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機械学習はパラメータチューニングが大切!概要や自動化ツールを紹介
目次
機械学習とは、コンピュータが予測、分類などのパターンを学習していく技術であり、すでに生活やビジネスのシーンにおいてさまざまなサービスとして利活用されています。数理モデル的には、機械学習とは、行列やベクトルで表される重みパラメータを最適化することと捉えられます。一方で、人手で予め決定する必要があるパラメータのことを「ハイパーパラメータ」と呼びます。ハイパーパラメータチューニングとは、あらかじめ人手で決定しなければならないこれらのパラメータを調整するプロセスです。本記事では、機械学習にハイパーパラメータチューニングが大切な理由、機械学習の概要とともに、便利な自動化ツールをあわせて紹介します。
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機械学習とは
顔認証、メールの自動仕分けなどにも使われる機械学習の技術は、私たちの日常生活、ビジネスなどにおいて身近な技術として取り入れられています。まずは機械学習の定義や、ディープラーニングとの違いについて紹介します。
機械学習とは
機械学習とは、AIの1つの要素技術です。コンピュータに大量のデータを入力させ、データに潜むパターンやルールを発見させる技術のことを指します。
機械学習とディープラーニングの関係性
機械学習のうち、ニューラルネットワークを活用した機械学習をディープラーニング(深層学習)と呼びます。ニューラルネットワークとは、人間の脳神経系(ニューロン)から着想を得た数理モデルで、ニューロンを組み合わせて層状のネットワークにしたモデルです。
機械学習の活用実例
機械学習の技術は、ビジネスや生活のさまざまなシーンで活用されています。本項目では、機械学習の活用事例について具体的に紹介していきます。
予測
機械学習では、過去のデータを大量に学習することで、今後どのような結果が起こりうるかを予測できます。機械学習を予測に用いた事例のひとつに、タクシーの乗車予測があります。従来では、ベテランドライバーの経験がなければ、利用客の訪れやすい乗車場所、乗車人数の予測を行うのは難しいという問題がありました。機械学習で過去の乗車データを学習させることで、新人ドライバーのように経験がなくても、利用客が訪れやすい乗車場所、乗車人数の情報を得られるようになりました。
画像認識後に自動データ化
画像認識の技術は機械学習が得意とするジャンルのひとつであり、応用、組み合わせにより数多くのサービスが登場しています。画像認識の主な利用例としては、手書き書類の自動データ化があります。機械学習により文字の識別を行い、人の手による入力作業を機械に代替させることで、手書き書類を入力しなおす手間を省くことができます。さらにオフィス内の人的工数削減を実現することで、作業時間や人件費コストを大幅に削減できるようになり、人的リソースを別の業務に活かすことができます。
音声認識
機械学習の技術は、大量のデータを収集しやすい音声認識も得意としています。音声認識の技術を用いた業種には、コールセンターの仕事があります。コールセンターでは、機械学習によって顧客の音声から自動で何を求めているのか認識を行い、ディスプレイに適している回答例を表示させるサービスを提供しています。コンピュータがオペレーターに代わって自動応答することで、コールセンターの営業時間外でも受付できるようになりました。
細かいデータ分析
機械学習では必要なデータをAIに学習させることで、よりスピーディーかつ正確に分析を行うことができます。データ分析の実例として、店舗の来客分析があります。店内に分析用のカメラを設置し、顧客属性別に商品の購買傾向、売り場の移動の仕方などを分析することができます。これらの技術は、販売業にとって必要な顧客の導線分析や売れ行き分析に活かすことができます。たとえば、データ分析ででた結果を元に、ターゲットを意識した仕入れ、商品配置、導線を意識した売り場作りなどに役立てることができます。
書類の正確な分類
機械学習の技術は、書類の正確な分類にも活用されています。機械学習では、AIに目的に合わせたパターンを学習させることで、人間の話す言葉を処理させる「自然言語処理」の精度を高めていくことができます。機械学習では、決まったパターンを繰り返し学習させることで、自然言語処理によるAIがテキストを分類できるようになるため、書類の分類作業を自働で行うことが可能となります。書類分類の主な実例では、Laboro.AIがテキスト認識による文書分類の自動仕訳を行っています。他にも、大手通信企業ではこれまで申込書の分類を手作業で行っていましたが、文書分類アルゴリズムの構築により自然言語処理によるAIがテキストを分類できるようになり、業務改善に役立っています。
