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TECHNOLOGY

機械学習の強化学習とは?メリットデメリットや活用例を紹介

強化学習とは機械学習の一つの領域であり、モデルが「良い行動」を学習していくことから昨今その技術に注目が集まっています。記事では、機械学習の強化学習についての基礎知識とともに、メリットデメリットを踏まえた上で活用例を紹介します。

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強化学習とは?

強化学習は機械学習の領域に分類されますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。ここでは、強化学習の基礎知識や、学習手法についてそれぞれ紹介します。

機械学習の一種

強化学習は、「環境」と「エージェント」という2つの要素からなるシステムにおいて、「エージェント」が「環境」の中で最もよく振る舞うように学習する手法です。
「環境」は、「エージェント」の行動によって与える報酬を変化させます。「エージェント」は「環境」の中で最も多く報酬が得られるような振る舞いを、試行錯誤しながら学習します。

機械自身でデータを集める

従来の機械学習では人手でデータ収集を行うことで教師データを作成しなければなりませんでしたが、強化学習では環境を用意することでデータを自ら獲得することができます。

強化学習以外の機械学習手法

強化学習以外の機械学習手法には、「教師あり学習」「教師なし学習」「深層強化学習」「半教師あり学習」があります。ここからは、それぞれの内容について紹介します。

教師あり学習

教師あり学習は、正解のデータが用意されており、正しい出力ができるように入力データの特徴やルールを学習していく手法です。教師あり学習はさらに、既存のデータをもとに、タスクごとに設定されたいくつかのクラスに識別する「分類」と、連続する値を予測する「回帰」に分けられます。

教師なし学習

教師なし学習は、正解データなしで入力したデータの特徴やルールを学習して分析する手法です。データを与えることにより、データの構造、パターンなどを抽出しながらモデルを構築していきます。代表的な教師なし学習には、似た特徴を有するものを同じクラスに分類する「クラスタリング」があります。

深層強化学習

深層強化学習は、深層学習と強化学習を組み合わせた手法です。強化学習の手法の一つであるQ学習と深層学習を組み合わせたものを、DQN(Deep Q-Network)と呼びます。Q学習では、エージェントが次に行う行動における報酬の期待値をQ関数と呼ばれるもので表現しますが、DQNではこのQ関数をニューラルネットワークで予測します。

半教師あり学習

半教師あり学習は、少数のラベルのついたデータと大量のラベルのないデータが用意された際における学習手法です。この2種類のデータによって、少数のラベルのついたデータのみの教師あり学習よりも高い性能を得るために考案されました。一般に、ラベルのついたデータを大量に用意するのは大きな時間的・金銭的コストがかかるため、少ないラベルなしデータで効率良く学習する方法として注目を浴びています。

強化学習の主な流れ

強化学習の学習は、次の流れで行われます。本項目では強化学習の一つであるQ学習について、学習の流れに沿って紹介していきます。

1.行動を選んで実行する

強化学習では、良い結果が得られたときに、報酬が与えられます。各行動に対して、その行動を行うことで得られる報酬の総和の期待値をQ値と呼びます。もしモデルがこの各行動に対する「真のQ値」をすでに知っていれば、Q値が一番大きなアクションを選択しつづければ最適な行動をとり続けられることになります。そのため、強化学習とは、このQ値を予測する関数(Q関数)を推定するためのアルゴリズムと言い換えることができます。

強化学習エージェントは、まずQ関数を定義します。(機械学習モデルであることが多いです)そして、Q関数を基に行動を選択します。行動の選択手法にはεの確率でランダムに行動、それ以外の確率(1-ε) で最もQ値の高い行動を選択する手法である「ε-greedy選択」、Q値が高い選択肢の選択確率が高くなるよう選択確率の決定を行う「softmax行動選択」などから選べます。いずれの手法も、基本的にはQ値が高い行動を優先的に行います。

2.行動結果から新たな情報を得る

モデルは、選択した行動によって報酬がもらえたかどうか。または環境がどのように変化したかという新しい情報を獲得します。

行動結果から受け取った報酬を基に、Q値を更新します。更新する時には、実際に得られた報酬と元々のQ値との誤差をなるべく小さくするように更新していきます。

3.Q値が収束するまで繰り返す

あとは、上記1〜2で紹介した行動を繰り返していき、Q値が収束するまで繰り返したら、学習を終えます。

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強化学習のメリット・デメリット

ここまで強化学習の良い面や手法について説明してきました。しかし、強化学習にはメリットだけでなく、デメリットも存在しています。強化学習のメリット、デメリットをそれぞれ解説します。

