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データマイニングとは?分析手法や活用ポイントなど簡単解説!

 

IoT技術の発展もあり、ビジネスでは日々、膨大なデータが生まれています。企業がその膨大なデータを分析し、ビジネスに生かす方法としてデータマイニングがありますが、どのようなものなのでしょうか。

この記事では、データマイニングはどのような技術なのか、具体的なやり方やポイントを紹介します。最後まで読むことで、自社が抱えるデータを有効活用できる方法が見つかるでしょう。

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データマイニングはどのような技術?


データマイニングとは、企業が収集した膨大なデータを分析し、有益な情報を得るための手法です。これまで蓄積するだけだった情報も、データマイニングによってビジネスの意思決定や施策に役立てられます。

ここでは、データマイニングの概要と機能を解説します。

ビジネスで有用な知見を得る技術

データマイニングは、統計学やAIを使って膨大なデータを分析し、新たな知見を得る方法です。膨大なデータを鉱山とし、掘り進めることで鉱物という有益な情報を得る、このようなイメージを浮かべると理解できるでしょう。

IoTの発達により、さまざまな機器へ通信機能の搭載が進んでいます。膨大なデータを収集・蓄積できる技術があっても、分析してビジネスに生かさなければなりません。その際に欠かせないのが、データマイニングです。

データマイニングの目的は、データの関連性や将来起こり得る事象の発生確率を見つけることです。過去の購買データから顧客の好みを予測するなど、マーケティング施策に役立ちます。

データマイニングがビジネスで果たす機能

膨大なデータの中から仮説を発見するデータマイニングが果たす機能には、予測・分類・関連性の3つがあります。

1.予測
収集したデータから購入率や受注率、解約率など事象が発生する確率を算出し、発生要因を明確にします。

2.分類
収集した購買データや商品データ、顧客データを特徴に応じて仕分けをします。例えば、購買データから優良顧客の分類や、営業先の膨大な情報をセールスターゲット別に分類できるようになります。

3.関連性
大量の蓄積データから、同時または頻繁に発生する事象を探索し、抽出します。

データマイニング技術から得られるDIKWモデルとは?


データマイニングで見いだせる知見は、DIKWモデルと呼ばれる4つの階層に分類できます。DIKWモデルとは「データ」「情報」「知識」「知恵」の頭文字を取った言葉です。データから知恵に近づくほど、有益であると判断できます。

ここでは、DIKWモデルの概要と、データマイニングの事例を紹介します。

得られる4つの知見

データマイニングを行うことで得られる4つの知見は、次の頭文字を取り「DIKWモデル」とも呼びます。

・Data(データ):画像・音声・数値など収集した全ての素材
・Information(情報):収集データを整理・分類して解釈可能にしたもの
・Knowledge(知識):情報の分析で得られたルール・法則性
・Wisdom(知恵):知識を活用し、判断する力

意味のないデータを変換して知識を引き出すまでが、データマイニングの役割です。得られた知識を知恵としてどれだけ使えるのかは、人のスキルにより変わります。

データマイニング分析で販売量アップした事例

統計解析とデータマイニングの違いが分からない方もいるのではないでしょうか。統計解析は仮説検証のために分析を行いますが、データマイニングは大量データから隠れた相関性、法則性を見つけ出して仮説を立てます。

ウォールストリートジャーナルに掲載された「紙おむつとビール」は、データマイニングでよく例えられる話です。

米国のあるスーパーマーケットが、膨大な購買データを基にデータマイニングを実施した結果、紙おむつとビールをセットで購入する人が多いことが分かりました。

データマイニングを行ったことで、紙おむつとセットで購入するのは乳児用品ではなかったこと、父親が自分で飲むビールを買ったことが判明します。この関連性を知ったスーパーマーケットは、売り場を改善し、販売量アップに成功しました。

データ分析で使う2種類のデータマイニング


データマイニングには、知識発見と仮説検証の2種類があります。知識発見は仮説を立てず、収集したデータのみを使う方法です。一方の仮説検証は、仮説を立てた上でデータマイニングを行います。アプローチや目的によって、どちらを選ぶかは異なります。

ここでは、知識発見と仮説検証の違い、使用する分析手法を理解しましょう。

知識発見

知識発見は、保有するデータから新たなルールやパターン、類似性などの知識を発見します。事前に仮説を用意しないのが特徴です。ビッグデータに有効である一方、高精度かつ複雑な計算が必要なため、人工知能(AI)が用いられます。