ハイパーパラメータとは?チューニングが必要な理由
機械学習モデルの予測精度を向上させるためには、ハイパーパラメータを調整する必要があります。本項目では、ハイパーパラメータの意味と、チューニングが必要な理由について紹介します。
ハイパーパラメータ
ハイパーパラメータとは、人手で学習前に決定しておくパラメータを意味します。一方で、パラメータとは、おもに機械学習モデルが学習過程において最適化を行う重みを指します。
パラメータは、機械学習モデルが自動的に調整します。
ハイパーパラメータは、各種アルゴリズムの挙動を制御するために必要な値であり、代表的なものとして、エポック数、学習率、閾値、ミニバッチサイズ、層の数、一層あたりのニューロン数、などが挙げられます。
ハイパーパラメータチューニングの目的
ハイパーパラメータチューニングは、モデルの性能向上のために必要です。機械学習の性能を最大化するには、ハイパーパラメータを実際のデータにあわせて調整する必要があります。ハイパーパラメータを調整することで、以下の3つの効果が見込めます。
- モデルの性能向上
- 過学習の抑制
- 効率の良い学習
機械学習のハイパーパラメータチューニングを行う手順
本項目では、機械学習のハイパーパラメータチューニングを行う手順について紹介します。
1.評価指標を決定する
まずは学習における定量的な評価指標を決定する必要があります。分類問題においては、適合率や再現率、そしてその調和平均であるF1値、正解率等が候補に上がります。回帰問題においては、正解値との距離を用いた値(RMSEやMSE)などが挙げられます。
2.探索するハイパーパラメータの種類と範囲を決定する
ハイパーパラメータは、前述のように予め人手で決定する必要がありますが、エポック数、学習率、閾値、ミニバッチサイズ、層の数、一層あたりのニューロン数など、種類は数多く存在します。(この種類は、モデルやアルゴリズムによって変わります)
それぞれのハイパーパラメータにつき、どの値を使用するのかを決定する必要がありますが、これらは、組み合わせによって性能が大きく変わることがあります。したがって、もっとも良い性能を出せる組み合わせを探索することになりますが、これは、様々な組み合わせで実際に何度も学習を行ってみて、その中で一番高い性能を発揮したハイパーパラメータを採用する、ということになります。
調整するハイパーパラメータの種類が増えると、指数関数的に所要時間が増えるため処理にかなりの時間を要します。(例えば、2つの候補値があるパラメータを1種類加えて探索すると、所要時間は2倍になります)処理の所要時間を削減するためにも、事前にハイパーパラメータ種類を絞る必要があります。
3.ハイパーパラメータの組み合わせ
最適なハイパーパラメータの組み合わせを選択するには、以下3種類のアルゴリズムがおもに利用されます。
- グリッドサーチ
- ランダムサーチ
- ベイズ最適化
グリッドサーチでは、事前に指定したハイパーパラメータの組合せを総当たりで探索していくアルゴリズムです。グリッドサーチは直接パラメータの候補の値を指定するため、解釈性が高く、経験を活かしやすいというメリットがあります。
ランダムサーチは、ある範囲の中からランダムにハイパーパラメータの組合せを生成していくアルゴリズムです。ランダムサーチはグリッドサーチより効率よく探索が可能とされており、チューニングを高速で行うことができます。
ベイズ最適化は、評価結果を基に位置を推定し、次のハイパーパラメータの組合せとするアルゴリズムです。「良いスコアの可能性が高い位置」をあらかじめ設定することで、効率的な探索を行うことができます。
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パラメータチューニングを含め、機械学習を実行するためには専門的知識が求められます。AI人材がいなくても使える機械学習ツールをお探しの方には、TRYETINGのノーコードAIクラウドUMWELTがおすすめです。UMWELTにはデータ分析に役立つアルゴリズムが数多く用意されており、これらのアルゴリズムをレゴブロックのように組み合わせるだけで、誰でも簡単に機械学習システムを構築できます。データ分析の結果から、需要予測や在庫生産管理の自動化・最適化など、さまざまな業務効率化に役立てることができます。
まとめ
機械学習モデルの精度向上には、パラメータ設計やチューニングが欠かせません。パラメータチューニングをする際には、上記のような情報をご活用ください。機械学習の知見がなくても使えるAIツールをお探しの方は、TRYETINGのUMWELTまでぜひお問い合わせください。
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