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機械学習における評価指標とは?種類から学習方法まで徹底解説

 

AIによるデータ分析方法の一種である機械学習。以前は研究用途での活用が中心でしたが、昨今では企業活動や個人レベルでの活用も増えています。機械学習において、重要な要素の一つとして評価指標があります。ここでは機械学習における評価指標とは何か、その種類について解説します。

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機械学習とはどんなもの?


コンピュータの処理速度の向上や学術的な進歩により、機械学習の活用の幅が広がっています。ここでは機械学習の概要と、機械学習で重要な要素の一つである評価指標についての解説をします。

機械学習とは

コンピュータに大量のデータを入力し、データに潜むパターンや未知のルールを発見するものが機械学習です。データ学習に基づく予測の精度の高さが特徴です。研究から企業活動など幅広い分野で、予測に基づく意思決定を実施するために活用されています。特に、大企業を中心に活路が見出されていなかったビッグデータの活用手段としての導入が進んでいます。

代表的な5つの学習方法

機械学習の代表的な学習方法は下記の通りです。

  • 教師あり学習:教師あり学習は、正解のデータが用意されており、正しい出力ができるように入力データの特徴やルールを学習していく手法です。教師あり学習はさらに、既存のデータをもとに、タスクごとに設定されたいくつかのクラスに識別する「分類」と、連続する値を予測する「回帰」に分けられます。
  • 教師なし学習:教師なし学習は、正解データなしで入力したデータの特徴やルールを学習して分析する手法です。データを与えることにより、データの構造、パターンなどを抽出しながらモデルを構築していきます。代表的な教師なし学習には、似た特徴を有するものを同じクラスに分類する「クラスタリング」があります。
  • 強化学習:強化学習は、「環境」と「エージェント」という2つの要素からなるシステムにおいて、「エージェント」が「環境」の中で最もよく振る舞うように学習する手法です。「環境」は、「エージェント」の行動によって与える報酬を変化させます。「エージェント」は「環境」の中で最も多く報酬が得られるような振る舞いを、試行錯誤しながら学習します。
  • 深層強化学習:深層強化学習は、深層学習と強化学習を組み合わせた手法です。強化学習の手法の一つであるQ学習と深層学習を組み合わせたものを、DQN(Deep Q-Network)と呼びます。Q学習では、エージェントが次に行う行動における報酬の期待値をQ関数と呼ばれるもので表現しますが、DQNではこのQ関数をニューラルネットワークで予測します。
  • 半教師あり学習:半教師あり学習は、少数のラベルのついたデータと大量のラベルのないデータが用意された際における学習手法です。この2種類のデータによって、少数のラベルのついたデータのみの教師あり学習よりも高い性能を得るために考案されました。一般に、ラベルのついたデータを大量に用意するのは大きな時間的・金銭的コストがかかるため、少ないラベルなしデータで効率良く学習する方法として注目を浴びています。

機械学習の活用が広がっている

注目を集めているディープラーニングも機械学習の技術の一つです。ディープラーニングの汎用化により、自然言語処理や画像処理など機械学習の活用の幅が広がっています。人々の生活や企業活動にITを浸透させるDXもトレンドとなっているため、今後も機械学習の動向から目が離せません。

機械学習の評価指標とは

機械学習において、入力があったものに対して評価をし、それを出力するファイルのことをモデルといいます。モデルを作成した際、モデルの精度を判別する手段として評価指標があります。機械学習における評価指標にはさまざまな種類があり、それらを適切に選択し活用することが重要となります。

機械学習における評価指標の種類


機械学習の活用の際に、評価指標の選択が鍵となることをお伝えしました。ここでは、機械学習における評価指標の種類と、重要な前提知識として混合行列について解説します。

混合行列

混合行列とは、二つの値の分類問題において、実際の値と予測を行列形式にまとめたものです。クラスの分類は以下のように分けられます。

・真陽性
実際に陽性でモデルが陽性と判断したもの

・偽陰性
実際には陽性だがモデルが陰性と判断したもの

・真陰性
実際に陰性でモデルも陰性と判断したもの

・偽陽性
実際には陰性だがモデルが陽性と判断したもの

分類におけるモデルの精度を検査する際は、混合行列での分類の精度を、以下の評価指標を用いて評価し可視化します。

正解率

正解率とはその名の通り、モデルが正しく予測したサンプルの割合です。正解率を用いることで、検査対象のモデルの精度を概略的に評価することができます。しかし、異常検知などほとんどが陰性のモデルなど、サンプルに偏りがある場合は十分な評価指標とはいえません。例えば,不良品が1%の確率で出現するようなケースでは,全てのサンプルに「不良品ではない」という予測をするモデルは99%の正解率となってしまいます.

適合率

適合率とは、モデルが陽性と予測したサンプルのうち、実際に正しく陽性だったサンプルの割合です。予測結果が陽性であるものを分母とするため、誤って陽性と判断しているかを評価する際に有効な指標です。しかし、偽陰性と予測したサンプルに対しての精度を測ることはできません。

再現率

再現率とは、実際に陽性のサンプルのうち、モデルが正しく陽性と予測したサンプルの割合です。実際に陽性のサンプルを見逃した数が多いほど、再現率が低くなります。見逃しをなるべく抑えたいときに有効ですが、偽陽性を考慮しないため、デタラメな陽性を評価することはできません。

F値

適合率と再現率はそれぞれメリットとデメリットがあります。F値は両者の特徴をバランスよく含み、まとめて評価する指標です。F値は,適合率と再現率の調和平均,または重み付き調和平均をとります.値の範囲は0から1の間で、1に近づくほど予測性能が高いと判断できます。適合率と再現率が同等に重要な場合など、分類における汎用的な評価指標として活用することが可能です。

特異率

実際に陰性であるサンプルのうち、モデルが正しく陽性と判断したサンプルの割合が特異率です。言い換えると、再現性と陽性、陰性の関係を逆転したものといえます。小さい値であるほど良好な予測結果であると判断できます。偽陽性の割合を減らすことを重視する場面で有効な指標であるといえるでしょう。

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まとめ

機械学習で重要な要素の一つである評価指標とその種類や、機械学習の学習方法についてご紹介しました。UMWELTを活用することで、学習コストを最小限に抑えた機械学習の活用が可能となります。資料ダウンロードによる事前の情報収集や無料相談が可能ですので、機械学習の導入を模索している方はぜひ一度ご検討ください。

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