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物流現場の重要性とは?現場の課題や対策アイデアと評価の方法を解説

 

物流業界では、需要の変化や2024年問題への対応が課題です。課題解決に向け、経営者は現場の状況を把握する必要があります。しかし、具体的に何から始めたらよいか悩む方もいるのではないでしょうか。

この記事では、物流現場を理解する必要性、生産性が向上しない原因と対策について解説します。記事を読むことで、物流現場の生産性を上げるために必要な対応が分かるでしょう。

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物流の現場を経営者が知る必要性


物流の現場には多種多様な業務があり、多くの従業員の連携がスムーズな物流を支えています。経営者が物流の現場を自分の目で見て理解すると、企業の意思決定も良い成果につながるでしょう。ここでは、経営者が現場を知る必要性について解説します。

利益の最大化のため

現場の業務を改善して生産性を上げると、利益向上につながります。無駄な作業や負荷の偏りといった問題を解決するために、大規模なプロセスの変更やツールの導入を検討するケースもあるでしょう。

業務改善を進める際は、全従業員の協力が不可欠です。現場の負荷が大きいため、非協力的な従業員もいるかもしれません。経営者は、現場の課題と改善の取り組みの意義を理解し、全従業員に積極的に説明することが重要です。

物流の無駄をなくすため

物流の現場を知らなければ、無駄なポイントを把握できません。物流は、物の移動を意味します。情報処理の現場では、実際に物の流れを見るのは不可能です。

物流には、輸送・保管・荷役・包装・流通加工・情報の6つの主要なプロセスがあり、荷物の流れは現場で確認できます。経営者が現場を訪れて、課題を自分の目で見て把握すると、無駄の削減に向けた意思決定も容易になるでしょう。

現場で働く人を知るため

物流の現場では、正社員だけでなくパートタイム労働者や派遣社員など、雇用形態の異なる従業員が働いています。工程の最適化を図る上で、物流業務を担う従業員を知ることは重要です。

物流現場には、業務を統括する管理責任者がいます。経営者は管理責任者から現場の状況を聞き取ることも多いでしょう。ただし、現場の要望が業務改善につながるとは限りません。経営者が管理責任者と議論し、目標を達成するには、専門知識と経験が必要です。

物流現場の生産性が上がらない原因


物流現場における生産性向上は、物流企業の成長にとって重要な取り組みのひとつです。一方、物流業界特有の問題により、取り組みの成果を得にくい側面もあります。ここでは、物流現場の生産性が上がらない要因について見てみましょう。

配送や倉庫での人手不足

少子高齢化により、日本全体で労働力が不足しています。物流に関わる仕事は長時間労働で、過酷な割に待遇が悪いというイメージが強く、人材が集まりにくいのが現状です。

以前に比べて労働環境や待遇は改善しましたが、近年のEC発展による小口配送増加により、人手不足は続いています。働き方改革関連法案の施行により、2024年4月から配送ドライバーの時間外労働時間の管理が厳しくなることも、人手不足に拍車をかけるとの懸念もあります。

EC宅配需要の増加

国土交通省が公表した宅配便取扱個数の調査結果によると、2021年度の宅配便取扱個数は、49億5,300万個で過去最高を更新しました。新型コロナウイルス感染症が流行した2020年は48億3,600万個で、前年から急増しています。

小口配送の増加に伴い、顧客不在時の再配達件数も増加しました。同じ配送先に何度も訪問しなければならず、物流業者に大きな負担がかかります。

個人向け宅配需要が増加した一方、法人向け需要は低調です。受注量を確保するために、輸送料金の値下げに踏み切った企業もあります。しかし、値下げで利益が減ったことで待遇が悪化し、悪循環に陥るケースもあるでしょう。

物流トラックの長時間待機

物流トラックが特定の時間帯に倉庫に集中することで、長い荷待ち時間が発生しています。これは物流現場の生産性が低下する原因の一つです。

国土交通省が2021年に実施した「トラック輸送状況の実態調査結果」では、荷役作業1回当たりで発荷主は平均1時間14分、着荷主は平均1時間12分の待機時間が発生しています。2015年と比べて、発荷主は1分、着荷主は7分増加しました。

トラックの待機問題は、ドライバーだけでなく倉庫作業者にも影響します。待機トラックがいる限り、十分な休憩が取れません。長時間労働や残業の常態化を招き、労働環境の悪化につながります。

モチベーションが低下する業務

誰でもできるような単純作業の繰り返しは、作業者のモチベーション低下をもたらします。例えば、事務作業や荷物の移動です。作業者のスキルアップにつながらず、長時間働いても待遇はアップしません。

企業の生産性を上げるには、従業員のモチベーションが重要です。使命感ややりがいは、従業員のモチベーションアップにつながります。価値の高い業務に従業員を配置するには、単純作業はロボットで自動化し、効率化を図る必要があるでしょう。

物流現場をMHで把握!管理評価の方法


物流現場の生産性を把握するには、人時生産性(MH)という指標を用いましょう。人手不足を抱える物流業界では、従業員1人当たりの生産性を評価し、対策に反映すると効果的です。ここでは、人時生産性の定義と他の生産性との違い、人時生産性向上のポイントを紹介します。

人時生産性(MH)

生産性は、インプットに対するアウトプットの割合で、投入した原材料やエネルギーに対してどのくらい効率的に生産できたかを示す指標です。

人時生産性とは、従業員1人が1時間当たりにどれだけの粗利益を生み出すかを表す指標で、以下の計算式で求めます。

人時生産性=粗利益÷総労働時間

人時生産性が高いほど、従業員1人が1時間で生み出す粗利益が大きくなり、生産性が高いと評価できます。人時生産性に注目する理由は、人手不足の根本的な解決策がない中で、従業員1人当たりの生産性が高い企業ほど高い競争力を得られるためです。

労働生産性と何が違う?

