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在庫ロスの種類と計算方法は?自動化の導入で効率的に損失を防ぐ!

 

在庫を抱える企業にとって、在庫ロスは利益に直結する重要な問題です。どのような方法で、在庫ロスを削減すればよいのでしょうか。

この記事では、在庫ロスの計算方法や削減対策を紹介します。最後まで読めば、自社がどのような在庫ロスを抱えているか把握でき、現状に適した在庫ロス対策が見つかるでしょう。

主な在庫ロスの種類


在庫ロスは、原因や定義の違いで「機会ロス」「廃棄ロス」「棚卸しロス」「商品ロス」の4つに分かれます。原因が異なれば、適切な対策も変わります。それぞれがどのような在庫ロスを指しているのか、違いをチェックしましょう。

機会ロス

機会ロスとは、在庫があれば販売できたにもかかわらず、欠品していたことで販売機会を逃す在庫ロスです。機会ロスの原因として、市場ニーズを把握できていないことが挙げられます。

顧客がどの商品を求めているのか、リサーチ不足であれば需要予測ができず、適切な発注もできません。在庫管理がしっかりと行われていないと、在庫があっても店舗に並べられず、機会ロスにつながります。

廃棄ロス

廃棄ロスとは、在庫の廃棄や値引きの際に起こる在庫ロスです。廃棄ロスが起こる原因には、過剰仕入れが挙げられます。販売機会の損失を防ぐために余裕のある数を仕入れても、売れなければ廃棄せざるを得ません。

廃棄ロスが発生すれば、利益が得られないばかりか、廃棄コストがかかります。廃棄ロスと機会ロスの最適なバランスを見極め、在庫量を確保することが大切です。

棚卸しロス

棚卸しロスとは、実地棚卸しの数量より帳簿上の記録在庫数が少ないことで起こる在庫ロスです。棚卸しロスが起こる原因には、在庫の数量把握ミスが挙げられます。日常業務である検品作業や定期的な棚卸しで数え間違いが起こると、棚卸しロスにつながるでしょう。

他にも、在庫仕入れ後のデータ入力忘れ、入力間違い、在庫計上の遅れも棚卸しロスにつながる要因です。

商品ロス

商品ロスとは、帳簿上の記録在庫数より実地棚卸し数量が少ないことで起こる在庫ロスです。少ない分は売り上げにつながらないため、企業の利益に大きな影響を及ぼします。

商品ロスは、在庫仕入れ時の入力ミスやレジの操作ミスといったヒューマンエラーによって起こります。意図的に社員が持ち帰る内部要因や万引きなどの外部要因も、商品ロスにつながる原因です。

在庫ロス率は計算できる

適切な在庫数をキープするために、現状どれほどの在庫ロスが発生しているか、具体的な数値を割り出します。在庫ロスの計算式は以下の通りです。

在庫ロス金額=販売額×在庫ロス個数+値引き額×値引き個数
在庫ロス率=在庫ロス金額÷売上高×100

商品を50個仕入れて、1,000円で30個、200円値引きした800円で10個販売し、10個売れ残った場合、下記の計算式で在庫ロス率を算出します。

在庫ロス金額=1,000×10+200×10=1万2,000円
売上高=1,000×30+800×10=3万8,000円
在庫ロス率=1万2,000÷3万8,000×100=約31%

在庫ロスの会計処理


正しい決算書を作成するには、棚卸減耗損と商品評価損の計算が必要な場合があります。どちらも会計処理で使いますが、現場の担当者も計算方法を知っておくことでコストへの意識が高まり、効率的な在庫管理や売り上げアップに生かせるでしょう。

棚卸減耗損の計算方法

破損・紛失・在庫管理ミス・入出庫記録漏れなどを理由に、帳簿上の在庫数と実地棚卸し数量に差が生じることがあります。帳簿上の在庫数より実地棚卸し数量が少ない場合、棚卸減耗損として会計処理しなくてはなりません。

棚卸減耗損の計算式は下記の通りです。

棚卸減耗損=(帳簿上数量-実地棚卸し数量)×原価

例えば、200円で仕入れた商品が帳簿上では100個、実際には90個あるケースの棚卸減耗損は、(100-90)×200=2,000円です。

棚卸減耗損の計算では、時価は考慮しません。原価のみを用いることに注意しましょう。

商品評価損との相違点

商品評価損は、在庫過多や仕入れから長時間経過したことを理由に商品価値が低下した場合の会計処理です。

在庫数の減少時に計算する棚卸減耗損とは異なり、商品評価損は商品の時価が仕入れ額より低くなった場合に処理します。時価のほうが高ければ、商品評価損の会計処理は必要ありません。

例えば、衣類のように季節や流行の影響を受けやすい商品の場合、売れる時期が過ぎると在庫として残るだけでなく商品価値も低下します。そのような状況では、原価と時価に基づいて商品評価損を計算します。

商品評価損の計算式は以下の通りです。

商品評価損=(原価-時価)×実地棚卸し数量

200円で仕入れて100円まで値が落ちた商品が50個あるケースの商品評価損は、(200-100)×50=5,000円です。

在庫ロスを削減するための対策


在庫ロスが起きている状態をそのまま放置すると、企業利益や経営状況にも影響を及ぼしかねません。ここでは、在庫ロス削減に向けた対策を2つ紹介します。自社の現状と照らし合わせ、適切な方法を見極めましょう。

