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機械学習におけるハイパーパラメータとは?概要やチューニング方法を解説

機械学習は、企業での業務効率化につながるため積極的に活用されている技術です。この記事を読んでいる方の中にも、機械学習を活用していきたいと考えている方がいるでしょう。機械学習について調べているとハイパーパラメータという言葉が出てきます。そこで今回は、機械学習の要素であるハイパーパラメータの概要とチューニング方法を解説します。

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機械学習のハイパーパラメータってなに?

ここでは、機械学習のハイパーパラメータについて見ていきましょう。

そもそも機械学習とは

顔認証、メールの自動仕分けなどにも使われる機械学習の技術は、私たちの日常生活、ビジネスなどにおいて身近な技術として取り入れられています。まずは機械学習の定義や、ディープラーニングとの違いについて紹介します。

ハイパーパラメータとは

ハイパーパラメータとは、人手で学習前に決定しておくパラメータを意味します。一方で、パラメータとは、おもに機械学習モデルが学習過程において最適化を行う重みを指します。
パラメータは、機械学習モデルが自動的に調整します。
ハイパーパラメータは、各種アルゴリズムの挙動を制御するために必要な値であり、代表的なものとして、エポック数、学習率、閾値、ミニバッチサイズ、層の数、一層あたりのニューロン数、などが挙げられます。

ハイパーパラメータの代表例

ハイパーパラメータは、モデルの学習をする前段階で設定するパラメータです。具体的には、以下の例が考えられます。

ハイパーパラメータはチューニングが大切

ハイパーパラメータチューニングは、モデルの性能向上のために必要です。機械学習の性能を最大化するには、ハイパーパラメータを実際のデータにあわせて調整する必要があります。ハイパーパラメータを調整することで、以下の3つの効果が見込めます。

  • モデルの性能向上
  • 過学習の抑制
  • 効率の良い学習

機械学習のハイパーパラメータのチューニング手順

ハイパーパラメータのチューニング手順は、対象のデータを学習用とテスト用に分別し、テストデータへの性能を最大化するよう調整していきます。具体的には、下記の手順で進めていきます。

  1. 評価指標を定義する
  2. パラメータの種類と範囲を選択する
  3. パラメータのチューニング方法を選定する
  4. クロスバリデーションを実施する
  5. 学習・検証曲線を確認する

各手順について、詳しく解説していきます。

1.評価指標を決定する

まずは学習における定量的な評価指標を決定する必要があります。分類問題においては、適合率や再現率、そしてその調和平均であるF1値、正解率等が候補に上がります。回帰問題においては、正解値との距離を用いた値(RMSEやMSE)などが挙げられます。

2.探索するハイパーパラメータの種類と範囲を決定する

ハイパーパラメータは、前述のように予め人手で決定する必要がありますが、エポック数、学習率、閾値、ミニバッチサイズ、層の数、一層あたりのニューロン数など、種類は数多く存在します。(この種類は、モデルやアルゴリズムによって変わります)
それぞれのハイパーパラメータにつき、どの値を使用するのかを決定する必要がありますが、これらは、組み合わせによって性能が大きく変わることがあります。したがって、もっとも良い性能を出せる組み合わせを探索することになりますが、これは、様々な組み合わせで実際に何度も学習を行ってみて、その中で一番高い性能を発揮したハイパーパラメータを採用する、ということになります。

調整するハイパーパラメータの種類が増えると、指数関数的に所要時間が増えるため処理にかなりの時間を要します。(例えば、2つの候補値があるパラメータを1種類加えて探索すると、所要時間は2倍になります)処理の所要時間を削減するためにも、事前にハイパーパラメータ種類を絞る必要があります。

3.ハイパーパラメータの組み合わせ

最適なハイパーパラメータの組み合わせを選択するには、以下3種類のアルゴリズムがおもに利用されます。

  • グリッドサーチ
  • ランダムサーチ
  • ベイズ最適化

詳しい内容については、次の章で解説します。

ハイパーパラメータのチューニングの種類

ハイパーパラメータのチューニングを実施する場合、大量にあるパラメータの中から最適な組み合わせを考える必要があります。しかし、手作業で最適な組み合わせを見つけることは困難です。そこで近年では、オートチューニング手法を用いるのが一般的とされています。ここでは、その中でも利用率の高い3つの手法を解説します。

グリッドサーチ

グリッドサーチでは、事前に指定したハイパーパラメータの組合せを総当たりで探索していくアルゴリズムです。グリッドサーチは直接パラメータの候補の値を指定するため、解釈性が高く、経験を活かしやすいというメリットがあります。

ランダムサーチ

ランダムサーチは、ある範囲の中からランダムにハイパーパラメータの組合せを生成していくアルゴリズムです。ランダムサーチはグリッドサーチより効率よく探索が可能とされており、チューニングを高速で行うことができます。

ベイズ最適化

ベイズ最適化は、評価結果を基に位置を推定し、次のハイパーパラメータの組合せとするアルゴリズムです。「良いスコアの可能性が高い位置」をあらかじめ設定することで、効率的な探索を行うことができます。

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まとめ

機械学習におけるハイパーパラメータとは、アルゴリズムの挙動を制御するための値であり、学習精度をあげるためにチューニングが必要になる場面があります。しかし、こうした作業にはデータ活用人材が必要となるため、なかなか精度の高い機械学習を導入できないと悩む方も多いでしょう。「UMWELT」は操作性が高く、ブロックを組み合わせていくような直感的な操作のみで機械学習が実行できます。機械学習を活用していきたいとお考えの方は、UMWELTの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参照文献

機械学習におけるハイパーパラメータ最適化の理論と実践(サイバーエージェント/産総研特定集中研究専門員の野村氏の講演資料)

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