TECHNOLOGY

テキストマイニングにAIを活用するメリットや事例を紹介

 

テキストマイニングとは、SNSなどに投稿された文章を分析して有益な情報を発掘し、マーケティング活動に活かすことです。当記事では、テキストマイニングにAIを活用するメリットと具体的な事例を紹介します。

▼更にAIについて詳しく知るには?
AI(人工知能)とは?導入するメリットと活用例やおすすめのツールを紹介

▼社内のデータをAI化するには?
ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)

テキストマイニングとは

テキストは「文章」、マイニングは「採掘する」という意味で、SNSで投稿された内容や口コミ、アンケートに書かれた文章を分析し、有益な情報を発掘することです。ここでは、テキストマイニングの目的とデータの種類、注目される背景について詳しく解説します。

テキストマイニングの目的

テキストマイニングの主な目的は、SNS、口コミ、お客様相談窓口など、膨大なデータのなかから有益なデータを取り出し、ユーザーニーズを発見することです。テキストデータを分析すると、新商品開発や売上予測など、経営判断に役立つ情報を取得することができます。

テキストマイニングが掘り起こすデータとは

テキストマイニングが掘り起こすデータには、構造化された「定量的データ」と構造化されていない「定性的データ」の2種類があります。

前者は、売上高や商品の市場占有率などを集計して数値化できるデータを指し、後者は数値化できないユーザーの購買意識などのデータです。昨今、消費者ニーズは多様化を極めていて、マーケティングも複雑化しています。そうしたなか、売上といった数値などの「定量的データ」だけではなく、なぜその商品が売れたのかといった数値に表せない情報の「定性的データ」が重要な役割を果たしているのです。

テキストマイニングが注目される理由

以前とは異なり、消費者一人ひとりが即座に自分の意見や考えを発信し、他人と共有できる時代になりました。企業側としてはそれを活かさない手はありません。SNSやブログにアップされた口コミや評判、意見などの文章で、ユーザーの傾向や好みを分析します。

テキストデータからは、商品の認知度や評価、何が話題となっているのかなど、流行の最先端を調査できるうえ、隠れたニーズまで抽出できます。こうしたWeb上にあるデータ資産を活かすと、顧客満足度アップや企業競争力の向上につながり、競争上の優位性を確立できるのです。

テキストマイニングにAIを活用するメリット


ここからは、テキストマイニングにAIを活用する主な4つのメリットについて解説します。

手間・時間を削減

少ないアンケート用紙であればすぐにチェックできたとしても、毎日Web上に存在する膨大な数のテキストデータを、ひとつずつ手作業でチェックするのは現実的ではありません。また、チェックするためには人件費もかかります。そこでAIの出番です。AIが短期間かつ自動でデータ分析することで、業務効率や生産性向上を実現します。

膨大なデータ解析の自動化

テキストマイニングに用いる定性データは、数値化・類型化できない、言葉で表現されたデータであるため、フォーマットが定まっていません。AIは膨大なテキストデータを分解して最小単位に分け、形態素解析や構文分析を自動で行ってくれる点がメリットといえます。

ニーズの見える化

AIを活用してテキストマイニングを行うと、アンケートなどのテキストデータに埋もれているユーザーの声を掘り起こせます。人間では思いもよらない事象を発掘できることで、自社が提供する商品やサービスとのギャップを埋めるなど、ニーズの見える化を実現できるのです。

日本語にも対応

英語など他言語に比べて、日本語には主語の省略や語順の多様さ、曖昧表現など特有なものがあります。定型化されていないデータ分析はハードルが高いと言われています。しかし、AIの性能向上や機械学習の促進で、日本語の曖昧表現にも対応できるようになっています。

テキストマイニングにAIを活用した事例

ここからは、テキストマイニングにAIを活用した具体的な事例について見ていきましょう。

SNSのトレンド分析

世界で今流行っているコトやモノを確認するために活用されるトレンド機能ですが、AIは、特定のキーワードがSNSに出現する頻度を分析できます。テキストマイニングにより、SNSで話題になっている商品やキーワード、流行の糸口を見つけることが可能です。

マーケティング市場の分析

SNSへの投稿やブログ、口コミなどのコメントからテキストマイニングを行うことで、消費者の反応を定量的・定性的に知ることができます。その結果をもとに、商品改善や新商品開発に役立てることも可能です。こうした消費者の生の声は、潜在的なニーズの獲得につながります。

カスタマサポートの業務効率化

顧客と企業の接点となるカスタマーサポートセンターでも、テキストマイニングの技術は効果を発揮します。AIの音声認識技術を用いて、通話データをテキスト化して蓄積し、蓄積したデータから問い合わせの多い内容の分析や的確な回答を分析することができます。ベテランと新人による対応品質の均一化につながるなど、属人化を防ぐことも可能です。

