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BIツールとExcelの違いは何?それぞれメリット・デメリットをわかりやすく解説

 

ExcelからBIツールにデータ分析ツールの移行を考えている企業担当者の方も多いのではないでしょうか。BIツールを活用すれば、膨大なデータを分析して、製品やサービスの新しい付加価値を創出できます。しかし、BIツールのデータ分析にはメリットだけでなくデメリットも存在し、データ次第ではBIツールよりもExcelのほうが効率的なケースも存在します。

この記事ではBIツールとExcelそれぞれの違い、メリット・デメリット、そして両ツールをうまく使い分ける方法をご紹介します。

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ExcelとBIツールはデータ分析のメインツール

企業がデータ分析を行うツールとして、主にExcelやBIツールがあります。ExcelはMicrosoftが提供する代表的な表計算ソフトのツールです。一方、BIツールは「ビジネスインテリジェンスツール」の略称で、事業を通じて企業内に蓄積されたさまざまなデータを分析して経営戦略に活用するツールを指します。

それぞれのツールには、データ分析に対するメリット・デメリットが存在しており、どちらがデータ分析に優秀かはケースによって異なります。

Excelでデータ分析するメリット


日常業務のなかで、Excelを使用する方も多いのではないでしょうか。しかし、Excelは計算や集計に用いる表計算ソフトであり、データ分析には不向きなツールと思われている方もいるかもしれません。ここでは、Excelのデータ分析を行うメリットについてご紹介します。

導入・利用がスムーズ

Excelは既に多くの企業で導入されているツールです。メリットとして、データ分析ツールの導入にコストがかからないことが挙げられます。新たにExcelを導入する場合でも、デスクトップ版を含むMicrosoft 365 Apps for businessを900(税別)円で、ユーザー/月相当から利用可能です。

また、Excelはビジネス標準ツールとして広く普及しているため、操作の教育コストがほとんどかからない点も魅力と言えるでしょう。操作性にも優れていて、マクロ機能を使えばさまざまな処理の自動化も可能です。

基本的なデータ分析手法を使える

Excelには基本的なデータ分析の手法があらかじめ搭載されており、以下の分析手法が利用可能です。

・分散分析
・相関
・共分散
・基本統計量
・指数平滑
・F検定(2標本を使った分散の検定)
・フーリエ解析
・ヒストグラム
・移動平均
・乱数発生
・順位と百聞位数
・回帰分析
・サンプリング
・t 検定
・z 検定

上記の分析手法はExcelに搭載された「データ分析ツール」ですぐに利用可能です。ただし、なかには「分析ツールアドインプログラム」を読み込む必要がある場合もあります。

データ分析ツールは自分で関数を設定する必要がないため、実用性の高い統計学的および工学的なデータ分析を簡単に実行可能です。

データ分析に必要な機能を搭載している

先にご紹介した「データ分析ツール」に加えて、Excelにはデータ分析に役立つ機能が多数搭載されています。

・ピボットテーブル機能
・関数機能
・グラフ作成機能
・予測シート機能

上記は通常業務の一部でも使用される一般的な機能ですが、データ分析においても有効的な機能です。データ分析では複数の要素を多角的に分析することが求められ、ピボットテーブルによる集計や、グラフ作成機能を使ってデータ分析に用いるデータを精査する際に効果を発揮します。

少量のデータ分析に強い

Excelは少量データの分析に非常に優れており、短時間でデータの処理と可視化をする用途に最適です。ここでの少量データとは「期間限定セールの効果測定」や「展示会当日当たりの受注数」といった短期間で得た少量のデータを指します。

少量のデータであれば多少データのフォーマットに誤差があっても修正が容易であり、使い慣れたExcelを使って必要なデータ分析を短期間で出力することが可能です。

Excelでデータ分析するデメリット


Excelにはデータ分析に有効的なメリットが存在する一方でデメリットも存在します。Excelのデータ分析におけるデメリットの多くは、Excelがデータ分析に特化したツールではなく、汎用的な表計算ソフトウェアであることが理由と考えられるでしょう。

