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時系列データにおける異常検知とは?代表的な手法や活用シーンを紹介

 

異常検知は、企業の業務で活用することにより効率化につながります。多くの企業では、異常検知などの技術を導入し、業務効率化を図っていきたいでしょう。特に、時系列データを活用すると新たなビジネス創出にもつながるため、積極的に利用したいところです。しかし、時系列データや異常検知に関する知見がなく、導入までに至らないケースも多く見られます。そこで今回は、時系列データにおける異常検知について解説します。

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時系列データにおける異常検知とは?


時系列データと異常検知には、どのような関係があるのでしょうか。それぞれの概要と、時系列データでの異常検知の考え方を解説します。

そもそも時系列データとは

時系列データは、名前の通り時間と共に変化していくデータです。例えば、日々変化し続けている気温や天気、ビジネスにおける日々の来店客数などさまざまあります。時系列データは、トレンド・季節による変動・循環変動・不規則な変動などから成り立っています。

異常検知とは

異常検知とは蓄積された膨大なデータと比較し、振る舞いの違う予期していないデータを見つけ出すための判定システムです。判定する方法はいくつかありますが、あらかじめ正解となるデータを与えて、それ以外のデータを異常と判断するやり方などがあります。異常検知は、クレジットカードの不正利用の検知、機器の故障の判別、システムの故障検知などさまざまな分野に活用されています。ビジネスだけではなく、私たちの生活にも欠かせない技術です。

時系列データでの異常検知の考え方

時系列データと異常検知を組み合わせるときには、それぞれの考え方を知っておく必要があります。時系列データは、毎日変動するため常に一定の状態を維持しておらず、対象とする区間によって正常の扱いが変化します。したがって、時系列データにおける異常検知では、どの時点と比べて異常なのかを意識することが大切です。

時系列データにおける異常検知の手法


一般的な異常検知の場合、ホテリング理論やk近傍法と呼ばれる手法が使われています。では、時系列データではどのような手法を用いられるのでしょうか。時系列データでは、以下3つの手法が用いられます。

  • 異常部位検出
  • 外れ値検知
  • 変化点検出

異常部位検出

異常部位検出とは、今までと大きく異なった異常が発生したときに異常が部分時系列を検出するときに利用される手法です。外れ値検知はデータ点で評価するのに対し、異常部位検出は部分時系列が異常であるかを評価する点が異なります。異常部位検出は、外れ値検知でも利用されているk近傍法を活用できます。

外れ値検知

外れ値検知とはスタンダードと定めた状態に対して、期待した結果と異なった場合に検知される手法です。スタンダードな状態とは、過去に蓄積したデータを元に、共通する特徴を抜き出したものを意味します。例えば、車のエンジンで異音が発生したときなどに、外れ値検知で検出することができます。したがって、外れ値検知は普段発生しないようなデータ点を検出するために活用されるのです。異常検知で着目する区間を窓と定めることで、異常部位検出と同様にk近傍法を利用できます。

変化点検出

変化点検知とは、継続的に収集している時系列データのなかで急激にデータパターンに変化が出た部分を検出するための手法です。例えば、オウンドメディアのアクセス数がある日を境に下がってしまった場合、いつからなのかを検出する目的で活用されます。変化点検出は、予測モデルを活用することでホテリング理論を応用できるのです。

時系列データにおける異常検知の活用例


時系列データにおける異常検知では、主に以下のような活用例があります。

  • 不正アクセスの発見
  • カード不正利用の検知
  • 不良品の検出
  • 異常動作のチェック
  • 医療診断

不正アクセスの発見

異常検知は、運営するWebサイトやシステムへの不正アクセス検知にも利用されています。昨今はサイバー攻撃が日々発生しており、企業にとってセキュリティ対策は必要不可欠となっているでしょう。サイバー攻撃の中でも、不正アクセスによってデータが流出したり、ランサムウェアによって身代金要求をされたりなどさまざまな被害が起きてしまいます。異常検知を活用すると、不正なアクセスがある際に管理者に通知し侵入を防ぐことができます。

