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日本は先進国の中でも、食べられるにもかかわらず捨てられる食品が非常に多い状況です。他の国と比較して、日本の食品ロスランキングは何位なのでしょうか。
この記事では、世界各国と比較した食品ロスの現状を解説します。最後まで読んでいただくと、日本における食品ロスの現状や、その対策方法が分かるでしょう。
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日本は食品ロスランキング世界何位?
食べられるにもかかわらず、さまざまな理由で廃棄される食品があります。この問題は、日本だけでなく世界全体の課題です。まずは、日本が他の国と比べてどの程度食品を廃棄しているのか、食品ロスランキングを紹介します。
食品ロスは家庭系・事業系に分類される
家庭系食品ロスは、一般家庭から出る食品ロスです。食べ残しや期限切れ食品、食べられるにもかかわらず調理時に捨てる部分が挙げられます。
事業系食品ロスは、飲食店や小売店から発生する食品ロスです。飲食店は食べ残しや売れ残った仕込み済み食材、小売店は期限切れで廃棄せざるを得ない食品や商品入れ替えに伴って撤去した食品を廃棄しています。
また、食品ロス量は家庭系よりも事業系が多い状況です。
家庭系食品ロス量ランキング日本は14位
国連環境計画(UNEP)の「UNEP Food Waste Index Report 2021」による家庭系食品ロス量ランキングを紹介します。年間の家庭系食品ロス量が最も多い国は中国で、日本は14位です。
ランキング | 国名 | 食品ロス発生量(トン/年) | 1人当たり(キログラム/年) |
1位 | 中国 | 9,164万6,213 | 64 |
2位 | インド | 6,876万163 | 50 |
3位 | ナイジェリア | 3,794万1,470 | 189 |
4位 | インドネシア | 2,093万8,252 | 77 |
5位 | 米国 | 1,935万9,951 | 59 |
6位 | パキスタン | 1,594万7,645 | 74 |
7位 | ブラジル | 1,257万8,308 | 60 |
8位 | メキシコ | 1,197万9,364 | 94 |
9位 | バングラデシュ | 1,061万8,233 | 65 |
10位 | エチオピア | 1,032万7,236 | 92 |
11位 | フィリピン | 933万4,477 | 86 |
12位 | エジプト | 913万6,941 | 91 |
13位 | コンゴ民主共和国 | 891万2,903 | 103 |
14位 | 日本 | 815万9,891 | 64 |
15位 | トルコ | 776万2,575 | 93 |
16位 | ベトナム | 734万6,717 | 76 |
17位 | タンザニア | 690万7,649 | 119 |
18位 | ドイツ | 626万3,775 | 75 |
19位 | イラン | 588万4,842 | 71 |
20位 | フランス | 552万2,358 | 85 |
なお、日本の事業系食品ロス量のランキングは、飲食店が19位、小売店が20位です。
(参考: 『UNEP Food Waste Index Report 2021』)
日本の食品ロスの現状
食べられるにもかかわらず廃棄する食品は、世界中で年間13億トンにも上ります(2017年時点)。食料の62%を輸入に頼っている日本でも、見た目の悪さや売れ残り、賞味期限の近さを理由に、国民1人当たり茶わん1杯相当を毎日廃棄している状況です。
どうして食品ロスが起こるのか?原因は先進国と発展途上国で異なる
食品ロスは世界各国で深刻化していますが、先進国と発展途上国では発生原因が異なります。効果的な対策を取るには、あらかじめ食品ロスが起こる原因を知ることが大切です。ここでは、先進国と発展途上国で食品ロスが起こる原因の違いを解説します。
先進国の場合
先進国で食品ロスが起こる主な原因は、消費段階にあります。経済的に余裕があることから、それぞれの家庭で大量に食品を購入し、食べ切れない食品や賞味期限切れの食品を廃棄するのが原因です。
