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AIによる異常検知の特徴や種類は?メリットや導入の手順を解説します!

 

AIによる異常検知とは、AIのもつ画像認識機能などを使い、データの中から異常を検知するシステムのことです。この記事では、そもそもAIによる異常検知とは何か、どんなメリットがあるのか、その導入方法や注意点まで詳しく解説していきます。最後にはおすすめのサービスも記載してますので、もし導入をご検討中の方はぜひご利用ください。

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AIで異常を検知するとは?


異常検知とは、製品などに対して異常が無いかどうかを確認する作業のことです。これまでは熟練作業者の目視によって確認してきたものを、画像認識等の技術を使い、通常のパターンとは異なる挙動を検出します。人ではなくAIが検知することで、ヒューマンエラーを防ぎ、業務効率化や省人化に繋げることができます。

AIによる異常検知の手法には3種類ある


AIによる異常検知の方法には3種類あります。

外れ値検出

外れ値とは、データを記録する上で生じた人為的ミスなど、全体から大きく外れた値のことです。外れ値の中で、測定ミスやデータの入力ミスなど、原因が分かりきっているものを異常値と呼びます。

変化点検出

変化点とは、データの構造や性質が急激に変化する箇所のことです。それらを検出することで、データがどこから異常をきたしたのかを特定できます。

異常部位検出

異常部位とは、その名の通り異常が起きている部位のことです。外れ値が記録されまた正常に戻った場合、この外れ値を記録していた時間帯が異常部位です。このように異常部位をデータ全体の中から見つけ出すことを異常部位検出と呼びます。

異常検知にAIを導入するメリット


異常検知にAIを導入することで、ヒューマンエラーの防止や人件費削減のメリットがあります。その具体例を述べていきます。

ヒューマンエラーを防げる

外観検査を例に上げると、人による目視検査で取りこぼしが起こるケースはよくあります。人間の場合、検査室の照明が変わっただけでも、外観検査に影響を及ぼしますが、AIが行う場合はその影響を抑えることができます。

人件費の削減ができる

検査員の仕事をAIに置き換えることで、人件費の削減にもつながります。熟練検査員の採用や若手検査員の教育も必要なくなり、リソースを削減もしくは再配分できます。

AIによる異常検知の事例


ここでは、AIによる異常検知の技術がどのように活用されているのか、その活用によってどういったメリットがあるのかを事例ベースで解説していきます。

作業員の持ち込みや持ち出し部品を解析する

日立ソリューションズでは、画像認識AIを使い、作業現場において持ち込み品と持ち出し品のチェックを行う作業を自動化しました。この事例では、作業員が作業現場の入退場時に持ち込んだ物品の画像を比較することで、置き忘れや余分な持ち出しなどのチェック作業を自動化しました。これにより、一つ一つ確認していた作業が自動化され、現場管理者の業務負担や作業員入退場待ちなどが解消されました。

部品の傷を解析する

材料科学技術振興財団の事例では、画像認識AIを使うことで異常部位検知を行い、傷のある製品を特定しています。また、ヒートマップを使い、色の度合いで傷の度合いの重要度を可視化しました。輝度や色だけでは区別ができない、目視で発見することが難しい異常のある箇所を可視化しています。

路面の状態異常を解析する

Specteeと日本気象協会、NCTは、カメラ映像を元にAIで異常がないか道路の路面状況をリアルタイムに判別する実証実験を行いました。将来的には、リアルタイムで路面の凍結や積雪の状況を自動判別し、道路の安全や防災に関わる事業者に有効活用してもらうことを目指しているとのことです。

異常検知するAIを導入する手順


ここでは、異常検知を行うAIをどういった手順で導入していくのか解説していきます。導入する際に気をつけるべき点や、考えるべきことなども詳しく解説します。

1.必要なデータを収集する

異常検知を行う際には、データ収集が重要です。特に、正常値のデータを集めるには、ベテラン検査者の経験や知識が必要です。AIに学習させるためにも、まず正常値のデータを人の手で集める必要があります。

2.導入するセンサーを選定する

センサーで温度や音などを検知し数値化することで、異常検知を実施することができます。収集するデータの種類により、適切なセンサーを選びましょう。

3.学習用のデータセットを作成する

センサーにより数値化されたデータを元に、学習用データを作成します。学習用データはその後の異常検知結果に大きく左右するため、何が正常値で何が異常値かをはっきりとさせる必要があります。

4.AIに学習させる

学習用データをAIに学習させます。機械学習の手法には、いくつかありますが、得たい結果に合わせて適切な手法を選択しましょう。

5.運用開始・モニタリングをする

異常検知において、運用やモニタリングは重要です。異常検知の結果得られたデータをただ見るだけでなく、その後の改善にまで繋げることで、より精度の高い異常検知を実施することができます。

異常検知のAIを導入するポイント


異常検知AIを導入するにあたり、注意すべき点などのポイントを解説していきます。

判断基準を明確にする

異常検知AIにおいて、正常と異常の境界線が曖昧なままだと、異常検知の精度が低くなります。作業効率化のためにも、初期段階から時間をかけて正常・異常のデータを定義することが大切です。

精度の高いデータセットを用いる

AIが異常検知を行う際、その判断基準は学習用データセットに委ねられます。データセットの精度が悪ければ、AIの判断も鈍ってしまいます。無関係な情報(ノイズ)を除去することも重要です。

システムへの理解を深めておく

AIによる異常検知システムの導入には、現場とAIに関する深い理解が必要です。AIで出来ること、出来ないことを理解することで、異常検知作業の業務フローの中にシステムを組み込むことができます。

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まとめ

AI導入における課題の解決は、業務効率化や人件費・教育コストの削減に繋がります。しかし、その過程では人の手によるデータ収集や学習用のデータセットが必要であり、AIや機械学習に関する知見が求められます。スピーディーにAI導入をしたい方は、UMWELTの導入をぜひご検討ください。

参照文献

画像認識AIで、作業現場における持込持出物品を自動でチェックできるソフトウェアを販売|日立ソリューションズ(2021)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000053429.html

AIを活用した異常検知事例|一般財団法人材料科学技術振興財団
https://www.mst.or.jp/object/tabid/1440/Default.aspx

AIによる道路の「路面状態判別技術」の実証実験を新潟県長岡市にて開始|Spectee
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000016808.html

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