセス解析ツールを使用すると便利です。

ABテスト

ABテストとは、2つのバージョンのウェブページや広告などを同時に公開し、どちらがより効果的かを比較する定量分析手法です。

例えば、ウェブサイトのランディングページで商品の画像やキャッチコピーを変更し、どちらがより多くのユーザーが商品を購入するかを比較することができます。ABテストを行うことで、ウェブページや広告の改善点を特定し、実際に改善を行うことでビジネス成果を高めることができます。

POSデータ解析

POSとは「Point of Sales」の略称で、販売を行ったその場所・その時間のことを指、し日本語では販売時点などと訳されます。POSデータとは販売時点(POS)で得られる店舗の売上データや顧客の購買履歴などをデータのことです。

POSデータをモニタリングすることで、商品の売れ行きや顧客の購買動向を把握することができます。またPOSデータの定量分析を行うことで特定の商品が売れている原因や、購買履歴から顧客ごとの嗜好といった情報を得ることができます。

選択式アンケート解析

選択式アンケートによる定量分析は、アンケートに回答した人が選んだ回答を集計し、数値データとして分析する方法です。選択肢を用意して回答を集計するため、解釈のバラツキが少なくなるというメリットがあります。

しかし回答者が選ぶ選択肢に限定されるため、細かなニュアンスや詳細な情報を得ることができないというデメリットがあります。また選択肢の設定や回答の順序、回答者の属性などが結果に影響する点にも注意が必要です。

商品のモニタリング調査


商品のモニタリング調査とは、商品の売れ行きや消費者の嗜好に関するデータを定量分析することです。これは新規の商品開発やマーケティング戦略の改善に役立ちます。

具体的には、販売実績や顧客からのフィードバックを定期的に集め、商品の改善点や需要の変化を把握することであり、市場に合った商品開発や販売戦略を立てることができます。モニタリング調査にはPOSデータやアンケート調査、SNS上の口コミなどを活用することが一般的です。

定量分析に役立つ手法は?

ビジネスで使われる定量分析の具体的な5つの手段について解説を行いましたが、では実際に分析を行うにはどういった作業を行えば良いのでしょうか?定量分析の具体的な実施の仕方として数学や統計学を利用した様々な手法が知られています。そこでここからは定量分析に役立つ手法として代表的なものを5つ紹介します。

コレスポンデンス分析

コレスポンデンス分析は、クロス集計表のデータを用いて、多変量解析を行い、要素間の関係性を可視化する手法です。クロス集計表は複数のカテゴリ変数を組み合わせて分析するための表で、それぞれのカテゴリ変数の値によって交差するセルに頻度を記録します。

コレスポンデンス分析は、これらの頻度データを多変量解析の手法を用いて分析し、要素間の関係性を散布図やグラフなどで可視化することで、データの構造や特徴を把握することができます。

クラスター分析

クラスター分析とは、データを似た特徴を持つグループに分類する手法のことです。具体的には、顧客の属性や商品の特徴など、複数の変数を同時に分析し、似た傾向を持つデータをクラスター(グループ)にまとめます。

クラスター分析を行うことで、データのグルーピングが容易になり、顧客のセグメンテーションや商品のカテゴリ分けなどができます。

コンジョイント分析

コンジョイント分析とは、商品の個々の特徴を比べるのではなく、商品の複数の特徴をまとめて商品全体の価値を評価することで、個々の要素がどの程度商品の売れ行き等に影響を与えるのかを分析する手法です。

一般的にコンジョイント分析は新商品開発のために用いられる分析手法と言われていますが、誰かが何かを選ぶときなどの選好プロセスを検討する際にも用いられます。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は、ある事象が発生するかどうかを説明変数によって予測するための統計的手法です。

例えば、ある「商品を購入する」という事象が発生するかどうかを、天候や時間、年齢などをもとに予測することができます。ロジスティック回帰分析は、うまく式変形をすると線形回帰と同じ式にできることから一般化線形問題とも呼ばれ、分析が比較的容易であるなどの特徴があります。

アソシエーション分析

アソシエーション分析とは、大量のデータから商品の組み合わせや顧客の嗜好性などの関連性を分析する方法です。

具体的には、ある商品を購入する際に同時に他の商品も購入する傾向があるかどうかを調べることができます。アソシエーション分析の結果から、一緒に買われやすいもの同じ場所に置くことで売上を高める戦略を取れたり、また過去の購買記録からおすすめの商品を提案したりすることができます。

効果的な定量分析を実施するポイント

これまでの解説で定量分析をビジネスで実際に利用するための具体的な手段がわかってきたことと思います。しかし、ただ手法を知っているだけでは定量分析はなかなかうまくいきません。定量分析を実施するためにはいくつかコツが必要です。ここからは効果的に定量分析を実施するためのポイントを列挙します。

分析に十分なデータ量を用意する

効果的な定量分析を実施するためには、分析対象となるデータ量が十分である必要があります。データ量が不十分だとデータの偏りが目立ってしまい、分析結果の精度が悪くなってしまいます。

例えばアクセス解析を行う上でも数日では傾向を捉えきることができません。最低限の精度を得るためには、アクセス解析であれば月単位、一般的にもデータ量は数百以上取得することを目標としましょう。

仮説を立てて検証する


定量分析を行う上で、仮説を立てることは非常に重要です。分析を行いさえすれば自動的に欲しい結論が得られるわけではありません。分析によって何が知りたいのかを明確にした上で仮説を立て、それを検証するために分析を実施することが成功の秘訣です。

また事前に建てた仮説は常に正しいわけではありません。仮説に合うように結果を捻じ曲げることは論外です。間違っていた場合には軌道修正をして新しい仮説のもとで分析を繰り返し行いましょう。

定性分析と組み合わせる

定量分析を効果的にするには、時に定性分析と組み合わせることも必要です。定量分析では数値データを用いて統計的な仮説検証を行うことができますが、結論として得られた数値もそのままではただの数字であり、ビジネスに活かすには何らかの解釈を加える必要があります。

定性分析を行えば、数字に表れない情報や背景を掘り下げ、データの背景にある原因やストーリーを読み取る上でのヒントを得ることができます。

データ分析はノーコード予測AIのUMWELTで!

定量分析はビジネスに大いに役立ちます。しかし定量分析の手法を社内データに適用しようとしてもどこから手をつけていいのかわからない、という方も多いのではないかと思います。

そんなビジネスパーソンの方にはノーコードAIサービスであるUMWELTがオススメです。

UMWELTは定量分析や定性分析をはじめとするデータ解析に必要な様々なツールを提供しているクラウドサービスです。このサービスはデータの可視化や分析を専門的な知識がなくても簡単に行えるのでいち早くビジネスに繋げることができる点も魅力です。

UMWELTのサービスに関する質問や相談がある場合は、問い合わせフォームからお問い合わせください。UMWELTの専門スタッフが迅速かつ丁寧に対応いたします。

まとめ

定量分析はデータ分析のいちカテゴリーであり、データ分析の結果を量として示すことで客観的な結論を導き出すことができます。定量分析は多くのビジネス課題を解決するために広く用いられていますが、ただ実施するだけではうまくかないケースも多いです。

本記事で紹介したポイントを押さえれば、定量分析の信頼性を高めることができるでしょう。ここで紹介した内容が、皆様のビジネスに定量分析を役立てるためのヒントになれば幸いです。

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