需要を超える量を生産していることも要因のひとつといえるでしょう。さらに、外観品質基準で規格外の作物は廃棄します。リサイクル・リユースも可能ですが、コストの問題から廃棄しているのが現状です。スーパーマーケットやコンビニなど小売店における品数の幅広さと大量陳列も、食品ロスに拍車をかけています。
発展途上国の場合
発展途上国で食品ロスが起こる原因は、生産段階と加工段階です。経済的理由から「農機具を購入できない」「人手が足りない」といった収穫技術の未熟さがあり、収穫できずに腐らせることがあります。また、収穫できても、保管場所の悪環境や加工設備不足で傷んでしまうことも少なくありません。
小売り段階でも、冷蔵設備がないなど適切な衛生管理が困難です。消費者に商品が届けば、食品ロスは少量で済みます。しかし、必要な人に届けられず余った分は廃棄せざるを得ないのが発展途上国の問題です。
食品ロスを削減する対策や取り組みは始まっている
食品ロスの削減は、世界的に取り組まなくてはならない課題です。差し迫った状況を打開するために、世界各国で食品ロス削減への取り組みが始まっています。
日本でも、SDGsと呼ばれる国際目標を受け、食品ロス削減に対する目標を掲げました。ここでは、SDGsを踏まえた日本の食品ロス削減目標や海外で普及しているドギーバッグについて解説します。
SDGsの達成基準のひとつに構成されている
SDGsの目標である「つくる責任つかう責任」では、『2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる』というターゲットが掲げられています。
これを踏まえて、日本では事業系食品ロスと家庭系食品ロスを2030年度までに半減(2000年度比)する目標を立てました。2000年時点で547万トンだった事業系食品ロス量を、2030年度までに273万トンに減らすには、一人一人が食品ロス削減の意識を持つことが大切です。
(引用: 『JAPAN SDGs Action Platform|外務省』)
ドギーバッグを使った料理の持ち帰り
海外では、ドギーバッグの利用が進んでいます。ドギーバッグとは、食べ残しを持ち帰る際に使用する容器や袋です。米国や中国、台湾では日常的に使われていますが、日本では普及に至っていません。
しかし、ドギーバッグ普及委員会の結成など、国内でのドギーバッグ普及に向けた取り組みが始まっています。
食品ロス削減のために一人一人ができる対策
食品ロスの削減は、生産者や販売業者だけが取り組んでも大きな効果は得られません。一人一人が関心を持って対策することが大切です。ここでは、すぐに取り組める食品ロス削減対策を紹介します。できることから取り組み、食品ロスを削減しましょう。
外食では食べ切れるかどうかを判断する
外食する際には、食べ切れる量を注文することが重要です。初めて行く店では、実際の料理を見ないと食べ切れるかどうかを判断するのは難しいため、一度に大量注文することは避けるとよいでしょう。
また、飲食店の中には食べ残しの持ち帰りが可能な店もあります。もし食べ残してしまった場合は、持ち帰りができないか確認しましょう。
食べ切れる分を作る
自宅で調理する場合、家族が食べ切れる量を作りましょう。食べ切れる量を判断するには、家族の予定や体調を聞いておくのがポイントです。
余った食事はすぐに廃棄せず、リメイクやアレンジ調理で食べ切るようにすれば、食品ロスを削減できます。
フードドライブを利用する
フードドライブとは、消費できない贈答品や買い過ぎた食品のような余剰食品をフードバンクに寄付する取り組みです。利用する際は、回収対象品目をチェックしましょう。
例えば、「料理酒などを除くアルコール類はNG」「賞味期限が1か月以上残っている」といった条件が設けられています。
期限表示を理解する
食品には、賞味期限と消費期限、2つの期限表示があります。賞味期限は、おいしく食べられる期限で、菓子など日持ちする食品に表示されるのが一般的です。消費期限は、食べても安全な期限を指し、弁当のような傷みやすい食品に表示されています。