人的ミスや不正の防止

万引きの被害は、在庫ロスに直結します。万引きを防ぐには、防犯カメラの設置や警備システムの導入が有効です。バックヤード在庫からの持ち出しにも注意しましょう。店内だけでなく、バックヤードにも防犯カメラを設置することで、不正ができない環境づくりにつながります。

棚卸しや検品時のミスが在庫ロスの原因の場合、ピッキングツールの導入が効果的です。業務経験を問わず、商品がどの場所にいくつあるのかを把握できることから、人的ミスを減らせます。

在庫管理システムの導入

在庫ロス削減を目指すには、適正な在庫数をキープすることが大切です。そのためには、市場トレンドや気候変動によるニーズの変化を考慮しなくてはなりません。また、属人化している場合、在庫の数え間違いや入力ミスが起こるリスクがあります。

在庫管理システムを導入することで、在庫の正しい数量を把握できるでしょう。賞味期限や製造日も一括管理できるため、廃棄ロス削減にも効果があります。

在庫ロス削減に役立つ自動化とは


在庫管理や発注業務といった属人化しやすい業務の自動化は、在庫ロスの削減につながります。自動化の具体的な手段は、DXへの取り組みとIoTの活用です。ここでは、DXとIoTがどのように在庫ロス削減につながるのかを解説します。

DX

DX(Digital Transformation)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革し、人々の生活をより良いものに変えることです。例えば、AIカメラを導入して棚卸しを自動化すれば、棚卸しロスを削減できます。発注プロセスの自動化は、機会ロス削減につながるでしょう。

IoT

IoT(Internet of Things)は、さまざまな物をインターネットとつなぐ技術です。インターネットにつなぐことで、相互情報伝達が実現します。

在庫をシステムとひも付ければ、在庫管理の自動化が可能です。在庫状況をリアルタイムで管理できるため、生産性向上や在庫ロス削減が期待できます。

在庫ロス削減に成功した事例3選


在庫ロス削減につながる具体的な対策が分かったら、実際の成功事例をチェックしましょう。自社でやれることは何かイメージしやすくなり、効果的な対策が可能です。ここでは、企業の成功事例を3つ紹介します。

倉庫在庫の適正化

製造業を営む企業では、在庫管理に自社倉庫と協力会社の倉庫を使用していました。それぞれの拠点で在庫を管理していたため、担当者は在庫の有無の問い合わせ対応に追われ、残業時間も多い状態でした。

スマートフォンやパソコンで在庫状況を確認できるシステムを導入したことで、担当者の負担軽減を実現しています。

在庫管理ツールの見直し

在庫管理にExcelを活用していた企業では、取扱商品の数が膨大なことから、ピッキング作業の効率の低さに課題を抱えていました。

場所を問わず在庫情報が確認できる管理ツールを導入し、ハンディーターミナルと連携することでピッキング作業の効率化を実現しています。

Excelを使った在庫管理はコスト面や使いやすさに関してメリットがある一方で、複雑な処理には向いていません。在庫管理に特化したツールを導入するのがおすすめです。

データ連携のスピードアップ

インターネット通販と実店舗販売を行う企業では、別々に在庫を管理することで情報更新が遅れ、システム上の在庫数と実在庫数に差が生じていました。

実店舗で収集したPOSデータとインターネット通販の受注データを素早く連携するシステムを導入したことで、タイムリーな在庫管理を実現しています。

UMWELTで業務を自動化して在庫ロスを防ごう!


在庫管理を特定の担当者に任せていて、最適な在庫管理ができない企業様には、TRYETINGのUMWELTをおすすめします。UMWELTは、日々のデータを生かして需要予測・在庫管理を自動化するツールです。

ここでは、UMWELTの特徴と在庫ロス削減を実現した事例を紹介します。

ノーコード予測AIで業務を自動化

UMWELTは、販売実績・顧客属性・天候・為替などあらゆるデータを自動分析することで、需要予測が可能です。在庫計算のアルゴリズムを使い、需要予測データと組み合わせれば、最適な在庫管理につながるでしょう。自動発注機能も備えており、業務の効率化が図れます。

AIを扱うものの、プログラミング言語など専門的な知識は必要ありません。既存の社員だけで在庫ロス削減を目指せます。

成功事例

UMWELTを導入して在庫ロス削減に成功した企業様を紹介します。繊維系卸売業を営む企業様では、予測精度が低いことから生産予測数値よりも余分に生産し、欠品を防いでいました。

UMWELT導入後は、過去のデータに基づいた生産数の最適化を実現しています。在庫回転率がアップしただけでなく、在庫保有量も削減できました。UMWELTは、多様な製品を取り扱う卸売業でも、高い精度の需要予測が可能です。

(参考: 『【繊維系卸売業者様】UMWELT活用事例|AI技術を活用した在庫生産管理エンジンによって在庫回転率を1.5倍に|TRYETING』

まとめ

在庫ロスは、企業の利益損失に直結します。在庫ロス削減を目指すなら、実際の在庫ロスを計算し、現状を把握することから始めましょう。社内全体で計算方法を共有し、在庫ロスについて理解を深めることも大切です。

在庫ロス削減を目指すなら、TRYETINGのUMWELTがおすすめです。UMWELTは、簡単な操作で在庫管理・需要予測ができます。TRYETINGのWebサイトには企業の導入事例もありますので、ぜひご覧ください。

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