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AIに関する資格はどんなものがある?おすすめの資格や取得のメリットを解説!

目次
AI(人工知能)の需要が高まり、注目を集める中で、AI関連の資格取得を検討している方も増えているのではないでしょうか。本記事では、AI業界で注目されている資格について、初心者向けから専門的なものまで網羅的に解説します。日本ディープラーニング協会が認定するG検定やE資格はもちろん、統計検定やPython3エンジニア認定データ分析試験など、AI分野で活用できる周辺資格についても詳しく紹介。各資格の特徴や難易度、取得のメリットを理解することで、自分に最適な資格選びができます。さらに、AI業界で活躍できる職種や、資格を活かしたキャリアパスについても解説しているので、就職・転職を考えている方にも役立つ情報が満載です。
1. 将来性が期待されているAI業界
AI業界は今後さらなる成長が期待されている分野です。経済産業省の試算によると、2030年には日本のAI市界場規模は約23兆円に達すると予測されています。
1.1 AIは国が推進している注目の分野
内閣府は2019年に「AI戦略2019」を発表し、AI人材育成や研究開発の促進を国家戦略として掲げています。特に以下の3つの分野に注力しています。
分野 | 主な取り組み内容 |
---|---|
未来への基盤作り | 教育改革、研究開発体制の構築、データ基盤整備など |
産業・社会の基盤作り | 産業競争力強化、社会実装の推進、人材育成など |
倫理 | AI社会原則の策定、プライバシー保護、セキュリティ対策など |
1.2 AI関連資格も増加している
AI技術者の需要増加に伴い、AI関連の資格や認定制度も年々増加しています。2020年には日本ディープラーニング協会のG検定受験者数が1万2千人を突破するなど、AI人材の育成が本格化しています。
経済産業省の「DXレポート2」によると、2025年には最大約54.5万人のIT人材が不足すると予測されており、その中でもAI・データサイエンス人材の不足は特に深刻とされています。
このような背景から、以下のような動きが活発化しています。
- 企業によるAI人材の積極採用
- 大学等教育機関でのAI関連カリキュラムの拡充
- AI関連の資格・認定制度の新設
- 政府による人材育成支援策の実施
2. AI特化!日本ディープラーニング協会認定の資格2選
近年のAI技術の発展に伴い、専門的な知識を持つ人材の需要が高まっています。日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定する2つの資格は、AI人材の証明として高い評価を受けています。
2.1 日本ディープラーニング協会とは?
日本ディープラーニング協会(JDLA)は、ディープラーニングの活用推進と人材育成を目的として2017年に設立された一般社団法人です。AI技術の産業応用の促進や、教育プログラムの認定、資格試験の実施などを行っています。
主な活動内容 | 詳細 |
---|---|
人材育成 | G検定・E資格の運営、教育プログラムの認定 |
産業応用促進 | セミナー開催、ガイドライン策定 |
情報発信 | 最新技術動向の共有、事例紹介 |
2.2 G検定
G検定(GeneralistTest)は、ディープラーニングの基礎知識を持ち、適切な活用方針を決定できる人材を認定する資格です。主にAI事業における管理職や企画職を目指す人向けです。
項目 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 制限なし |
試験方式 | オンライン・多肢選択式 |
試験時間 | 120分 |
合格率 | 約60-70% |
受験料 | 一般:13,200円(税込) 学生:5,500円 |
2.3 E資格
E資格(EngineerTest)は、ディープラーニングの理論を理解し、実装できる技術者を認定する資格です。G検定と比較してより技術的で高度な内容が出題されます。
項目 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 認定プログラム修了者 |
試験方式 | 実技試験(会場受験) |
試験時間 | 約4時間 |
合格率 | 約60-70% |
受験料 | 33,000円(税込) |
これらの資格は、経済産業省が推進するAI人材育成施策の一環としても位置づけられており、今後さらに重要性が高まると予想されています。
3. AI時代に役立つ!その他のおすすめ資格6選
AI業界では、専門的なAI資格以外にも役立つ資格が多く存在します。ここでは、AI時代に活用できるおすすめの資格を6つ紹介していきます。
3.1 基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITの基礎知識を証明できる国家資格として広く認知されています。AI開発に必要なアルゴリズムやデータベース、ネットワークなどの基礎知識が問われます。
項目 | 詳細 |
---|---|
試験形式 | CBT方式 |
受験料 | 7,500円 |
合格率 | 約30% |
3.2 Python3エンジニア認定データ分析試験
AI開発で最も使用されているプログラミング言語Pythonのスキルを証明できる資格です。データ分析の基礎からPythonを使った実践的なスキルまでが評価されます。