人工知能を用いることで、人が見過ごすようなデータの相関関係、想定外の関連性を発見できます。従来にはなかった方向性で、マーケティングアプローチが可能です。

知識発見の主な手法には、データから関連性を発見する「マーケット・バスケット分析」、データをある法則に従ってグループ化する「クラスター分析」があります。

なお、知識発見は機械学習で使われます。機械学習を用いて、コンピューターが自分で学習しながら蓄積した膨大なデータから相関関係などを見つける方法です。

仮説検証

仮説検証は、事前に考えた仮説を基に、検証したい課題の解決に必要なデータを集め分析します。仮説の設定、望ましい結果を得るための分析手法の決定には、統計学の知識が必要です。知識のある人がいない場合は、それをカバー可能なデータマイニングツールを選びます。

仮説に基づく分析を行う手法であることから、通常は仮説と大きく離れた結果が得られることはありません。しかし、仮説に間違いがある可能性を考慮すると、仮説の検証と分析を繰り返すことが大切です。

仮説検証の主な手法には、どの商品がどこで売れているのか売上高などの量的観点から推測する「量的変数」、地域ごとの売れ筋商品をピックアップして分類・整理する「質的変数」があります。

データマイニング技術を使ったビジネス例


データマイニングはビジネスにどのように生かせるのでしょうか。データマイニングは多くの業界で用いられていますが、その活用方法はそれぞれ異なります。ここでは製造業、小売業などでのデータマイニング活用事例を紹介します。

製造業

製造業では、工場内の設備管理にデータマイニングを使用します。

工場内にはさまざまな設備があり、メンテナンス時期や機器の調子、稼働年数はどれも同じではありません。データマイニングを用いて、どの設備に故障が起こりやすいのかを把握できると、効率良くメンテナンスできます。

効率良くメンテナンスできれば、故障による生産停止の回避が可能です。この他、得られたデータを故障しづらい機器の設計に生かす方法もあります。

小売業

小売業では、顧客情報や販売実績を分析し、商品仕入れの最適化や顧客のアプローチ改善に使っています。

データマイニングの対象は、顧客情報や商品だけでなく多岐にわたります。例えば、来店者数や商品の売れ行きに影響する天候や季節です。天候や季節に合わせて仕入れ数などを調節することで、在庫管理の適正化につながります。

スマートフォンのアプリケーションから収集した顧客情報や購買履歴も、データマイニングを使うことで顧客にマッチしたプッシュ通知やクーポンの提供など、マーケティング施策に活用可能です。

保険業

データマイニングは保険業界でも有効な技術です。自動車保険であれば、顧客の年齢・運転事故率・車種・損害補償額を分析します。生命保険の顧客情報と商品を分析すると解約要因を把握でき、解約率低下に生かせます。

また、データマイニングを使って分析すれば、保険の不正行為やリスク管理、顧客維持などの複雑な課題も解決可能です。

保険業界は、商品やライフスタイルの多様化、販売のマルチチャネル化が進んでいます。これらに対応するには、多次元データ分析やデータマイニングの活用が欠かせません。

銀行・金融業

銀行経営や金融業では、顧客ニーズを把握した適切なタイミングでの商品提供や融資の可否、顧客の属性から推定するローン与信審査などに活用できます。他にも、市場リスクの把握や法規制コンプライアンス義務の管理に役立ちます。

教育

教育現場におけるデータマイニング活用のひとつが、学習者の成績データ分析です。その結果、得意・不得意分野を把握でき、一人一人に適切な指導や教育を実現できます。他には、学習者の成績や学習成果の予測も可能です。

データマイニングのやり方は?アプローチ方法


データクレンジングは、目的に沿ったデータを多く集める「データの収集」、分析の妨げになるデータを取り除く「データの加工と整理」、整理できたデータを分析する「データの分析」という3つのステップで行います。

ここで紹介するデータマイニングの方法から、大まかなイメージをつかみましょう。

データの選択とクレンジング

データマイニングにはデータが欠かせません。分析の精度を上げるためにも、多くのデータを用意しましょう。

しかし、単にデータが多ければよいわけではなく、データマイニングの目的に応じたデータを集めることが大切です。マーケティング目的の場合は、購買履歴や顧客データなどを多く集め、不要データは除外します。