カード不正利用の検知

異常検知はクレジットカードの不正利用の検知にも活用されています。この事例では、金融取引の不正パターンを異常検知システムに学習させ、そのときのパターンをスコアリング。スコアリングの結果に近い取引が発生すれば、不正使用だと検知する仕組みです。不正の理由も合わせて算出されるため、人間が判断するときにも役立ちます。

不良品の検出

製造業では、異常検知の技術が生産ラインで発生する不良品の検知を可能とします。異常検知には正常な製品の状態をデータとして学習させ、正常値よりも離れた値の製品を不良品として検知します。今までは人間が流れてくる製品を見て判断をしていたため、不良品を見逃したり、判定に時間がかかったりしていました。異常検知は完全に不良品を判断することは難しいものの、おおよその分類をしてくれるため業務時間の削減につながります。

異常動作のチェック

異常検知は、監視カメラの異常動作を判別するために活用されます。監視カメラは常に稼働しているため、全ての映像を人間が見て判断するのは大きな手間がかかってしまうのです。そこで、異常検知によってカメラの一部分で起きた異常動作を検出します。

医療診断

異常検知は医療現場でも導入され、人々の健康管理などに活用されています。たとえば、心電図の部分時系列に対して異常パターンを検出したり、喘息発作の検知をしたりなど、体調不良の検知に用いられています。

異常検知技術を導入する際のポイント


異常検知の技術を導入するときには、以下のポイントがあります。

  • UIは扱いやすいか
  • システムは難しくないか
  • クラウドに対応しているか

UIは扱いやすいか

UIとは「User Interface(ユーザーインターフェイス)」の略で、ユーザーとシステムが接する部分を指します。UIが扱いやすいシステムとは、ユーザーにとって操作しやすいことが条件です。システムを導入する場合、利用されなければ意味がありません。もし、操作が難しく現場で利用されなかった場合、導入したコストだけがかかって無駄になってしまうのです。選定するときには、現場のユーザーに確認しながら扱いやすいシステムであるかを判断しましょう。

システムは難しくないか

導入するシステムが難しくないのかも重要な要素です。システムの難しさは、日頃のオペレーションに大きく関わってきます。もし、システムの利用時に難しいコードの入力が必要な場合、現場の中でも利用されるユーザーが固定化してしまうでしょう。その結果、属人化が促進されてさまざまな問題が引き起こされてしまいます。導入するシステムは、単純な操作で扱えそうなものを選択しましょう。

クラウドに対応しているか

異常検知のシステムは、オンプレかクラウドのどちらかであればクラウドを活用するのがおすすめです。クラウドのシステムは、インターネットさえつながっていればどこからでもアクセスが可能で導入コストも抑えられます。さらに、定期的なメンテナンスも不要であるため、ユーザーは操作だけに集中できるのが特徴です。

UMWELTで高速にAI導入しよう!

異常検知を含め、AI導入は各現場の業務効率化・省人化において高いパフォーマンスを発揮します。しかし、AIシステムの構築には機械学習や統計学の専門知識と開発コストが必要なため、AI人材が不足しているケースが多いでしょう。そこで手間をかけることなくAIシステムを即時構築したいと考えている企業様におすすめのツールが、TRYETINGのノーコードAIクラウドUMWELTです。UMWELTには多数のアルゴリズムを搭載しており、これらをプログラミングをすることなく自由に組み合わせることで 「どんなデータでも」「簡単に」「高度な」AIシステムを構築できます。現在大手からスタートアップまで、幅広い業界業種の企業様にご利用頂いています。

まとめ

異常検知は時系列データを活用することで業務効率化や省人化で効果を発揮し、業界業種問わず様々なビジネスシーンで利用されています。特に、人材不足で悩んでいる企業は、異常検知の導入で業務効率化を図っていく必要があります。もしAIシステムを即時導入したいとお考えの企業担当者様は、UMWELTの導入をぜひご検討ください。

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