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AIの活用事例12選!最新の活用トレンドや導入するメリットを紹介

 

AIは、企業の生産性向上やサービス付加価値の向上に欠かせないツールとなりつつあります。近年、急速に実装が進むAIを自社でも活用したいと考える企業様も多いのではないでしょうか。

この記事では、AIの基本情報と具体的な活用事例、AI活用のメリットを解説します。活用時の注意点やおすすめのツールも紹介しているので、AIの活用方法について理解できるでしょう。

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AIの基本情報


近年、AIの技術はさまざまな分野で活用が進んでいます。AIの導入により、多くの業界で業務効率や生産性の向上、コスト削減が可能となりました。

ここでは、AIとは一体どのような技術なのかを解説します。AIの定義や仕組み、AIの導入が必要な背景も見ていきましょう。

AIの定義と仕組み

AIは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略で、和訳すると「人工知能」です。明確な定義はありませんが、人間の思考プロセスと同レベルの働きをするプログラム、または知的な情報処理・技術の概念を指します。

データを入力・分析し、確立したパターンに従ってデータを区別する「機械学習」や人間が指示することなくコンピューターが自動で学ぶ「深層学習」といったアルゴリズムで構成されています。

AIの導入が必要となる背景

AIは「2025年問題」への対応策として大きな役割を担います。2025年問題とは、少子高齢化による医療・福祉の負担増加や労働力不足、労働人口の減少といったさまざまな影響のことです。

AIを導入すれば、業務効率の向上が期待でき、生産労働人口の減少も補えます。データ分析によって、環境に合う医療・福祉体制も整えられるでしょう。これらの利点があることから、AIの導入が進められています。

機械学習や深層学習との違い

AIは、大量のデータの中から規則性や特定のパターンを見つけて学習します。機械学習とは、その学習法のひとつです。

大量のデータを使って学習を繰り返すことで、AIの精度は向上します。さまざまな種類の機械学習モデルがあり、解決したい問題に最適なモデルの選択が重要です。

深層学習(ディープラーニング)は機械学習の手法のひとつで、人間の神経回路と似たディープニューラルネットワークを使います。神経回路のように多層構造で、複雑な処理が可能です。

機械学習は人間が精度改善に向けた学習操作を主体的に行いますが、深層学習では学習内容を自ら判断して学習します。

【業界別】AIの活用事例6選


AIを導入・活用する企業は年々増加し、多くの分野で効果を発揮しています。良品と不良品を分ける画像処理技術やデータを駆使した需要・売上予測もAIの技術です。

ここでは、業界ごとのAI技術活用事例を紹介します。どの業務にAIを活用するかによって効果は異なるので、活用事例を参考に自社に合う活用方法を検討しましょう。

1.製造業:在庫管理・検品

製造業で役立つAI技術は、機械学習によるデータ分析や画像処理です。注文・製品構成・部品表・再注文パラメーターの履歴を機械学習でデータ分析すれば、在庫数を自動的に最適化し、管理できます。

また、画像処理技術と産業用ロボットを組み合わせることで、良品・不良品の自動検品も可能です。自動検品は労働力不足の解消になる他、商品の品質向上にもつながります。

2.金融・保険業:クレジットカードの監視・株価予測

AIは、金融・保険の分野でも導入が進んでいます。クレジットカード会社では、顧客データの分析・行動予測を駆使した不正利用の検知システムに使われている他、過去のチャート分析による株価予測が可能です。

保険業界では、行動データを分析したリスク算出や最適なプラン提案、補償内容の見直しができます。いざというときのために、24時間体制のオペレーター対応に活用している事例もあります。

3.サービス業:レジの無人化・需要予測

AIは、接客や清算が必要な小売業・サービス業でも活用が進んでいます。レジを通らずに会計ができる無人レジもAIの技術を活用したシステムです。

画像認識技術や機械学習による売り上げデータの分析技術を使えば、需要や売り上げの予測だけでなく、店内の監視や商品管理もできます。他にも、従業員のシフト作成にもAIが使われています。

4.医療:画像診断・非接触検温

医療現場では、すでに多くのAIが診察に役立てられています。例えば、CT画像の認識・分析による病気の発見や判断が難しい病巣の検知もAIの技術で可能となりました。患者のデータ管理や診察の予約システムにもAIを活用しています。

