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BUSINESS

物流の機能とは?効率化のポイントや流通との関係も解説

 

物流の仕事に関わるのであれば、業界の実態をしっかりと理解する必要があります。中でも重要なのが物流の機能です。物流の機能を深く知りたいという方もいるのではないでしょうか。

本記事では、物流の6大機能や流通との関係、物流業務を効率化するポイントを解説します。記事を参考に効率的な物流体制を整えれば、企業価値や生産性が高まるでしょう。

物流が担う機能とは?流通との関係


物流を理解するには、流通について知る必要があります。混同しがちな両者ですが、どのような関係があるのでしょうか。はじめに、流通との関係から物流の概要を理解しましょう。金流・商流・情報流との違いも解説します。

物流とは流通構成のひとつ

物流とは、物的流通の略です。企業が商品を消費者に届けるまでの過程のことで、流通を構成する4機能のひとつです。

流通とは、商品やサービスが生産者から消費者に届くまでの一連の流れを指し、中でも「物」の流れに着目した概念を物流といいます。

物流の目的は、生産者と消費者の間のギャップ(時間、距離)を短くして、商品を正確かつスピーディーに届けることです。企業は消費者からの信頼性を高めるため、無駄なコストを削減するために効率的な物流を形成する必要があります。

金流・商流・情報流との違い

流通を構成する機能は、物流・金流・商流・情報流の4つがあります。それぞれの概要は以下の通りです。

物流 生産者から消費者までの「物(商品)」の流れ
金流 原材料を仕入れてから消費者に商品が届くまでに生じる「お金」の流れ
商流 商品が生産者から消費者に届くまでに生じる「所有権」の流れ(生産者と卸売業者、卸売業者と消費者などの売買取引で生じる)
情報流 商品が生産者から消費者に届くまでの情報の流れ(原材料の情報や決済の与信情報など)

物流には5つの領域がある

物流には「調達物流」「生産物流」「販売物流」「回収物流」「リサイクル物流」といった5つの領域があります。物流といえば一般的に販売物流を指しますが、いずれも経済を支える重要な領域です。

調達物流 商品・製品の生産に必要な原材料や部品などをサプライヤーから調達するときの流れ
生産物流 調達資材の管理、工場内の物流、製造管理、倉庫への発送管理など、ものづくりに関係する流れ
販売物流 生産拠点または倉庫から卸売業者、小売業者、消費者へ届ける物の流れ
回収物流 商品・製品や容器・包装の廃棄、返品などを回収する流れ
リサイクル物流 回収物流と異なり、リサイクルを目的とした回収の流れ

経済を支える物流が担う6大機能


物流は「輸送・配送」「倉庫保管」「包装・梱包」「流通加工」「荷役」「情報処理」の6大機能が担っています。

機能と表現しますが、商品が消費者に届くまでの流れを分割したプロセスです。ここでは、6大機能それぞれの役割と課題を紹介します。

輸送・配送

輸送・配送の役割は、生産者から消費者に商品を届けることです。輸送は飛行機・船舶を使った長距離の移動、配送はトラック・軽貨物車両を使った短距離の移動を指します。

輸送・配送の課題は、小口配送の増加と人手不足です。小口配送の増加には、オンラインショッピングの需要拡大が影響しています。少ない荷物を届けるために移動する機会が増え、積載率が低下しました。

同時にドライバーの負担も増えました。ドライバーの高齢化を考慮すると、新たな人材の確保が必要ですが、労働人口の減少により需要に合った人手を確保できない状況です。

さらに、2024年4月から働き方改革関連法の施行により、時間外労働時間の制限が厳しくなります。人手不足の課題を解決しなければ、既存の配送業務も維持が難しくなるでしょう。

倉庫保管

倉庫保管の役割は、物流センターなどで必要な数量の商品を保管することです。冷蔵・冷凍などの設備も使い、商品の品質を維持しながら発送までの流れをスムーズにします。保管の役割は、生産者と消費者の間に生まれる時間のずれを埋めることです。

倉庫保管の課題は、無駄なスペースと在庫不足です。無駄なスペースがあると、業務効率・保管効率が低下します。レイアウトやロケーションを見直し、効率的な業務環境の整備が必要です。

また、売れ筋商品が少ないと販売機会の損失につながります。在庫情報を管理し、需要に合った数量を確保しましょう。放置している廃盤商品の廃棄も重要です。廃棄基準を設定すると、迅速に判断できます。

包装・梱包

包装・梱包は、商品の破損を防ぐために段ボールや緩衝材で包む作業です。梱包は、包装よりも頑丈に包む作業を指します。精密機械やガラス製品の荷造りに採用するのが梱包です。

包装・梱包の課題として、コスト面とのバランスがあります。商品の破損は、消費者からのクレームや企業価値の低下につながります。破損を徹底して防ぐのであれば、緩衝材を惜しむことなく使用したほうが安心です。

しかし、緩衝材にもコストがかかります。輸送・配送のシチュエーションから商品に加わる衝撃を予想し、必要十分な包装・梱包を施さなければなりません。技術力の高い包装資材を使用し、段ボール内の設計を工夫して商品を固定するといった対策も重要です。

