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機械学習におけるバッチサイズとは?決め方や注意点を解説

機械学習は多くのシステムに活用されており、ビジネスだけではなく、我々の生活にも深く関わっています。多くの企業では、機械学習を活用するためのシステム導入の検討や人材育成に注力しています。しかし、「バッチサイズ」「イテレーション」などの専門用語が多く、なかなか機械学習の活用が進まないケースも多いでしょう。そこで今回は、機械学習の概要や、データをグループ分けするときに必要となるバッチサイズの概念について解説します。

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機械学習の基礎知識


ここでは、AIを支える技術の一つである機械学習について、簡単に解説します。

機械学習とは

機械学習は、AIの1つの要素技術であり、コンピュータに大量のデータを入力し、データに潜むパターンやルールを発見させる技術です。

AIやディープラーニングとの違い

AIという概念の中に機械学習という技術があり、さらに機械学習の中には、ニューラルネットワークの手法の1つとしてディープラーニングが存在しています。

ディープラーニングはニューラルネットワークを多層に渡って拡張し、学習能力を高める機械学習の1つであり、AIを構成する手法として様々な場面で用いられています。

機械学習の重要性が高まっている

機械学習は統計学の手法でさまざまなデータを分析し、規則性やパターンを解析することで未来を予想できます。データの中には、特定のパターンや法則性を導き出せるため、長期間のデータが多いほどある程度の目安を予想できるのです。したがって、機械学習はビッグデータの活用時に利用されることが多いです。たとえば、過去10年の売上データを学習させたとします。そのとき、季節ごとに売上が異なっており、夏の売上が高い傾向にあるとわかったとしましょう。その結果から、夏の営業時間を増やし、効果的なメニュー開発に時間を充てるといった施策が可能となります。

機械学習の主な分類


機械学習には、主に以下5つの分類があります。

  • 教師あり学習:教師あり学習は、正解のデータが用意されており、正しい出力ができるように入力データの特徴やルールを学習していく手法です。教師あり学習はさらに、既存のデータをもとに、タスクごとに設定されたいくつかのクラスに識別する「分類」と、連続する値を予測する「回帰」に分けられます。
  • 教師なし学習:教師なし学習は、正解データなしで入力したデータの特徴やルールを学習して分析する手法です。データを与えることにより、データの構造、パターンなどを抽出しながらモデルを構築していきます。代表的な教師なし学習には、似た特徴を有するものを同じクラスに分類する「クラスタリング」があります。
  • 強化学習:強化学習は、「環境」と「エージェント」という2つの要素からなるシステムにおいて、「エージェント」が「環境」の中で最もよく振る舞うように学習する手法です。「環境」は、「エージェント」の行動によって与える報酬を変化させます。「エージェント」は「環境」の中で最も多く報酬が得られるような振る舞いを、試行錯誤しながら学習します。
  • 深層強化学習:深層強化学習は、深層学習と強化学習を組み合わせた手法です。強化学習の手法の一つであるQ学習と深層学習を組み合わせたものを、DQN(Deep Q-Network)と呼びます。Q学習では、エージェントが次に行う行動における報酬の期待値をQ関数と呼ばれるもので表現しますが、DQNではこのQ関数をニューラルネットワークで予測します。
  • 半教師あり学習:半教師あり学習は、少数のラベルのついたデータと大量のラベルのないデータが用意された際における学習手法です。この2種類のデータによって、少数のラベルのついたデータのみの教師あり学習よりも高い性能を得るために考案されました。一般に、ラベルのついたデータを大量に用意するのは大きな時間的・金銭的コストがかかるため、少ないラベルなしデータで効率良く学習する方法として注目を浴びています。

機械学習の関連ワードをチェック


機械学習には、さまざまな関連するワードが存在しています。ここでは、以下3つのワードについて解説します。

  • 学習回数
  • バッチサイズ
  • イテレーション

学習回数とは

学習回数とは、機械学習において重要となるハイパーパラメータの一つで、学習において、データセットを何週繰り返してパラメータを調整するかを表す数を指します。学習回数は、「エポック(epoch)数」とも呼ばれています。機械学習では、、繰り返しデータから値を予測し、その予測値と正解値の間の差を小さくしなければなりません。そのため、エポック数が少ないと、パラメータが適切に収束する前に学習が終了してしまいます。しかし、あまりにも学習をしすぎると特定のデータのみに強い「過学習」を起こしてしまうおそれがあるため、適切な学習回数が重要となります。