また、新型コロナウイルス感染症の影響で、高精度のサーモセンサーと顔認証システムを組み合わせた非接触検温の需要も増加しました。

5.農業:収穫・仕分け

個人の経験を重視する農業でも、AI技術の活用が進んでいます。画像認識技術を搭載した機械の導入により、作物の収穫や仕分け作業が可能となりました。AIの導入は、品質の安定性向上にも寄与しています。

また、気象や環境データを活用し、凍霜害の予測・監視や害虫の発生時期の予測ができるシステムの導入も進んでいます。

6.その他:生活家電やアプリケーションなど

AIの技術は、日常生活にも広まっています。代表的な活用例が「お掃除ロボット」です。さまざまなアルゴリズムを組み合わせたお掃除ロボットは、自動で障害物を避けて掃除し、掃除が終われば充電器のあるドックに戻ります。

さらに身近なのが「スマートフォンアプリ」です。画像認識技術を活用した写真加工アプリや音声認識技術を活用した辞書アプリ、映像解析やデータ分析を活用したアプリもあります。

企業における具体的なAIの活用事例


AI技術は幅広く、使い方は無数にあります。しかし、自社のサービスに合ったAIはどのようなものか具体的な例が思い浮かばないこともあるでしょう。ここでは、AIを効果的にビジネス活用している事例を6つ紹介します。

サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングス株式会社のグループ企業であるサントリー食品インターナショナル株式会社では、調達から食品製造、出荷までの工程でIoTを用いたデータ収集を行っています。

収集したデータからデジタルツイン空間という仮想空間を作り、AIを使ってリアルタイムで現実シミュレーションができる環境を構築しています。

生産設備にセンサーを設置してデータを収集し、異常があった際は迅速に問題を特定する、データの傾向から異常予測を行うといった施策で生産性向上を実現しました。

株式会社ユーザーローカル

ビッグデータとAI技術を活用したサービスを展開する株式会社ユーザーローカルは、教育機関向けの「カンニング自動検知AI」を開発しました。試験会場に専用端末を設置すると、カンニングの可能性のある受験者を自動検知します。

以前は「試験官の死角がある」「監督人材が不足している」といった理由でカンニングを防げずにいましたが、不正監視と検出が容易になりました。

不正の検出には、ディープラーニングを用いた行動推定技術を使います。端末カメラの映像から受験者の姿勢や骨格、視線といった情報を得て解析し、カンニングを検出します。

ヤマト運輸株式会社

物流業界大手のヤマト運輸株式会社では、宅配需要の増加に対応するため、AIを用いて貨物量を予測しています。貨物量が予測できれば、リソースの配分を調整でき、生産性向上につながります。

以前はAIによる予測に機械学習を用いていましたが、AIモデルの開発と運用の連携に課題を抱えていました。そこで、MLOps(Machine Learning Operations)を導入し、AIが継続的に進化するような体制を構築した結果、安定的な運用と高速化を実現しています。

富士通株式会社・東京品川病院

富士通株式会社と東京品川病院は、胸部CT検査を新型コロナウイルス肺炎の診断に利用するための技術を共同で開発しました。患者の胸部CT画像をAIが解析し、新型コロナウイルス感染症に罹患(りかん)している可能性を判定します。

医師は、1人の患者に対して数百枚に及ぶCT画像を確認しなければならず、確認作業には大きな負担が伴います。AIの活用によって、医師の負担が大幅に削減できました。

他の疾患と判別がつかない場合、診断をサポートする情報を提供し、医師は検査結果とAIのサポート情報を活用して総合的に診断します。

梨北農業協同組合

山梨県の梨北農業協同組合が管轄するエリアでは、さまざまなブドウを生産しています。ブドウの生産過程では、品種ごとに一房当たりが最適な粒数になるように、摘粒作業が必要です。粒が多い場合は取り除きますが、一房ずつ全ての粒数を数えるのは大きな負担でした。

AIを利用した専用のアプリケーションをスマートデバイスにインストールすると、カメラの画像から粒数を推定できます。この方法を使うと、膨大な時間を要していた摘粒作業を大幅に削減でき、生産性と品質が向上しました。

シャープ株式会社

シャープ株式会社は、AI技術を電子レンジに実装して新しい価値を提供しています。例えば、インターネットに接続すると、音声操作や会話で献立の相談ができる電子レンジです。

どのような料理を温めたいかを伝えると、豊富な機能の中から目的のメニュー画面にすぐにたどり着きます。過去に相談した内容も記録しており、蓄積したデータをAIが解析して好みに合ったレシピを教えてくれる機能も搭載しています。

AI技術の活用トレンドは?