項目 | 詳細 |
---|---|
主催 | 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 |
受験料 | 19,250円 |
試験時間 | 90分 |
3.3 統計検定
統計検定は、データサイエンスの基礎となる統計学の知識を評価する資格試験です。1級から準2級まで、習熟度に応じた4段階の級が設定されています。
級 | 対象者 |
---|---|
1級 | 統計学の専門家レベル |
準1級 | 実務で統計を活用する方向け |
2級 | 統計学の基礎を理解している方向け |
準2級 | 統計学の入門者向け |
3.4 ITパスポート試験
ITパスポートは、IT社会で必要とされる基礎知識を証明する国家資格です。AIやIoTなど最新のIT技術に関する出題も含まれています。
項目 | 詳細 |
---|---|
試験方式 | CBT方式 |
受験料 | 5,700円 |
合格率 | 約60% |
3.5 画像処理エンジニア検定
画像処理エンジニア検定は、画像処理技術の知識とスキルを評価する資格です。画像認識AIの開発に携わる方に特に推奨される資格です。
等級 | 特徴 |
---|---|
エキスパート | 実務レベルの専門知識を問う |
ベーシック | 基礎知識の習得度を確認 |
3.6 AWS 専門知識認定資格
AWSの専門知識認定資格は、クラウドプラットフォームでのAI/ML実装能力を証明できる重要な資格です。「Machine Learning」や「Data Analytics」などの専門分野別の認定があります。
認定種別 | 対象分野 |
---|---|
Machine Learning | 機械学習モデルの開発・実装 |
Data Analytics | データ分析・可視化 |
4. AI資格は海外にもある
AI関連の資格は日本国内だけでなく、世界的なIT企業や教育機関が提供する国際的な認定資格も多数存在します。これらの資格は、グローバルな視点でAIスキルを証明できる点が特徴です。
資格名 | 提供元 | 特徴 | 難易度 |
---|---|---|---|
Microsoft Azure AI Fundamentals | Microsoft | Azureを使ったAI開発の基礎を学ぶ | 初級〜中級 |
Google Cloud Professional ML Engineer | Google Cloud | 機械学習モデルの設計から実装まで | 上級 |
AWS Certified Machine Learning | Amazon | AWSでの機械学習サービス活用 | 中級〜上級 |
4.1 主要な海外AI資格の特徴
Microsoft Azure AI Fundamentalsは、Microsoftが提供する入門レベルの資格です。Azure上でのAIサービスの基本的な知識や、機械学習、コンピュータビジョン、自然言語処理の基礎を学ぶことができます。
Google Cloud Professional Machine Learning Engineerは、機械学習モデルの設計、実装、運用に関する高度な技術力を証明する資格です。TensorFlowやGoogle Cloud AI Platformの実践的なスキルが求められます。
AWS Certified Machine Learningは、AWSプラットフォーム上での機械学習ソリューションの開発・実装能力を証明する資格です。Amazon SageMakerなどのAWSサービスを使用した機械学習の実践的なスキルが評価されます。
4.2 海外資格取得のメリット
海外のAI資格を取得することには、以下のようなメリットがあります。
- グローバルに通用するスキルの証明になる
- 最新のAI技術トレンドを学べる
- 英語での技術理解力が身につく
- 海外企業への就職・転職に有利
4.3 受験時の注意点
海外のAI資格を受験する際は、以下の点に注意が必要です。
- 試験は基本的に英語で実施される
- オンラインでの受験が多い
- 更新期間が設定されている場合がある
- 一定の実務経験が必要な場合がある
Microsoft Azure AI Fundamentalsの詳細はこちら
Google Cloud Professional ML Engineerの詳細はこちら
5. AI関連の資格を保有するメリット
AI関連の資格を取得することには、主に3つの大きなメリットがあります。資格取得を目指す前に、これらのメリットをしっかりと理解しておきましょう。
5.1 効率的に知識を学べる
AI関連の資格取得の最大のメリットは、体系的かつ効率的に知識を習得できる点です。AI技術は日進月歩で進化しており、独学で最新動向を追うのは非常に困難です。
日本ディープラーニング協会などの公的機関が定める試験範囲に沿って学習することで、以下のような利点があります。
メリット | 詳細 |
---|---|
体系的な学習 | 基礎から応用まで、必要な知識を漏れなく習得できる |
最新技術のキャッチアップ | 試験内容は定期的に更新され、最新のAI技術動向を学べる |
学習の指針 | 明確な目標設定により、計画的な学習が可能 |
5.2 自分の能力を客観的に把握できる
資格試験の結果は、自身のAIに関する知識やスキルレベルを客観的に評価する重要な指標となります。これにより以下の能力を培えます。
- 現在の実力を正確に把握できる