大量のデータを取り扱いにくい

Excelは少量データ分析には優れていますが、大量データ分析になると性能的な限界が生じます。Excelのファイル形式の一つ「.xlsx」は行数に制限があり、シートあたり1,048,576 行に制限されているのです。こうした大容量データはデータが破損する可能性があり、長期間にわたる大容量データの分析にExcelを用いるにはデータ喪失のリスクが生じます。

対応策として一定期間ごとにファイルを分割するなどの方法はありますが、ファイル管理が煩雑になる上、比較や抽出といった柔軟なデータ分析が難しくなってしまうでしょう。

処理速度が遅い

Excelは、BIツールと比較すると処理速度が遅いというデメリットがあります。前述したように、Excelはファイル形式によってデータ数が制限され、制限以上のデータを同一のワークシートで扱うことができません。

大容量データのファイルを開いてしまうと、Excelの処理速度が低下してしまうことが多くなり、端末がフリーズしたり作業効率が下がったりしてしまいます。また、ファイルを保存する際に処理速度が低下してしまうと、更新内容が正しく保存されない恐れがあります。

データ共有・リアルタイム編集が難しい

データ分析で得られた成果は素早く共有して意思決定に役立てなければなりません。しかし、Excelはデータ共有やリアルタイム編集が難しく、距離が離れた拠点間などで同じファイルの共有・同時編集は不得意です。

デスクトップ版ではなくWeb版(Office Online)を使用すればある程度はリアルタイム編集に対応できますが、BIツールと比較すると利便性は劣るでしょう。

セキュリティレベルが低い

Excelファイルを社内LANの共有ストレージなどに保存することで、そのファイルを複数ユーザーが同時に操作可能になります。しかし、このファイルに対するセキュリティ対策は、ファイルにパスワードを設定するか、情報システム部を通じてサーバーにアクセス権限を設定するなど、柔軟性に乏しいセキュリティ対策しかできません。

また、Excelはフォルダごとファイルごとに詳細なアクセス権限が設定できないため、共有するユーザーが多いほど情報漏えいなどセキュリティ面でのリスクがあります。

データが消失するリスクが高い

デスクトップ版Excelを使用している場合、ファイルの保存先にローカルのストレージを指定することがあるでしょう。先にご説明したとおりExcelは大容量のデータを持つファイルの処理は不向きです。そのため、PCやExcelの動作に不具合が生じた場合、作業中のデータが消失するリスクが高くなります。

Excelでは破損したファイルを再び開いたとき、自動的にファイルを修復する機能が備わっています。しかし、この機能で必ずファイルを修復できるとは限らず、データ消失リスクの低減を保証するものではありません。

BIツールを導入するメリット


BIツールはデータ分析に必要な専門知識がなくても、必要なデータを分析して得た情報を活用できます。企業がデータ分析にBIツールを導入することで、データをマーケティングに最適な状態に処理して需要予測などに役立てることが可能です。ここからはBIツールを導入してデータ分析を行うメリットを詳しく解説します。

大量のデータをスムーズに分析できる

BIツールがデータ分析に用いるデータはデータベースによって管理されます。データベースは、企業内に蓄積された膨大なデータを容量制限いっぱいまで保管可能です。

データベースには「RDBS(リレーショナルデータベース管理システム)」と呼ばれるシステムが使用されることが多く、このシステムを使うことでデータを効率的且つスムーズに取り扱えます。BIツールは膨大量のデータ分析をスピーディーに処理できるため、近年はビッグデータ解析にも盛んに利用されています。

複数のデータを組み合わせられる

BIツールは複数のデータを組み合わせたデータ分析が可能です。BIツールは既存のデータベース、クラウド、Webサイト、SNS、協力会社のシステムなどに散らばるデータを一つのデータベースに集約できます。