AIの技術は、急速な発展によってさまざまな機械・システムへ搭載が進み、業務や日常生活の利便性を上げました。世界各国で新たなAI技術の開発も進められており、さらなる活用方法の拡大が予測できます。

ここでは、2023年4月時点のAI技術の活用トレンドを紹介します。どのような技術が何に使えるかを把握して、AI技術の導入にお役立てください。

画像認識による検知

2010年代に注目が集まった「深層学習」は、従来の技術では難易度が高かった画像認識を可能にしました。

画像認識技術の中で特に活用が進んでいるのが「異常検知」です。正常または異常時の画像を大量に学習し、自動での検品作業を可能にしています。

また、画像は文字の認識にも応用が可能です。金融機関の申込書や医療機関の診断書など、紙媒体を文字データに変換できるAI-OCR技術にも注目が集まっています。

自然言語処理によるチャットボット技術

人間の言葉を認識・理解するAI技術もあります。チャットボット技術は、企業ウェブサイトのカスタマーサポートで採用が進んでいます。言葉を理解したAIが人間の代わりに質疑応答するため、人手不足の解消にも役立つ技術です。

自然言語処理は、予測できる文章や単語は認識できますが、文脈の理解力は高くありません。2020年に米国の企業が精度の高い言語AI「GPT-3」を開発しており、現在ではアップデートされた「GPT-4」までが一般のユーザーに提供されています。

音声認識による検索や記録

インターネットの検索エンジンやスマートフォンのアシスタント機能のような音声認識技術もAIの活用トレンドです。音声認識技術で声を文字に置き換え、自然言語処理で理解するシステム「VUI(音声ユーザーインターフェース)」によって可能となりました。

手で操作する必要がなく、文字を入力する手間を省けることが利点です。会議における議事録の記録やリアルタイムでの翻訳にも活用できます。

予測分析による業務効率の向上

AIは、過去の販売実績データの学習・分析によって、需要・売上予測にも活用できます。曜日・天候・時間帯別の来店予測、色・形状による商品売り上げが予測できれば、最適な仕入れ数や生産数の計算が可能です。

業務効率や生産性の向上に役立つことから、製造業とサービス業で活用が進んでいます。

AIを使った最新のサービス事例

AIを使ったサービスで近年世界的な注目を集めているのが、対話型のAIチャットです。中でも、「ChatGPT」は、汎用性や回答の精度が優れているのが特徴です。人間の会話と同じレベルで対話でき、複雑な要因が絡む問いにも正確に回答します。

Microsoft Corporationが検索エンジン「Bing」を提供し、Bingに実装したチャット型AIが「Bing AI」です。Bing AIは、ChatGPTと同じGPT-4という大規模言語モデルを用いています。検索エンジンに入力する際、AIに複雑な質問を問いかけると、関連した情報を収集・要約して回答します。

Google LLCが提供する同様のサービスに「Bard」があり、利用している大規模言語モデルはLaMDAです。他にも、簡単なテキスト入力でオリジナル画像を瞬時に生成する「Stable Diffusion」があります。

AI活用によって得られるメリット


企業へのAI技術の導入・活用は、業務の効率化や生産性の向上、コスト削減といったさまざまなメリットを得られます。精度の高いAIの開発が進み、多くのシステムに活用できるようになれば、AIを導入するメリットはさらに大きくなるでしょう。

ここでは、企業がAI活用によって得られるメリットを解説します。

人手不足の解消

AI技術を導入すれば、人間が行う作業の自動化が可能です。日本は少子高齢化による労働力不足が懸念されており、人手の確保が課題になりつつあります。

人手不足が深刻化する前にAIを搭載した機械・ロボット・システムを導入すれば、人手不足の解消だけでなく、労働の負担も軽減できるでしょう。

コスト削減

人間の仕事を代替できるAIは、人手が必要な作業も自動化できるため、人件費を削減できます。労働負担が減ることで労働時間も短縮し、残業にかかる費用も減らせるでしょう。