- 不足している知識分野を特定できる
- キャリアプランの方向性を具体的に検討できる
5.3 アピールポイントになる
AI関連の資格保有は、就職・転職市場において大きな強みとなります。特に以下のような場面で効果を発揮します。
- AI関連部署への異動や転職時の評価材料
- AI関連プロジェクトのアサイン時の判断材料
- 給与交渉での具体的な根拠
- フリーランスとしての案件獲得時の信頼性向上
経済産業省によると、AI人材の需要は今後も継続的に増加すると予測されており、資格保有者へのニーズは更に高まることが期待されます。
6. AI業界で活躍している職種
AI業界では様々な職種が活躍しています。技術系から企画・営業系まで、それぞれの職種で求められるスキルや役割は異なります。以下でAI業界の主要な職種について詳しく解説します。
6.1 AIエンジニア
AIエンジニアは、機械学習やディープラーニングを活用したAIシステムの開発・実装を行う技術者です。
必要なスキル | 主な業務内容 |
---|---|
・Python、R等のプログラミング言語 ・機械学習フレームワーク(TensorFlow, PyTorch等) ・統計/数学の知識 |
・AIモデルの設計と実装 ・データの前処理と分析 ・システムの性能評価と改善 |
6.2 AIプランナー
AIプランナーは、クライアントの課題を分析し、AIを活用したソリューションを企画・提案する職種です。技術的な知識とビジネス感覚の両方が求められます。
必要なスキル | 主な業務内容 |
---|---|
・AI技術の基礎知識 ・プロジェクトマネジメント力 ・コミュニケーション能力 |
・要件定義と企画立案 ・クライアントとの折衝 ・プロジェクト進行管理 |
6.3 セールスエンジニア
セールスエンジニアは、AIソリューションの提案営業を行う専門職です。技術的な知識を活かしながら、クライアントのニーズに合わせた提案を行います。
必要なスキル | 主な業務内容 |
---|---|
・AI/IT技術の知識 ・プレゼンテーション能力 ・商談力 |
・製品デモンストレーション ・技術的な提案資料作成 ・導入支援とアフターフォロー |
6.4 データサイエンティスト
データサイエンティストは、大規模なデータを分析し、AIモデルの開発や業務改善に活かす専門職です。統計的手法を用いてデータから価値のある知見を導き出します。
必要なスキル | 主な業務内容 |
---|---|
・統計解析 ・機械学習アルゴリズム ・データ可視化技術 |
・データ収集と前処理 ・統計モデリング ・分析結果のレポーティング |
これらの職種は経済産業省が発表したIT人材の動向分析でも重要性が指摘されており、今後さらなる需要の増加が見込まれています。
7. AI業界は先を見据えた就職・転職がポイント
AI業界での就職・転職を考える際は、単に今の人気や給与だけでなく、将来を見据えた戦略的な選択が重要です。AI技術は急速に進化しており、企業の取り組み方や将来性によって、キャリアの可能性が大きく変わってきます。
7.1 業界・企業選びのポイント
企業選びでは、以下の3つの観点から評価することが重要です。
評価項目 | チェックポイント |
---|---|
技術力 | ・最新のAI技術への投資状況 ・研究開発体制 ・技術者の育成プログラム |
ビジネスモデル | ・AI活用の具体的な戦略 ・収益モデルの持続可能性 ・市場での競争優位性 |
組織文化 | ・イノベーションへの姿勢 ・継続的学習の支援 ・ワークライフバランス |
7.2 キャリアパスを見据えた準備
AI業界でのキャリア構築には、技術スキルと業務スキルの両方を継続的に向上させることが不可欠です。具体的には以下のスキルが体得できます。
- 最新のAI技術トレンドのキャッチアップ
- 業界特有の専門知識の習得
- プロジェクトマネジメントスキルの向上
- コミュニケーション能力の強化
7.3 転職市場の動向を把握する
経済産業省の調査によると、AI人材の需要は2030年までに約12.4万人不足すると予測されています。このような市場動向を踏まえ、自身のスキルセットが市場ニーズと合致しているか定期的に確認することが重要です。
7.4 リスキリングの重要性
AI分野では技術の陳腐化が早く、継続的なスキルアップデートが不可欠です。以下の取り組みが推奨されます。
- オンライン学習プラットフォームの活用
- 業界カンファレンスへの参加
- AI関連の資格取得
- 実践的なプロジェクト経験の蓄積
8. まとめ
AI関連の資格として、日本ディープラーニング協会が提供するG検定とE資格は、AI特化型の資格として注目を集めています。また、基本情報技術者試験やPython3エンジニア認定データ分析試験、統計検定なども、AI業界で活躍するために有効な資格として挙げられます。
これらの資格を取得することで、体系的な知識の習得が可能となり、スキルの客観的な評価にもつながります。AI業界では、AIエンジニアやデータサイエンティストなど、様々な職種で活躍の場が広がっています。
特に政府が推進するAI戦略2022においても重要視されている分野であり、今後さらなる成長が期待されます。資格取得を目指す際は、自身のキャリアプランに合わせて、段階的に取得していくことをお勧めします。AI技術の進化は目覚ましく、継続的な学習と実践が重要となるでしょう。

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