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機械学習とCNNの関係とは?仕組みや特徴・活用例をくわしく解説

人工知能はビジネスだけではなく、私たちの生活にも深く関わっています。そして、人工知能の実現に欠かせない技術が機械学習です。機械学習には、CNN(Convolutional Neural Network: 畳み込みニューラルネットワーク)と呼ばれる手法が存在します。しかし、「機械学習とCNNの関係がわからない」「CNNの活用事例を知りたい」と思っている方も多いでしょう。そこで今回は、機械学習とCNNの関係や特徴を解説し、活用事例も紹介します。

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機械学習とCNNの関係


機械学習とCNNには、どのような関係があるのでしょうか。ここでは、それぞれの特徴を解説しましょう。

機械学習とは

機械学習は「Machine Learning」を略してMLと呼ばれており、人工知能の要素技術の1つです。AIの1つの要素技術であり、コンピュータに大量のデータを入力し、データに潜むパターンやルールを発見させる技術です。

CNNとは

CNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)は、畳み込み層とプーリング層をもつニューラルネットワークです。ニューラルネットワークとは、脳の神経回路を模した数理モデルであり、入力値に対して出力を返します。CNNはニューラルネットワークの中でも古典的なフィルタリング処理に着想を得ており、画像から特徴量を抽出するために効果的なモデルです。畳み込むためのフィルタをカーネルと呼びます。

画像認識での機械学習に欠かせないCNNの特徴


CNNは、主に画像認識で活用されています。主な特徴は、以下の2つです。

  • 「局所受容野」での認識
  • 「重み共有」での抽出

「局所受容野」での認識

人間が物体を認識するときは、全体像を一度に把握するのではなく、一部の領域ごとに切り取るような形で少しずつ物体を認識していきます。切り取った領域分に反応する性質を「局所受容野」と呼びます。CNNは、局所受容野のように入力データのごく一部のみに応答する性質を持つことが特徴です。

「重み共有」での抽出

重み共有とは、画像中の特定の位置で重要だと認識された特徴について、別の位置でも重要度が高いと認識する仕組みです。たとえば、画像の中から人間を識別するように学習をするとしましょう。1度人間を識別する特徴を導き出せれば、そのフィルタを共有して、画像中に含まれる複数の人間をそのフィルタで検出できるようになります。

CNNの3つの構成要素


CNNは、主に以下の3つで構成されています。

  1. 畳み込み層
  2. プーリング層
  3. 全結合層

1.畳み込み層

畳み込み層とは、画像上に小領域(フィルタ)を設け、1つの特徴量として圧縮(=畳み込み)する工程を画像上をスライドしながら繰り返すことによりできた層のことを指します。このフィルタをReLU等の活性化関数で繋ぐことで、CNNが構築されます。畳み込み層があることで、点ではなく領域ごとに特徴抽出をすることができ、通常のNeural Networkよりも精度の高い判定ができます。

2.プーリング層

プーリング層とは、画像上に小領域(フィルタ)を設け、その枠内のデータに演算を行うことによりできた層のことを指します。CNNでは主に、枠内に存在する数値のうち、最も高い数値を特徴量として演算するMAXプーリングや、平均値を採用する平均値プーリングを行います。

3.全結合層

全結合層は、畳み込み演算やプーリング演算で抽出した特徴量を受け取って、特徴量で分類を行うために利用されます。また,全結合層の最後にSoftmax層を追加することにより、クラスごとの出力値の合計を1にできるため、出力結果を確率とみなして得ることができるようになります。

CNNで可能となることは?機械学習の活用例


CNNによる画像認識により、どのようなことができるのでしょうか。ここでは、下記3つの事例を用いて活用例をご紹介します。

  • 医用画像処理
  • 無人レジ店舗
  • ドライブレコーダー

医用画像処理

2021年の東京大学・東京都健康長寿医療センター・医療研究開発機構らが発表した研究『認知機能低下患者の顔を見分けることができる AI モデルの開発』では、CNNを用いてレントゲンや顔写真から認知機能低下を示す群と正常群の弁別を行いました。正答率は率 92.56%と高く、従来の脳脊髄液を採取する検査よりも非侵襲的で安価な認知症検査の実現可能性が高まりました。

無人レジ店舗

次に紹介するのは無人コンビニとして注目を集める「AmazonGo」に代表される無人レジ店舗です。AmazonGoでは、レジに通す必要がなく、利用者は必要なものをカバンに詰めてそのまま店の外に出れます。店内にはカメラやセンサーが設置され、人物とその人物が購入した商品を特定し、自動でレジの処理を実施しています。特定するときに、CNNの画像認識技術が活用されています。

ドライブレコーダー

東京大学発のベンチャー企業であるUrban X Technology社は、国内の自治体道路管理者から日々収集した500万枚を超える道路損傷データを教師データとしてAI道路点検事業を展開しています。同社開発のアプリをドライブレコーダーとして車載して得たデータをCNNを用いて演算し、行政がいち早く舗装対応ができるような仕組みとなっているのです。

機械学習は難しい?CNNを行う際に要求される知識

CNNを利用するときには、以下のスキルが求められます。

  • プログラミングに対する理解
  • 数学のリテラシー
  • 機械学習の知識と英語読解力

プログラミングに対する理解

機械学習を扱う際には、ライブラリを利用するのが一般的です。機械学習ライブラリとは、機械学習モデルを構築するためのプログラムをまとめたものです。0から全ての処理をする必要がなく、簡単に特定の処理を行うことが可能です。複雑な処理も、機械学習ライブラリを活用すれば簡単に実装することができます。したがって、これらのライブラリを利用するためにプログラミングに対する理解が求められるのです。

数学のリテラシー

機械学習は、分析方法を検討するためにあらゆる数学的な知識が求められます。具体的には、「微分・線形代数・確率・統計学」と幅広いです。

機械学習の知識と英語読解力

CNNを実装するには前述したプログラミングと数学の知識以外にも、機械学習のアルゴリズムといった基礎知識や英語読解力が必要です。ディープラーニングは機械学習の一部であるため、まずは機械学習自体がどのようなアルゴリズムのものなのかを把握しておかなければなりません。さらに、機械学習や深層学習に関する最先端の書籍や論文は、日本語ではなく英語で書かれていることが一般的です。したがって、最近の情報を入手するためにも英語読解力を身につけておくと良いでしょう。

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まとめ

CNNは機械学習で利用される手法の一つで、特に画像認識に活用されています。画像認識は、多くの業界で活用され始めているため、自社でも導入したいと思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、機械学習を導入するためにはAIエンジニアが必要なため、なかなか活用までに至らないと思います。UMWELTは、ブロックを組み合わせるという直感的な操作のみでAI分析が実行できる、誰でもかんたんに使えるAIツールです。これから機械学習を活用していきたいと考えている方は、今回紹介した「UMWELT」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参照文献

TensorFlowで学ぶディープラーニング入門 ~畳み込みニューラルネットワーク徹底解説|中井悦司、マイナビ出版(2016)

認知機能低下患者の顔を見分けることができる AI モデルの開発|東京大学・東京都健康長寿医療センター・医療研究開発機構(2021)
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2021/01/26/release_20210126.pdf

Urban X Technology公式HP
https://www.urbanx-tech.com/

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