また、需要・売上予測を活用すれば、最適な生産数が分かります。必要のない在庫の保管や素材の購入を抑制できるため、コストの削減も可能です。

生産性向上

単純作業でもヒューマンエラーは避けられません。スキルやモチベーションの差により、品質に影響が出る場合もあります。ミスによって業務が停滞すれば、生産性も低下するでしょう。

一方で、AIは単調な作業が得意です。業務への導入・活用によって確実にミスを減らせます。ミスが減れば、その分生産性も向上するため、利益にもつながるでしょう。

事故・エラーの防止

AIの導入・活用は、人間が巻き込まれる事故を予防できます。AIによる予測・分析技術を活用すれば、機械の故障予測と不良検知が可能です。

過去データから「どのようなときに故障が起きやすいのか」「どの箇所が不調なのか」といった点を把握できれば、事前に対策を興じられるため、事故そのものを予防できます。

また、重量のある製品や危険物を取り扱う企業の場合、AIを搭載した搬送車の活用や死角になりやすい場所へのカメラ設置で、万が一の事故も防げます。

業務の効率化

データ収集や分析、定型作業など、AIの技術は人間が行う作業を代替できます。特に手間がかかる業務にAIを活用すれば、作業時間の大幅な短縮が可能です。

AIを導入して必要な人員を最小限にすることで、他の必要な業務に人材を回せます。例えば、店舗のレジを無人化すれば、従業員は商品の品出しに注力できるため、業務の効率が上がるでしょう。

品質の安定化

業務マニュアルを徹底しても、従業員のスキルや経験、体調によって作業や検品に差が出る場合があります。ばらつきが出やすい業務にAI搭載のシステムを導入すれば、品質の均一化や不良による損害の防止も可能です。

品質が安定して不良品が減ることで、顧客満足度が上がります。結果的に企業の利益につながるでしょう。

職場環境の改善

AIの導入で業務の効率が良くなり、職場の安全性が高くなれば、従業員満足度が向上します。特に、多忙な業務や危険な場所のような疲労度の高い職場の場合、従業員のストレスを大幅に軽減できるでしょう。

AIに代替することで時間に余裕ができ、他の業務に時間をかけられるため、パフォーマンスが向上して全体的な職場環境の改善が期待できます。

AI活用で注意すること

AIに関する技術は非常に専門的で、具体的な処理内容を理解するのは困難です。そのため、AIの運用には専門家の助けが必要になる場合もあります。

AIを活用するには、データを高速に処理するシステムや大容量ストレージのような長期的な視点の投資が必要です。また、運用が軌道に乗るまでは、AIが学習するための十分なデータが集められないといった課題に悩まされるでしょう。

「UMWELT」はAI活用に最適!


AIは高度な技術のため、未経験の現場に導入するには困難が伴います。これまでのデータ収集方法を変更するなど、現場の負荷が大きくなると生産性低下につながるでしょう。

TRYETINGの『UMWELT』は、導入や操作に専門知識が不要なノーコード予測ツールです。ここでは、UMWELTの特徴と導入事例を紹介します。

知識不要でAIが導入できる

AIを事業に導入するには、専門的な知識と経験が必要です。しかし、近年のAIの急速な需要増加により専門人材を確保するのは困難です。社内人材を教育するにも、短期間では難しいでしょう。

UMWELTは、専門家のアドバイスの下で導入するため、操作に専門的な知識は不要です。ノーコードでAIによる需要予測や在庫管理、自動発注といった高度な機能を利用できます。

導入・活用事例

総合物流輸送企業であるビーインググループ様では、物流量予測を基に倉庫スタッフのシフトを決めています。以前は予測精度にばらつきがあり、収益に悪影響を及ぼしていました。

全拠点のうち、課題の大きい6拠点でUMWELTの導入効果検証を実施し、予測したい項目を明確にするなど運用イメージを固めました。

日常業務で利用するExcelのデータを活用でき、簡単な操作で予測業務を自動化できる点が導入の決め手です。需要予測と連携可能な安全在庫計算機能も活用しています。

まとめ

AI技術の普及が急速に進み、事業に実装する企業が増えています。AIの活用によって、生産性向上といった効果を上げている企業もあります。自社に最適なAIを選択し、成果を出すには、時間と専門知識が必要です。

AIを使ってすぐに効率化したい企業様には、ノーコードAIのUMWELTがおすすめです。現場の負担を抑えながら、スムーズな導入・運用を実現します。AI活用を視野に入れている企業様は、ぜひTRYETINGにご相談ください。

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