流通加工

流通加工とは、商品に付加価値を与えることです。ラッピング、値札付け、検品、箱詰めなどが該当します。高めた価値を販売価格に反映できるだけでなく、顧客満足度の向上や売り上げアップにつながるでしょう。

流通加工の課題は、包装・梱包と同じくコスト面とのバランスです。価値を高めようとすると、人件費・資材費が増大しますが、コストを抑えると売り上げが低下する恐れがあります。企業ブランドを確保しつつ、過剰な加工を避ける工夫が必要です。

商品のニーズは、季節やトレンドで変化します。繁忙期だけ人員を増やすなど、臨機応変な対応が求められるでしょう。

荷役

荷役は、荷物を積み降ろす作業です。作業内容には、入出庫、運搬、仕分け、棚卸し、ピッキングなどがあります。

荷役の課題は、ヒューマンエラーや作業の属人化、トラックドライバーの負担です。繁忙期には、荷物の数量ミスやピッキングミスが起きやすくなります。人手不足により、複数チェックも困難です。

荷役作業は、商品の特性や在庫状況など、多くの情報を把握しなくてはなりません。新入社員の育成にも一定の期間が必要で、ベテラン社員に大きな負担がかかっている状況です。

多くの企業ではトラックドライバーが荷役作業(入出庫)を担当しますが、あくまで「おまけ作業」であり、本来の業務ではありません。

いずれの課題も、物流業界の人手不足が影響しています。荷役作業を効率化し、少ない人員でも対応できる体制が必要です。

情報処理

情報処理の役割は、物流における一連の流れを正しく把握することです。商品の在庫状況や配送状況といったさまざまな情報を管理し、他の5機能を効率化します。物流における情報処理は、AIやIoT技術を活用したシステムによる管理です。

課題として、システムの構築費用とシステムを扱える人材の確保があります。情報処理システムの導入には一定のコストが必要です。コストを回収できる期間を踏まえて、適切なシステムを導入しなければなりません。

また、システムは導入して終わりではなく、継続的に運用します。AIやIoTに詳しく、システムトラブルに対応できる人材も必要です。

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物流機能を効率良く管理するためには?


物流機能を効率化するには、システムの導入も含め管理体制の強化が必要です。おすすめの管理システムは「倉庫管理システム(WMS)」と「配送管理システム(TMS)」です。ここでは、効率化のポイントと2つの管理システムを紹介します。

効率化のポイント

物流効率化のポイントは、KPI(Key Performance Indicator)の設定とPDCAを回すことです。KPIとは、業務効率を評価する重要な指標を指します。物流におけるKPIは以下の3つです。

コスト・生産性 実車率、積載率、保管効率
品質・サービスレベル クレーム発生率、誤出荷率、棚卸し差異
物流・配送条件 出荷ロット、配送頻度、納期先待機時間

PDCAとは、4つのサイクルを回して業務を継続的に改善する手法を指します。4つのサイクルは以下の通りです。

Plan(計画) 作業の目的や目標などを定める
Do(実行) 計画通りに実行する
Check(評価) 計画通りに実行できたかを確認し、できていない場合は原因を洗い出す
Act(改善) 原因を分析し、改善する。もう一度Planからやり直す

倉庫管理システム(WMS)の導入

倉庫管理システム(Warehouse Management System、WMS)は、倉庫全体の情報を管理できます。主な機能は以下の通りです。

・在庫管理機能
・入荷管理機能
・出荷管理機能
・棚卸し管理機能

在庫数や商品の状態をリアルタイムで把握できるため、過剰発注と在庫不足を防げます。ハンディー端末による検品、入荷リストの作成、棚卸し差異のリスト化、保管場所の管理、出荷の伝票作成など、さまざまな機能で倉庫内作業のスピードと正確性を高めます。

ヒューマンエラーの防止、人件費の削減、倉庫内スタッフの負担軽減など、メリットは豊富です。

配送管理システム(TMS)の導入

配送管理システム(Transport Management System、TMS)は、倉庫から出荷した商品が消費者に届くまでのプロセスを管理するシステムです。主に以下の機能があります。

・配車管理機能
・進捗管理機能
・書類作成機能
・運賃管理機能
・実績管理機能

適切な出荷手段や配車台数が分かるだけでなく、商品が届くまでの日数予測も可能です。さらに、配送中の位置情報や商品の状態をリアルタイムで把握できるため、急なトラブルにも対応しやすく顧客満足度を高められます。

発送の伝票作成、運賃計算、ドライバーの日報作成などの機能により、さまざまな業務を効率化できるでしょう。輸送・配送コストの削減、ドライバーの負担軽減にも有用です。

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まとめ

物流の機能は「輸送・配送」「倉庫保管」「包装・梱包」「流通加工」「荷役」「情報処理」の6つで、物流の5つの領域や流通の活動を支えています。

倉庫管理システム(WMS)や配送管理システム(TMS)の導入は、6つの機能を統合的に管理し、物流業務全体の効率化に有効です。

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