労働生産性は、事業に投入する労働量に対してどの程度の成果(産出量)を得られるかを示す指標です。従業員1人当たりが成果を生む効率を表します。労働生産性の計算式は以下の通りです。

労働生産性=産出量÷労働投入量

労働生産性は、全体の労働投入量に対する生産量として計算するため、通常は組織の全体像を捉える目的で利用します。

労働投入量とは、ある期間に投入した労働者人数です。一方、人時生産性の分母には、携わった労働者全員の総労働時間(人数×時間)を代入します。人時生産性は複数企業間の生産性を比較する際に、生産期間・労働者数・産出量を一度に比較できるため便利です。

人時生産性をUPするポイント

人時生産性を向上するには、以下2つの方法があります。

・粗利益を増やす
・総労働時間を削減する

粗利益は売上高から売上原価を差し引いて求めるため、粗利益を増やすには売り上げを拡大し、原価を下げることが重要です。

業務に存在する無駄を省いて省力化することで、総労働時間を削減できます。業務を見直して、従業員を適材適所に配置すれば、不得意な業務で効率を下げていた従業員の生産性が向上するでしょう。

人時生産性の向上には、常に現状を見直して無駄を排除し、効率の良いやり方を見つける姿勢が大切です。

物流現場の生産性を上げるアイデア


人時生産性を上げるには、従業員一人一人が業務効率を上げるためにスキルアップする必要があります。労働生産性の向上も、企業の成長には重要なポイントです。ここでは、生産性を上げるアイデアを3つ紹介します。

スキルマップ表を活用する

スキルマップ表とは、業務に関連するスキルについて、従業員一人一人のレベルを一覧表にしたものです。縦軸に業務内容と業務遂行に必要な能力・技能を記載し、横軸に所属する従業員を配置します。

縦軸と横軸が交わるところに入力するのは、各従業員のスキルレベルです。例えば、4段階のレベルを設定したら、レベル1は「業務内容は理解しているが、1人ではできない」といった具体的な能力レベルを定義しましょう。

スキルマップ表を作成すると、スキルの現状が一目で把握可能です。経営者や管理職が最適な人員配置を考えるときだけでなく、必要な教育も計画できます。スキルを可視化して全体で共有すると、次の目標が明確になり、従業員のモチベーションアップにつながるでしょう。

アウトソーシングを活用する

物流業務は多岐にわたり、自社で全てを効率化するには労力や投資が必要です。一部の業務をアウトソーシングすることで、効率化が図れるでしょう。

例えば、各部門が納品に集中する場合、他の作業が手薄になって負荷の偏りが生じます。業務負荷の偏りは現場の従業員の負担を増やし、ミスが起きやすくなります。ミスが発生すれば、後戻り作業や顧客への対応に費やす労力とコストが増え、さらに状況は悪化するでしょう。

物流アウトソーシングの活用によって、特定の業務が手薄になることはありません。人手不足の解消や対応コストの低減、効率的な配送ルートの実現が可能です。

倉庫管理システムを活用する

物流は、輸送・保管・荷役・包装・流通加工・情報の6大機能で成り立ちます。これらを別々に最適化するのではなく、全体の業務効率を向上するのに役立つのが物流システムです。物流システムにはさまざまな種類があり、代表的なものに倉庫管理システムや配送管理システムがあります。

倉庫管理システムは、主に倉庫の入出庫管理や在庫管理機能を搭載するシステムです。入荷・検品・ピッキング・梱包・出荷といった一連の作業を効率化し、作業品質向上にも役立ちます。

配送管理システムは、荷物の配送計画作成や配送荷物の管理を支援するシステムです。効率的な配送によって、配送コストを削減します。

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物流現場では人手不足が深刻化しており、解決には業務効率の改善による生産性向上が不可欠です。物流業務の効率化に取り組むなら、TRYETINGの『UMWELT』をおすすめします。

需要予測は、物流の最適化に重要ですが、過去の経験に基づく属人化した業務になりがちです。業務に携わる人材は限られ、人件費の増加にもつながります。

UMWELTは、過去の取引実績からAIが自動で予測します。ノーコードで運用できるため、既存の従業員でも操作が可能です。他にも、安全在庫計算やシフトの自動作成といった機能があります。

まとめ

物流企業は、2024年問題や人手不足により多くの課題を抱えています。課題解決には、経営者が現場を理解し、生産性向上に向けて迅速に意思決定することが重要です。

生産性向上に効果的な施策のひとつが業務の自動化です。限られた従業員を価値の高い業務に割り当てることで、生産性も高まるでしょう。

UMWELTは、需要予測のような複雑な業務も自動化できます。導入に追加の人材は必要ありません。自社の生産性を高めたいとお考えの企業様は、ぜひTRYETINGにご相談ください。

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