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VAEは異常検知に役立つ?初心者向けに概要やメリットを分かりやすく解説

 

最近では、さまざまなデジタル技術の登場により、私たちの生活が便利になっています。デジタル技術の中でも、注目を集めているのが画像認識による技術です。画像認識の活用は、業務上でも多く利用されており、異常検知として利用されるケースもあります。そんな画像認識について、「具体的にどのような技術が使われているの?」「概要やメリットについて知りたい」と思っている方もいるでしょう。そこで今回は、画像認識の技術である「VAE」について概要やメリットを分かりやすく解説します。

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VAEは異常検知に役立つのか

VAEと聞いても、どのような技術であるのか知っている方は少ないと思います。ここでは、VAEの概要と異常検知へ役立つ理由を解説しましょう。

そもそもVAEとは

VAEとは「Variational AutoEncoder」の略称で、AE(AutoEncoder)の潜在変数部分に確立分布を導入した技術です。そもそもAEとは「入力層・中間層・出力層」で構成されたニュートラルネットワークを利用した機械学習のために使われている技術であり、AEには潜在変数と呼ばれる変数が利用されています。
潜在変数は、主観的である情報のため直接数値化できない要素を指しています。例えば「大きい」「小さい」「美味しい」などは、本人の主観によって発した言葉になるため、数値化するのが難しく潜在変数であると言えるでしょう。VAEは、潜在変数を確率分布によってできる限り数値化していくような考え方です。

VAEが異常検知に役立つ理由

VAEは、入力部分である「エンコーダー」と出力部分である「デコーダー」の差分で異常を検知します。例えば、製造業において検品処理があったとしましょう。検品時には、正常な状態以外は弾くようにしているため、VAEには正常な状態を学習させます。もし、検品時に正常以外のものが来たときには、入力した情報を出力するときに復元ができず、適切な画像出力ができないのです。したがって、VAEの技術によってどの部分に異常が発生しているのかを詳細に判別できます。

VAEとAEの違い

VAEとAEの大きな違いは、圧縮した情報を元の情報に変換するとき、確率モデルを活用していることです。AEは、ただ単に来た情報を圧縮して元の情報に戻すだけでした。しかし、VAEには確率モデルに基づいて変換されるため、予想されていないデータが来た場合でも学習データをもとに処理を行います。VAEには確率的な生成機能があるため、別名「生成モデル」とも呼ばれています。

VAEのネットワーク構造は2つに分かれている

 

VAEを構成するネットワークには、エンコーダーとデコーダーの2つに分かれています。以下で、それぞれ解説します。

エンコーダー

エンコーダーとは、入力された情報を潜在変数に変換するニュートラルネットワークのことです。一般的にオートエンコーダの仕組みは、入力されたデータ(変数x)に対してエンコードすることで変数zに変換させます。その後、次に解説するデコーダーの出番となります。

デコーダー

デコーダーとは、エンコーダーによって生成されたデータに対して、潜在変数をもとに新たなデータを出力することです。AEの場合は潜在変数の利用がされないため、エンコーダーの情報をそのまま出力しています。VAEでは、潜在変数の活用によって確率的な情報の出力も可能としているのです。

VAEにできること

VAEの活用は、デコーダーで潜在変数を利用するときに連続的な値の変化を実践することで、連続的な画像データを生成できます。連続的な画像データを生成することで、画像認識の精度が向上し、さまざまな活用ができるでしょう。例えば、何か動くモーションを生成しようとします。そのときに、静止状態から動作する画像データを連続的に取得することで、イラストを書く必要なくモーションを用意できるのです。

VAEは複雑な構造の工業製品の異常検知に有用

VAEは検知対象が複雑な構成だったとしても、グループの複雑さやそれに伴う影響を除去できる手法が確立されています。特に、工業製品は複雑な構造をしている部品が多いです。例えば、カメラのレンズだとすればレンズ内を構成するネジやレンズ、そしてレンズの周りを覆っている金属などさまざまです。VAEは、工業製品のような複雑な構成を持っているものだとしても、独自の手法によって検知を可能としています。

なぜVAEが必要なのか

ここまでVAEの概要について解説してきましたが、なぜ必要なのでしょうか?VAEの必要な理由は、大きく以下の2つがあります。

  • 勾配消失問題を解決するため
  • 過学習を防止するため

勾配消失問題を解決するため

勾配消失問題とは、ニュートラルネットワークの入力層と出力層の間にある中間層にて、パラメータを更新することで入力側付近の値が0と認識されてしまい、学習が上手くできないことです。
勾配消失問題は、VAEが登場するまで課題とされていました。しかし、VAEの登場によって事前にニュートラルネットワークの初期値設定が可能となり、学習速度の低下を防止できるようになったのです。

過学習を防止するため

機械学習ではさまざまなデータを学習させることにより、本来想定されていないものについても対応が可能となります。過学習とは特定のデータのみを学習させた結果、一定のパターンの処理しかできなくなってしまうことです。VAEは、オートエンコーダの活用によってデータを大まかな状態にできるため、さまざまなパターンの学習が可能となります。

VAEによる異常検知技術の活用事例

VAEの異常検知をする仕組みとしては、正常なデータを学習することで差分を検出するものです。そこで活用されている事例としては、以下の通りです。

  • 工業製品
  • 不安定な形状検査

工業製品の検品時に利用されるケースが多く見られます。特定の部品が正しく構成されているのか、傷などがないかなどを検出します。不安定な形状検査とは、あらかじめ形が決まっていない農作物や衣服などに対して、不良部分がないのかを見つけ出すものです。

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まとめ

今回は、VAEの概要やメリットを解説しました。VAEは、異常検知として効果が発揮できる機械学習の一つです。異常検知できるシステムを業務に導入することで、人件費やヒューマンエラーを減らすことができるでしょう。しかし、一から機械学習を構成して学習させていくのは難しいものです。
そこで、機械学習を誰でも簡単に行えるUMWELTなら、プログラミングの知識がなくても機械学習システムを簡単に導入することができます。難しい知識は不要で、まるでレゴブロックを組み立てるかのように、欲しい機能を組み合わせるだけで簡単にAIシステムが導入できます。これから異常検知を導入させていきたいと考えている方は、UMWELTも候補の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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