蓄積されたナレッジの管理

テキストマイニングを行うことによりナレッジマネジメントが実現できます。例えば生産現場の製品設計書からは、設計時の留意点や過去の設計方法の傾向といった知識を把握できます。また、テスト報告書からは問題が起きやすい時間帯や生産機械、テストミスの抽出ができるでしょう。テキスト文書でしか存在しない論文や特許情報からは、傾向や技術を抽出し、開発の方向性決定に役立てられます。カスタマーセンターの顧客対応でテキストマイニングを活用すると、FAQやスクリプト、マニュアルやWebサイトの掲載情報など、さまざまなナレッジに素早くたどり着けるようになります。

テキストマイニングで使用される分析方法の種類とは


次に、テキストマイニングで抽出したデータ分析に使用する主な方法について、説明していきます。

センチメント分析

センチメント分析とは、サービスや商品に対するユーザーの感情や感想を分析する手法です。「肯定的・中立的・否定的」の3つの評価をすることから「ネガポジ分析」とも呼ばれています。このメリットは、ユーザーの心理面を分析することで、サービス向上や商品改善などの施策につなげられることです。ただし、中立的な曖昧表現については、自動で判別するのはまだ難しい現状があります。センチメント分析は、資産運用をしている投資家の分析や選挙予想にも活用されています。

対応分析

対応分析は「コレスポンデンス分析」とも言われ、編集や編集を行う前の「ローデータ」や、表に書かれているクロス集計などのデータ結果を散布図で表現する解析方法です。対応分析は、競合他社と自社のブランドイメージの比較や、ターゲット層のニーズを探るといった場面で有効です。

主成分分析

主成分分析は、ビッグデータなどの膨大な量のデータを分析する際に用いられる手法です。5V( Variety・Velocity・ Volume・Veracity・Value)の特徴をもつビッグデータは、そのままの状態では理解しにくいものです。主成分分析は、データが持つ本来の情報を損なうことなく、全体像を可視化し、理解しやすいかたちにできるのです。対応分析は、顧客満足度調査やブランドイメージ調査、利用者調査のアンケート結果分析、企業ランキング、研究開発などで活用されています。

テキストマイニングツール導入時の注意点

テキストマイニングで使用される分析方法を理解したところで、ここからはテキストマイニングツール導入時の選定方法や注意すべき点について説明します。

目的に最適化されたデータを抽出する

テキストマイニングの最大の目的は、消費者ニーズを素早くキャッチし、サービスや商品に対してアクションを起こすための有益な情報を確実に抽出することです。そのためには、自社が求める有益なデータを確実に得られるツールの選定が重要です。

費用対効果を見極める

次に、テキストマイニングツール導入時の費用対効果を見極めることも必要なポイントです。テキストマイニングツールには、無料プランや初期費用が発生するもの、有料ツールなどさまざまなタイプがあります。無料ツールは、コストを抑えつつ活用できるメリットがある一方で、機能が少なく精度が低いなどのデメリットもあります。

有料ツールの導入は決して安いコストではありません。さらに、有効活用して利益を出すまでには時間もかかります。無料ツールと有料ツールの1ライセンス当たりのコストや、導入効果の出やすさといった点を総合的に判断することが求められます。

無料と有料のツールを使い分ける

自社に最適なツールが不明な場合、無料と有料ツールの使い分けをするのもひとつの手段です。最初は無料ツールを活用して、自社の使用目的に合っているか、性能や機能を確かめるのも良いでしょう。ただし、低コストであることはメリットではありますが、活用できなければ意味がありません。有料ツールを選定する際は、ツールの使いやすさはもちろんのこと、処理速度や分析精度は優れているか、辞書機能、グラフなどの豊富な出力機能があるかなどに留意しましょう。

自社システムのAI化を推進するならTRYETINGの「UMWELT」にお任せください!

使い勝手が良く、低コスト、さらに優れた機能を持つツールをお探しの方におすすめなツールが、TRYETINGのノーコードAIクラウド「UMWELT」です。現場で役立つAIアルゴリズムが多数搭載されており、プログラミングをすることなく貴社内にAIシステムを構築することが可能です。また、クラウド型のため初期開発コストや運用コストもかかりません。

まとめ

テキストマイニングの概要から分析方法、ツール導入時の注意点について解説してきました。新商品開発や業務改善に役立つ情報が満載のテキストデータを有効活用しない手はありません。テキストマイニングも含め、AIを使ったICT推進を実施したい方は、ぜひTRYETINGまでお問合せください。

WRITING BY

TRYETING

公式

TRYETING公式アカウントです。
お知らせやIR情報などを発信します。