メリット:未知の環境に適応できる

強化学習はデータ不足でも自ら結果を出すために学習できる点がメリットです。強化学習は試行錯誤によって価値を最大化するような行動を学習するものであり、環境さえ用意すれば、それに対する正解データを用意しなくても自動的に学習できるというメリットがあります。たとえば、将棋AIなどでは、コマの動きと王将を獲得したら報酬を与えるというルールを定めるだけで学習することが可能になります。

デメリット:理解できない結果が出ることも

強化学習は機械自らが学習を進めるため、時には想定外の答えがはじき出されることもあります。時には人間が理解できないような行動をとることもあり、しばしば人間側との理解度に相違も生まれます。そのため、性能改善時に手を加えるかどうか、調査することが難しくなる可能性も孕んでいるのです。

強化学習の活用例

強化学習の技術は、具体的にどのように活用されているのでしょうか。ここからは、強化学習の活用例について具体的な事例を解説します。

ジョブスケジューリング問題の解決

マサチューセッツ工科大学にて行われたコンピューター・クラスターのリソース管理の研究では、強化学習により各ジョブを各コンピューターへ配分する「ジョブスケジューリング問題」の解決に貢献しました。ジョブスケジューリング問題とは、ある製品の製造工程において、複数の仕事を複数の機械に割り当てる組み合わせ問題のことです。強化学習によって複数の仕事を各コンピュータで配分することで、スケジュール管理がスムーズになりました。

信号機の自動制御

強化学習の技術は信号機の自動制御にも役立っています。信号機の自動制御では、SUMO などの交通シュミレータを用いて強化学習の実験を進めています。強化学習を通じた、車の信号待ちの時間削減を目指して、今後も最適化のために学習を行っています。

機械の自動制御

強化学習の技術は車やロボットなど、機械の自動制御にも活かされています。その中でも、特に自動運転やロボットアームなどの制御に役立っており、機械が正確に動くように最適化を進めるために学習を行います。

ボードゲーム

強化学習は将棋や囲碁、オセロといったゲームを学びながらプレイし強くなっていく性質のゲームにも応用されています。囲碁や将棋などのゲームは、将来の価値(今その手を打つことで勝つのか、負けるのか)を最大化する目的で行うため、同じ性質をもつ強化学習との相性が良いことで知られています。強化学習を用いたゲームとして最も有名なのが、囲碁の世界チャンピオンにも勝利したAlphaGoです。AlphaGoのシステムには、モンテカルロ木探索、ニューラルネットワーク(ディープラーニング)、強化学習が使われており、高スコアの獲得や、勝利への道筋を予測する際に無類の性能を発揮します。

機械学習で業務DX化を加速させるTRYETINGの「UMWELT」

機械学習のなかでも、強化学習を用いることで過去データだけでは推測できない未来予測を行うことができ、経営戦略やマーケティングなどのDX化に応用することができます。最新のAI技術を活用したDXツールをお探しの企業様には、TRYETINGの開発するノーコードIAクラウド「UMWELT」がオススメです。

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まとめ

強化学習はデータだけでは予測できない未知の環境にも適応できるため、上手く活用できれば企業活動においても力を発揮します。データが不足していても自ら学習できる点メリットがある一方で、想定外の答えが出力されるデメリットもあります。強化学習を活用するために、本記事を参考に活用例を調べてみてください。プログラミング不要で誰でもかんたんに低価格でAIを使えるDXツールをお探しの方は、UMWELTの導入をぜひご検討ください。

参照文献

強化学習アルゴリズム入門|曽我部東馬、オーム社(2019)

Resource Management with Deep Reinforcement Learning|Hongzi Mao, Mohammad Alizadeh, Ishai Menache, Srikanth Kandula, Massachusetts Institute of Technology, Microsoft Research
https://people.csail.mit.edu/alizadeh/papers/deeprm-hotnets16.pdf

AlphaGo の技術と対戦|伊藤毅志、松原仁(2016)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/31/3/31_441/_pdf/-char/ja

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