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食品ロスが多い食べ物ランキング!現状と改善への取り組み事例も紹介

 

日本には「もったいない」という言葉があります。この言葉は、2004年にノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんにより世界に広まりました。近年問題となっている食品ロスは、まさに「もったいない」ことのひとつです。

食品を扱う企業にとって、食品ロスは大きな課題ではないでしょうか。この記事では、食品ロスが多い食べ物ランキングと併せて、日本国内や諸外国の食品ロス対策を紹介します。食品ロスを減らすためにどのような取り組みが必要か見えてくるでしょう。

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食品ロスが多い食べ物ランキング!


食品ロス対策を始める上で「どの食べ物が捨てられているか」を知ることは非常に大切です。ハウス食品グループ本社株式会社では、会員サイトに登録している顧客を対象に、2019年7月から定期的に食品ロスに関するアンケートを実施しています。ここでは、2022年5月のアンケート結果を紹介します。

(参考: 『食品ロスに関するアンケート調査結果(第五回)|ハウス食品グループ本社』

捨ててしまいがちな食品・食材

捨ててしまいがちな食品・食材の1位から10位は以下の通りです。

1位 野菜類:55% 6位 惣菜類:8.3%
2位 調味料・油:13.8% 7位 米・パン・シリアルなど:6.9%
3位 果物:11.2% 7位 乳製品・卵:6.9%
4位 日配品(豆腐・納豆など):8.7% 9位 粉類(小麦粉など):6.1%
5位 漬物・佃煮:8.5% 10位 菓子類:5.9%

野菜類や果物は、長期間保存が難しい食材です。「いつの間にか腐っていた」「カビが生えていた」といった理由で、仕方なく捨ててしまうことが多い食材といえるでしょう。

2位の調味料や油は、賞味期限が長いことから期限の確認を忘れやすい食材です。滅多に使わない物は、いつ開封したか分からないこともあるかもしれません。

食品・食材は、季節によって劣化の進み具合が変わります。特に、米・パン・シリアル、粉類、菓子類は、温度や湿度の影響を受けやすいでしょう。

実際の食品ロスで多い物

次に、最近捨ててしまった食品・食材のアンケート結果を紹介します。捨てられる食品・食材がよりリアルに分かるでしょう。

1位 キャベツ:7.6% 6位 豆腐:4.2%
2位 キュウリ:6.9% 7位 ダイコン:3.8%
3位 モヤシ:4.9% 7位 納豆:3.7%
4位 レタス:4.8% 9位 牛乳:3.6%
5位 パン・食パン:4.5% 10位 ニンジン:3.2%

実際に捨てた食品・食材においても、野菜が半数を占めています。一人暮らしや少人数家庭の場合、使い切れずに傷んでしまうことが原因と考えられるでしょう。野菜以外も、家族構成や個々の嗜好によって残ってしまうケースが多い食品・食材です。

食品ロスに対する基礎知識


食品ロスは、使い切れなかったから捨てる食品だけを指す言葉ではありません。また、家庭だけでなく企業でも生じている問題です。食品ロス問題としっかり向き合うために、食品ロスの定義や問題点、家庭と企業における食品ロスの量を紹介します。

食品ロスとは

日本では『本来食べられるにもかかわらず捨てられる食品』を食品ロスと定義しています。また、食品ロスは大きく「家庭系食品ロス」と「事業系食品ロス」に分けられます。

農林水産省が公表した2020年度の食品ロスの推計は約522万トンで、国民1人当たり1日約113グラム、年間約41キログラムの食品ロスを出している計算です。113グラムは茶わん一杯のご飯、41キログラムは年間1人当たりの米消費量と考えると、非常に多くの食品が捨てられていることが分かります。

(引用: 『第1部 第2章 第2節 (1)食品ロスとは|消費者庁』

(参考: 『食品ロス量が推計開始以来、最少になりました|農林水産省』

なぜ食品ロスはだめなのか

食品ロスは単にもったいないだけではなく、地球温暖化に大きな影響を与えるCO2の排出源でもあります。捨てられた食品が焼却される過程で発生するCO2は地球温暖化に寄与するため、環境にも悪影響を及ぼします。また、焼却後の残り物は埋め立て処分される必要があり、処分場の確保も問題です。埋め立てる場所は限られているため、ごみの削減は重要な課題です。

日本の食料自給率は低く、食品の多くを輸入していますが、私たちは日々の食事に困ることはほとんどありません。しかし、世界では約8億人もの人々が飢えており、十分な食べ物を得ることができません。そのため、食品を無駄にせず、大切に消費する意識を持つことが非常に重要です。私たちが食べ物を大切に使い、無駄にしないよう努めることは、飢えている人々の支援にもつながります。