必要なデータがそろったら、データ加工(データクレンジング)を行います。データ加工は、データ分析しやすい形式に整える工程です。

データに誤りや不要な記号などが含まれていると分析に支障を来す可能性があることから、データ加工は重要な工程といえます。

探索的データ分析

加工・整理が済んだデータはグループ化し、グループごとの性質や法則性を調べます。性質や法則性を調べた後は、相関関係の抽出や探索です。

この際「ロジスティック回帰分析」「クラスター分析」「マーケット・バスケット分析」などさまざまな手法を利用します。

分析を行うと事象の発生頻度、データ間の関係性などの知見を得られます。得られた知見を次の施策に生かしましょう。

データマイニングの分析手法


データマイニングは特定の分析方法を使うのではなく、分析の目的に応じた手法を用いるのが一般的です。

代表的な分析手法として「ロジスティック回帰分析」「クラスター分析」「マーケット・バスケット分析」「機械学習」「ABC分析」があります。ここでは、それぞれの分析手法の特徴を解説します。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は、いくつかの要因から2値(Yes・No、有・無のように2つしかない値)の結果が起こる確率を予測する手法です。

マーケティングでよく用いられる手法であり、DMへの反応率の他、気象観測データを用いた土砂災害発生予測、患者の検査値からの病気発生率予測などでも使われています。

クラスター分析

クラスター分析は、データの中から類似性に基づいてグループ分けする手法です。主にマーケティングでの現場や市場調査のデータ分析、顧客情報を基にしたDM配信の効率化などに用いられています。

マーケット・バスケット分析

マーケット・バスケット分析は、来店者が同時に購入しやすい商品の組み合わせを分析する手法です。「紙おむつとビール」のように、マーケット・バスケット分析により意外な法則の発掘につながる他、効果的な売り場作りに役立ちます。

機械学習

人工知能の一種である機械学習も、データマイニングの分析方法のひとつです。中でも、プログラミング言語のPythonはデータ分析に役立つ便利なライブラリが充実しているため、データから法則や関連性を見いだす有効な手法です。

ABC分析

ABC分析は、過去の購買データを基に商品の売れ行きを分析し、優先的に売り出す商品を明確化する手法です。主に、小売業界で売れ筋商品と販売低調の商品の明確化、在庫管理の適性化に役立てられています。

ABC分析では、売上高を評価軸に3つのグループに分類します。売り上げの多くを占めるグループの最重要品目は、欠品を起こさないような在庫管理が必須です。他のグループは現状維持、もしくは商品の入れ替え検討を行います。

データマイニング技術をビジネスで活用するときのポイント


データマイニングは膨大なデータを使用し、新たな価値を生み出します。しかし、単にデータを分析するだけではビジネスにうまく応用できません。ここでは、膨大なデータをどのようにデータマイニングに使うのか、3つのポイントを紹介します。

データの質を保つ

データマイニングを行うだけで、目的の結果が得られるわけではありません。データマイニングに用いるデータの品質が低いと、信頼性の低い結果につながる恐れがあります。

使用するデータは、欠損値や異常値が最小限に抑えられているか、項目のダブルミーニングがないか確認しましょう。これらの原則をチェックすることで、データの質が保たれ、有益な分析ができるようになります。

データの前処理をする

自社が持つ膨大なデータは、そのままでは使用できません。事前に使用するデータを確認し、前処理(データクレンジング)する必要があります。前処理とは、データの中に含まれる不要な情報、欠損値や異常値を削除することです。

前処理が済んだデータはグラフ・表などを使って可視化し、コンピューターに読み込ませる定量データ「特徴量」を決めます。この特徴量は、機械学習の精度を左右する重要なものです。

データマイニングツールを導入する

分析するデータが膨大になるほど、担当者の負担は大きくなります。データマイニング技術を持つデータマイニングエンジニアがいなければ、マーケティング戦略や施策立案に時間がかかり、課題解決も遅くなります。

このようなケースでは、データマイニングツールの導入を検討しましょう。データマイニングツールを導入するメリットには以下のようなものがあります。

・データ収集、分析にかかる時間と労力が軽減できる
・専門スタッフが不在でも分析できる
・埋もれているビジネス課題を効率的に発見できる

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まとめ

データマイニングは、大量データからパターンや有益な情報を発見する技術です。データマイニングはデータ収集から始まり、加工、分析の順に行います。分析結果が出たら仮説との検証を行い、次の仮説に役立てましょう。

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