バッチサイズとは

機械学習では、最適なパラメータを発見するためにも、全データを使って関数の最小値を探す「勾配降下法」と呼ばれる手法が使われます。勾配降下法では、学習するデータセットをいくつかのグループ(バッチと言います)に分けることが一般的です。バッチサイズとは、このときに分けられた各グループのことを指します。たとえば、全部で4,000のデータセットがあったとすれば、400ずつに分けたときの400がバッチサイズとなります。

イテレーションとは

イテレーションとは、バッチサイズが決まれば自動的に決まる数字です。たとえば、先述した例で4,000のデータセットを400のバッチサイズに分けたとしましょう。このとき、400のバッチサイズが10個のグループに分けられますが、10のことをイテレーションと呼んでいます。

学習回数とバッチサイズはどうやって決める?


機械学習を効率的に進めるためには、学習回数とバッチサイズを適切に決めるのが大切です。ここでは、それぞれの決め方を解説します。

学習回数の決め方

学習回数を決めるときには、過学習に注意しつつ、ケースバイケースで調整していくのが大切です。そもそも学習する目的は、適切なパラメータを見つけ出すことです。そのため、学習データの精度が高く、さらに予測精度が高まるような学習をする必要があります。

バッチサイズの決め方

バッチサイズを決めるときには、ミニバッチ勾配降下法と呼ばれる手法を使い、適切なサブセットに分ける必要があります。バッチサイズは、機械学習において、慣習的に2のn乗が利用されることが多いです。したがって、まずは「16、32、64、128、256、512、1024、2048」の中から試してみるのが良いでしょう。

機械学習の活用事例を紹介

機械学習は、さまざまなシーンで活用されています。ここでは、以下4つの事例を紹介します。

  • 画像認識
  • レコメンド
  • 需要予測
  • 自動運転

画像認識

画像認識では、与えられた画像データの特徴や法則を見つけ出し、分類することができます。従来の機械学習では、画像認識の特徴についてもデータとして与えていました。しかし、ディープラーニングの登場により、特徴などを事前にデータとして与えなくても機械自身が特徴を見抜くようになったのです。最近では、顔認証にも利用されています。

レコメンド

レコメンドとは、ユーザーの行動に応じた関連性の高いコンテンツをおすすめする機能です。インターネットショッピングでは、ユーザーの購入履歴や閲覧履歴により、類似した商品をおすすめ商品として表示します。映像作品のサブスクリプションサービスでは、閲覧した作品を見た人が興味のある作品をおすすめしてくれるのです。

需要予測

機械学習では、過去のデータから一定の規則性やパターンを見つけ出せるため、需要予測にも活用されます。活用の事例としては、POSデータと連携し、そのデータを機械学習で分析することで、需要予測をして、商品や部品の自動発注まで行っています。

自動運転

機械学習は、近年、注目を集めている自動運転にも活用されています。たとえば、自動運転をするにあたって、どれくらいの距離を取ればいいのか、前の車の動作に応じて、どのような対応をすればいいのかなどを繰り返し学習を続けていくのです。

機械学習技術で業務DX化を推進させるTRYETINGの「UMWELT」

機械学習を社内で活用する場合、AIエンジニアが必要です。しかし、多くの企業では、AI人材が不足しており、導入できないと悩む声もあります。そこでおすすめなのが、社内にAIエンジニアがいない場合でも、AIをビジネスに活用できるTRYETINGの「UMWELT」です。UMWELTはプログラミング不要でAIを利用することができるツールです。社内でAIを利用するための特別な環境を準備する必要がなく、費用や工数などの準備コストを最小限に抑えた上でAIを活用する事ができます。さらに、APIを介して既存システムとの連携を図れるため、機械学習を効率的に活用できます。

まとめ

機械学習におけるバッチサイズとは、機械学習を実施する上で必要となるデータセットを分けたグループのことです。バッチサイズを決めるときには、過学習を起こさないような最適な値で設定しなければなりません。しかし、こうした作業にはデータ活用人材が必要となるため、なかなか進められないと悩む方も多いでしょう。「UMWELT」は操作性が高く、ブロックを組み合わせていくような直感的な操作のみで機械学習が実行できます。機械学習を活用していきたいとお考えの方は、UMWELTの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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