家庭における食品ロス

2020年度の家庭系食品ロス量は247万トンで、その内訳は以下の通りです。

内訳 食品ロス量
直接廃棄 109万トン/44.1%
食べ残し 105万トン/42.5%
過剰除去 33万トン/13.4%

直接廃棄は、消費期限・賞味期限切れにより食事に使用・提供することなく廃棄した食品、過剰除去は、野菜や果物の不過食部分を必要以上に取り除いた部分です。

(参考: 『食品ロス削減関係参考資料(令和5年3月24日版)|消費者庁』

企業における食品ロス

2020年度の事業系食品ロス量は275万トンです。食品ロスが多い企業として思い浮かぶのは、外食産業ではないでしょうか。しかし、外食産業以外でも食品ロスは起こっています。

食品は、メーカーから卸売業者、小売店へ流れます。食品ロスが起こり得る時期は、メーカーや卸売業者から小売店に納品されるまでの「納品期限」、小売店が設ける「販売期限」です。それぞれの期限が過ぎることで、最終的に廃棄処分されます。食品ロス量の業種別内訳は以下の通りです。

業種別内訳 食品ロス量
食品製造業 121万トン/44%
外食産業 81万トン/29%
食品小売業 60万トン/22%
食品卸売業 13万トン/5%

企業が生み出す食品ロスを減らすために、農林水産省のサポートで「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」が設置され、さまざまな企業が参加しています。

(参考: 『食品ロス削減関係参考資料(令和5年3月24日版)|消費者庁』

海外の食品ロス対策の事例


WWF(世界自然保護基金)と英国の小売り大手テスコの調査によると、毎年推定25億トンもの食品が廃棄されています。これを踏まえて、世界中で食品ロスに対する取り組みが行われています。ここでは、米国・英国・フランスの事例を見てみましょう。

米国の取り組み

米国では、2015年にEPA(米環境保護庁)とUSDA(米農務省)が「2030年までに食品ロス廃棄量を半分にすること」を目標に掲げました。この「Food Loss and Waste 2030 Champions」というプログラムに参画する企業は、2022年1月時点で42社です。

他にも、学校の食品ロスを減らすことを目的とした「シェアテーブル」やフードバンクの取り扱い食品の拡大によって、売り上げ予測から在庫を適正化するシステムを導入する小売店も増えています。

英国の取り組み

英国では、2017年から2018年にNGO団体のWRAPと市場調査会社IGDが共同で「食品廃棄物削減ロードマップ(UK Food Surplus and Waste Measurement and Reporting Guidelines)」を作成しました。

サインインした企業は、食品ロスの削減目標値をWRAPとともに設定しますが、基本的な目標は自社から出る食品ロスを2030年までに50%削減することです。WRAPは飲食店に向けた食品ロス対策のWebサイトも公開しています。

フランスの取り組み

フランスは、2016年に世界初となる「食品廃棄物削減に関する法律」を制定しています。400平方メートルを超える店舗面積を持つスーパーを対象に食品廃棄を禁じる法律です。売れ残った商品は、事前に契約した慈善団体へ寄付、または肥料や飼料に転用することが義務付けられています。

他にも、仏エコロジー移行省が中心となり、事業者を対象とした「食品ロス反対ラベル」という取り組みが行われています。申請があった飲食店の食品ロス対策を3段階で評価し、結果をラベルとして付与します。ラベルは店頭やメニュー、Webサイトへの表示が可能です。

日本で推奨されている食品ロスへの対策


食品ロスを減らすには、家庭はもちろん、国全体で取り組む必要があります。しかし、何が効果的なのか分からない方もいるでしょう。ここでは、家庭でできる取り組みとともに、国や自治体の取り組みを紹介します。少しでも食品ロスを減らせるよう、身近なところから始めましょう。

家庭で推奨される行動

家庭でできる取り組みの3本柱は「買い過ぎない」「作り過ぎない」「注文し過ぎない」です。買い物に出掛ける前に冷蔵庫の中身をチェックすれば、家にあるにもかかわらず買ってしまうことを防げます。また、まとめ買いにも注意が必要です。余るほど買うのではなく、必要な量を吟味しましょう。

適切な保存や冷凍保存も食品ロスを防げます。購入頻度が高い食材は、消費期限が早い物から使うことを心掛けましょう。食べ切れる量を作ることも大切です。

外食の際も食べ切れる量を注文し、さまざまなものを食べたいときは小盛りやハーフサイズを活用しましょう。宴会など食事ペースにむらが出る場合、食べ切る時間を設けると食べ残しを減らせます。

国や自治体の取り組み

国や自治体でも、食品ロス削減に向けたさまざまな取り組みが行われています。食品ロスに関する情報を発信する消費者庁の特設サイト「めざせ!食品ロス・ゼロ」もそのひとつです。商品棚の手前から取る「てまえどり」の啓発、賞味期限を正しく知る「おいしいめやす」普及啓発キャンペーンがあり、どちらも消費者庁のホームページでリーフレットが閲覧できます。

他にも、神奈川県横浜市の「冷蔵庫10・30運動」、東京都世田谷区の「小学生向けエコなお買い物体験授業」、兵庫県神戸市の「食品ロスダイアリー」、埼玉県さいたま市の「フードシェア・マイレージ」など、取り組み内容はさまざまです。