また、BIツールは集約されたフォーマットが異なる各種データを統合管理することも可能です。膨大な量のデータを多角的に分析して価値の高い情報を抽出できます。得られた分析成果は可視化して出力可能で、素早く正確な情報共有をできるでしょう。

リアルタイム編集に対応している

クラウド型のBIツールのメリットは、インターネット接続環境とWebブラウザさえあれば、いつどこでもデータにアクセスしてリアルタイム編集できる点です。クラウド上のデータを複数人でリアルタイム編集できれば、作業効率や情報共有の精度を向上させることができます。

また、クラウド型BIツールはデータベースなどを構築する必要がありません。BIツールの導入にかかる初期費用や、システムのアップデートやメンテナンスにかかる費用をなるべく抑えたいケースではクラウド型が最適です。

セキュリティが強い

データの利用者が数百名と大規模になると、アクセス権限を制御してセキュリティレベルを高める必要があります。BIツールは保管しているデータを、誰にどんなデータを公開するかを階層に分けて制御可能です。業務ごとでは以下のようなアクセス制御のパターンがあります。

・会社単位(本社、支社、協力会社など)
・部署単位
・プロジェクト単位
・個人単位

上記のような階層ごとに分けてデータのアクセス権限を制御することで、BIツールは高いセキュリティレベルを確保しています。

BIツールを導入するデメリット


データ分析に特化したBIツールの導入が、企業にさまざまなメリットをもたらします。一方で、BIツールの導入にはデメリットも存在します。事前にデメリットを確認していないと、導入効果を得られないどころか業務効率を悪化させてしまう可能性もあるでしょう。ここからは導入に失敗しないために、BIツールのデメリットをご紹介します。

導入・運用が難しい

BIツール導入の際には、自社のニーズを満たす製品を選択することが必要です。さまざまな製品のなかから、社内の多くの人・部署のニーズに合致する製品を選ぶことは困難なプロジェクトになる場合もあります。

BIツールの導入後、運用体制を構築することや業務に定着化するフェーズも失敗が起こる場合もあるでしょう。BIツールはデータ分析の効率化を企業にもたらしますが、導入効果が認められるまで時間を要することや、マニュアルの作成や教育に時間と手間がかかることがデメリットとして挙げられます。

コストがかかる

BIツールは、導入から運用までにある程度の費用負担が発生します。ツール導入だけでなく、運用にも一定のコストがかかることは留意しておきましょう。製品ごとに搭載される機能やユーザー、サーバーライセンス数などが異なり、それによって費用も変動します。

そのため、自社ニーズに合致した機能を搭載したBIツールの選定に成功すれば高い導入効果を得られますが、失敗すると運用がうまくいかず損失につながってしまうでしょう。

初期設定に手間がかかる

BIツールの初期設定には、キューブと呼ばれる多次元データベースの構築が必要です。キューブを構築するためには、データ分析に関する専門知識が求められる上、複雑な設計になるため手間がかかります。

運用段階に入っているBIツールのキューブに後から変更を加えようとすると、余計な手間が生じてしまうかもしれません。このように、BIツール導入時にはキューブ構築の初期設定にある程度のコストがかかることは、念頭に置いておきましょう。

ExcelとBIツールの違いは?


それぞれのメリット・デメリットから見ると、機能によって得意とするケースに違いが見えてきます。ここからは具体的にデータ分析におけるExcelとBIツールを使い分けるケースについてご紹介しましょう。

Excelを使用したほうがよいケース

Excelを導入したほうがよいデータ分析のケースは主に以下のとおりです。

・シンプルな表やグラフの作成
・個人業務に利用する共有の予定がないデータ分析
・データ分析に使う要素が限られ、作業負担を伴わないデータ分析
・データベースにアクセス権限を持っていないデータ分析
・継続的に更新する予定がないデータ分析