賞味期限を過ぎてもすぐに廃棄せずに、食べられるかどうか自身でチェックすれば、未開封のまま廃棄する「直接廃棄」を削減できます。一方、消費期限が決まっている食品は、期限が切れる前に食べ切りましょう。
最適な食品保存方法を理解する
食品ごとに最適な方法で保存することで、使い切るまで良い状態を長くキープできます。
例えば、肉や魚は使う分ごとに小分けにし、冷凍しましょう。小分けにすることで、調理時に使いやすくなります。使うときは、常温ではなく冷蔵庫で時間をかけて解凍するのがおすすめです。葉物野菜は、ゆでるなど下処理した上で冷凍する方法があります。
食品ロス問題に向き合わなかった場合に待つ未来
「誰かがやってくれるだろう」という他人任せでは、食品ロス問題は解決できません。食品ロス削減は、先進国と発展途上国のいずれも取り組まなければならない課題です。ここでは、食品ロス問題に向き合わなかった場合、どのような未来が待っているか解説します。
地球温暖化が進む
食べられないまま廃棄される食品は、可燃ごみとして処分されます。処分の際、ごみの運搬と焼却によって二酸化炭素が発生します。二酸化炭素は、地球温暖化に影響を与える温室効果ガスです。
食品ロスが多いほど、二酸化炭素の排出も増え、結果的に地球温暖化を進行させる可能性があります。地球温暖化は気候変動とも密接に関連しているため、異常気象の増加などが引き起こされることで、食料不足のリスクも高まるかもしれません。
人口増加に伴い貧困層が増える
世界の人口の増加率は減少していますが、人口自体は毎年増加しています。2022年版世界人口推計によると、2023年にはインドが中国を抜く見込みです。2030年には世界人口が85億4,800万人に達し、2050年には97億3,500万人、2086年には104億人になると予測されています。
現在の食品ロス問題に真剣に取り組まなければ、十分な食料を供給することができず、栄養不足で悩む人々が増える可能性があります。その結果、貧困層が増加する恐れもあります。
『UMWELT』の需要予測で食品ロスを削減!
食品ロス削減には、小売店や生産現場の需要予測が効果的です。しかし、人の勘や経験に依存した需要予測は高い精度が得られません。精度の高い需要予測には、AIの活用がおすすめです。
ここでは、TRYETINGのAIツール『UMWELT』を使用した需要予測について、企業の事例を交えながら解説します。
あらゆるデータを使った需要予測が可能
食品の需要予測には、過去の売上実績や天候データなど、さまざまな情報との関係性を分析する必要があります。
UMWELTを使用すると、出荷数、日付、品番などのデータがあれば、高い精度で需要を予測することができます。AIに関する専門知識や特別なスキルは必要ありません。特別な専門人材を雇わずに、簡単に操作することができます。
春日井製菓株式会社様のUMWELT導入事例
春日井製菓株式会社様は、菓子の設計・開発・製造を行っている企業です。
UMWELT導入前は、在庫管理や生産管理業務に使用する需要予測を特定の社員が担当し、引き継ぎができないといった属人化の課題を抱えていました。UMWELTを導入することで、担当者の経験に依存しない需要予測が可能となり、業務改善に成功しています。
(参考: 『【春日井製菓様】UMWELT活用事例|ノーコードで予測業務を簡単にし、属人化を撤廃|TRYETING』)
まとめ
日本は家庭系食品ロス量ランキング14位で、世界的にも食品ロスが多い国です。国民1人当たり茶わん1杯分の食品を毎日廃棄している状況に向き合わなくてはなりません。何も対策せずに放置すると、地球温暖化や貧困層増加が加速します。
食品ロス削減には消費者の廃棄量を減らすことも大切ですが、生産・小売りの段階で需要予測を行い、生産量や仕入れ量を最適化することが効果的です。
需要予測で食品ロスを削減するなら、企業の成功事例もあるUMWELTをおすすめします。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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