企業が行う食品ロス対策の事例


企業の食品ロスは、家庭系食品ロスを上回ります。そのため、企業にとっても食品ロス削減は無視できない課題です。ここでは、食品ロスに取り組む企業の事例を紹介します。食品ロスへの取り組みは企業のイメージアップにもつながるため、今後の参考になるでしょう。

スターバックスコーヒージャパン株式会社

スターバックスでは、2021年3月に東京都と埼玉県の約90店舗で「フードロス削減を目指すプログラム」のトライアルを約1か月間実施しました。顧客と従業員から大きな反響があり、2021年8月23日からは全店舗(取扱商品が異なる一部の店舗を除く)に取り組みを拡大しています。

このプログラムでは、閉店3時間前をめどに当日の在庫状況に応じてドーナツやケーキを2割引で販売し、廃棄削減を目指します。また、プログラムで得た売り上げの一部を認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえに寄付するといった地域貢献も特徴です。

株式会社あきんどスシロー

スシローの食品ロス対策は、DXの活用です。2002年より「回転すし総合管理システム」を導入し、販売動向の管理や廃棄食材の削減を進めています。

導入前は人による販売予測・商品廃棄を実施していましたが、システムの導入により作業の標準化を実現しました。これにより、「常に新鮮なネタをレーンに流す」「売れ筋を切らさない」といった顧客ニーズへの対応も可能です。今後はAIを取り入れ、より精度の高い需要予測や食品ロスの削減を目指しています。

伊藤忠商事株式会社

卸売業の伊藤忠商事は、グループ会社の日本アクセスと連携し、メーカー発注にAIを用いた需要予測や発注最適化のソリューションを導入しています。

メーカー・卸売業者・小売業者が持つデータを連携し、業界全体で食品ロスを削減するのが目標です。一部の顧客向けの飲料や菓子といった常温食品から始め、順次拡大する方針です。将来的には取引先メーカーの工場稼働や物流倉庫の効率化、小売りにおけるフードロスや機会ロス削減にも寄与するサービス提供を目指しています。

株式会社セブン&アイ・ホールディングス

セブン-イレブン・ジャパンでは、長鮮度商品の開発や3分の1ルールの見直し、「てまえどり」といったさまざまな食品ロス対策を実施しています。

中でも特徴的なのが、2020年5月から始まった「エシカルプロジェクト」です。販売期限が近づいた商品を電子マネーnanacoで購入した場合、税抜販売価格の5%分をボーナスポイントとして付与します。対象商品には「エシカルシール」を貼り、手前から商品を取ってもらうことを目指す取り組みです。

顧客にとってもメリットがあるこの取り組みには、顧客と一緒に食品ロスの課題を考えたいという思いが込められています。

株式会社マルエツ

マルエツは、首都圏の1都5県に305店舗(2023年3月17日現在)を展開するスーパーマーケットチェーンです。2021年より一部の店舗で「フードドライブ」活動を開始しました。

フードドライブとは、家庭で余っている食品を集め、食品を必要とする団体や施設に寄付する活動です。顧客が持ち込んだ食品だけでなく、外装の破損などを理由に販売できない消費期限内の未開封食品も提供しています。この活動を通して、食品ロスを減らすだけでなく、地域社会への貢献も行っています。

UMWELTは食品ロスが多い食べ物への対策に最適


年間500万トンを超える食品ロスを、人間の管理だけで減らすのは容易ではありません。効率良く確実に対策を進めるために、デジタル技術を活用しましょう。TRYETINGの『UMWELT』は、食品ロス対策に最適なノーコードAIです。ここでは、UMWELTの特徴と導入の成功事例を紹介します。

AIによる需要予測と在庫管理で食品ロスに対応

事業系食品ロスの原因として挙げられるのは、需要と供給のミスマッチによる過剰生産・在庫です。これらを人間の勘や経験に頼ると、「定量化できない」「属人化する」「管理が困難」といった問題が生じます。

ノーコードAIのUMWELTは、データ収集・データクレンジング・予測需要・在庫管理が簡単にできるツールです。さまざまなアルゴリズムを搭載しているため、プログラミングは必要ありません。導入することで、業務効率化やコスト削減につながります。

成功事例を紹介

春日井製菓株式会社様では、生産管理や在庫管理に必要な需要予測に過去データと現場の勘を利用していたため、業務の属人化が課題でした。

UMWELTの導入により業務の属人化を解消し、過去のデータのみで精度の高い需要予測を実現しました。「複雑化したExcel業務より簡単だった」との声もあり、AI知識のない新人への引き継ぎ体制もスピード感を持って進めています。

(参考: 『UMWELT導入事例|TRYETING』

まとめ

食品ロスの半数は家庭から、残りの半数は企業から出ています。食品を無駄にするだけでなく、環境問題にも発展するため、企業での取り組みも急務です。事業系食品ロスを減らすには、最適な需要予測と在庫管理が必要ですが、人間の力だけでは限界があります。効率化と正確性を求めるのであれば、ITツールを積極的に取り入れましょう。

TRYETINGのUMWELTは、食品ロスに対応するさまざまな機能を搭載しています。食品ロス削減に有効なツールをお探しの方は、ぜひお問い合わせください。

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