Excelは、少量データの分析や可視化に最適と言えます。期間限定キャンペーンや短期プロジェクトの成果など、分析に用いるデータが少量の場合はExcelのデータ分析機能で必要十分な成果を得ることが可能です。

BIツールを導入したほうがよいケース

BIツールを導入したほうが良いデータ分析のケースは、主に以下のとおりです。

・データ数が膨大で複雑なデータ分析
・複数の要素を統合しなければならないデータ分析
・データを社内外で共有する必要があるデータ分析
・複数の評価指数を用いて詳細な分析が必要な場合
・扱うデータ量が膨大でデータベースによる管理が必要な場合
・リアルタイムのデータ分析が求められる場合

BIツールは大容量データを使ったデータ分析をスムーズに実施したいケースに最適です。また、リアルタイムでの情報共有や複数人での同時編集など効率化を重視する場合にも、BIツールの導入が効果的でしょう。

ExcelとBIツールの併用も可能

ExcelとBIツールのどちらか一方のみで作業するよりも、扱うデータに合わせたツールを使い分けて作業効率を向上させる方法があります。Excelでは困難な大量のデータ分析はBIツールで行い、会議資料といった繰り返し使用しないデータの出力は使い慣れたExcelで行うことも可能です。

Excelで煩雑化していた作業をBIツールで効率化できれば、これまでExcelに費やしていた時間を主業務に集中させることができ、業務効率化による生産性の向上が期待できるでしょう。

BIツールの導入を検討しているなら「UMWELT」がおすすめ


TRYETINGのノーコードAツール「UMWELT」は、BIツールのデータベース構築を効率化させるAIソリューションです。UMWELTは、既存システムにもカスタマイズ不要でAIを連携できます。ここではBIツール構築に最適なUMWELTについてご紹介します。

データ分析にAIの力を活用できる

UMWELTはBIツールが管理するデータをサーバーレスで、さまざまなアルゴリズムと学習処理を混在させてデータ処理を実行します。BIツールのインフラ設計にかかる期間の削減を実現し、導入にかかるコストを抑えることが可能です。

約100種類のアルゴリズムを搭載しており、自由に組み合わせることで専門知識やコーディング不要で誰でも簡単にAIを導入できます。また、企業ごとに異なるデータフォーマットもUMWELTを使えば効率的に標準化でき、自社ニーズに合わせた最適化が可能です。

業界最低水準の低コストで導入可能

AIを活用したデータ分析を実現するUMWELTは、業界最低水準の低価格を実現したソリューションです。価格プランは計3タイプあり、データの活用用途に応じた柔軟なプランが提供されています。

・「BASIC」:通常60万円/月→45万円/月額(年間契約・25%OFF)
・「PRO」:通常98万円/月→70万円月額(年間契約・29%OFF)
・「ENTERPRISE」:98万円/月額(年間契約のみ)

※執筆時点の情報です。

運用コンサルティングによる支援サービスも提供

UMWELTは3つの価格プランに加えて、UMWELTを有意義に活用するための作業代行、コンサルティング、BI作成、トレーニングなどのサポートプランを用意しています。

UMWELTが業務に定着できるように、コンサルタントが導入から運用・保守まで伴走、データ分析・解析を徹底サポートします。導入時のヒアリングから始まり、保守・運用体制の構築までAI導入をサポートし、短期間で高い導入効果を発揮できるでしょう。

まとめ


ExcelとBIツールは、それぞれメリット・デメリットを把握することで、データ分析の効率が向上します。両ツールを自社ニーズや目的に応じてうまく使い分ければ、精度が高い分析成果をスピーディーに出力できるでしょう。

ExcelからBIツールへ移行する際には、AIツールUMWELTの導入もご検討ください。UMWELTはデータベース構築以外にも、さまざまな業務の解析・分析・最適化をサポートするAIツールです。煩雑なデータ管理にお悩みの企業担当者の方は、ぜひTRYETINGにご相談ください。

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